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アサド政権の動き
シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は国連の潘基文事務総長にワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣の書簡を提出した。
同書簡は「レバノン・シリア国境付近がシリアとシリア国民の安全に干渉するアル=カーイダとシリア・ムスリム同胞団のテロ分子の「培養器」になっている」ことに抗議する内容で、レバノン領内の国境地帯に「武器集積所」が作られて海路、空路で一部の国からレバノンに武器が運び込まれ、シリア領内に密輸されている、と指摘している。
また「サラフィー主義者やムスタクバル潮流が国境地帯で統括する一部の慈善団体事務所が…アル=カーイダやムスリム同胞団のテロ分子の受入、潜伏先となっている」と断じている。
さらに負傷した反体制武装活動家が「これらの組織が運営し、サウジアラビアやカタールの資金援助を受けている病院や診察所で、名前を偽り治療を受けている」と指摘している。
他方、自由シリア軍に関しては、リヤード・アスアド大佐が「レバノン領内に緩衝地帯を設置する準備をするため、最近レバノンを訪れた」と告発している。
国内の暴力
ロンドンで活動するシリア人権監視団など反体制組織は、各地で金曜礼拝後に反体制デモが発生し、軍・治安部隊の弾圧、砲撃で死傷者が出たと宣伝した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団やアレッポ調整連合などによると、アレッポ大学内でUNSMISが監視をするなかで、2011年3月の「抗議行動開始以降最大規模のデモ」が発生した。
またアレッポ市のサラーフッディーン地区、スッカリー地区などでもデモが発生し、「国民は自由シリア軍の武装を望む」といったシュプレヒコールを連呼、治安維持部隊が実弾を発砲し強制排除した。
フェイスブックなどでは、「アレッポ大学の英雄達の金曜日」と銘打って反体制デモが呼びかけられていた。
一方、SANA(5月18日付)によると、アレッポ市で武装テロ集団がしかけた爆弾が爆発し、治安維持部隊兵士1人が死亡した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、バサーティーン市で激しい爆発が複数回発生し、その後銃撃戦があった。
またドゥーマー市、タッル市で反体制デモが発生し、治安部隊が発砲、複数名が負傷、多数を逮捕しした。
一方、SANA(5月18日付)によると、治安維持部隊がムライハ市近くの街道で600キロの爆発物を積んだ盗難車を発見し、爆弾を解除・押収した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、タダームン区で治安部隊がデモ参加者追跡中に市民2人を射殺した。
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ヒムス県では、軍・治安部隊がラスタン市に対して砲撃を続けた。
またヒムス市で発生したデモに対して、治安部隊が発砲し、1人が死亡した。
一方、SANA(5月18日付)によると、タルビーサ市郊外で武装テロ集団が治安維持部隊兵士1人を殺害した。
また国境警備隊がレバノン領内からタッルカラフ地方に潜入しようとした武装テロ集団を交戦し、テロリスト1人を殺害し、多数を負傷させた。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ビンニシュ市などで反体制デモが発生した。
一方、SANA(5月18日付)によると、カフル村で爆弾を積んだ車が爆発し、乗っていたテロリスト3人が死亡した。
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ハマー県では、ハマー革命報道局報道官のマリヤム・ハマウィーヤ女史によると、カフルズィーター市などで反体制デモが発生した。
またシリア人権監視団によると、ハマー市で子供1人が殺害された。
一方、SANA(5月18日付)によると、ハマー市では武装テロ集団がしかけた爆弾の撤去作業中に爆弾が爆発し、治安維持部隊兵士1人が死亡した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タスィール町で反体制デモが発生した。
またジャースィム市やジーザ町で、治安部隊の突入で子供2人が殺害された。
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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カーミシュリー市など各地でクルド人らが反体制デモを行った。
反体制勢力の動き
自由シリア軍のリヤード・アスアド大佐は声明を出し、レバノンのアラブ民主党のリフアト・イード党首(アラウィー派)が「レバノン国家への陰謀を企て、外国の「アラブ軍」(シリア軍)を北部(県)に招き入れようとしている」と批判した。
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ロンドンで反体制活動を行うシリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長はAFP(5月18日付)に対して、各地で反体制デモが発生、数万人が参加、その規模は4月のアナン特使の停戦案履行以降最大規模だった、と述べた。
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シリア人権擁護連盟は声明を出し、シリア司法当局が反体制活動家のムハンマド・アブドゥルマウリー・ハリーリー氏(4月16日逮捕)を「反逆罪」で有罪とし、死刑判決を下したと発表した。
同声明はこの判決に関して、「残虐な拷問によって」得られた証言をもとにした判決であり無効だと抗議した。
レバノンの動き
ナジーブ・ミーカーティ首相は、シリアのバッシャール・ジャアファリー国連大使が潘基文事務総長に提出した書簡に関して、レバノン政府が国境警備やテロ活動抑止に全力を挙げているとしたうえで、領土侵犯がシリア側から行われており、両国の国境通過をめぐる問題が複雑で、その警備が困難であることを皆が知っていると反論、そのうえで国境をめぐる両国の対立を煽る行為だと非難した。
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ムスタクバル潮流は、シリアのバッシャール国連大使が潘基文事務総長に提出した書簡に関して、「(シリア)政府のあからさまな犯罪から注意をそらすためのでっち上げ」と非難した。
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AFP(5月18日付)によると、トリポリ市のバーブ・タッバーナ地区とジャバル・ムフスィン地区で、少なくとも四発の砲弾・手榴弾が着弾・爆発し、住民3人が負傷した。
LBC(5月18日付)によると、四発のうち1発はジャバル・ムフスィン地区に着弾、3発は同地区からバーブ・タッバーナ地区に撃ち返されたという。
諸外国の動き
ロバート・ムードUNSMIS司令官は、ダマスカスで記者会見を開き、「可能な限り早く安定を回復させるために当事者どうしに対話させるべく計画を立てたい。しかしそれは暴力の軽減、停止なくして実現するとは期待していない…。我々は戦い合う当事者とそれを支援する者たちに(対話のための)真の機会を与えたい」と述べた。
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ロシア外務省報道官は、シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長が声明で自由シリア軍の武装を公然と呼びかけることに対して、「アナン特使の和平案を実施しているなかでなぜそのような話をするのか?」と厳しく批判した。
またハーン・シャイフーン市でのUNSMISの車輌に対する砲撃に関して、実行犯が「当局を挑発し、報復措置を行わせ、アナン特使の和平案を失敗させようとしている」と非難した。
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AKI(5月18日付)は、チュニジア内務省が声明を出し、シリアでテロへの関与を証言したとされるチュニジア人2人に関して、シリアで反体制武装活動に参加しているチュニジア人が複数いることを認めた、と報じた。
AFP May 18, 2012、AKI, May 18, 2012、al-Hayat, May 19, 2012、Kull-na Shuraka’, May 18, 2012、Naharnet.com, May 18, 2012、Reuters
May 18, 2012、al-Watan, May 18, 2012などをもとに作成。
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