2014年2月16日のシリア情勢:クルド民族主義勢力の動き

シリア・クルド進歩民主党のアブドゥルハミード・ダルウィーシュ書記長は『シャルク・アウサト』(2月16日付)に、ジュネーブ2会議の事実上の決裂に関して「両当事者が無責任にならないため、対話は続けられるだろうと考える」と述べた。

Kull-na Shuraka', February 16, 2014
Kull-na Shuraka’, February 16, 2014

シリア・クルド国民評議会幹部としてジュネーブ2会議のシリア革命反体制勢力国民連立代表団に参加したダルウィーシュ書記長はしかし「殺戮、破壊のあとに、彼ら(シリア政府)を真のパートナーとして受け入れることは難しい。彼らはパートナーだけでなく、譲歩さえも受け入れようとしない」と批判した。

また「テロとの戦い」に関して、ダルウィーシュ書記長は「テロへの対処に合意したとしても、問題は簡単ではなく、20年はかかる。シリアには今、武装集団の強力な基盤があり、容易ではない…。近く合意に達することができなければ、テロリストがシリア全土を支配し、さらなる大災害が生じる」と警鐘を鳴らした。

一方、民主統一党に関して、ダルウィーシュ書記長は「シリア政府はそのこと(西クルディスタン移行期民政局)に疑義を呈しておらず、否定しておらず、承認している…。民主統一党と連絡をとっており、我々の間に敵意はないが、この党は方針を変えることはない。この党には明確な特徴があり、自治政府に誰かが参加することを拒んでいる」と述べた。

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民主統一党執行委員会は声明を出し、『シャルク・アウサト』(2月16日付)でのアブドゥルハミード・ダルウィーシュ氏の発言に関して、シリア政府が民主統一党を支持しているとの主張には根拠がないと拒否、「こうした発言はジュネーブ2会議第2ラウンドでシリア革命反体制勢力国民連立に付随するクルド人代表団の長としてダルウィーシュ氏が犯した失敗を正当化しようとするものだ」と批判した。

Rihab News, February 17, 2014、al-Sharq al-Awsat, February 16, 2014などをもとに作成。

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2014年2月16日のシリア情勢:諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官は、ジュネーブ2会議第2ラウンドの事実上の決裂に関して「対話が困難だったことに誰も驚いてはいない。しかし、みなにとって明らかなのは、アサド政権の妨害で、事態の進展がより困難になったことだ」と主張した。

AFP, February 16, 2014、AP, February 16, 2014、Champress, February 16, 2014、al-Hayat, February 17, 2014、Iraqinews.com, February 16, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 16, 2014、NNA, February 16, 2014、Reuters, February 16, 2014、Rihab News, February 17, 2014、SANA, February 16, 2014、UPI, February 16, 2014などをもとに作成。

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2014年2月16日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(2月16日付)は、治安筋の話として、アンバール県ラマーディー市で治安部隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員12人を殲滅したと報じた。

AFP, February 16, 2014、AP, February 16, 2014、Champress, February 16, 2014、al-Hayat, February 17, 2014、Iraqinews.com, February 16, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 16, 2014、NNA, February 16, 2014、Reuters, February 16, 2014、Rihab News, February 17, 2014、SANA, February 16, 2014、UPI, February 16, 2014などをもとに作成。

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2014年2月16日のシリア情勢:レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はマナール・チャンネル(2月16日付)を通じてテレビ演説を行い、タマーム・サラーム内閣を「和解内閣」と評価する一方、11ヶ月にわたって組閣が実現しなかったことに関して「ヒズブッラーを内閣から消し去ろうとする者が…組閣を拒否してきた」からだと非難した。

一方、シリアの紛争に関して、ナスルッラー書記長は以下の通り述べた。

Naharnet, February 16, 2014
Naharnet, February 16, 2014

「我々は、アッラーの意思により、この戦争に勝利するだろう…。計画も準備もある…。あとは時期が問題なだけだ」。

「我々はこの問題(レバノン国内で頻発する自爆テロ)が忍耐に値することを知らねばならない…。これらの爆破事件で犠牲となった殉教者は、シリアで命を落とした若者とまさに同じだ。これは同じ戦いなのだ」。

「もし武装集団がシリアを支配したら、レバノンの未来はどうなる? これはすべてのレバノン人を脅かす危険だ…。彼らジハード主義者が国境地帯を制圧する機会を得たのなら、彼らが言うところのイスラーム国にレバノンを組み込もうとめざすだろう」。

「シリアから(ヒズブッラーが)撤退すれば爆破テロはなくなるというのはウソだ」。

 

AFP, February 16, 2014、AP, February 16, 2014、Champress, February 16, 2014、al-Hayat, February 17, 2014、Iraqinews.com, February 16, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Qanat al-Manar, February 16, 2014、Naharnet, February 16, 2014、NNA, February 16, 2014、Reuters, February 16, 2014、Rihab News, February 17, 2014、SANA, February 16, 2014、UPI, February 16, 2014などをもとに作成。

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2014年2月16日のシリア情勢:国内の暴力

PLOのアンワル・アブドゥルハーディー政治局長はAFP(2月16日付)に「パレスチナ諸派の代表50人以上からなる人民代表団が昨日(14日)、武装集団の退去を確認するためにキャンプに入った…。複数の証拠がほとんどの武装集団がキャンプから撤退したことを示している」と述べ、反体制武装集団がダマスカス県ヤルムーク区のパレスチナ難民キャンプから撤退したことを明らかにした。

代表団はまた、近くヤルムーク区東部でも武装集団退去の確認作業を行うほか、技術チームが24時間以内に入り、爆発物などの処理を行うという。

アブドゥルハーティー政治局長はまた「パレスチナ人武装部隊がキャンプ周辺に展開し、外部の武装集団の侵入を阻止している」と述べる一方、武装集団がタダームン区やダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市方面に移動したことを明らかにした。

またこの作業とシリアの国家機関の復旧が完了次第、人道支援が再開される見込みだと付言した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団などによると、ヤブルード市周辺、リーマー農場、ジャリージール村などが軍の激しい砲撃を受けるとともに、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が軍と交戦した。

またタッル市では、アラブ社会主義連合党民主党の幹部バッサーム・アブドゥルカリーム・バスラ氏が「武装した何者か」に暗殺された。

Kull-na Shuraka', February 16, 2014
Kull-na Shuraka’, February 16, 2014

一方、SANA(2月16日付)によると、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプ、ドゥーマー市郊外、ハラスター市、アルバイン市、ヤブルード市、リーマー農場、サルハ市、ムシュリファ村南部、アーリヤ農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

また軍は、レバノンのアルサール村(ベカーア県)方面から武器弾薬を積んでシリア領内に潜入しようとした反体制武装集団の車輌6輌を破壊した。

これに対し、反体制武装集団はドゥーマー市郊外で、シリア赤新月社の女性職員に発砲、殺害した。

このほか、バイト・サフム市、ヤルダー市、バービッラー市、アクラバー村で、市民数十人が同地での「人民和解」に従い、釈放されるとともに、インフラなどの復興の準備が始まった。

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ヒムス県では、シャーム・ネットワーク(2月16日付)によると、軍がカルアト・ヒスン市、ザーラ村を空爆する一方、ザーラ村で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、ヒムス県のタラール・バラーズィー県知事は声明を出し、16日に予定されていたヒムス県旧市街からの住民の退避作業に関して、「武装集団」の攻撃によって中止になったと発表した。

