アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動はアーミル・シャイフ氏を総司令官に任命、昨年10月以降の対立を解消(2021年1月9日)

国民解放戦線(シリア国民軍)を主導するアル=カーイダの系譜のシャーム自由人イスラーム運動は、トルコ占領下のアレッポ県北東部(いわゆる「オリーブの枝」地域)のジンディールス地区司令官(アミール)を務めているアーミル・シャイフ氏(アブー・ウバイダ・カタナー)を総司令官に任命した。

これにより、2020年10月以来続いていた、ジャービル・アリー・バーシャー総司令官派とハサン・スーファーン前総司令官派の内部対立は決着した。

イナブ・バラディー(1月9日付)などが伝えた。

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バーシャー総司令官は、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/JaberAliBasha/)を通じて「アッラーよ、シャーム自由人(イスラーム)運動の指導者としてあなたの僕であるアブー・ウバイダに成功をもたらしてください」などと綴り、祝福した。

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スーファーン前総司令官もテレグラムのアカウントを通じて、「アッラーの従い、(シャーム自由人イスラーム)運動の兵士や精鋭の統合を維持するため、新司令官にアーミル・シャイフ・アブー・ウバイダを推挙することが合意された。シャーム自由人イスラーム運動の新たな始まりは革命に資するものであり、解放区防衛における役割を強化する」と綴る一方、バーシャー総司令官のこれまでの指導に謝意を示した。

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一方、シャイフ新総司令官は、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/AmerAlsheikh0/)を通じて、「(シャーム)自由人(イスラーム運動)は、この革命のために殉教者1万人を提供した組織であり、革命をめざす者たちのために犠牲を払い…、祝福された活動を継続するに値する。のために彼らの間で志願する価値があります。シャーム自由人イスラーム運動の指揮を受け入れることは名誉である前に義務だ」と綴った。

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カトナー氏は、ダマスカス郊外県(カタナー市)の出身で、ダルアー県の司令部などで活動していた経歴の持ち主。

AFP, January 9, 2021、ANHA, January 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2021、‘Inab Baladi, January 9, 2021、Reuters, January 9, 2021、SANA, January 9, 2021、SOHR, January 9, 2021などをもとに作成。

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