2014年4月21日のシリア情勢:国内の暴力(追記)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、スール村でシャームの民のヌスラ戦線戦闘員が2回にわたり自爆攻撃を行い、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)戦闘員16人を殺害した。

Alarabia.net, April 22, 2014
Alarabia.net, April 22, 2014

死亡したダーイシュ戦闘員のなかには、「アブー・タルハト・アルマーニー」を名乗っていたドイツ人ラッパーのデソ・ドッグ(Deso Dogg)氏(本名デニス・ママドウ・カスパート)が含まれているという。

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 ハサカ県では、ARA New(4月22日付)によると、イラク・クルディスタン地域から帰国したシリア・クルディスタン民主党中央委員会メンバーのサーリフ・ジャミール氏ら15人が民主統一党のアサーイシュに5時間にわたり拘束され、ジャミール氏を含む8人がイラク・クルディスタン地域に追放された。

また、ハサカ市タッル・ハジャル地区にあるアサーイシュの拘置所の収監者5人が脱獄した。

ARA News, April 21, 2014、al-Hayat, April 23, 2014、Kull-na Shuraka’, April 23, 2014をもとに作成。

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2014年4月21日のシリア情勢:諸外国の動き

米国務省のジェーン・サキ報道官は、ハマー県カフルズィーター市で毒ガスが使用されたとする反体制勢力などの主張に関して「工業用化学物質が使用されたことの兆候(indications)がある」と述べた。

「工業化学物質」は塩素ガスの可能性があるという。

サキ報道官はまた「(シリア)政府に責任があるとする主張を調べている」と付言した。

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人民議会による大統領選挙の日程決定に関して、国連のステファン・ドゥジャリック報道官(事務総長付)は異例の声明を出し、「潘基文事務総長とアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、これまでに何度も、現状での大統領選挙の実施が…政治プロセスを反故にし、政治的解決にいたる可能性を阻害すると警告してきた…。大統領選挙の実施はジュネーブ合意の文言およびその精神に合致しない」と非難した。

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英国のマーク・サイモンズ外務担当国務大臣は、人民議会による大統領選挙日程決定に関して「いかなる価値も信用もなく…、アサドによる選挙実施の唯一の目的は自らの独裁を支えること」と非難した。

AFP, April 21, 2014、AP, April 21, 2014、ARA News, April 21, 2014、Champress, April 21, 2014、al-Hayat, April 22, 2014、Iraqinews.com, April 21, 2014、Kull-na Shuraka’, April 21, 2014、Naharnet, April 21, 2014、NNA, April 21, 2014、Reuters, April 21, 2014、SANA, April 21, 2014、UPI, April 21, 2014などをもとに作成。

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2014年4月21日のシリア情勢:イラクの動き

イラキ・ニュース(4月21日付)によると、バービル県北部のジュルフ・サフル地方で、警察部隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のサウジ人指導者を殺害した。

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イラキ・ニュース(4月21日付)によると、アンバール県ファッルージャ市とラマーディー市で、治安部隊とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が交戦した。

AFP, April 21, 2014、AP, April 21, 2014、ARA News, April 21, 2014、Champress, April 21, 2014、al-Hayat, April 22, 2014、Iraqinews.com, April 21, 2014、Kull-na Shuraka’, April 21, 2014、Naharnet, April 21, 2014、NNA, April 21, 2014、Reuters, April 21, 2014、SANA, April 21, 2014、UPI, April 21, 2014などをもとに作成。

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2014年4月21日のシリア情勢:レバノンの動き

3月14日勢力のムスタクバル潮流とレバノン軍団の代表が会談し、大統領選挙への対応について協議した。

ムスタクバル潮流からはアフマド・ファトファト国民議会議員ら、レバノン軍団からはジョルジュ・アドワーン議員、ストリーダー・ジャアジャア議員らが会談に参加した。

会談後、ファトファト議員は「我々は、サミール・ジャアジャア氏の大統領選挙出馬を前面支援する」と発表、同氏が発表した施政方針案が「レバノン国民のニーズ、国家主権強化、威厳回復という国民の希求に応えている」と評価した。

ナハールネット(4月21日付)が伝えた。

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またレバノン・カターイブ党も大統領選挙でレバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表を支持することを決定した。

AFP, April 21, 2014、AP, April 21, 2014、ARA News, April 21, 2014、Champress, April 21, 2014、al-Hayat, April 22, 2014、Iraqinews.com, April 21, 2014、Kull-na Shuraka’, April 21, 2014、Naharnet, April 21, 2014、NNA, April 21, 2014、Reuters, April 21, 2014、SANA, April 21, 2014、UPI, April 21, 2014などをもとに作成。

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2014年4月21日のシリア情勢:国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ファルドゥース地区を軍が「樽爆弾」で空爆・砲撃し、女性、子供を含む29人が死亡、またブアイディーン地区に対する「樽爆弾」での空爆でも14人が死亡した。

