シリアの諜報機関トップ、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長がエジプトを公式訪問(2016年10月17日)

アリー・マムルーク国民安全保障会議議長(シリアの諜報機関のトップ)がエジプトの首都カイロを公式訪問し、エジプトの国家安全保障機構のハーリド・ファウズィー副議長らエジプトの治安関係幹部と会談した。

会談では、シリアとエジプト両国の政治姿勢および「テロとの戦い」における連携強化が合意された。

SANA(10月17日付)が伝えた。

SANAは、マムルーク議長らシリア治安当局使節団の訪問が、エジプト政府の要請に基づくものだと伝えたが、『ハヤート』(10月18日付)がカイロの複数の消息筋から得た情報によると、訪問は、8日にロシアが提出したアレッポ市東部での停戦や人道支援物資搬入を定めた国連安保理決議案にエジプトが賛成票を投じたことへの謝意を示すためとして、シリア政府側が要請したのを受け、実現したという。

なお10月8日には、フランス・スペインの主導のもとに56カ国が共同提案した決議案も採決され、エジプトは賛成票を投じたが、いずれの決議も否決された。

同消息筋によると、マーリク議長とエジプト治安関係者との会談は、政治問題および安全保障問題の二つを問題について意見を交わし、政治問題をめぐっては、マーリク議長は、エジプト側に対して、アレッポ市からの「テロ組織」の排除に向けて、国連安保理などでの連携を継続することを要請するとともに、シリアを中東地域に拡散しようとしている「テロ」の脅威に対処すると位置づけ、支援するよう求めたという。

また安全保障問題に関しては、エジプト側がシリア国内で活動する「テロ組織」に参加しているエジプト人の個人情報の開示や身柄引き渡しをシリア側に要請、情報交換などでの協力を行うことで合意したという。

SANA, October 17, 2016

SANA, October 17, 2016

 

AFP, October 17, 2016、AP, October 17, 2016、ARA News, October 17, 2016、Champress, October 17, 2016、al-Hayat, October 18, 2016、Iraqi News, October 17, 2016、Kull-na Shuraka’, October 17, 2016、al-Mada Press, October 17, 2016、Naharnet, October 17, 2016、NNA, October 17, 2016、Reuters, October 17, 2016、SANA, October 17, 2016、UPI, October 17, 2016などをもとに作成。

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