米主導の有志連合はダーイシュ最後の拠点バーグーズ村を爆撃、YPG主体のシリア民主軍の総攻撃続く(2019年3月11日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(3月11日付)によると、10日晩からダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地バーグーズ村で再開された人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による総攻撃は、11日早朝まで続き、ダーイシュとの間で激しい戦闘が行われた。

シリア民主軍は11日に入っても、攻撃を続け、バーグーズ村内のダーイシュ最大の武器弾薬庫を破壊した。

これに対して、ダーイシュのスリーパー・セルは、ブサイラ市でシリア民主軍を襲撃し、1人が死亡、1人が負傷した。

戦闘激化を受けて、ダーイシュの戦闘員とその家族数十人がシリア民主軍に投降した。

また、米主導の有志連合が11日夜、バーグーズ村に対する爆撃を実施した。

この爆撃に関して、SANA(3月11日付)は、複数の住民の話として、住民50人が死亡、数十人が負傷したと伝えた。

犠牲者のほとんどは女性と子供だという。

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なお、シリア民主軍の広報センターによると、バーグーズ村での11日の戦闘で、シリア民主軍はダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員38人を殲滅した。

シリア民主軍側は3人が戦死、10人が負傷したという。

ANHA(3月12日付)が伝えた。

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このほか、一方、ダイル・ザウル24(3月11日付)は、シリア民主軍が9日、バーグーズ村で女性1人とその子供たち多数を処刑、その画像がシリア民主軍のメンバーによって公開されたと伝えた。

 

AFP, March 11, 2019、ANHA, March 11, 2019、March 12, 2019、AP, March 11, 2019、Dayr al-Zawr 24, March 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 11, 2019、al-Hayat, March 12, 2019、Reuters, March 11, 2019、SANA, March 11, 2019、UPI, March 11, 2019などをもとに作成。

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