ダルアー県では、SANA(9月8日付)によると、ダルアー市ダルアー・バラド地区での停戦合意に従い、武装解除を拒否する元反体制武装集団メンバーが立て籠もりを続けてきた同地に、シリア軍部隊が進駐し、検問所を設置するとともに、各所に敷設されている爆発物、武器、弾薬の撤去、トンネル、アジトの捜索を開始した。
また、アルバイーン地区に設置された社会復帰センターにシリア国旗を掲揚した。
シリア人権監視団によると、ダルアー市ダルアー・バラド地区に展開したのは、ロシアが支援するシリア軍第5軍団第8旅団。
「連隊検問所」から、ダルアー市ダルアー市ダルアー・バラド地区、ダム街道地区に入った。
SANAによると、シリア軍部隊は、ダルアー市ダルアー・バラド地区内の住宅の地下に掘削されたトンネルを発見した。
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一方、シリア人権監視団によると、ダルアー市アルバイーン地区に設置されている社会復帰センターで、ダルアー市ダルアー・バラド地区で立て籠もりを続けてきた元反体制武装集団メンバーが武装解除と社会復帰にかかる手続きを行い、小銃、機関銃、RPG弾などの武器を引き渡し、政府との和解に応じた。
これまでにシリア政府との和解に応じたメンバーは、約950人に達しているという。
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このほか、シリア人権監視団によると、シリア軍は前日に続いて、武装解除を拒否する元反体制武装集団メンバーリーダーの1人ムアイイド・ハルフーシュ氏(アブー・タアジャ)の子供を釈放した。
シリア軍は9月4日、武装解除を拒否するハルフーシュ氏に停戦合意に受諾させるために、同氏の妻と5人の子供らを拘束していたが、これにより拘束していた全員が釈放された。
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また、シリア人権監視団によると、ダルアー市ダルアー・バラド地区での停戦合意が実施段階に入ったのを受けて、地区外に避難していた住民が帰宅を開始した。
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シリア人権監視団によると、シャブラク村近郊の街道で、シリア軍の車輌の通過に合わせて、道路に仕掛けられていた爆弾が爆発し、兵士7人が死亡、3人が負傷した。
また、ナワー市では、正体不明の武装集団が軍事情報局に協力する住民を銃で撃ち、殺害した。
武装集団はまた、ナーフィア村近郊でもシリア軍の車輌を襲撃した。
AFP, September 8, 2021、ANHA, September 8, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 8, 2021、Reuters, September 8, 2021、SANA, September 8, 2021、SOHR, September 8, 2021などをもとに作成。
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