これに関して、シリア人権監視団は、ヒムス市バーブ・フード地区、バーブ・トゥルクマーン地区、サフサーファ地区などで軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えたと発表した。

他方、SANA(2月16日付)によると、ヒムス市ワルシャ地区、サフサーファ地区、バーブ・フード地区、マサービグ地区、ワアル地区郊外、ハーリディーヤ村、ダール・カビーラ村、ラスタン市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の車輌に仕掛けられた爆弾が爆発し、ダーイシュ戦闘員2人が死亡した。

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アレッポ県では、シャーム・ネットワーク(2月16日付)によると、アレッポ市旧市街で、軍と反体制武装集団が交戦し、イスラーム戦線がハサル学校一帯を制圧した。

またシリア人権監視団によると、シャイフ・ナッジャール市で軍と反体制武装集団が交戦、軍が「樽爆弾」を投下し、同市の大部分を制圧した。

さらにアレッポ市マサーキン・ハナーヌー地区評議会の救済局長が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の襲撃を受け、死亡した。

このほか、バールーザ村で、ダーイシュがジハード主義反体制武装集団と交戦の末、同村を制圧した。

またアフタリーン市周辺でも、両者が交戦し、ダーイシュの戦闘員1人が死亡したという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ヒルバト・アームーダー市、ザルズール村、ザンバキー村、ジュマイリーヤ村で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とそれ以外のジハード主義武装集団が交戦した。

またハーミディーヤ航空基地南部、バスィーダー村検問所周辺では軍とジハード主義武装集団が交戦した。

一方、SANA(2月16日付)によると、アラー村、イドリブ中央刑務所街道などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(2月16日付)によると、「人民和解中央委員会」を通じて72人の反体制活動家が投降、祖国と国民の安全に抵触しないことを宣誓後、釈放された。

72人のうち37人がジャッバー村、23人がジュバーター・ハシャブ村、8人がハーン・アルナバ市、2人がマスハラ村、2人がバイト・ジン村で投降したという。

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ダルアー県では、SANA(2月16日付)によると、ダルアー市旧税関地区など、アトマーン村、アブ・カートゥーラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県ではSANA(2月16日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、工業地区、ハウィーカ地区、旧空港地区、ウルフィー地区、労働者住宅地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダイル・ザウル市ムワッザフィーン地区では、反体制武装集団が市民1人を射殺した。

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ハサカ県では、SANA(2月16日付)によると、タッル・ハミース市のサイロから小麦を略奪しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

AFP, February 16, 2014、AP, February 16, 2014、Champress, February 16, 2014、al-Hayat, February 17, 2014、Iraqinews.com, February 16, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 16, 2014、NNA, February 16, 2014、Reuters, February 16, 2014、Rihab News, February 17, 2014、SANA, February 16, 2014、UPI, February 16, 2014などをもとに作成。

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2014年2月16日のシリア情勢:シリア政府の動き

SANA(2月16日付)によると、ラタキア県ジャブラ市、ヒムス市アクラマ地区、ダマスカス郊外県ヤアフール市、ハマー県サラミーヤ市で、軍によるテロとの戦い支持、外国の内政干渉拒否を訴える集会が開かれ、多数の市民が参加した。

また、ダマスカス郊外県ジャイルード市では市民約2,000人が集まり、武装テロ集団の退去と、軍の進駐を求めるデモを行った。

SANA, February 16, 2014
SANA, February 16, 2014

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ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣はジュネーブからの帰路、機内で記者団に対して「(ジュネーブ2会議)第2ラウンドは一部のメディアの分析や英仏外相の反応とは裏腹に、失敗などしていない…。シリア政府の交渉団が、テロとの戦いを第1項目とするアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の議案をシリアが同意すると発表したことで…、第2ラウンドは、重要な成果をなした」と述べた。

SANA(2月16日付)などが伝えた。

AFP, February 16, 2014、AP, February 16, 2014、Champress, February 16, 2014、al-Hayat, February 17, 2014、Iraqinews.com, February 16, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 16, 2014、NNA, February 16, 2014、Reuters, February 16, 2014、Rihab News, February 17, 2014、SANA, February 16, 2014、UPI, February 16, 2014などをもとに作成。

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2014年2月16日のシリア情勢:反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(2月16日付)は、複数の消息筋の話として、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・トゥウマ暫定内閣からの辞任を発表していたアスアド・ムスタファー国防大臣が辞意を撤回したと報じた。

同報道は、辞意撤回の理由は不明としつつ、外国の圧力によるものではないと断じた。

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自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)はビデオ声明を出し、サリーム・イドリース参謀長を解任し、参謀副長のアブドゥルイラーフ・バシール准将を後任の参謀長に任命したと発表した。

またバシール准将の参謀長就任を受け、ハイサム・アスィーフィー大佐が副参謀長に任命された。

ビデオ声明は、カースィム・サアドッディーン大佐によって読み上げられた。

バシール新参謀長はクナイトラ県出身で、2012年に離反した。

クッルナー・シュラカー(2月16日付)などによると、イドリース参謀長の解任は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・トゥウマ暫定内閣のアスアド・ムスタファー国防大臣の辞意撤回の条件だったという。

Kull-na Shuraka', February 16, 2014
Kull-na Shuraka’, February 16, 2014

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『ハヤート』(2月17日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長がイドリブ県に潜入し、シリア革命家戦線の戦闘員らに「高性能兵器が至急、あなたがたに供与され、我々は、腐敗した犯罪者であるこの体制からシリア全土を解放するだろう」と述べ、武器供与を約束したと報じた。

ジャルバー議長はシリア革命家戦線のジャマール・マアルーフ氏に連れられイドリブ県内を視察、「我々は、アサドがその一部としてとどまるような政治的解決に満足することはできない。我々が建設しようとしている自由シリアに犯罪者の居場所などない」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、レバノンのタマーム・サラーム新内閣の閣僚人選の完了に関して、祝辞を述べるとともに、シリア領内からのヒズブッラーの戦闘員の撤退に関して閣議決定することを求めた。

AFP, February 16, 2014、AP, February 16, 2014、Champress, February 16, 2014、al-Hayat, February 17, 2014、Iraqinews.com, February 16, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 16, 2014、NNA, February 16, 2014、Reuters, February 16, 2014、Rihab News, February 17, 2014、SANA, February 16, 2014、
Shabakat Sham al-Ikhbariya, February 16, 2014、UPI, February 16, 2014などをもとに作成。

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2014年2月15日のシリア情勢:諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領はロサンジェルス郊外のランチョ・ミラージュでヨルダンのアブドゥッラー国王と会談、シリア情勢などについて協議した。

会談で、オバマ大統領は「短期間で(シリアの紛争が)解決すると期待していない。それゆえ、そこでの人道状況に対して支援を行うため、早急なステップがなされるだろう…。アサド政権にさらなる圧力をかけるため、我々に可能な段階的な措置が講じられるだろう」と述べた。

オバマ政権高官によると、2時間にわたる会談で、オバマ大統領は「穏健な反体制勢力への支援」の必要を強調、ヨルダンに「穏健な反体制勢力に関して、重要な役割を果たし得る」と伝えたのだという。

AFP, February 15, 2014、AP, February 15, 2014、Champress, February 15, 2014、al-Hayat, February 16, 2014、Iraqinews.com, February 15, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 15, 2014、NNA, February 15, 2014、Reuters, February 15, 2014、Rihab News, February 16, 2014、SANA, February 15, 2014、UPI, February 15, 2014などをもとに作成。

