ロシア軍参謀本部機動総局のセルゲイ・ルドスコイ局長は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とロシアの合意に従い、アレッポ県マンビジュ市南部郊外のシリア民主軍支配地域にシリア軍部隊が進駐する準備を完了したと発表した。
ルドスコイ局長はまた、トルコ軍および同軍の全面支援を受けるハワール・キリス作戦司令室が制圧したバーブ市一帯で1月以降開始した空爆により、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点約300カ所を破壊したことを明らかにした。
さらに、シリア軍によるヒムス県タドムル市奪還作戦では、ロシア軍の顧問2人が作戦実施を監督していたと述べた。
なお、ロシア軍戦闘機は2月、991回の出撃を実施、2,306の標的を破壊したという。
一方、ダーイシュ以外の反体制武装集団に対する「テロとの戦い」では、ロシア軍戦闘機Su-24が、ラスム・アイス村一帯でシャーム解放機構の拠点を2発のバンカー・バスターBETAB-500で空爆し、北コーカサスおよび中央アジア諸国出身の司令官19人を含む戦闘員67人を殲滅したと発表した。
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タスニーム通信(3月5日付)によると、タドムル市奪還作戦には、イラン在住のアフガン人(ハザラ人)が大多数を占める民兵組織のファーティミーユーン旅団が戦闘に参加していたという。
AFP, March 3, 2017、AP, March 3, 2017、ARA News, March 3, 2017、Champress, March 3, 2017、al-Hayat, March 4, 2017、Iraqi News, March 3, 2017、Kull-na Shuraka’, March 3, 2017、al-Mada Press, March 3, 2017、Naharnet, March 3, 2017、NNA, March 3, 2017、Reuters, March 3, 2017、SANA, March 3, 2017、Tasnim News Agency, March 5, 2017、UPI, March 3, 2017などをもとに作成。
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