カザフスタンの首都アスタナで、シリア政府と反体制武装集団の代表団による和平協議「アスタナ3会議」が開幕した。
だが、反体制武装集団の代表団は、シリア・ロシア両軍による停戦違反を理由に参加をボイコットした。
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反体制武装集団の代表団の団長を務めるイスラーム軍のムハンマド・アッルーシュ氏は声明を出し、アスタナ3会議への参加をボイコットすると発表した。
ヒムス市ワアル地区からの「強制移住」(反体制武装集団の退去)、ダマスカス郊外県東グータ地方、ダマスカス県バルザ区、カーブーン区などへのシリア軍の攻撃、逮捕者の拘留継続がその理由だという。
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一方、バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表が団長を務めるシリア政府代表団はアスタナでロシアとイランの代表団と個別に会談した。
会談後、ジャアファリー国連シリア代表は、反体制武装集団の代表団がアスタナ入りしていないことに関して、「彼らが出席しようがしまいが、それは反体制武装集団ではなく彼らを操っているものが下した決定だ。問題は会議の保証国である3カ国に関わる政治的な問題で、そのうちの1カ国、つまりはトルコが約束を履行していないのなら…、この国が反体制武装集団に出席を要請しなければならない」と述べた。
SANA(3月15日付)が伝えた。
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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、反体制武装集団によるアスタナ3会議ボイコットに関して、「停戦違反を主張することは、交渉への不参加の理由とはなり得ない。なぜなら、停戦発効後もすべての段階で違反は生じているからだ」と非難した。
しかし同時に、ロシア外務省が反体制武装集団側との連絡を取り続け、参加を説得していると付言した。
AFP, March 14, 2017、AP, March 14, 2017、ARA News, March 14, 2017、Champress, March 14, 2017、al-Hayat, March 15, 2017、Iraqi News, March 14, 2017、Kull-na Shuraka’, March 14, 2017、al-Mada Press, March 14, 2017、Naharnet, March 14, 2017、NNA, March 14, 2017、Reuters, March 14, 2017、SANA, March 14, 2017、UPI, March 14, 2017などをもとに作成。
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