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2014年2月15日のシリア情勢:イラクの動き

合同作戦司令部は声明を出し、アンバール県ハーリディーヤ地方などで、イラク軍第一師団がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、複数の戦闘員を殲滅したと発表した。

AFP, February 15, 2014、AP, February 15, 2014、Champress, February 15, 2014、al-Hayat, February 16, 2014、Iraqinews.com, February 15, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 15, 2014、NNA, February 15, 2014、Reuters, February 15, 2014、Rihab News, February 16, 2014、SANA, February 15, 2014、UPI, February 15, 2014などをもとに作成。

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2014年2月15日のシリア情勢:レバノンの動き

タマーム・サラーム首相は、大統領宮殿で、ミシェル・スライマーン大統領、ナビーフ・ビッリー国民議会議長と会談後、10ヶ月10日におよぶ組閣交渉を経て24閣僚からなる内閣発足で合意したと発表した。

Naharnet, February 15, 2014
Naharnet, February 15, 2014

サラーム新内閣は、3月14日勢力の閣僚8人、3月8日勢力の閣僚8人、中道派(スライマーン大統領、進歩社会主義党)の閣僚8人からなる。

内閣発足の動きは、1月17日にサアド・ハリーリー元首相が、3月8日勢力閣僚が参加する挙国一致内閣に参加の意思を示したことで一気に加速していた。

しかし3月14日勢力を構成するレバノン軍団は、ヒズブッラーからの閣僚輩出に異議を唱え、入閣を拒否した。

一方、3月8日勢力内では、自由国民潮流が電力水資源大臣の維持を主張する一方、アシュラフ・リーフィー前内務治安軍総局長の内務大臣に推すヒズブッラーと対立していたが、自由国民潮流が要求を受け入れられたかたちとなった。

 

AFP, February 15, 2014、AP, February 15, 2014、Champress, February 15, 2014、al-Hayat, February 16, 2014、Iraqinews.com, February 15, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 15, 2014、NNA, February 15, 2014、Reuters, February 15, 2014、Rihab News, February 16, 2014、SANA, February 15, 2014、UPI, February 15, 2014などをもとに作成。

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2014年2月15日のシリア情勢:国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ヤブルード市内の住宅地に対して砲撃を続けた。

またアドラー市ウンマーリーヤ地区周辺で、軍、国防隊、ヒズブッラー民兵が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(2月15日付)によると、ヤブルード市周辺、リーマー農場、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外、ドゥーマー市、ムライハ市、アドラー市ウンマーリーヤ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またハラスター市郊外に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民3人が負傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市、ガントゥー市を軍が砲撃する一方、ムシャイリファ村、マスアダ村、サラーム・ガルビー村、サラーム・シャルキー村、ハッターブ村で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(2月15日付)によると、ザーラ村、タルビーサ市、タッルドゥー市、マスアダ無r、ムシャイリファ村、ハッターブ村、サラーム・ガルビー村、サラーム・シャルキー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市のキャンプ地区周辺で軍と反体制武装集団が交戦する一方、ヌアイマ村を軍が砲撃した。

一方、SANA(2月15日付)によると、アトマーン村、ダルアー市各所(旧税関地区など)、ズバイラ村、ダーイル町、西ガーリヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ムウタスィム・ビッラー旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、スーラーン市周辺で、軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦する一方、軍がラターミナ町を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(2月15日付)によると、スーラーン市、ムーリク市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アキユール地区、ジュルーム地区、マアスラーニーヤ地区を軍が砲撃する一方、カラージュ・ハジャズ通行所一帯で、軍と反体制武装集団が交戦した。

またハンダラート・キャンプ、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、アッザーン村、ラスム・アッブード村、カフルダーイル村を軍が砲撃した。

これに対して、反体制武装集団はアズィーザ村のシリアテル陸橋の軍拠点を砲撃した。

一方、SANA(2月15日付)によると、アレッポ市マイサル地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ハイダリーヤ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ中央刑務所周辺、アッザーン村、ラスム・アッブード村、カフルダーイル村、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、ハンダラート村、マアスラーニーヤ村、タッル・ジャニーン村、ムスリミーヤ村、マンスーラ村、バシュカーティーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(2月15日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月15日付)によると、バシーリーヤ村、カフルナジャブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(2月15日付)によると、ラシーダ村の給水施設を反体制武装集団が迫撃し、ポンプが破壊された。

AFP, February 15, 2014、AP, February 15, 2014、Champress, February 15, 2014、al-Hayat, February 16, 2014、Iraqinews.com, February 15, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 15, 2014、NNA, February 15, 2014、Reuters, February 15, 2014、Rihab News, February 16, 2014、SANA, February 15, 2014、UPI, February 15, 2014などをもとに作成。

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2014年2月15日のシリア情勢:シリア政府の動き

SANA(2月15日付)によると、ダマスカス県シャーグール区で、シリア軍によるテロとの戦いとシリア政府のジュネーブ2会議参加を支持するデモが実施され、数千人の市民が参加した。

このデモの最中に、反体制武装集団が同地区入り口にあるイブン・アサーキル通りのバス停前に仕掛けた爆弾が爆発し、1人が負傷した。

またアレッポ県のサフィーラ市、スワイダー県のカナワート市、クナイトラ県のハドル村でも同様のデモが実施され、多数の市民が参加した。

SANA, February 15, 2014
SANA, February 15, 2014

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ヒムス県のタラール・バラーズィー知事はAFP(2月15日付)に、ヒムス市旧市街から退避後に当局に身柄拘束されていた15歳から55歳の男性のうち32人が新たに解放された、と述べた。

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DamasPost(2月15日付)は、複数の消息筋の話として、マーヒル・アサド准将(第4師団第42旅団司令官)が、シリア情勢の進展に安堵し、シリア軍およびシリア国民の勝利を確信しつつ、軍における任務にあたっている、と報じた。

Kull-na Shuraka', February 15, 2014
Kull-na Shuraka’, February 15, 2014

 

AFP, February 15, 2014、AP, February 15, 2014、Champress, February 15, 2014、DamasPost, February 15, 2014、al-Hayat, February 16, 2014、Iraqinews.com, February 15, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 15, 2014、NNA, February 15, 2014、Reuters, February 15, 2014、Rihab News, February 16, 2014、SANA, February 15, 2014、UPI, February 15, 2014などをもとに作成。

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2014年2月15日のシリア情勢:反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(2月15日付)は、イドリブ県バーブ・ハワー国境通行所筋の話として、トルコ側に設置された避難民キャンプの若者による窃盗、密輸などの犯罪行為に対処するため、トルコ当局が同キャンプの撤去しようとしていると伝えた。

これを受け、イスラーム戦線が同県のハーリム市、サルキーン市、サルマダー市に代替キャンプを設営し、72時間以内に移動するよう避難民に求めているという。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表はフェイスブックで、ダマスカス県のダーマールーズ・ホテル(旧メリディアン・ホテル)で駐シリア・イラン大使館が開催したイラン革命35周年記念パーティーに、委員会代表として招待され、出席したと発表した。

Kull-na Shuraka', February 15, 2014
Kull-na Shuraka’, February 15, 2014

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クッルナー・シュラカー(2月15日付)は、アレッポ県アターリブ市からのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の撤退を受け、同村で「シリア建設連合」なる自治組織が結成され、復興をめざしていると報じた。

