2014年4月19日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

アレッポ県では、アレッポ・シャリーア委員会、タウヒード旅団(イスラーム戦線)、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動(イスラーム戦線)、ムジャーヒディーン軍、および各地のシャリーア委員会が共同声明を出し、アレッポ県全土で電力供給を完全に停止すると発表するとともに、それ以外の地域でも同様の措置を講じると脅迫した。

電力供給停止は、軍の「樽爆弾」などによる空爆・砲撃の停止、ヒムス市旧市街、ダーライヤー市および東グータ地方に対する軍の包囲解除、アレッポ市内の電気、水道施設への軍の攻撃停止、ジスル・ハッジ変電所の修復・保全が実現するまで続けられるという。

Kull-na Shuraka', April 19, 2014
Kull-na Shuraka’, April 19, 2014

アレッポ・メディア・センター(4月20日付)によると、この発表を受け、アレッポ県内の政府支配地域と反体制勢力制圧地域の双方で、電力供給が事実上停止されたという。

同センターによると、これに先だって、アレッポ市への「樽爆弾」での空爆停止をめぐる交渉が軍と反体制勢力との間で行われたが、軍がこれを拒否したため、反体制勢力側はアレッポ・ザルバー送電線による電力供給を停止したという。


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, April 19, 2014、al-Hayat, April 21, 2014、Kull-na Shuraka’, April 19, 2014をもとに作成。

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2014年4月19日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(4月19日付)によると、アンバール県ファッルージャ市およびラマーディー市で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が治安部隊と交戦、ファッルージャ市職員および治安関係者の住居1,500棟を制圧した。

Iraqinews.com, April 19, 2014などをもとに作成。

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2014年4月19日のシリア情勢:諸外国の動き

アル=カーイダのアイマン・ザワーヒリー氏のインタビュー音声(https://www.youtube.com/watch?v=MFuBuV__1CEhttps://www.youtube.com/watch?v=dvJNMkuJq_E)がインターネット上で公開された。

「痛みと希望の間にある現実」と題されたインタビューは、SITEによると2014年2月から4月にかけて収録されたものと思われ、そのなかでザワーヒリー氏は、シリア国内でのアル=カーイダ系組織間の内ゲバに警鐘を鳴らした。

ザワーヒリー氏はインタビューのなかで「我々は、ムジャーヒドゥーンどうしの戦闘に最も強い警告を発する。我々はこうした戦闘がシャームにおけるジハードに対する不吉な警告だと考えている。(シリア)政府による(アル=カーイダ系組織への)浸透があり、ムジャーヒドゥーンが互いに排除し合い、政権が自らの手で実現できなかったことを実現しかねないことを我々は否定しない」と述べ、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とシャームの民のヌスラ戦線の内ゲバがアサド政権の工作活動によるものだと主張した。

ザワーヒリー氏はまた、ダーイシュのアブー・ムハンマド・アドナーニー報道官の18日の音声声明に反論するかたちで、「我々の方法は米国と、その同盟者である十字軍、シオニスト、さらにはその手先に集中しており…、周辺的な戦いを放置するものである。我々の方法とは、流血を予防し…、市場、モスク、住宅地、そしてムジャーヒドゥーン組織どうしの流血をもたらすような作戦を回避することである」と主張した。

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ドーアン通信(4月19日付)は、2013年6月にシリアの反体制武装集団に拉致されたフランス人記者4人が、トルコ領内アクチャカレ市近郊(ウルファ県)で発見、保護されたと報じた。

トルコの警察が発見した際、4人は両手を縛られ、目隠しされていたという。

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化学兵器禁止機関・国連合同派遣団特別調整官のスィグリッド・カーグ国連事務次長補は声明を出し、シリアでの化学兵器廃棄プロセスに関して「約80%」の作業が完了したと述べた。

AFP, April 19, 2014、AP, April 19, 2014、ARA News, April 19, 2014、Champress, April 19, 2014、DHA, April 19, 2014、al-Hayat, April 20, 2014、Iraqinews.com, April 19, 2014、Kull-na Shuraka’, April 19, 2014、Naharnet, April 19, 2014、NNA, April 19, 2014、Reuters, April 19, 2014、SANA, April 19, 2014、UPI, April 19, 2014などをもとに作成。

