イスラエル軍戦闘機がレバノン領空を侵犯し、首都ダマスカスにミサイル攻撃、民間人2人が死亡(2022年3月7日)

SANA(3月7日付)は、シリア軍筋の話として、イスラエル軍戦闘機が午前5時頃、レバノンの首都ベイルート南方の領空を侵犯し、シリアの首都ダマスカス一帯の複数カ所に向けてミサイルを発射、シリア軍防空部隊がそのほとんどを撃破したが、民間人2人が死亡、若干の物的被害が出たと伝えた。

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SANA(3月7日付)によると、犠牲者が出たのは、ダマスカス郊外県ダーヒヤト・ハラスター町一帯。

ダーヒヤト・ハラスター町のムハンマド・イスマーイール町長はSANAの記者の取材に対して、イスラエル軍戦闘機が発射したミサイルのうち1発によって、大理石工場1棟が全壊したと述べた。

また、工業地区にある別の大理石工場10棟も甚大な被害を受けたほか、住民の車多数、公共施設、インフラ、電力会社ビルなどの建物複数棟が被害を受けたと付言した。

そのうえで、ダマスカス郊外県知事、工業地区局長、ダーヒヤト・ハラスター町議会、タッル市議会、手工業委員会によって被害状況を調査するための委員会が設置されたことを明らかにした。

一方、攻撃によって破壊された工場の一つを経営するハーリド・シャフルール氏は「イスラエル軍が民間の工業地区を狙い、生産地域を破壊し、そこで働く労働者の生活の糧を奪おうとした」としたうえで、「シリアの指導者、国民、軍と共に労働、生産、シリア経済の復興を続けることを躊躇しない」と強調した。

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シリア人権監視団によると、このミサイル攻撃で、ダマスカス国際空港近くの武器弾薬庫が狙われ、2人が死亡、6人が負傷した。

死亡した2人のうち1人は、ダルアー県出身で親イランの地元民兵のメンバー1人。

もう1人は、シリア人か否かなども含めて身元の詳細は不明。

負傷した6人は「イランの民兵」のメンバーで、首都ダマスカスの病院に搬送された。

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イランのセパーフ・ニュース(3月8日)は、イラン・イスラーム革命防衛隊のゴドス軍団の士官2人(エフサーン・カルバラーイー大佐、モルタザー・サイード・ネジャード大佐)がダマスカス国際空港近くの拠点で死亡したと発表した。

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この攻撃に関して、外務在外居住者省は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)が犯罪を犯した数時間後にイスラエルが住宅地を攻撃したことは、両者が緊密且つ直接連携している真実を示していると批判した。

声明の内容は以下の通り。

イスラエルが今日、2022年3月7日の早朝にダマスカス郊外県の住宅地複数カ所に対して新たな攻撃を行ってことは偶然ではない。2022年3月6日、すなわちこの攻撃の数時間前、ダーイシュは、帰路についていたシリア・アラブ軍の英雄たちを殺害するという犯罪を行った。テロリスト・ダーイシュとイスラエルの今回の攻撃は、この二つの犯罪者の間に緊密且つ調節の連携が行われている真実を示している。

シリア・アラブ共和国はシリアに対して再三にわたり執拗に繰り返される攻撃がもたらす影響、人命、インフラに対する甚大な損失、さらには子供や女性といった民間人に与える恐怖について警告してきた。

シオニスト政体とダーイシュは国際社会で起きている出来事に乗じて、自らの残忍な攻撃を隠蔽している。だが、それによって虚偽が真実になることはなく、イスラエルとダーイシュが、国際社会において白日のもとに晒されている両者共通の目標を実現するために行っていることをこの世界が誤認することもない。

国際司法、国際の平和と安定をめぐる問題に対処する国連の役割を信じて、シリア・アラブ共和国は国連、とりわけ安全保障理事会が責任を果たし、この深刻な危機に二重基準で対処し、国際法と国連憲章を無視して、こうした攻撃を支持し、犯罪者を養護する一部当事国に奉仕することがないよう要請する。

AFP, March 7, 2022、ANHA, March 7, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2022、Reuters, March 7, 2022、SANA, March 7, 2022、Sepah News , March 8, 2022、SOHR, March 7, 2022などをもとに作成。

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