シリアのアル=カーイダと目されているシャーム解放機構のジャウラーニー指導者「東グータ地方、ヒムス県から戦闘員がやって来たことで力が倍増し、ジハードと革命の精神が復活するだろう」(2018年6月10日)

シリアのアル=カーイダと目されているシャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者は、同機構の広報機関であるアムジャード機構を通じてビデオ声明を出し、ロシア、トルコ、イランを保障国とするアスタナ会議を拒否し、これを妨害すると表明した。

Youtube, June 10, 2018

Youtube, June 10, 2018

ジャウラーニー氏はビデオ声明のなかで「我々はアスタナを拒否し、さまざまな方法でこれを妨害しようとしてきた。我々は4ヶ月にわたり、線路の東側(イドリブ県東部)で戦ってきた」としたうえで、「アスタナ会議に参加する諸派は、偽りの正当性に染まっている。彼らのなかには、自分達を欺くことを楽しむ者もいるし、何が起きているか承知していない者もいる」と批判した。

一方、ダマスカス郊外県やヒムス県からシリア北部に敗走した反体制武装集団については「東グータ、ヤルムーク・キャンプ、ヒムス、カラムーンからこの地域に部隊がやって来たことで、力は倍増した」と評価、「この地域にある力は、各地を奪還するうえでの基礎となり、ジハードと革命の精神を復活させ…、それはダマスカスの中心にまで至るだろう」としている。

AFP, June 10, 2018、ANHA, June 10, 2018、AP, June 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2018、al-Hayat, June 11, 2018、Reuters, June 10, 2018、SANA, June 10, 2018、UPI, June 10, 2018などをもとに作成。

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