2014年4月3日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のアブー・ムハンマド・アドナーニー報道官は音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=JGLgIlADJKY)を出し、「米国は、カリフ制の方法に沿って世界を描き直すための地図を(イラク・シャーム・)イスラーム国のために残してくれた。世界の主権はイスラーム教徒以外の誰のものにもならないだろう」と述べ、米国によるイラクへの介入とその失敗によって、ダーイシュが勢力を得ていると主張した。

Kull-na Shuraka’, April 4, 2014、Youtubeをもとに作成。

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2014年4月3日のシリア情勢:諸外国の動き

国連のファルハーン・ハック副報道官は、ラタキア港からの化学物質搬出作業が3月20日以降中断していることを明らかにした。

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欧米諸国、湾岸アラブ諸国、トルコなど11カ国からなる「シリアの友連絡グループ」は共同声明を出し、2014年7月にシリアで予定されている大統領選挙に関して「民主主義のパロディー」だと批判した。

「シリアの友連絡グループ」は声明で、紛争の「政治的解決」をめざすアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の活動を支援するとともに、シリア政府に対してジュネーブ2会議を通じた和平プロセスへの妨害を停止するよう警告した。

そのうえで「大統領選挙実施というシリア政府の一方的決定は、移行期統治機関を設置するとしたジュネーブ合意…とまったく合致しておらず…民主主義のパロディーに過ぎず、シリア政府がジュネーブでの対話を根本から拒否していることを暴露し、シリア分裂を助長するだろう」と非難した。

AFP, April 3, 2014、AP, April 3, 2014、ARA News, April 3, 2014、Champress, April 3, 2014、al-Hayat, April 4, 2014、Iraqinews.com, April 3, 2014、Kull-na Shuraka’, April 3, 2014、Naharnet, April 3, 2014、NNA, April 3, 2014、Reuters, April 3, 2014、SANA, April 3, 2014、UPI, April 3, 2014などをもとに作成。

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2014年4月3日のシリア情勢:レバノンの動き

バアルベック・スンナ派自由人旅団はツイッターを通じて声明を出し、「バアルベックの地を十字軍とヒズブッラーの墓場とすることをアッラーに誓う」と脅迫した。

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LBCI(4月3日付)は、ベカーア県バアルベック郡ナビー・ウスマーン村に発射されようとしていたロケット弾4発を軍が発見、解除したと報じた。

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レバノンの声ラジオ(4月3日付)によると、北部県トリポリ市での治安維持活動の一環として、軍がアッカール郡のハブラ村で強制捜査を行い、ウマル・バクリー氏に近いとされるシャイフ、ムシール・フドル氏を逮捕した。

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UNHCRは声明を出し、レバノン国内のシリア人避難民の数が100万人を越えたと発表した。

AFP, April 3, 2014、AP, April 3, 2014、ARA News, April 3, 2014、Champress, April 3, 2014、al-Hayat, April 4, 2014、Iraqinews.com, April 3, 2014、Kull-na Shuraka’, April 3, 2014、LBCI, April 3, 2014、Naharnet, April 3, 2014、NNA, April 3, 2014、Reuters, April 3, 2014、SANA, April 3, 2014、UPI, April 3, 2014などをもとに作成。

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2014年4月3日のシリア情勢:国内の暴力

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、2日晩から3日未明にかけて、軍がナブア・ムッル地方にミサイル3発を打ち込むとともに、サルマー町、ガマーム村を砲撃、また第45監視塔周辺、ナブアイン村一帯で、軍、国防隊、アレキサンドレッタ地方解放シリア抵抗運動が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

またシリア人権監視団は、ジュンド・シャーム大隊のアミール、アブー・ムスリム・シーシャーニー氏がラタキア県での戦闘で死亡したとする一部情報についても否定したが、2日の戦闘でカスタル・マアーフ町一帯での戦闘で、軍の砲撃を受け重傷を負ったとされるイスラーム・シャーム大隊司令官アブー・アフマド・マグリビー氏については依然として消息不明だと発表した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市郊外に迫撃砲弾が着弾し、子供6人が死亡、8人が負傷した。

これに関して、SANA(4月3日付)は、「テロリスト」が撃った迫撃砲がハラスター市郊外に着弾し、子供6人が死亡、8人が負傷したと報じた。

またムライハ市周辺で軍と反体制武装集団の戦闘が激化し、軍が同市各所を地対地ミサイルなどで砲撃、空爆した。

Kull-na Shuraka', April 2, 2014
Kull-na Shuraka’, April 2, 2014

これに関して、軍がムライハ市入り口を制圧したとの情報が流れたが、反体制活動家によると、反体制勢力は、イラクから参戦した「征服者アッラーの獅子旅団」を撃退したと発表した。

