2014年4月7日のシリア情勢:反体制勢力の動き

スーリヤー・ムバーシル(SLN、4月7日付)によると、クナイトラ県などシリア南部で活動する30以上の武装集団(シャームの民のヌスラ戦線など)から構成される四つの作戦司令室が、「アンファール救済タウヒードの暁作戦」の開始を宣言し、ラタキア県カサブ町一帯で侵攻を合わせて、アサド政権への二正面作戦を行う意思を示した。

「アンファール」とは3月下旬からシャームの民のヌスラ戦線などによるラタキア県カサブ町一帯への侵攻作戦の呼称。

作戦開始を発表した司令室と参加武装集団は以下の通り:

ファーティヒーン作戦司令室:ダマスカス殉教者旅団、アバービール・ハウラーン旅団、ジャイドゥール・ハウラーン旅団、フサイン・ブン・アリー大隊、マディーナト・ムナウワラ旅団、サブティーン旅団、タバーラク・ラフマーン旅団

ファトフ・シャーム司令室:シャーム自由人旅団、イスラーム軍、イスラーム・ムサンナー運動、バシャーイル・イスラーム、アブー・ウバイダ大隊、イバード・ラフマーン、サハーバ旅団大隊、ビナー・ウンマ、アンサール・フダー、アフマド・ウマル大隊

クナイトラ解放連合司令室:フルカーン旅団、イッズ旅団、アンサール・イスラーム戦線、西部郊外の鷲、ダマスカス殉教者、ゴラン外国人部隊

ヌスラ作戦司令室:シャームの民のヌスラ戦線、バイト・ムカッダス、スユーフ・イスラーム、サラーフ・ジャウラーニー、シャバーブ・フダー

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シリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会はイスタンブールで開催中の会合(5日に開会)で政治委員会(19人、正副議長を含めて23人)の改選を行った。

会合で行われた選挙で選出された政治委員会メンバー(うち正副議長は無投票当選)は以下の通り(*は再選):

1. アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー(議長)*

2. ファールーク・タイフール(副議長、シリア・ムスリム同胞団)*

3. ヌーラー・アミール(副議長)*

4. アブドゥルハキーム・バッシャール(副議長、シリア・クルド国民評議会)*

5. ムンズィル・ジャームース(書記長)*

6. ハーディー・バフラ*

7. アナス・アブダ*

8. ナズィール・ハキーム*

9. アフマド・ラマダーン(シリア・ムスリム同胞団)*

10. アブドゥルアハド・アスティーフー*

11. ジャマール・ワルド

12. ハーリド・ナースィル

13. ヤフヤー・マクタビー

14. リヤード・ハサン

15. ナスル・ハリーリー

16. ムハンマド・ハイイル・ワズィール

17. サラーフ・ダルウィーシュ

18. ムハンマド・ハイイル・バンクー

19. ハッサーン・ハーシミー

20. アンワル・バドル

21. アフマド・ハクル

22. アーリヤ・マンスール

23. ズィヤード・ハサン

Kull-na Shuraka', April 7, 2014

Kull-na Shuraka’, April 7, 2014

これまで政治委員会メンバーを務めてきたミシェル・キールー氏(シリア民主主義者連合)、ムワファク・ニールビーヤ氏(駐ブリュッセル代表)、ムンズィル・マーフース氏(駐パリ代表)、ルワイユ・サーフィー氏(報道官)、アブドゥルバースィト・スィーダー氏(シリア国民評議会前事務局長)、アクラム・アッサーフ氏は立候補せず、リーマー・フライハーン氏は立候補したもの落選した。

また、ファイーズ・サーラ氏、カマール・ルブワーニー氏、ムナー・ムスタファー氏(クッルナー・シュラカー(4月6日付)によると5日に連立脱会を発表)は会合に先立って連立を脱会していた。

また総合委員会は6日、政治委員会定数拡大(19人から25人)などを目的とした内規改正に関する提案を受け付けるための委員会を設置した。

提案受付は15日間行われるという。

『ハヤート』(4月8日付)、クッルナー・シュラカー(4月7日付)が報じた。

AFP, April 7, 2014、AP, April 7, 2014、ARA News, April 7, 2014、Champress, April 7, 2014、al-Hayat, April 8, 2014、Iraqinews.com, April 7, 2014、Kull-na Shuraka’, April 7, 2014、Naharnet, April 7, 2014、NNA, April 7, 2014、Reuters, April 7, 2014、SANA, April 7, 2014、SLN, April 7, 2014、UPI, April 7, 2014などをもとに作成。

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