シリア軍と「決戦」作戦司令室がイドリブ県、ハマー県で交戦(2021年1月16日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるダール・カビーラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、スフーフン村、フライフィル村、バイニーン村、バーラ村を砲撃した。

一方、シャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ市内の県知事公邸近くで軍用車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、子供1人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村を砲撃した。

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クナイトラ県では、SANA(1月16日付)によると、シリア政府の支配下にあるクサイバ村では、何者かが仕掛けた爆弾が爆発し、1人が死亡した。

シリア人権監視団によると、爆弾は車に仕掛けられており、死亡したのはレバノンの秘図ブラーに近い民兵組織のゴラン中隊の兵士。

またこの爆発でゴラン中隊の民兵3人が負傷した。

SANAによると、バアス市近郊でも何者かが発砲し、3人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるタファス市で、シリア政府との和解に応じた反体制武装集団(イスラームの暁)の元戦闘員でズウビー家の子息が、カヤワーン部族とズウビー家が対立が激化するなか、殺害された。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を21件(イドリブ県9件、ラタキア県4件、アレッポ県3件、ハマー県5件)確認したと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, January 16, 2021、ANHA, January 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 16, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 16, 2021、Reuters, January 16, 2021、SANA, January 16, 2021、SOHR, January 16, 2021などをもとに作成。

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