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シリア人権監視団は2011年3月以降の紛争による死者数が14万人を越えたと発表した。

同監視団によると死者総数は14万41人で、うち民間人は4万9,951人(子供は7,626人、女性は5,064人)、軍、国防隊戦闘員は5万4,199人、ヒズブッラーの戦闘員は275人、身元不明は2,837人だという。

AFP, February 15, 2014、AP, February 15, 2014、Champress, February 15, 2014、al-Hayat, February 16, 2014、Iraqinews.com, February 15, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 15, 2014、NNA, February 15, 2014、Reuters, February 15, 2014、Rihab News, February 16, 2014、SANA, February 15, 2014、UPI, February 15, 2014などをもとに作成。

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2014年2月15日のシリア情勢:ジュネーブ2会議第2ラウンド

スイスのジュネーブでジュネーブ2会議第2ラウンドの直接交渉(最終日)が開かれたが、次回(第3ラウンド)の日程についても合意できないまま、事実上決裂した。

交渉後、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は記者団に「第2ラウンドにおける最後のセッションは、これまでのすべての会合と同じく厳しいものだったが、次回ラウンドが開催された際に、その議題を決定することで合意した」と述べた。

ブラーヒーミー共同特別代表はまた「シリア政府はテロとの戦いの問題をまず審議したいと考え、この問題の解決策が案出されるまで別の問題に議論を移すことを拒否している…。これに対して、反体制勢力はもっとも重要なのが移行期統治機関だと考えている…。我々は初日に暴力やテロとの戦いについて審議し、次に移行期統治機関について話し合うことを提案した…。しかし政府は拒否し、反体制勢力の側に、政府が移行期統治機関について議論したくないとの疑念が高まった」と述べた。

そのうえで、ブラーヒーミー共同特別代表は、2回にわたるラウンドで何らの成果も実現できなかったことをシリア国民に謝罪した。

シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官は「政治的移行プロセスについて話さないのなら、時間の無駄だ」としたうえで、「政府は真剣ではない…。我々はジュネーブ合意を議論するためでなく、それを実施するために来たのだ…。我々は政府が時間稼ぎではなく、政治的解決を望んでいることを確認せねばならない…。残念ながら、特筆すべき前向きな成果はなかった」と述べた。

これに対して、政府代表団を率いたバッシャール・ジャアファリー国連代表大使は記者会見で「テロ支援者への我々のメッセージは、シリア国民はテロを拒否しているというものだ。国民の流血を止めばならない。しかし、これは、先方がこの問題を二義的なものにしようとしたために実現しなかった。そればかりか、第1ラウンドではシリアにテロはないとさえ言っていた…。物事を理解するもっとも単純な基礎とは、本をはじめから読むということで、後ろから読むことではない」と述べた。

またジャアファリー大使は、シリア政府代表団が交渉継続を拒否したとするブラーヒーミー共同特別代表の発言に関して「不正確だ…。テロとの戦いが二義的な項目で、移行期統治機関の設置が本質的であるような印象を先方が与えたのだ…。しかし政府代表団は、すべての盲目を包括的に見据えている…。政府代表団は午前中の会合冒頭で、ブラーヒーミー氏が提示した議題に同意した…。我々が拒否すると考えていた先方がこれに憤っただけだと思う…。我々が最初の議題から一つずつ検討、審議することを力説すると、先方はテロとの戦いの項目にうわべだけで対処し、合意に達しないようにしたうえで、移行期統治機関に関する議題に移ろうとした」と反論した。

さらに、ジャアファリー大使は「オバマ米大統領と(ヨルダンの)アブドゥッラー国王の会談(穏健な反体制勢力支援の強調)、そしてダルアーの戦線の戦闘激化が、ジュネーブでの成功とテロとの戦いを完全に妨げている」と非難した。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は声明を出し、「次回交渉について合意できなかったことは、シリアでの和平に向けた努力の重大な失敗で、その直接の責任はアサド政権にある」と非難した。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、ジュネーブ2会議の事実上の決裂に関して「あらゆる進展を妨害したシリア政府の姿勢を非難する」との声明を出した。

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ジュネーブ2会議の事実上の決裂を受け、ロイター通信(2月15日付)は、2013年11月25日付でシリアの司法当局がテロ撲滅法に基づき、反体制活動家1,500人の資産を凍結していたとのクッルナー・シュラカーのリーク(2月13日付、http://all4syria.info/Archive/131018)を伝えた。

AFP, February 15, 2014、AP, February 15, 2014、Champress, February 15, 2014、al-Hayat, February 16, 2014、Iraqinews.com, February 15, 2014、Kull-na Shuraka’, February 16, 2014、Naharnet, February 15, 2014、NNA, February 15, 2014、Reuters, February 15, 2014、Rihab News, February 16, 2014、SANA, February 15, 2014、UPI, February 15, 2014などをもとに作成。

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2014年2月14日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

ハラブ・ニュース(2月16日付)は、14日晩、アレッポ市で集っていた反体制活動家たちが、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に傾倒する「友人」に射殺されたと報じた。

殺害されたのは、ラーヤート・ハック調整メンバー、ハラブ・ニュース特派員らで、この「友人」は同じくダーイシュに傾倒する男性2人と「食事をとりたい」と彼らのもとを訪れ、小銃で射殺したという。

Halabnews.com, February 16, 2014をもとに作成。

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2014年2月14日のシリア情勢:クルド民族主義勢力の動き

Syria-News(2月15日付)は、ハサカ県アームーダー市で民主統一党の党員や支持者がPKKのアブドゥッラ・オジャラン逮捕(1999年)から15年にあたる2月14日にデモを実施、拡声器を通じて住民に参加を強要したと報じた。

Rihab News, February 16, 2014
Rihab News, February 16, 2014

クッルナー・シュラカー(2月16日付)によると、民主統一党はまたラアス・アイン市でも同様のデモを行い、住民に参加を強要したのだという。

Rihab News, February 16, 2014、Syria-news.com, February 15, 2014、February 16, 2014などをもとに作成。

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2014年2月14日のシリア情勢:諸外国の動き

『ハヤート』(2月15日付)によると、ジョン・ケリー米国務長官は訪問先の中国で、シリア情勢に関して「バラク・オバマ大統領は我々みなに、さまざまな選択肢について考えるよう求めた…。これらの選択肢がすでに提示されているのか、いないのかについて応えるように求めている。現状を踏まえて、現在、評価プロセスが進行中だ…。これらの選択肢が明示され、大統領がそれを求めれば、それについての議論がなされるだろう」と述べ、米国の対シリア政策が手詰まりであることを示唆した。

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化学兵器禁止機関は、シリアの化学兵器廃棄プロセスに関して、危険性の低い化学物質の廃棄処理を民間委託する国際入札で、米国とフィンランドの2社を選定したと発表した。

入札には14社が応じていた。

発表によると、米企業はサリンなどの原料となる無機化学物質約160トンを、フィンランドの企業はVXガスやマスタードが図の原料となる有機化学物質約360トンを無害化するという。

AFP, February 14, 2014、AP, February 14, 2014、Champress, February 14, 2014、al-Hayat, February 15, 2014、Iraqinews.com, February 14, 2014、Kull-na Shuraka’, February 14, 2014、Naharnet, February 14, 2014、NNA, February 14, 2014、Reuters, February 14, 2014、Rihab News, February 15, 2014、SANA, February 14, 2014、UPI, February 14, 2014などをもとに作成。

