トルコ軍参謀本部は、「オリーブの枝」作戦に参加するトルコ軍部隊が12日に、「自由シリア軍」とともに西クルディスタン移行期民政局の拠点都市であるアレッポ県のアフリーン市を完全包囲したと発表した。
アナトリア通信(3月13日付)が伝えた。
ドゥラル・シャーミーヤ(3月13日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団は、アフリーン市南東部の回廊地帯で東西両方向から進軍を続け、その距離を5キロまで縮めた。
一方、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍広報センターによると、トルコ軍はアフリーン市、ジンディールス市近郊のサーティーヤー村など、ブルブル町近郊のビーリー村一帯、シーヤ(シャイフ・ハディード)村一帯を爆撃・砲撃、反体制武装集団とともにシリア民主軍と交戦した。
ANHA(3月13日付)が伝えた。
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SANA(3月13日付)は、トルコ軍と反体制武装集団の侵攻を受け、アレッポ県アフリーン郡の住民数千人がこれまでに「強制移住」(避難)を余儀なくされていると伝えた。
シリア人権監視団もまた、トルコ軍と反体制武装集団が、西クルディスタン移行期支配地域の住民を反体制派支配地域かシリア政府支配地域に退去させようとしているとの見方を示した。
同監視団によると、アフリーン郡からシリア政府支配下のヌッブル市、ザフラー町に避難した住民の数は1万6,000人に達しているという。
また『ハヤート』(3月14日付)によると、アフリーン郡の人口は約70万人。
AFP, March 13, 2018、Anadolu Ajansı, March 13, 2018、ANHA, March 13, 2018、AP, March 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 13, 2018、al-Hayat, March 14, 2018、Reuters, March 13, 2018、SANA, March 13, 2018、UPI, March 13, 2018などをもとに作成。
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