東グータ地方ではシリア軍がドゥーマー市を攻撃し、20人死亡、反体制派がジャルマーナー市を砲撃し35人死亡(2018年3月20日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍はイスラーム軍の支配下にあるドゥーマー市を激しく爆撃・砲撃し、子供16人を含む20人が死亡した。

また、ドゥラル・シャーミヤ(3月20日付)によると、イスラーム軍がミスラーバー市一帯でシリア軍と交戦した。

一方、SANA(3月20日付)によると、東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団がジャルマーナー市カシュクール地区を砲撃し、住民35人が死亡、数十人が負傷した(SANA(3月21日付)によると、死者数はその後44人に増加した)。

SANA, March 20, 2018


これに対し、シリア軍は、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団が活動を続ける東グータ地方のアイン・タルマー渓谷、ハッザ町、ザマルカー町、アルバイン市で掃討作戦を継続した。

また、シリア軍によって制圧された東グータ地方のカフルバトナー町、サクバー市に、一時避難していた住民が帰宅、シリア赤新月社が支援物資を同地で配給した。

SANA, March 20, 2018

なお、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターのヴラジミール・ゾロトヒン報道官(少将)は、ダマスカス郊外県東グータ地方の反体制派支配地域の状況に関して「ほとんどの市民はすでにテロリストの支配地域から退去した」としたうえで、同地から避難する住民の数が減少傾向にあると発表した。

なお、シリア人権監視団によると、2月18日以降のロシア・シリア両軍の攻撃での死者数は1,450人以上(うち子供は約300人)に達しているという。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミヤ(3月20日付)によると、ロシア軍戦闘機がハーッス村郊外の避難民キャンプを爆撃し、10人が死亡、15人以上が負傷した。

al-Durar al-Shamiya, March 20, 2018

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ダマスカス県では、SANA(3月21日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が撃った迫撃砲弾がマッザ区に着弾し、女性1人と子供5人が負傷した。

迫撃砲弾はまたアマーラ地区にも着弾し11人が負傷した。

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ダルアー県では、SANA(3月20日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がダルアー市ダルアー・バラド地区を砲撃した。

AFP, March 20, 2018、ANHA, March 20, 2018、AP, March 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2018、al-Hayat, March 21, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 20, 2018、Reuters, March 20, 2018、SANA, March 20, 2018、March 21, 2018、UPI, March 20, 2018などをもとに作成。

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