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2014年4月19日のシリア情勢:レバノンの動き

NNA(4月19日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外ビント・ライラ村近郊の草原で、軍情報局が「シリアの過激分子複数名」を逮捕した。

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ナハールネット(4月19日付)によると、イスラエル軍はナバティーヤ県マルジャアユーン郡のヒヤーム村南部のレバノン人農夫4人に向かって発砲した。

AFP, April 19, 2014、AP, April 19, 2014、ARA News, April 19, 2014、Champress, April 19, 2014、al-Hayat, April 20, 2014、Iraqinews.com, April 19, 2014、Kull-na Shuraka’, April 19, 2014、Naharnet, April 19, 2014、NNA, April 19, 2014、Reuters, April 19, 2014、SANA, April 19, 2014、UPI, April 19, 2014などをもとに作成。

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2014年4月19日のシリア情勢:国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市およびその周辺で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦する一方、カラムーン地方山岳地帯を軍が空爆した。

一方、SANA(4月19日付)によると、TAMICO周辺、アルアイン市、ダーライヤー市、ランクース市郊外、ジャイルード市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線、イスラームの暁運動、アブー・アマーラ特殊任務中隊が、軍、国防隊との交戦の末、アズィーザ村郊外にあるダシュム検問所、ブルジュ・ハマーム検問所を制圧した。

これに対し、軍はバヤーヌーン町などを空爆、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アレッポ市ライラムーン地区などで、国防隊とともにヌスラ戦線などと交戦した。

さらに、アイン・アラブ市ジュダイダ地区、カッターシュ村では、民主統一党人民防衛隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、ダーシュはアブドゥーキー村を砲撃した。

一方、SANA(4月19日付)によると、アレッポ市アンサーリー地区、ジャービリーヤ地区、ラーシディーン地区、シャイフ・サイード地区、サーフール地区、ラームーサ地区、ジュダイダ地区、ライラムーン地区、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、クワイリス村、タッル・リフアト市、カフルハムラ村、アルバイド村、ラスム・アッブード村、アレッポ中央刑務所周辺、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アナダーン市、マンスーラ村、マーリア市、ハーン・トゥーマーン村、アウラム・クブラー町、ザバディーヤ村、バヤーヌーン町、ジュバイラ村、フライターン市、アブティーン村、ハワービー・アサル村、カフルハラブ村、カフルサギール村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市アシュラフィーヤ地区、ハムダーニーヤ地区に対する反体制武装集団の砲撃で、市民3人が死亡、6人が負傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市、ヒムス市旧市街を軍が砲撃・空爆、ヒムス市バーブ・ドゥライブ地区、ワルシャ地区で、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

またバーブ・ドゥライブ地区とジュッブ・ジャンダリー地区を結ぶ交差点で、ヌスラ戦線が自爆テロを行い、軍兵士5人が死亡、またザフラー地区に対するヌスラ戦線などの砲撃で、市民40人以上が負傷した。

一方、SANA(4月19日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ハミーディーヤ地区で軍が進軍を続け、多数の建物を制圧し、複数の戦闘員を抹殺した。

またハーリディーヤ村、ドゥワイル村に潜入しようとした武装集団を軍が撃退、殲滅した。

さらに、ヒムス市ザフラー地区、サビール地区に対する反体制武装集団の砲撃で、市民6人が死亡、40人が負傷した。

このほか、ヒムス市ジュッブ・ジャンダリー地区、カラービース地区で、反体制武装集団戦闘員23人が当局に投降した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、タシャールマー山周辺などで、軍、国防隊、アレキサンドレッタ地方解放シリア抵抗運動が、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カスタル村を軍が空爆した。

一方、SANA(4月19日付)によると、ムーリク市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またサラミーヤ市のパン製造工場近くで、「武装テロ集団」が、シリア赤新月社の車両に対して、爆弾を積んだ車で自爆攻撃を行い、市民4人が死亡、9人が負傷した。

