シャーム解放機構は「シリア革命におけるもっとも著名な活動家の一人」をダーイシュに所属しているとの容疑で逮捕(2017年5月20日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(5月30日付)によると、シャーム解放機構が、アブドゥルバースィト・サールート氏をダーイシュ(イスラーム国)に所属しているとの容疑で逮捕した。

同サイトによると、サールート氏は、イドリブ県に移る前のヒムス県内での活動中に、自らが率いてバイヤーダ殉教者大隊とシャームの民のヌスラ戦線(現シャーム解放機構)の対立し、ダーイシュに所属したとの嫌疑をかけられたと主張し、シャーム解放機構、シャーム自由人イスラーム運動の双方の法廷に対して、容疑を否認するための審理を行うよう要請している、という。

サールート氏は、2011年に「アラブの春」がシリアに波及した当初、ヒムス市でのデモを主導し、「シリア革命におけるもっとも著名な活動家の一人」と目されていたが、その後、バイヤーダ殉教者大隊を率いて武装闘争を展開、2014年12月にダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓い、アル=カーイダ系組織のシャーム・ファトフ戦線や同戦線と共闘する「反体制派」への抵抗を呼びかけていた。

その以後、2016年12月、イドリブ市でアレッポ市救済と反体制武装集団の統合を求める数千人規模のデモを主導する画像が、EMCで公開された。

AFP, May 30, 2017、AP, May 30, 2017、ARA News, May 30, 2017、Champress, May 30, 2017、al-Hayat, May 31, 2017、Kull-na Shuraka’, May 30, 2017、al-Mada Press, May 30, 2017、Naharnet, May 30, 2017、NNA, May 30, 2017、Reuters, May 30, 2017、SANA, May 30, 2017、UPI, May 30, 2017などをもとに作成。

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