イランのアブドゥッラフヤーン外務大臣がトルコ訪問を終えてシリアに空路で移動し、アサド大統領と会談(2023年3月9日)

トルコを訪問していたイランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務大臣は、空路でシリアに向い、殉教者バースィル・アサド国際空港(ラタキア県)に到着した。

シリアに入ったアブドゥッラフヤーン外務大臣は、ラタキア県ジャブラ市のアサーリーヤ地区とラタキア市のアサド・スポーツ・シティの避難所を訪れ、被災状況を視察した。

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アブドゥッラフヤーン外務大臣はその後、空路でダマスカス国際空港に移動、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣の出迎えを受けた。

首都ダマスカスに到着したアブドゥッラフヤーン外務大臣は、アサド大統領と会談し、中東地域および国際社会の進展や両国の関心事、ロシアの仲介によるシリア政府とトルコ政府の和解に向けた会合へのトルコの参加などについて意見を交わし、アサド大統領はこの会合へのイランの参加に歓迎の意を示し、具体的且つ明確なアジェンダ、議題、成果を踏まえた準備が必要だと強調した。

アサド大統領はまた、トルコとの和解をめぐる交渉において、シリア国民の利益こそが、いかなる政策においても基礎をなし、こうした政策の成果がシリア国民の利益を実現するものでなければならないと述べた。

これに対して、アブドゥッラフヤーン外務大臣は、シリア国民に寄り添い、シリアの統合と領土の一体性を支援すると改めて応えるとともに、イランとしてシリアの立場や決定を全面的に信頼し、イラン、シリア、トルコ、ロシアによる四ヵ国会合でこれを支援すると述べた。

一方、アブドゥッラフヤーン外務大臣がラタキア県の被災地を視察したことについて、アサド大統領は、地震の被害を克服しようとしているシリア国民に対してイランが行っている支援を継続させるもので、両国の深い関係を示していると述べた。



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このほか、アブドゥッラフヤーン外務大臣はミクダード外務在外居住者大臣と共同記者会見を行った。

アブドゥッラフヤーン外務大臣は、中東地域および国際社会のシリアへの姿勢が好転し、地域における役割を回復しつつあることに満足していると述べるとともに、シリアに対するイスラエルの度重なる攻撃を非難した。

一方、ミクダード外務在外居住者大臣は、シリアとイランの両国共通の優先事項が、シリアの領土に違法に駐留する外国軍の排除と「テロとの戦い」の継続であると述べた。

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SANA(3月9日付)が伝えた。

AFP, March 9, 2023、ANHA, March 9, 2023、al-Durar al-Shamiya, March 9, 2023、Reuters, March 9, 2023、SANA, March 9, 2023、SOHR, March 9, 2023などをもとに作成。

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