ロシアのプーチン大統領「アサド大統領は少なからぬ過ちを犯しただろうが、彼を批判する者たちは天使なのか?」(2017年6月2日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領はサンクトペテルブルクで開催中の経済フォーラムに登壇し、シリアがリビア、ソマリア、アフガニスタンのように分割されることに懸念を表明した。

プーチン大統領は「我々は一義的にシリアの国家機関を擁護しているのであって、アサド大統領個人を守ろうとしているのではない。我々はシリアが、リビアやソマリアやアフガニスタンのような状態になることを望まない」としたうえで、アサド大統領個人を追及すべきでないと主張しつつ、「正確に話そう。アサド氏は過ちを犯したのか…。少なからず犯しているだろう」と述べた。

しかし同時に「では、彼を非難している者たち。彼らは天使なのか? シリアで人々を殺め、子供を処刑しているのは誰なのだ? 人々の首を斬っているのは誰なのか? こうした者たちを我々は支援しなければならないのか?」と反体制武装集団に対しても非難の矛先を向けた。

そのうえで「シリアにおいてテロの脅威は人為的に作られた問題ではない。我々の一時的評価によると、そこには、ロシアだけから潜入した者だけでも現在4,000人もいる。さらにCIS出身者が4,500人から5,000人がいる。彼らのほとんどが中央出身者だ…。彼らは帰国しようとしている…。しかし、我々は彼らが我々のもとに戻ることも、あなた方のところに戻ることも期待していない」と述べ、シリア国内でのテロ組織掃討の意志を強調した。

『ハヤート』(6月3日付)などが伝えた。

AP, June 2, 2017

AFP, June 2, 2017、AP, June 2, 2017、ARA News, June 2, 2017、Champress, June 2, 2017、al-Hayat, June 3, 2017、Kull-na Shuraka’, June 2, 2017、al-Mada Press, June 2, 2017、Naharnet, June 2, 2017、NNA, June 2, 2017、Reuters, June 2, 2017、SANA, June 2, 2017、UPI, June 2, 2017などをもとに作成。

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