シリア軍は声明を出し、22日午前3時55分、イスラエル軍がラタキア県西の地中海上空からアレッポ国際空港一帯に向けて多数のミサイルを発射し、空港に物的被害が生じた、と発表した。
また、民間航空公社は声明を出し、イスラエル軍のミサイル攻撃によりアレッポ国際空港の滑走路と航法装置の一部が損傷したことを明らかにしたうえで、復旧作業が完了するまで空港の運用を停止、すべての発着便をダマスカス国際空港と殉教者バースィル・アサド国際空港(ラタキア県)に振り分けると発表した。
SANA(3月22日付)が伝えた。
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シリア人権監視団によると、イスラエル軍が発射したミサイルは6発。
うち5発が、空港周辺にある「イランの民兵」の武器弾薬庫などの標的に到達した。
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ロシアのスプートニク(3月22日付)が治安筋の話として伝えたところによると、ミサイル攻撃はアレッポ国際空港と隣接するナイラブ航空基地に対して行われた。
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イスラエルのアルマ調査教育センターは、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/Israel_Alma_org/)などを通じてイランがトルコ・シリア大地震の被災者への人道支援を装って武器を移転したことに対処するために、イスラエル軍が再びミサイル攻撃を行ったとの見方を示した。
同センターは、前週にイランとシリアを複数回にわたって往復していたイランのポウヤ・エアのIl-76(イリューシン76)輸送機1機が、イランがロシアへの武器供与を始めて以降、テヘランとモスクワを頻繁に往復していたとしたうえで、同機がシリア国内に武器を持ち込んだ疑いがあると断じた。
(1/3) Early in the morning (March 22) another airstrike was carried out against the airport in #Aleppo which was shut down again. The #Iranians are disguising the transfer of weapons as part of the humanitarian aid following the earthquake. pic.twitter.com/86G5ZqeMFb
— Israel-Alma (@Israel_Alma_org) March 22, 2023
(2/3) The immediate suspect is Pouya Air's Ilyushin 76 plane which during the last week flew several times from #Iran to #Syria and back (March 20 last flight). This is a plane that travels a lot on the Tehran-#Moscow route since Iran started supplying weapons to #Russia.
— Israel-Alma (@Israel_Alma_org) March 22, 2023
(3/3) A video was apparently filmed remotely after the attack. If it's authentic, secondary explosions can be seen, indicating that a weapons cache was probably also damaged. pic.twitter.com/DWPS16JT3T
— Israel-Alma (@Israel_Alma_org) March 22, 2023
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シリア人権監視団は23日、この攻撃で「イランの民兵」4人が死亡したと発表した。
4人のうち2人は司令官を含むシリア人で、残り2人の国籍は不明だという。
AFP, March 22, 2023、Alma Research and Education Center, Marcch 22, 2023、ANHA, March 22, 2023、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2023、Reuters, March 22, 2023、SANA, March 22, 2023、SOHR, March 22, 2023、March 23, 2023、Sputnik News, March 22, 2023などをもとに作成。
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