米主導の有志連合所属と思われる無人戦闘機がイドリブ県でシャーム・ファトフ戦線の司令官が乗った車を爆撃する一方、ロシア・シリア両軍はアレッポ市東部を激しく爆撃し、30人以上が死亡(2016年10月17日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(シリア軍かロシア軍かは判別不明)が反体制武装集団(アレッポ・ファトフ軍作戦司令室)の支配下にあるアレッポ市東部のマルジャ地区を空爆し、子供9人を含む13人が死亡、数十人が負傷した。

民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット)は、この空爆がロシア軍によるものだと断じたうえで、一家14人全員が死亡したと発表した。

またこれに先だって、16日には、ロシア軍がカーティルジー地区を空爆し17人が死亡、16日の1日だけで30人以上が死亡したのだという。

一方、アレッポ市南西部の第1070集合住宅建設地区、ハーン・トゥーマーン村一帯では、シリア軍、親政権武装勢力が反体制武装集団(ファトフ軍)と交戦、シリア軍側がハーン・トゥーマーン村近郊の複数拠点を制圧した。

他方、SANA(10月17日付)によると、シリア軍がアレッポ市南部のシャイフ・サイード地区、シャルファ地区、ウワイジャ地区で反体制武装集団(シャーム・ファトフ戦線やアレッポ・ファトフ軍作戦司令室)と交戦し、戦闘員49人を殲滅した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イドリブ市ワーディー・ナスィーム地区シャーム・ファトフ戦線司令官が乗った車が、無人航空機の空爆を受け、乗っていた司令官が死亡した。

クッルナー・シュラカー(10月17日付)によると、空爆を行ったのは有志連合の無人戦闘機だと思われる。

また、ハーミディーヤ町にあるシャーム自由人イスラーム運動の拠点近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発した。

SNN, October 17, 2016

SNN, October 17, 2016

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマアルダス村、イスカンダリーヤ村一帯で反体制武装集団(ファトフ軍)と交戦、反体制武装集団戦闘員10人が死亡した。

また戦闘機(所属明示せず)がラターミナ町一帯を空爆し、1人が死亡した。

一方、SANA(10月17日付)によると、シリア軍が県北部のタイバト・イマーム市、スーラーン市、ムーリク市南部、ラターミナ町でファトフ軍の拠点を空爆した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がザーキヤ町を砲撃、戦闘機(所属明示せず)がハーン・シャイフ・パレスチナ難民キャンプ郊外の農場地帯を空爆した。

一方、SANA(10月17日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにハーン・シャイフ・パレスチナ難民キャンプ郊外の農場地帯でシャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団に対して特殊作戦を敢行し、アブー・スィーヤ丘南東部の4つの建物群を制圧した。

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ダルアー県では、ARA News(10月17日付)によると、シリア軍がイブタア町に突入を試みた。

一方、SANA(10月17日付)によると、シリア軍がダルアー市ビラール・ハバシー・モスク一帯、旧税関地区北東部、アルバイーン地区、タファス市でシャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、SANA(10月17日付)によると、シリア軍がラスタン市南部一帯でシャーム・ファトフ戦線の拠点を空爆した。

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ラタキア県では、SANA(10月17日付)によると、シリア軍がカッバーニー村一帯、カフルサンドゥー山行った、バアルバーヤー村一帯の反体制武装集団の拠点を空爆した。

AFP, October 17, 2016、AP, October 17, 2016、ARA News, October 17, 2016、Champress, October 17, 2016、al-Hayat, October 18, 2016、Iraqi News, October 17, 2016、Kull-na Shuraka’, October 17, 2016、al-Mada Press, October 17, 2016、Naharnet, October 17, 2016、NNA, October 17, 2016、Reuters, October 17, 2016、SANA, October 17, 2016、UPI, October 17, 2016などをもとに作成。

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