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2014年2月14日のシリア情勢:レバノンの動き

サウジアラビアで事実上の亡命生活を送るサアド・ハリーリー元首相は、ベイルートで行われたムスタクバル潮流による父ラフィーク・ハリーリー元首相追悼記念集会に向けてビデオ演説を行った。

演説のなかでハリーリー元首相は「ムスタクバル潮流は、ヒズブッラー、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線のイメージのなかにある身を置くことを拒否する。ヒズブッラーとアル=カーイダの戦争に同潮流とレバノンのスンナ派が巻き込まれることを拒否する…。ムスタクバル潮流は、ラフィーク・ハリーリーのイメージのなかに身を置くか、さもなければその存在を止めるだろう」と述べた。

またハリーリー元首相は、ナビーフ・ビッリー国民議会議長に向けてメッセージを発し、ヒズブッラーをシリアから撤退させるよう呼びかけた。

Naharnet, February 14, 2014
Naharnet, February 14, 2014

AFP, February 14, 2014、AP, February 14, 2014、Champress, February 14, 2014、al-Hayat, February 15, 2014、Iraqinews.com, February 14, 2014、Kull-na Shuraka’, February 14, 2014、Naharnet, February 14, 2014、NNA, February 14, 2014、Reuters, February 14, 2014、Rihab News, February 15, 2014、SANA, February 14, 2014、UPI, February 14, 2014などをもとに作成。

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2014年2月14日のシリア情勢:国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ミスラーバー市、ムライハ市周辺、ザバダーニー市東部の山岳地帯、ヤブルード市、ザーキヤ町を軍が「樽爆弾」などで空爆・迫撃した。

これに関してUNHCR報道官は記者団に対して、ヤブルード市に対して軍が準備しているとされる総攻撃を前に、同市の500~600世帯がレバノン国内のアルサール村(ベカーア県)に避難していると発表した。

一方、SANA(2月14日付)などは、「ヤブルード方面に対して…質的進軍」があったとし、ヤブルード市を一望できるダフラト・アカバ丘陵を制圧したと報じた。

また、ヤブルード市周辺、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外、アーリヤ農場、アドラー市旧市街、同ウンマーリーヤ地区、ドゥーマー市、ルハイバ市郊外、ランクース市近郊、サフル村、リーマー農場、アルナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線、シャームの民のヌスラ戦船の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(2月14日付)によると、革命家を名乗る複数の男性が、ダーライヤー市の反体制武装集団司令官3人を逮捕・拷問したほか、同市地元評議会メンバーの車に発砲し、女性1人を含む2人を殺害、また同評議会メンバー4人を一時拉致した。

ある活動家によると、政権との停戦を強いられた「革命家」がこうした犯行を行っているのだという。

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ヒムス県では、AFP(2月14日付)によると、ザーラ村で軍がレバノン人などを含む「テロリスト24人」を殲滅した。

一方、SANA(2月14日付)によると、ザーラ村、フーシュ・ディーワーニーヤ村、ナジュマ村、ムフターリーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外交人の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県ではシリア人権監視団やイフバーリーヤ(2月14日付)によると、ヤードゥーダ村のモスク近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、18人(クッルナー・シュラカー(2月14日付)によると34人)が死亡した。

一方、SANA(2月14日付)によると、マターイヤ村、ダルアー市各所、マアルバ町、キヒール村、タイバ町、ヌアイマ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

Kull-na Shuraka', February 14, 2014
Kull-na Shuraka’, February 14, 2014

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアレッポ市旧市街のカールトン・ホテルの地下にトンネルを掘り、爆弾を仕掛け爆発させ、同ホテルを拠点としてた軍の兵士5人が死亡した。しかしSANA(2月14日付)などによると、この爆発による死者は兵士2人だけだという。

またフライターン市では、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が撤退に先立って、電力研究所で市民13人(クッルナー・シュラカー(2月14日付)によると60人以上)を処刑、井戸に遺棄した。

同監視団によると、処刑されたのは、ダーイシュと戦闘しているジハード主義武装集団の親類などだという。

このほか、フライターン市、ラトヤーン村、カフルハムラ村、バーシュカウィー村、タッル・サイビーン村からのダーイシュの撤退を受け、ジハード主義武装集団が同地を制圧した。

ダーイシュはアフリーン市に後退したという。

一方、SANA(2月14日付)によると、アレッポ市旧市街、バニー・ザイド地区、カルム・マイサル地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ブスターン・カスル地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またシャイフ・ルトフィー村、ウワイジャ地区、ダーラト・イッザ市、ハイヤーン町、フライターン市、アナダーン市、ラスム・アッブード村、ハミーミーヤ村、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、アレッポ中央刑務所周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が反体制武装集団の司令官と副官の2人、クルド人戦闘員4人を殺害した。

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ダマスカス県では、SANA(2月14日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(2月14日付)によると、カフルズィーター市、ラターミナ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月14日付)によると、イドリブ市周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、リハーブ・ニュース(2月15日付)によると、カフターニーヤ市で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、市民4人が重傷を負った。

AFP, February 14, 2014、AP, February 14, 2014、Champress, February 14, 2014、al-Hayat, February 15, 2014、al-Ikhbariya, February 14, 2014、Iraqinews.com, February 14, 2014、Kull-na Shuraka’, February 14, 2014、Naharnet, February 14, 2014、NNA, February 14, 2014、Reuters, February 14, 2014、Rihab News, February 15, 2014、SANA, February 14, 2014、UPI, February 14, 2014などをもとに作成。

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2014年2月14日のシリア情勢:シリア政府の動き

SANA(2月14日付)によると、ダマスカス郊外県ジャルマーナー市で、パレスチナ難民キャンプに対する「テロ集団」の包囲・犯罪、外国による内政干渉に反対するデモ行進が行われ、多数の市民が参加した。

SANA, February 14, 2014
SANA, February 14, 2014

AFP, February 14, 2014、AP, February 14, 2014、Champress, February 14, 2014、al-Hayat, February 15, 2014、Iraqinews.com, February 14, 2014、Kull-na Shuraka’, February 14, 2014、Naharnet, February 14, 2014、NNA, February 14, 2014、Reuters, February 14, 2014、Rihab News, February 15, 2014、SANA, February 14, 2014、UPI, February 14, 2014などをもとに作成。

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2014年2月14日のシリア情勢:反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(2月14日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立アフマド・トゥウマ暫定内閣筋の話として、アスアド・ムスタファー国防大臣が辞任したと報じた。

同サイトが転載した辞任声明によると、「現地での困難な状況…では、暫定政府が役割を果たすことができない」のが理由だという。

Kull-na Shuraka', February 14, 2014
Kull-na Shuraka’, February 14, 2014

 

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シリア・ムスリム同胞団のハッサーン・ハーシミー政治局長は声明を出し、ジュネーブ2会議が「政治的解決に失敗した」と断言し、「この会議が失敗したことを糾弾する研究評価」が行われることへの期待を表明した。

AFP, February 14, 2014、AP, February 14, 2014、Champress, February 14, 2014、al-Hayat, February 15, 2014、Iraqinews.com, February 14, 2014、Kull-na Shuraka’, February 14, 2014、Naharnet, February 14, 2014、NNA, February 14, 2014、Reuters, February 14, 2014、Rihab News, February 15, 2014、SANA, February 14, 2014、UPI, February 14, 2014などをもとに作成。

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2014年2月14日のシリア情勢:ジュネーブ2会議第2ラウンド