軍による「樽爆弾」などでの空爆・砲撃は、アレッポ市マサキン・ハナヌー地区、サーフール地区、ハンダラート・キャンプ各所、タッル・ジュバイン村、クワイリス航空基地周辺、アターリブ市、マンスーラ村、フライターン市、バヤーヌーン町、ハイヤーン町に対しても行われ、複数が死亡したという。

このほか、アレッポ市ラームーサ地区、クワイリス航空基地周辺では、軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線、ムジャーヒディーン軍と交戦した。

一方、SANA(4月22日付)によると、アレッポ市ジャービリーヤ地区、シャイフ・サイード地区、ラームーサ地区、カースティールー地区、旧市街、サイフ・ダウラ地区、ナイラブ地区、ジュダイダ地区、ライラムーン地区、タッル・リフアト市、ダーラト・イッザ市、アレッポ中央刑務所周辺、タームーラ村、ハージブ町、カルーム村、ワディーヒー村、ハーン・アサル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ヌールッディーン・ザンキー大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ARA News(4月21日付)は、イマード・ウマルを名乗る反体制活動家の話として、シリア赤新月社とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、アレッポ市東部のハフサ貯水場からの水(飲料水)の供給を再開することで合意した、と報じた。

同報道によると、ダーイシュは、19日からハフサ貯水場からの水の供給を停止していたという。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、サーリヒーヤ区周辺(人民議会議事堂近く)、アブー・ルンマーナ地区、ザバダーニー地区に迫撃砲弾複数発が着弾する一方、ジャウバル区を軍が空爆した。

一方、SANA(4月22日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またサーリヒーヤ区とアブー・ルンマーナ地区のダール・サラーム学校周辺に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が死亡、36人が負傷した。

さらに、バーブ・トゥーマー地区にも反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が死亡、23人が負傷した。

このほか、ザバダーニー地区にも反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が負傷した。

また、ドゥンマル区(マシュルーア・ドゥンマル地区)で、ジハード主義武装集団がモスクの近くで爆弾を仕掛けた車を爆破し、軍の兵士2人が死亡した。

 

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を行った。

またムライハ市およびその周辺で、軍が空爆を行った。

一方、SANA(4月22日付)によると、ザバダーニー市東部山岳地帯、ダーライヤー市、ジャイルード市、ムライハ市郊外、アーリヤ農場、ハラスター市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、フルサーンの獅子大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、ジャイルード市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民5人が死亡、10人が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ビンニシュ市、バイナイン村北部を軍が空爆した。

一方、SANA(4月22日付)によると、ナリラヤー村、カフルナジュド村、バドリーヤ村、カフルラーター村、バザームー村、ナイラブ村、ビンニシュ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ジュッブ・ジャンダリー地区、アイン・ダナーニール村で、軍、国防隊(バアス大隊)が、ジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月22日付)によると、ヒムス市ジュッブ・ジャンダリー地区北東部のワリーディーヤ学校など複数の建物・施設を軍が制圧した。

また、ヒムス市バーブ・フード地区、カラービース地区、マヌーフ村、ジュッブ・ジャバル・タドムル村、東ヒブラト村、西ヒブラト村、ダイル・フール村、ガースィビーヤト・ナイーム村、ウンム・サフリージュ村、アブー・タタビール村、バーリダ地区、フーマクリヤ村、タルビーサ市、アイン・フサイン村、サアン村、フーシュ・ハッジュー村、ガジャル村、ガントゥー市、ウンム・スィルジュ村、タッル・ウマリー村、マシュラファ村、タッル・クトリー村、アイン・ダナーニール村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ウンム・スィルジュ村、カフルナーン村に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供1人を含む市民3人が死亡した。

またヒムス市ザフラー地区、サビール地区、ヒムス・タルトゥース街道地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡、3人が負傷した。

ジャルマーナー市とハラスター市郊外に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、女性1人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ムーリク市周辺で、軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

またラターミナ町郊外の農地で爆弾が爆発し、子供1人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市労働者住宅地区、ダイル・ザウル航空基地周辺で、軍とジハード主義武装集団と交戦、軍が同飛行場周辺、マリーイーヤ村を砲撃した。

一方、SANA(4月22日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区、ラシュディーヤ地区、ハウィーカ地区、工業地区、旧空港地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(4月22日付)によると、ナワー市、スヌア・ハマーム村、ハスリー村、アトマーン村、ダルアー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(4月22日付)によると、ラビーア町一、ビント・シュルーク村、サラヤー村、サムラー村、ナブア・ムッル村、マフミヤト・ファルラク村、ナブアイン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, April 21, 2014、AP, April 21, 2014、ARA News, April 21, 2014、Champress, April 21, 2014、al-Hayat, April 22, 2014、Iraqinews.com, April 21, 2014、Kull-na Shuraka’, April 21, 2014、Naharnet, April 21, 2014、NNA, April 21, 2014、Reuters, April 21, 2014、SANA, April 21, 2014、UPI, April 21, 2014などをもとに作成。

