米主導の有志連合はシリア民主軍のマンビジュ解放作戦の戦果を発表する一方、国防総省はラッカ県でのシリア軍の進軍を支援するロシアとの連携を否定(2016年6月7日)

米中央軍(CENTCOM)は、6月6日のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

発表によると、有志連合はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して35回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は18回で、マンビジュ市近郊(15回)、マーリア市近郊(3回)に対して攻撃が行われた。

なお、CENTCOMによると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がマンビジュ解放作戦を開始した6月2日以降、有志連合は同地一帯に105回以上の空爆を実施、シリア民主軍は有志連合の空爆支援を受け、ダーイシュの拠点108カ所、車輌31輌、重火器17門、武器庫2カ所、爆弾を積んだ車輌1台を破壊、344平方キロメートルの土地をダーイシュ(イスラーム国)から奪還したという。

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米国防総省のピーター・クック報道官は記者会見で、米主導の有志連合が支援するシリア民主軍(西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊主導)によるマンビジュ解放作戦と、ロシア軍が支援するシリア軍のラッカ県進軍作戦に関して「地上での活動において直接の軍事的連携はない」と述べた。

AFP, June 7, 2016、AP, June 7, 2016、ARA News, June 7, 2016、Champress, June 7, 2016、al-Hayat, June 8, 2016、Iraqi News, June 7, 2016、Kull-na Shuraka’, June 7, 2016、al-Mada Press, June 7, 2016、Naharnet, June 7, 2016、NNA, June 7, 2016、Reuters, June 7, 2016、SANA, June 7, 2016、UPI, June 7, 2016などをもとに作成。

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