アスナタ4会議が開幕:ロシアが「安全地帯」設置を骨子とする新提案を示すなか、反体制武装集団代表団は会議参加中止を決定(2017年5月3日)

カザフスタンの首都アスタナで、シリア政府と反体制武装集団による和平協議「アスナタ4会議」が2日間の日程で開幕した。

「アスナタ4会議」には、シリア政府、反体制武装集団の代表団、停戦保障国であるロシア、イラン、トルコの代表団に加えて、米国が代表団を派遣した。

1日目となる3日は、各代表団が個別会談を行い、ロシアの代表団が示した「安全地帯」設置を骨子とする新停戦案について意見が交わされたという。

SANA(5月3日付)、『ハヤート』(5月4日付)などが伝えた。

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アレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使が率いるロシアの代表団は、シリア政府代表団との協議に先立って、ステュワート・ジョーンズ国務次官補代行(中東問題担当)と会談した。

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バッシャール・ジャアファリー国連シリア大使を団長とするシリア政府代表団は、ロシアの代表団(アレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使)、イランの代表団(ホセイン・ジャーベリー・アンサーリー・アラブ・アフリカ担当外務副大臣)、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表と個別に会談した。

SANA(5月3日付)が伝えた。

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一方、ARA News(5月3日付)によると、イスラーム軍などからなる反体制武装集団の代表団はアスタナ4会議への出席中止を決定した。

イスラーム軍のムハンマド・アッルーシュ氏が団長を務める反体制武装集団の代表団は、アスタナ入りしていたが、ステュワート・ジョーンズ国務次官補代行(中東問題担当)を団長とする米国代表団との会談後、アレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使が率いるロシアの代表団に対して「国内で我々の住民が砲撃を受けているなかでこうした会合を続けることには無理がある」と伝え、参加中止を通達したという。

AFP, May 3, 2017、AP, May 3, 2017、ARA News, May 3, 2017、Champress, May 3, 2017、al-Hayat, May 4, 2017、Kull-na Shuraka’, May 3, 2017、al-Mada Press, May 3, 2017、Naharnet, May 3, 2017、NNA, May 3, 2017、Reuters, May 3, 2017、SANA, May 3, 2017、UPI, May 3, 2017などをもとに作成。

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