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2014年4月21日のシリア情勢:シリア政府の動き

人民議会で、大統領選挙日程を審議する特別会が召集され、ムハンマド・ジハード・ラッハーム議長が6月3日に大統領選挙の投票を行うと発表した。

ラッハーム議長は特別会で「シリア国内に居住する国民のため…シリア・アラブ共和国大統領選挙(投票)を…6月3日の午前7時から午後7時までに行うと決定する」と述べた。

SANA, April 21, 2014
SANA, April 21, 2014

ラッハーム議長はまた「シリア国外に居住する国民による在外公館での投票は5月28日の現地時間午前7時から午後7時までに行う」と付言した。

選挙の日程に関して、ラッハーム議長は「憲法に従い、大統領選挙への立候補の門戸を開き…、立候補希望者は最高憲法裁判所に対して、4月22日火曜日の早朝から5月1日木曜日までに立候補届を提出する」よう呼びかけた。

そのうえで「司法の完全なる監視のもとで自由でクリーンな選挙が行われるだろう」と主張、シリア国民に対して「投票箱を通じて自らの意思を表明し、民主的行為を通じて自らの文明的な意思を示し、勝利に向かってシリアを指導するにふさわしく、またその能力を持つと考える立候補者を選出する権利を行使」するよう求めた。

SANA(4月21日付)が伝えた。

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SANA, April 21, 2014
SANA, April 21, 2014

SANA(4月22日付)によると、ダマスカス県ムハージリーン区フールシード広場で「シリア国旗で殉教者慰霊」と銘打って集会が開かれ、宗教関係者、ダマスカス県議会議員、バアス党ダマスカス支部メンバーらが参加し、慰霊碑がシリア国旗の色で彩った。

またダマスカス郊外県のハルブーン市、クナイトラ県のハーン・アルナバ市、アレッポ大学経済学部キャンパスでは、軍による「テロとの戦い」支持を訴えるデモ行進が行われ、住民らが参加した。

このほか、レバノンの首都ベイルートにあるシリア大使館でシリア独立(4月17日)を記念して集会が開かれ、レバノン在住のシリア人が参加した。

集会ではアブドゥルカリーム・アリー駐レバノン・シリア大使が「大統領選挙は、レジスタンス、敵に対する挑戦、勝利を確定することを意味している…。選挙は、シリア国民とは誰なのかということを真に投影したイメージを世界が読み取る好機となる」と鼓舞した。

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『ハヤート』(4月22日付)は、人民議会による大統領選挙日程決定を受け、レバノンで避難生活を送る避難民の帰国を奨励する動きが政権支持者の間でにわかに広まっている、と報じた。

同報道によると、アフマド・シャッラーシュ人民議会議員(ダルアー県選出)は、ダルアー県シハービーヤ村からの避難民とレバノンで面談し、「帰宅し、人と石を積み上げ家を再建」するよう呼びかけたという。

 

AFP, April 21, 2014、AP, April 21, 2014、ARA News, April 21, 2014、Champress, April 21, 2014、al-Hayat, April 22, 2014、Iraqinews.com, April 21, 2014、Kull-na Shuraka’, April 21, 2014、Naharnet, April 21, 2014、NNA, April 21, 2014、Reuters, April 21, 2014、SANA, April 21, 2014、UPI, April 21, 2014などをもとに作成。

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2014年4月21日のシリア情勢:反体制勢力の動き

『ハヤート』(4月22日付)は、サッラージュ・ネットワークからの情報として、イドリブ県タッルミンス村に対して軍が毒ガスを装填した「樽爆弾」を投下し、「住民数十人」が呼吸困難に陥ったと反体制活動家が主張していると報じた。

これに関して、離反士官のマジャーズ・ザーヒル准将はARA News(4月21日付)に「塩素ガスではなく、サリン・ガスが使用された」と主張、また別の活動家は「200人以上が呼吸困難などの症状を訴えた」と主張した。

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ARA News(4月21日付)によると、アレッポ県マンビジュ市で活動する「自由シリア軍」の複数の部隊が、16日に結成された北の太陽大隊への参加を表明した。

参加表明したのは、自由シリア軍参謀委員会東部戦線の各部隊、殉教者フドル大隊、イスラームの暁大隊、殉教者ザキー・マーマーシュ大隊。

AFP, April 21, 2014、AP, April 21, 2014、ARA News, April 21, 2014、Champress, April 21, 2014、al-Hayat, April 22, 2014、Iraqinews.com, April 21, 2014、Kull-na Shuraka’, April 21, 2014、Naharnet, April 21, 2014、NNA, April 21, 2014、Reuters, April 21, 2014、SANA, April 21, 2014、UPI, April 21, 2014などをもとに作成。

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