米主導の有志連合は3万人からなる「国境治安部隊」を新設し、シリア領内の対トルコ、イラク国境地帯への配備をめざす(2018年1月14日)

ロイター通信(1月14日付)は、トルコ政府高官(匿名)の話として、米主導の有志連合が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の隊員を軸に、兵員3万人からなる「国境治安部隊」(Border Security Force)を新たに創設し、シリアの対トルコ・イラク国境地帯に配備しようとしている、と伝えた。

この匿名高官によると、駐トルコ米国臨時代理大使が先週、首都アンカラのトルコ外務省に呼び出されたのは、このことに抗議するためで、イブラヒム・カリン大統領府報道官は事態を「懸念すべきもので受け容れられない」と批判している。

ロイター通信が有志連合の広報課にE-mailで確認したところ、「国境治安部隊」の隊員の半数はシリア民主軍の隊員からなり、のこる半数は現在募集中だという。

また「国境治安部隊」の任務に関しては、国境警備、爆発物処理などにあたるだろうとしている。

また、「国境治安部隊」は、シリア民主軍が支配するシリア北部および東部のトルコ、イラクとの国境地帯、そしてユーフラテス川渓谷一帯に配備が予定されている。

al-Durar al-Shamiya, January 14, 2018

AFP, January 14, 2018、ANHA, January 14, 2018、AP, January 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2018、al-Hayat, January 15, 2018、Reuters, January 14, 2018、SANA, January 14, 2018、UPI, January 14, 2018などをもとに作成。

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