シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから49日目となる6月18日、シリア・ロシア軍は爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。
シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より101人(民間人18人、シリア軍兵士および反体制武装集団戦闘員83人)増えて1,722人となった。
うち、447人が民間人(女性94人、子供108人を含む)、570人がシリア軍兵士、706人が反体制武装集団戦闘員。
シリア軍戦闘機による爆撃回数は116回を記録、ロシア軍も19回の爆撃を実施した。
またシリア軍地上部隊による砲撃は600発以上におよぶ一方、反体制武装集団も410発以上の砲撃を行った。
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ドゥラル・シャーミーヤ(6月18日付)によると、シャーム解放機構や国民解放戦線などからなる反体制武装集団は「必勝」の戦いの一環としてシャイフ・ハディード村、ワーディー・ウスマーンにあるシリア軍の拠点を砲撃、県北部一帯でシリア軍と激しく交戦した。
これに対して、SANA(6月18日付)は、シャーム解放機構がタッル・ミルフ村一帯のシリア軍拠点を攻撃、シリア軍がこれを迎撃したと伝えた。
SANAによると、反体制武装集団はまた、アンサールッディーン機構、アンサール・タウヒード、イッザ大隊(イッザ軍)がワーディー・ウスマーンからシリア軍拠点に対して攻撃を試みたが、シリア軍がこれを撃退したという。
反体制武装集団はさらにシリア政府の支配下にあるカルナーズ町、ハマーミーヤート村、シャイフ・ハディード村、カフル・フード村、ジャディーダ村、ジャルマ村を砲撃、住宅などが被害を受け、農地が焼失した。
一方、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でジャルマ村、カフル・フード村、ラターミナ町、ハスラーヤー村、タッル・ミルフ村、アブー・ライーダ村、ザカート村、カフルズィーター市に対して爆撃を実施した。
この爆撃で、メディア活動家1人が死亡した。
またシリア軍は地上部隊が県北部一帯を砲撃し、反体制武装集団も砲撃で応戦した。
ロシア軍もカフルズィーター市、ラターミナ町、ザカート村、タッル・ミルフ村を爆撃、カフルズィーター市で民間人1人が死亡した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、ハーン・スブル村、スィフヤーン村、カフルバッティーフ村、カフル・ウワイド村、カフルサジュナ村、スフーフン村、ファッティーラ村、カフルサジュナ村、イドリブ市およびその一帯に対して爆撃を実施した。
この爆撃により、イドリブ市工業地区で市民1人が死亡した。
またシリア軍は地上部隊がカフルナブル市などを砲撃、スフーフン村で市民1人が死亡した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でバウワービーヤ村、ICARDAに対して爆撃を実施した。
またシリア軍は地上部隊が県南部一帯を砲撃した。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(ラタキア県)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を9件(ラタキア県1件、ハマー県8件)確認した。
AFP, June 18, 2019、ANHA, June 18, 2019、AP, June 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 18, 2019、al-Hayat, June 18, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 18, 2019、Reuters, June 18, 2019、SANA, June 18, 2019、SOHR, June 18, 2019、UPI, June 18, 2019などをもとに作成。
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