スイスのジュネーブでジュネーブ2会議第2ラウンドの直接会合が開かれ、『ハヤート』(2月15日付)などによると、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が、政府、シリア革命反体制勢力国民連立の代表団に議題についての合意を求めた。

しかし、「テロとの戦い」と移行期統治機関のどちらを最優先議題にするかをめぐって両代表団が対立し、西側外交筋によると「何らの進展もなかった」。

シリア革命反体制勢力国民連立のバドル・ジャームース氏は、米国のウェンディー・シャーマン政治担当国務次官との会談後、AFP(2月14日付)に「事態は好転していない…。今後何が起きるかは、ブラーヒーミー氏次第だが、金曜日(14日)が最終日になるだろう」と述べた。

また連立のルワイユ・サーフィー報道官は記者会見で「手詰まりになった。ダムが分厚い壁にならなければと思っている。我々はどんな躓きや困難も克服できる…。交渉は躓いた。これは秘密ではない。政治的解決に専念したいと考える別のチームがなければ、乗り越えられない地点にまで来てしまった…。政府が派遣した現在のチームは何の反応も示そうとしない…。事態が改善せずに、こうした状況が続けば、交渉は政治的解決実現に向けて描かれている道筋をたどることはない」と述べた。

一方、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、記者会見で「今日は、我々の代表団と国際仲介者(ブラーヒーミー氏)との会合から始まったが、残念ながら何の進展も実現しなかった…。我々はテロを阻止したいという率直な望みをもってジュネーブに来た。先方は、テロの存在を認めようとしていないが、我々は引き続きこのプロセスを続ける…。我々はテロとの戦いが最優先だと感じている。移行期政府についての審議が始まっても、テロを支援することしか耳に入ってこない…。先方は非現実的な議題を持ち込んでいる。彼らは移行期政府以外のいかなる問題についても話すつもりはない。これに対して我々はいかなる問題についても話す用意がある…。テロとの戦いについて合意したうえで移行期政府の問題について話す用意がある」と述べた。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワでドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイアー外務大臣と会談した。

会談後の記者会見で、ラブロフ外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立に関して「このプロセス(ジュネーブ2会議)の参加を受けて、彼らはジュネーブ合意の完全実現に向けた話し合いに集中することを呼びかけているような印象があったが、実際には体制転換にしか関心がない…。彼らがしたいことは、移行期統治機関について話すことだけだ」と批判した。

AFP, February 14, 2014、AP, February 14, 2014、Champress, February 14, 2014、al-Hayat, February 15, 2014、Iraqinews.com, February 14, 2014、Kull-na Shuraka’, February 14, 2014、Naharnet, February 14, 2014、NNA, February 14, 2014、Reuters, February 14, 2014、Rihab News, February 15, 2014、SANA, February 14, 2014、UPI, February 14, 2014などをもとに作成。

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最新論考「ヒズブッラーとは何か――抵抗と革命の30年」(Synodos)

ヒズブッラーとは何か――抵抗と革命の30年
末近浩太 / 中東地域研究
http://synodos.jp/international/7006
中東情勢をめぐる報道のなかでしばしば登場する「ヒズボラ」。最近では、とくに2011年からのシリア「内戦」において、バッシャール・アサド政権を支持・支援する勢力として、新聞やテレビのニュースで取り上げられている。かつては、自爆攻撃や欧米人の誘拐を繰り返す「イスラーム原理主義」や「テロ組織」として、その名がたびたび報じられたこともある。・・・

2014年2月13日のシリア情勢:諸外国の動き

アーディル・ミルダード駐トルコ・サウジアラビア大使は『ハヤート』(2月14日付)に、シリアで戦闘に参加していたサウジアラビア人多数が最近になってトルコ経由でサウジアラビアに帰国したことを認めた。

ミルダード大使は「大使館は帰国した者の数を言及したくはない」と述べるとともに、帰国した時期についての明言も避けたが、「我々の任務は、彼らが王国に帰国できるようにし、それを促すことにある」と述べた。

ミルダード大使はまたサウジアラビア通信(2月13日付)を通じて声明を出し、「騙され(て連れてこられ)た市民をシリア国内の紛争地域から退去させるために大使館は努力を行っている」と発表した。

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AFP(2月13日付)は、英国警察(テロ対策課)が、シリアで最初に自爆テロを行ったとされるアブドゥルワーヒド・ムジード氏(41歳)の自宅(マンチェスター)を家宅捜索した、と報じた。

ムジード氏は、「アブー・スライマーン・バリターニー」の名で知られており、トルコのシリア人避難民を支援するためとして、2013年8月に英国を出国し、シリアでのテロ活動に参加していたという。

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シリアから搬出された危険度の高い化学物質廃棄を行うため、米ノーフォーク港を1月27日に出港した米国船籍MVケープ・レイ(MV Cape Ray)が、スペイン南部のロタ海軍基地に到着した。

駐スペイン米大使館によると、MVケープ・レイはイタリアのカラバリヤで廃棄作業を行う予定だが、ロタ海軍基地出港日は確定していないという。

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ウィリアム・ヘイグ英外務大臣は声明を出し、ヒムス市旧市街から退避後に一時拘束されている男性市民に関して、即時釈放を求めた。

また米国務省報道官も、一時拘束に懸念を示し、釈放を求めた。

AFP(2月13日付)が伝えた。

AFP, February 13, 2014、AP, February 13, 2014、Champress, February 13, 2014、al-Hayat, February 14, 2014、Iraqinews.com, February 13, 2014、Kull-na Shuraka’, February 13, 2014、Naharnet, February 13, 2014、NNA, February 13, 2014、Reuters, February 13, 2014、Rihab News, February 13, 2014、SANA, February 13, 2014、SPA, February 13, 2014、UPI, February 13, 2014などをもとに作成。

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2014年2月13日のシリア情勢:イラクの動き

合同作戦司令部は声明を出し、第二歩兵師団がモスル市で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の「ジャズィーラ州」指導者を含む3人の幹部を殺害したと発表した。

AFP, February 13, 2014、AP, February 13, 2014、Champress, February 13, 2014、al-Hayat, February 14, 2014、Iraqinews.com, February 13, 2014、Kull-na Shuraka’, February 13, 2014、Naharnet, February 13, 2014、NNA, February 13, 2014、Reuters, February 13, 2014、Rihab News, February 13, 2014、SANA, February 13, 2014、UPI, February 13, 2014などをもとに作成。

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2014年2月13日のシリア情勢:国内の暴力

ヒムス県では、ラタール・バラーズィー県知事が国連との間で合意しているヒムス市旧市街からの市民退避と人道支援搬入のための停戦を再び72時間延長すると発表した。

『ハヤート』(2月14日付)によると、停戦発効後、旧市街から避難した市民の数は1,400人に上っており、うち約200人(男性)が治安当局に一時身柄拘束され、聴取を受けているという。

これに関連して、SANA(2月13日付)は、ヒムス市旧市街から退避した15歳から55歳までの男性70人に対する聴取が終わり、身柄を解放されたと報じた。

バラーズィー県知事によると、身柄を解放された男性の一部に対しては恩赦がなされたという。

また国連のマーティン・ニルスキー報道官は、ヒムス市旧市街から退避後に治安当局に一時身柄拘束されていた15歳から50歳の男性約430人のうち181人が釈放されたと発表した。

