イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(7月18日付)によると、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が、ザーウィヤ山近郊のハザーリーン村の近くにあるアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動の検問所を襲撃し、これを制圧した。
シャーム解放機構はまた、カフルルーマ村、ハーッス村などザーウィヤ山一帯のシャーム自由人イスラーム運動の拠点も攻撃し、両者は激しく交戦した。
シャーム解放機構はさらにイフスィム町で、シャーム自由人イスラーム運動のザーウィヤ山地区裁判所長のムハンマド・ターヒル氏を逮捕、対するシャーム自由人イスラーム運動もシャーム解放機構のメンバーを拘束した。
このほか、イブリーン村でも、シャーム解放機構とシャーム自由人イスラーム運動が交戦し、住民1人が死亡、イドリブ市では「革命旗」(委任統治領シリアの国旗)を掲揚した住民が何者かの発砲を受け、3人が負傷した。
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シャーム自由人イスラーム運動のムハンマド・アブー・ザイド報道官は声明を出し、シャーム解放機構と交わしていた停戦合意(タッル・トゥーカーン村の移譲にかかる合意)を反故にし、ザーウィヤ山一帯に進軍、シャーム自由人イスラーム運動の検問所複数カ所、ハザーリーン村を襲撃、またイブリーン村に対しても「革命旗」が掲揚されていたとの理由で侵攻し、ムハンマド・ターヒル・アティーク裁判所長(ザーウィヤ山地区)を逮捕、またシャーム自由人イスラーム運動のメンバー多数を殺害したと非難した。
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一方、シャーム解放機構のザーウィヤ地区幹部の一人フサーム・アブー・ウムラーン氏は、シャーム自由人イスラーム運動との衝突に関して、シャーム自由人イスラーム運動に属す「アブー・ハフド・イブリーン」を名乗る活動家の一団が「革命旗」をイブリーン村各所に掲揚、シャーム解放機構が「タウヒード旗」(黒旗)を掲揚していた村の貯水槽一帯を襲撃し、同地に駐留していたシャーム解放機構メンバー2人に暴行を加えたことが事の発端だったと主張した。
AFP, July 18, 2017、July 19, 2017、AP, July 18, 2017、July 19, 2017、ARA News, July 18, 2017、July 19, 2017、Champress, July 18, 2017、July 19, 2017、al-Hayat, July 19, 2017、July 20, 2017、Kull-na Shuraka’, July 18, 2017、July 19, 2017、al-Mada Press, July 18, 2017、July 19, 2017、Naharnet, July 18, 2017、July 19, 2017、NNA, July 18, 2017、July 19, 2017、Reuters, July 18, 2017、July 19, 2017、SANA, July 18, 2017、July 19, 2017、UPI, July 18, 2017、July 19, 2017などをもとに作成。
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