民主統一党と自由シリア軍がラアス・アイン市内での合同の検問所設置などを骨子とする停戦合意を結ぶ、ブラーヒーミー共同特別代表はアラブ連盟事務総長との会談のなかでハティーブ議長による対話イニシアチブを高く評価(2013年2月17日)

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国内の動き(シリア政府の動き)

ワーイル・ハルキー首相は人民議会で演説し、トルコを初めとする避難民受け入れ国が「シリア人避難民・被災者の数が60万人に達した」と述べたことを明らかにした。

「事実と異なる架空のデータベースを提示しているが、これらの国のキャンプにいる避難民・被災者の数は20万人以下だと言おう」と述べた。

そのうえでハルキー首相は「ヨルダン、レバノン、トルコで最近起きているように、近隣諸国への物的支援供与のため、避難民が物心面で取引材料となっていることは非常に遺憾だ」と付言した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(2月17日付)によると、シャイフーニーヤ村郊外、マルジュ・スルターン村、ドゥーマー市、スバイナ町、カーラ市郊外、ヤブルード市郊外、ダーライヤー市、マダーヤー町、ハジャル・アスワド市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、アッラーの獅子大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月17日付)によると、カフルヤーヤー市、アイン・スーダー村、シュグル市、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺、アリーハー市、タッル・カッブー村、グルバール村などで、軍が反体制武装勢力の追撃・攻撃を続け、ファールーク大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月17日付)によると、タッル・フワーシュ村などで、軍が反体制武装勢力の追撃・攻撃を続け、ファールーク大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(2月17日付)によると、アレッポ市ナイラブ地区、マイサル地区、トゥラーブ地区、旧市街、サーフール地区などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月17日付)によると、ハウラ地方、ラスタン市郊外などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き・クルド民族主義勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(2月17日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市で、民主統一党と自由シリア軍が、市内での合同の検問所設置などを骨子とする停戦合意を行った、と報じた。

停戦合意の主な内容は以下の通り:

1. ラアス・アイン市の完全武装解除
2. ラアス・アイン市の自治運営を目的とする地元評議会の設置
3. 民主統一党人民防衛隊と反体制武装勢力の合同検問所の設置
4. ハサカ県内の都市解放のための人民防衛隊と自由シリア軍の協調

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ユーフラテス通信(2月17日付)は、シリア・クルド民主党(アル・パールティ)アブドゥルハキーム・バッシャール派の民兵が同通信社のジューディー・ダッハーム特派員をハサカ県ダイリーク市で拉致した、と報じ、非難した。

レバノンの動き

AFP(2月17日付)は、ヒズブッラー高官(匿名)の話として、ヒムス県クサイル地方で反体制武装勢力が16日、シリア在住のシーア派レバノン人3人を殺害、13人を負傷させたと報じた。

同高官は、殺害されたレバノン人住民が「自衛」行為を行っていたことを認めたが、ヒズブッラーのメンバーだったかどうかは言及しなかった。

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自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官を名乗るルワイユ・ミクダードはムスタクバル・テレビ(2月17日付)に対して、ヒズブッラーがシリア領内の5つの村に展開し、戦闘を行っている、と非難した。

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自由シリア軍「最高評議会報道官」を名乗るルワイユ・ミクダードは、『ナハール』(2月18日付)に対して、ヒムス県クサイル地方でのレバノン人と反体制武装勢力の戦闘をヒズブッラーの攻撃と断じたうえで、「シリア政府の空軍との連携にもとに行われた…前例のない侵略」だと批判した。

またこの攻撃が、ヒズブッラーの「ムスタファー・バドルッディーンとワフィーク・サファー」の監督のもとに行われたと断じた。

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自由シリア軍「最高評議会報道官」を名乗るルワイユ・ミクダードは一方、LBCI(2月17日付)に対して、ヒムス県の村を攻撃したヒズブッラーの戦闘員40人以上が死亡したと述べるとともに、「ナスルッラーの演説が終わるとともに攻撃が開始された」と付言した。

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NNA(2月17日付)は、レバノン民主党のタラール・アルスラーン党首がダマスカスを訪問し、アサド大統領と会談した、と報じた。

諸外国の動き

『ハヤート』(2月17日付)は、モサドに近いイスラエルの複数の消息筋の話として、1月30日のダマスカス郊外県ジャムラーヤーの軍科学研究センターへの空爆が、イラン・イスラーム革命防衛隊メンバーのハサン・サーティリー議長の暗殺を目的としていたことを明かした、と報じた。

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イスラエル国防省のアモス・ゲラルド政治問題担当官はイスラエル軍のラジオ(2月17日付)で、[現在のところ、シリアが保有する化学兵器はアサド政権の管理下にある」としたうえで、「国際社会の圧力のもと、シリア政府はこれらの武器が反体制勢力の手に渡ることを許さなかったが、シリア政府は崩壊過程にあり、常に注意が必要だ」述べた。

また「アル=カーイダやヒズブッラーといったテロ組織がシリアで勢力を強めている」と警鐘を鳴らした。

一方、16日、ゴラン高原(シリア領内)での軍と反体制武装勢力の戦闘で負傷したシリア人7人がイスラエルの病院に搬送され治療を受けているとの報道に関して、ジェラルド担当官は、「個人として人道支援を求めてきた」と認めたもの、搬送されたシリア人が反体制武装勢力の戦闘員か軍の兵士かを明言しなかった。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長とカイロで会談した。

会談後、ブラーヒーミー共同特別代表は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長による対話イニシアチブに関して「シリアの危機の政治的解決を再生した」と高く評価した。

そのうえで「反体制勢力とシリア政府の許容可能な使節団との対話が国連のどこかの本部で始まれば、トンネルから抜け出ることの始まりとなろう」と期待感を寄せた。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、記者団に対してトルコ政府がアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の紛争解決に向けたイニシアチブを常に支援してきたと述べる一方、「シリア政府がすべてのイニシアチブに常に消極的に対応してきた」と非難した。

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これに対して、ヨルダンのザアタリー避難民キャンプの運営を担当するインマール・ハンムードは、2011年3月以降、37万9785人のシリア人避難民がヨルダンに入国、うち8万3000人がザアタリー避難民キャンプに収容されている、と述べた。『ハヤート』(2月18日付)などが報じた。

AFP, February 17, 2013、Akhbar al-Sharq, February 17, 2013、al-Hayat, February 17, 2013, February 18, 2013、Kull-na Shuraka’, February 17, 2013、al-Kurdiya
News, February 17, 2013、LBCI, February 17, 2013、al-Mustaqbal TV, February
17, 2013、al-Nahar, February 18, 2013、Naharnet, February 17, 2013、NNA, February 17, 2013、Reuters, February 17, 2013、SANA, February 17, 2013、UPI, February 27, 2013などをもとに作成。

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