AFP(2月13日付)が伝えた。

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同じく、ヒムス県では、シリア人権監視団によると、カルアト・ヒスン市、ザーラ村を軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(2月13日付)によると、ラスタン市、アイン・フサイン村、イッズッディーン町、ザーラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャリーア委員会拠点などを破壊、外国人戦闘員らを殺傷した。

またレバノン領内からタッルカラフ市郊外に潜入を試みる武装集団を軍が撃退した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のマイサル地区、ハイダリーヤ地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ハムラー地区、ブスターン・カスル地区、ハラク地区、シャイフ・ナッジャール市を軍が「樽爆弾」などで空爆・砲撃し、女性子供を含む50人以上が死亡した。

また、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がマアーッラト・アルティーク村を砲撃し、市民1人が死亡したほか、フライターン市郊外の反体制武装集団の検問所に対してダーイシュ戦闘員が爆弾を積んだ車で自爆攻撃を行った。

さらに、クルド戦線旅団をはじめとする複数の武装集団は、アアザーズ市をはじめとする県北部解放に向けた「尊厳の戦い」を開始し、ダーイシュとの戦闘を本格化させた。

一方、SANA(2月13日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、アナダーン市、アッザーン村、マアスラーニーヤ村、タッル・シュアイル村、ムスリミーヤ村、ダーラト・イッザ市、クワイリス村、アルバイド村、ラスム・アッブード村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ハッダーディーン地区、ブスターン・バーシャー地区、ハイダリーヤ地区、マイサル地区、マルジャ地区、ウワイジャ地区、バニー・ザイド地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ヤブルード市、リーマー農場を軍が「樽爆弾」などで空爆・砲撃した。

一方、SANA(2月13日付)によると、ヤブルード市周辺、ジャイルード市郊外、ルハイバ市周辺、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプ、ムライハ市、ザバディーン市、サフル村、リーマー農場、マラーハ市、ザバダーニー市郊外山岳地帯、ダイル・アサーフィール市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジュダイダ・アルトゥース市、ハラスター市で、反体制武装集団が市民を襲撃し、1人が死亡、女性・子供らが負傷した。

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ダマスカス県では、SANA(2月13日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(2月13日付)によると、タッフ村、アルナバ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、Syria-News(2月13日付)によると、シャイフ・ハディード町に軍が突入し、離反兵や反体制運動支持者の自宅70棟以上を戦車、装甲車などで破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月13日付)によると、アブー・ズフール町、ブシャマーリーン村、マジュダリヤー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(2月13日付)によると、シャンマース村一帯、ファルナルク村の森林地帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(2月13日付)によると、ダルアー市各所、クサイバ村、アイン・アブド村、スワイサ村、ハーミル村、ハッジャ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダルアー市の変電施設、ヤルムーク製粉工場を反体制武装集団が襲撃した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(2月13日付)によると、ハサカ市中心部、ダウワール・バースィル、旧野菜市場一帯、ヌシューワ地区、タッル・ハジャル地区で軍と反体制武装集団が激しく交戦し、反体制武装集団戦闘員3人が死亡、また市民約30人が戦闘に巻き込まれて負傷した。

また戦闘を受け、民主統一党人民防衛隊がカーミシュリー市、アームーダー市、ラアス・アイン市、ダイリーク市からハサカ市への旅行者の移動を禁止した。

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タルトゥース県では、アクサム・ナイーサ氏がフェイスブックで明らかにしたところによると、反体制組織「新シリア党」に参加しているアラウィー派の青年がタルトゥース市フッラ地区で軍事情報局に逮捕された。

「新シリア党」はアサド政権の打倒をめざしていたという。

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ダイル・ザウル県では、シリア革命反体制勢力国民連立が、ダイル・ザウル市郊外の製塩工場をイスラーム戦線が制圧したと発表した。

AFP, February 13, 2014、AP, February 13, 2014、Champress, February 13, 2014、al-Hayat, February 14, 2014、Iraqinews.com, February 13, 2014、Kull-na Shuraka’, February 13, 2014、Naharnet, February 13, 2014、NNA, February 13, 2014、Reuters, February 13, 2014、Rihab News, February 13, 2014、SANA, February 13, 2014、Syria-news.com, February 13, 2014、UPI, February 13, 2014などをもとに作成。

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2014年2月13日のシリア情勢:シリア政府の動き

SANA(2月13日付)によると、ハマー県カムハーナ町で、マアーン村でのシャームの民のヌスラ戦線による住民虐殺に抗議するデモが行われ、多数の住民が参加した。

デモにはハマー県のガッサーン・ハルフ知事、バアス党ハマー支部のムハンマド・アマーディー書記長らも参加した。

またアレッポ市郊外のナイラブ村、ジブリーン村などの住民およびパレスチナ人合わせて数千人がナイラブ・パレスチナ難民キャンプでデモ行進を行い、「武装テロ集団」による犯罪、外国による内政干渉に抗議の意を示した。

デモ行進には、アレッポ県のムハンマド・ワヒード・アッカード県知事、バアス党アレッポ支部のアフマド・サリフ・イブラーヒーム書記長、ムハンマド・ハンヌーシュ県議会議長らも参加した。

さらにラタキア市南ラムル地区でも、シリア軍による「テロとの戦い」を支持するデモ行進が行われ、多数の市民が参加した。

SANA, February 13, 2014
SANA, February 13, 2014

デモ行進には、ラタキア県のアフマド・シャイフ・アブドゥルカーディル県知事、バアス党ラタキア支部のムハンマド・シュライティフ書記長、アンマール・アサド人民議会議員らも参加した。

このほか、ヒムス市内のパレスチナ難民キャンプでも同様のデモが行われ、パレスチナ人数百人が参加した。

デモ行進には、ヒムス県のビラール・バラーズィー県知事、バアス党ヒムス支部のスブヒー・ハルブ書記長らも参加した。

AFP, February 13, 2014、AP, February 13, 2014、Champress, February 13, 2014、al-Hayat, February 14, 2014、Iraqinews.com, February 13, 2014、Kull-na Shuraka’, February 13, 2014、Naharnet, February 13, 2014、NNA, February 13, 2014、Reuters, February 13, 2014、Rihab News, February 13, 2014、SANA, February 13, 2014、UPI, February 13, 2014などをもとに作成。

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2014年2月13日のシリア情勢:反体制勢力の動き

アラビーヤ(2月13日付)は、イラク内務省から得た独占入手情報をもとに、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の幹部6人の身元を割り出し、14日放映予定の番組「死の産業」で詳細を伝えると報じ、その顔写真を公開した。

6人はいずれもイラク国籍で、うち4人はサッダーム・フサイン政権時代にイラク軍に従軍、2人は、ウンム・カスル市(イラク)に米占領軍が解説したブーカー刑務所の収監者だという。

Kull-na Shuraka', February 13, 2014
Kull-na Shuraka’, February 13, 2014

6人の氏名・略歴は以下の通り:

アブー・バクル・バグダーディー:ダーイシュの最高指導者。かつてはアブー・ディアーを名乗る。

アブー・アイマン・イラーキー:イドリブ県、アレッポ県、ラタキア県北部で活動するダーイシュを統轄。ダーイシュ軍事評議会メンバー。フセイン政権時代のイラク軍に従軍(空軍情報部付中尉)。イラクではアブー・ムハンナド・スワイダーウィーを名乗っていた。2011年にシリアに潜入。

