イドリブ県、アレッポ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室、トルキスタン・イスラーム党が交戦、住民1人、シリア軍兵士5人、反体制派戦闘員6人死亡、ロシア軍も爆撃を実施(2021年7月20日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のビダーマー町一帯を砲撃し、住民1人が死亡、8人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はまた、ザーウィヤ山地方のバイニーン村、マンタフ村、フライフィル村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原各所を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室が県西部などで交戦し、シリア軍兵士5人(うち少尉1人)が死亡、「決戦」作戦司令室側の戦闘員2人が死亡した。

一方、中国新疆ウイグル自治区出身者からなるアル=カーイダ系組織のトルキスタン・イスラーム党の部隊が、道を間違ってシリア政府支配下のミーズナーズ村一帯に進入、シリア軍部隊の攻撃を受け、戦闘員4人が死亡した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村一帯を6回にわたって爆撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を34件(イドリブ県13件、ラタキア県16件、アレッポ県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は30件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を16件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, July 20, 2021、ANHA, July 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 20, 2021、Reuters, July 20, 2021、SANA, July 20, 2021、SOHR, July 20, 2021などをもとに作成。

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