これに関して、シリア人権監視団は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員による犯行だと断じた。

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ダルアー県では、SANA(4月19日付)によると、ヌアイマ村、タイバ町、サフワト・カムフ村、ダルアー市各所(アルバイーン地区、マンシヤ地区、旧税関地区など)、フラーク市郊外などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(4月19日付)によると、カフルナジド村、バザームール村、マアッルダブサ村、ビンニシュ市、アルバイーン山周辺、ナハリヤー村、ヌサイビーン村南部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(4月19日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダルアー市シャマール・ハット地区に対する反体制武装集団の砲撃で、子供14人が負傷した。

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ダマスカス県では、SANA(4月19日付)によると、ドゥワイラア地区、バーブ・シャルキー地区に対する反体制武装集団の砲撃で、市民5人が負傷した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(4月19日付)が、民主統一党の下部団体「殉教者家族委員会」を名乗る武装集団が、ラジオ・クルドとオリエント・チャンネルの記者2人を拉致、イラク国境方面に連行した、と報じた。

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ラッカ県では、ARA News(4月19日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がラッカ市で、「命令に背いた」とする民間人3人を処刑した。

AFP, April 19, 2014、AP, April 19, 2014、ARA News, April 19, 2014、Champress, April 19, 2014、al-Hayat, April 20, 2014、Iraqinews.com, April 19, 2014、Kull-na Shuraka’, April 19, 2014、Naharnet, April 19, 2014、NNA, April 19, 2014、Reuters, April 19, 2014、SANA, April 19, 2014、UPI, April 19, 2014などをもとに作成。

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2014年4月19日のシリア情勢:シリア政府の動き

SANA(4月19日付)によると、ダマスカス郊外県カラムーン地方住民がラアス・マアッラ町・アッサール・ワルド町間を行進し、軍による「テロとの戦い」、カラムーン地方での治安、安定回復への支持を表明した。

AFP, April 19, 2014、AP, April 19, 2014、ARA News, April 19, 2014、Champress, April 19, 2014、al-Hayat, April 20, 2014、Iraqinews.com, April 19, 2014、Kull-na Shuraka’, April 19, 2014、Naharnet, April 19, 2014、NNA, April 19, 2014、Reuters, April 19, 2014、SANA, April 19, 2014、UPI, April 19, 2014などをもとに作成。

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2014年4月19日のシリア情勢:反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は『ラアユ』(4月19日付)に、7月に予定されている大統領選挙に関して、「憲法に記されている(大統領)立候補の仕組みはもちろん問題をはらんでいる。なぜなら反体制勢力が選挙に参加する準備ができるような枠組みがなく、立候補さえできないからだ。また、反体制勢力は現行憲法の制定、そして信任投票にも参加していない」と述べた。

これに関して、民主的変革諸勢力国民調整委員会のマージド・ハッブー在外局書記長は、AKI(4月19日付)に、大統領選挙が「シリア国内で正統性を得る前に、国際社会によって正統性を植え付けられようとしている」と警戒感を露わにした。

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Kull-na Shuraka', April 19, 2014
Kull-na Shuraka’, April 19, 2014

シリア革命反体制勢力国民連立アフマド・トゥウマ暫定内閣は、アスアド・ムスタファー国防大臣がアレッポ県内の戦線複数カ所を視察したと発表、その写真を公開した。

前線視察には、ムハンマド・ヌール・マフルーフ国防副大臣、アブドゥッサラーム・ハミーディー・アレッポ軍事評議会議長が随行したという。

AFP, April 19, 2014、AKI, April 19, 2014、AP, April 19, 2014、ARA News, April 19, 2014、Champress, April 19, 2014、al-Hayat, April 20, 2014、Iraqinews.com, April 19, 2014、Kull-na Shuraka’, April 19, 2014、Naharnet, April 19, 2014、NNA, April 19, 2014、al-Ra’y, April 19, 2014、Reuters, April 19, 2014、SANA, April 19, 2014、UPI, April 19, 2014などをもとに作成。

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