アブー・アフマド・アルワーニー:別名ワリード・ジャースィム・アルワーニー。ダーイシュ軍事評議会メンバー。元イラク軍士官。

アブー・アブドゥッラフマーン・ビーラーウィー:本名アドナーン・イスマーイール・ナジュム。かつてはアブー・ウサーマー・ビーラーウィーを名乗る。アンバール県出身。ダーイシュ軍事評議会メンバー兼シューラー評議会議長。元イラク軍兵士。アンバール県での戦闘で死亡。

ハッジー・バクル:別名アブドゥルムハンマド・フライファーウィー。元イラク軍兵士。ブーカー刑務所元収監者。武器開発部門担当。シリアで活動していたが、死亡。

アブー・ファーティマ・フジャイシー:本名ニウマ・アブド・ナーイフ・ジャッブーリー。イラク南部での作戦を統轄。

 

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ダルアー県などシリア南部で活動するとされる「自由シリア軍」の武装集団49組織が共同声明を出し、新たな武装組織「南部戦線」を結成したと発表した。

声明によると、南部戦線は3万人の戦闘員を擁し、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ダルアー県、クナイトラ県、スワイダー県で活動し、政権打倒をめざすという。

南部戦線に参加した武装集団は以下の通り:

南部シリア革命家戦線

下カラムーン旅団

ヤルムーク旅団

ファッルージャ・ハウラーン旅団

ムハージリーン・アンサール旅団

スンナの獅子旅団

3月18日師団

ハムザ・アサドゥッラー旅団

第1コマンド師団

イスラームの暁旅団

シャバーブ・スンナ旅団

イッズ・ブン・アブドゥッサラーム旅団

カラーマ旅団

シャーム解放師団

第一砲兵連隊

第一旅団

ドゥーマー殉教者旅団

グータ・ムジャーヒディーン旅団

アバービール・ハウラーン旅団

ハウラーン大隊統合

上カラムーン第11師団

ムウタッズ・ビッラー旅団

特殊任務旅団

クナイトラ軍事評議会

シャームの剣旅団

シャーム解放旅団

ダマスカス殉教者旅団

イスラーム殉教者旅団

自由殉教者旅団

ヤルムーク殉教者旅団

アームード・ハウラーン旅団

ラジャーの盾旅団

二大聖地旅団

ハビーブ旅団

建設大隊

ナワー自由人旅団

サラーフッディーン旅団

ハウラーンの嵐旅団

タバールク・ラフマーン大隊

ラジャー・タウヒード大隊

第1騎兵連隊

第2騎兵連隊

ムウタスィム・ビッラー大隊

ヒムス・ワリード旅団

イブン・ワリード末裔旅団

特殊任務連隊

ハウラーン殉教者旅団

西部郊外自由人大隊

Kull-na Shuraka', February 13, 2014
Kull-na Shuraka’, February 13, 2014

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スワイダー・コマンド旅団が声明を出し、シリア革命家戦線に参加すると発表した。

AFP, February 13, 2014、Alarabia, February 13, 2014、AP, February 13, 2014、Champress, February 13, 2014、al-Hayat, February 14, 2014、Iraqinews.com, February 13, 2014、Kull-na Shuraka’, February 13, 2014、Naharnet, February 13, 2014、NNA, February 13, 2014、Reuters, February 13, 2014、Rihab News, February 13, 2014、SANA, February 13, 2014、UPI, February 13, 2014などをもとに作成。

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2014年2月13日のシリア情勢:ジュネーブ2会議関連

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、スイスのジュネーブでロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官、米国のウェンディー・シャーマン政治担当国務次官と会談し、ジュネーブ2会議などシリア情勢への対応を協議した。

会談後の記者会見で、ブラーヒーミー共同特別代表は、移行期統治機関の問題に関して「来週は検討されないだろうし、おそらく今後数週間は検討されないだろう」と述べるとともに、米露両国がシリア政府、シリア革命反体制勢力国民連立の交渉における対立打開を支援することを約束したことを明らかにした。

『ハヤート』(2月13日付)が伝えた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のハーディー・バフラ氏は、AFP(2月13日付)に、ジュネーブ2会議の交渉が失敗した場合、国連安保理に問題解決を付託するべきだと述べた。

バフラ氏は「会議には、ロシアと米国という二カ国の主催者がおり、国連・アラブ連盟共同特別代表を通じて、国連が交渉を運営している。それゆえ、会議が前向きな解決策、ないしは前向きな進展を見せなければ、ブラーヒーミー氏には、安保理と主催国2カ国に報告を行う責任がある」と述べた。

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ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立が移行期統治機関の設置についての審議を主張していることに関して、AFP(2月13日付)に「こうして受け入れられない方法で、彼らの頭のなか、そして彼らの背後にいる者のためにしか説明がつかないようなことを固執するのはまったく不当だ」と述べた。

そのうえで「彼らはずっと待っていればよい。我々は…(ブラーヒーミー共同特別代表が示した)ペーパー(議案)を尊重するだけだからだ…。もし彼らがジュネーブ2会議に真剣に取り組みたいのなら…、ペーパーが定めている優先順位を完全に守るべきだ」と付言した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は記者会見で、「テロはシリアの人道危機に劣らず深刻な問題だ…。アサド大統領が権力の座にとどまる限り、テロを停止することが不可能だと西側諸国が主張することを大いに懸念している」と述べた。

『ハヤート』(2月13日付)が伝えた。

AFP, February 13, 2014、AP, February 13, 2014、Champress, February 13, 2014、al-Hayat, February 13, 2014, February 14, 2014、Iraqinews.com, February 13, 2014、Kull-na Shuraka’, February 13, 2014、Naharnet, February 13, 2014、NNA, February 13, 2014、Reuters, February 13, 2014、Rihab News, February 13, 2014、SANA, February 13, 2014、UPI, February 13, 2014などをもとに作成。

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2014年2月12日のシリア情勢:諸外国の動き

ロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官は、人道回廊設置を定めた安保理決議案の提出をめざす西側諸国に関して、「シリア政府に対する軍事的行動に道を開くことが目的だ…。我々にとって現在、準備がなされていることは容認できない。我々がそれを承認させないのは当然」と非難、安保理で採決がなされた場合、ロシアは反対票を投じると述べた。

RIAノーヴォスチ通信(2月12日付)などが伝えた。

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ロシア外務省報道官は、人道回廊設置を求める国連安保理決議案の審議をめざす欧米諸国、とりわけ米国の批判に関して「こうして逸脱したやり方で、なぜシリアに対するロシアの姿勢をゆがめようとするのか?」と反論した。

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ヨルダンのアブドゥッラー国王がワシントンDCでジョー・バイデン米副大統領と会談し、シリア情勢などについて協議した。

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バレリー・アモス人道問題担当事務次長は「24万人以上のシリア人が(都市部で)包囲されている」と警鐘を鳴らすとともに、政府、反体制勢力の双方が国際法に違反して民間人の安全を守っていないと批判、国連安保理に対して、シリアでの人道に対する犯罪を国際刑事裁判所に訴追するための行動を求めた。

AFP, February 12, 2014、AP, February 12, 2014、Champress, February 12, 2014、al-Hayat, February 13, 2014、Iraqinews.com, February 12, 2014、Kull-na Shuraka’, February 12, 2014、Naharnet, February 12, 2014、NNA, February 12, 2014、Reuters, February 12, 2014、RIA Novosti, February 13, 2014、Rihab News, February 12, 2014、SANA, February 12, 2014、UPI, February 12, 2014などをもとに作成。

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