大統領選挙に初めて女性が立候補、拡散された写真は本人ではなく自殺したロシア人女性のもの(2021年4月20日)

人民議会の第2回臨時会第3回会合が議事堂で開かれ、ハンムーダ・サッバーグ人民議会議長は、5月26日に投票が予定されている大統領選挙に関して、議員に対して立候補者への文書による支持を求めた。

これを受けて、議長室に投票所が設置され、複数の議員が、第3回会合閉会後に議長室に立ち寄り、サッバーグ人民議会議長から記名用紙を受け取り、立候補者の氏名を記入、投票箱に投函した。

憲法第85条第3項には、「立候補届は、人民議会議員の35名以上の文書による支持が得られない場合、受理されない。また人民議会議員は1名以上の立候補者を支持してはならない」と規定されている。



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また、サッバーグ議長は第3回会合で、ファーティン・アリー・ナハール氏が立候補を届け出たと発表した。

今回の選挙で女性が立候補するのは初めて。

これにより候補者数は3人(うち女性1人)となった。

SANA(4月20日付)が伝えた。

ワタン・スィルブ(4月20日付)によると、ナハール氏は、1971年10月17日生まれ、ダマスカス県出身。

ダマスカス大学法学部を卒業。2009年に弁護士となり、弁護士組合クナイトラ支部に所属している。

父は、偵察局長を務めていたアリー・ナハール退役少将。

なお、サッバーグ人民議会議長による発表を受けて、SNS上ではナハール氏とされる女性の写真が拡散された。

だが、この女性は本人ではなく、「薬局関係の仕事に就いていたが、自殺したロシア人女性」の写真だった。

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フサイン・アルヌース内閣は週例の閣議を開催し、5月26日に投票が予定されている大統領選挙への対応などについて協議した。

SANA(4月20日付)によると、閣議では、国の未来を決定する国民の意思と権利を反映できるような選挙プロセスを推し進めるために必要なすべての要件を整え、自由で透明な選挙を実施するために最大限の努力を行う必要が確認された。

また、内閣としてすべての立候補者と等距離を保ち、選挙の円滑な実施を保障することが確認された。

AFP, April 20, 2021、ANHA, April 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 20, 2021、Reuters, April 20, 2021、SANA, April 20, 2021、SOHR, April 20, 2021、Watan (Yafrid Kharij) al-Sirb, April 20, 2021などをもとに作成。

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