一方、SANA(4月3日付)によると、サルハ市郊外、ハーン・シャイフ・キャンプ、アイン・タルマー渓谷、ムライハ市、マルジュ・スルターン村、ハラスター市郊外の警察病院周辺、アーリヤ農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、フダー大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備、地下トンネルを破壊した。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、ブラーク村・スーラ町街道で、軍とジハード主義武装集団が交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ブスラー・シャーム市で、軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦する一方、軍はヤードゥーダ村、ダーイル町一帯、タファス市・ダーイル町間、ダルアー市内各所、ハーッラ市を「樽爆弾」などで空爆した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、カースティールー街道、ヒーラーン村を軍が「樽爆弾」などで空爆する一方、サフィーラ市郊外などで軍とジハード主義武装集団が交戦した。

またアイン・アラブ市郊外のズール・マガール村、バイヤーダ村をイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が砲撃、ズール・マガール村で民主統一党人民防衛隊と交戦した。

一方、SANA(4月3日付)によると、ラスム・アッブード村、カースティールー村、カフルスィフル村、カフルダーイル村、アウラム・クブラー町、ハンダラート・キャンプ、アナダーン市、アターリブ市、カフルラーハー市、ダイル・ハーフィル市、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アレッポ市ハナーヌー地区、ジャンドゥール地区、ブアイディーン地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、マルカダ町周辺でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が交戦した。

またクッルナー・シュラカー(4月3日付)によると、ダーイシュが民主統一党人民防衛隊との戦闘の末、ラアス・アイン市郊外のタッル・ブーカ村、ファリーサト・シャラービーイーン村、ファリーサト・スフィヤーン村を制圧した。

一方、ARA News(4月3日付)によると、カフターニーヤ市で爆弾が爆発し、市民2人が負傷した。

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ダマスカス県では、SANA(4月3日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、カッサーア地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、1人が負傷した。

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ヒムス県では、SANA(4月3日付)によると、ザーラ村発電所周辺、ザアフラーナ村、ラスタン市郊外、タルビーサ市、アイン・フサイン村、ガースィビーヤ村、キースィーン村、アイン・イーサー市、ウンク・ハワー村、ブルジュ・カーイー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市カラービース地区、ジュッブ・ジャンダリー地区で反体制武装集団の戦闘員2人が当局に投降した。

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イドリブ県では、SANA(4月3日付)によると、タフタナーズ市、ダイル・サンバル村、ビンニシュ市、アリーハー市南部、サラーキブ市、ジスル・シュグール市、ハーッジ・ハンムード村、ワーディー・ナフル農場、ルージュ平野で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ハック大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(4月3日付)によると、ダマスカス県とスワイダー市を結ぶ幹線道路(ブラーク村、スーラ町・カビーラ村間)の複数カ所に爆弾を仕掛けて爆破した。

ダーマー村に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、2人が負傷した。

AFP, April 3, 2014、AP, April 3, 2014、ARA News, April 3, 2014、Champress, April 3, 2014、al-Hayat, April 4, 2014、Iraqinews.com, April 3, 2014、Kull-na Shuraka’, April 3, 2014、Naharnet, April 3, 2014、NNA, April 3, 2014、Reuters, April 3, 2014、SANA, April 3, 2014、UPI, April 3, 2014などをもとに作成。

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2014年4月3日のシリア情勢:シリア政府の動き

SANA(4月3日付)は、アリー・アブドゥッラー・アイユーブ軍武装部隊参謀長が早朝、レタキア県カサブ町一帯の前線を訪れ、第45監視塔およびその周辺の軍陣地複数カ所を視察したと報じた。

しかし、シリア人権監視団は第45監視塔一帯の戦況に関して、「一部のシャッビーハが…軍によって第45監視塔が制圧されたとの情報をメディアを通じて広めている」と発表、否定した。

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『ワタン』(4月3日付)は社説で、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表に関して「1日たりとも清廉な仲介者だったことはなく、終始、中東破壊分断計画の雇われ人だった」と批判した。

AFP, April 3, 2014、AP, April 3, 2014、ARA News, April 3, 2014、Champress, April 3, 2014、al-Hayat, April 4, 2014、Iraqinews.com, April 3, 2014、Kull-na Shuraka’, April 3, 2014、Naharnet, April 3, 2014、NNA, April 3, 2014、Reuters, April 3, 2014、SANA, April 3, 2014、UPI, April 3, 2014、al-Watan, April 3, 2014などをもとに作成。

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