2014年4月24日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

イスラーム戦線は、シャーム自由人イスラーム運動指導者のアブー・ハーリド・スーリー氏の暗殺(2月)に関与したとする元イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)メンバーの証言映像(https://www.youtube.com/watch?v=YBqQ6jlpmik)を公開した。

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証言映像に出演したのは、アフマド・ルールーを名乗る男性(1979年、アレッポ生まれ)で、アブー・フライラを名乗る人物から、ダーイシュ・アレッポ州の治安部門責任者であるアブー・アブダ・マグリビー氏や、アブー・マリヤム・キラーキー氏との会合までにアブー・ハーリド氏暗殺のための情報収集を命じられたという。

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Kull-na Shuraka', April 25, 2014
Kull-na Shuraka’, April 25, 2014

トルコで活動するシリア・イスラーム評議会は声明を出し、6月3日に投票が予定されているシリア大統領選挙への立候補、投票、支援の一切を禁じると発表した。

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シリア人権監視団は、24日に270人が死亡、うち51人がアレッポ市カラム・ベク地区とアターリブ市に対する軍の「樽爆弾」での空爆による犠牲者だと発表した。

al-Hayat, April 26, 2014、Kull-na Shuraka’, April 25, 2014などをもとに作成。

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最新論考「混迷するアラブ情勢の今:シリアをめぐる紛争をどうとらえるか」(『地理・地図資料』)

青山弘之「混迷するアラブ情勢の今:シリアをめぐる紛争をどうとらえるか」
http://www.teikokushoin.co.jp/journals/geography/pdf/201401g/04_hsggbl_2014_01g_p07_p10.pdf

『地理・地図資料』2014年度1学期号、7~10ページ

チュニジアでの政権交代に端を発する「アラブの春」がアラブ各国を席巻してから3年が経った。「民主化革命」などと報道されたこの政治変動が当初の楽観的な期待から乖離し,各国政情を不安定化させたという現実は,最近になってようやく認知されつつある。しかし・・・

2014年4月24日のシリア情勢:諸外国の動き

化学兵器禁止機関・国連合同派遣団特別調整官のスィグリッド・カーグ国連事務次長補はラタキア市で声明を出し、化学兵器搬出・廃棄プロセスが92.5%完了したと発表した。

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アフメト・ウズムジュ化学兵器禁止機関事務局長は、ハマー県カフルズィーター市での塩素ガス使用疑惑に関して、ロイター通信(4月24日付)に「調査を行う必要があると思う」と述べた。

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米法務省はプレス向け声明を出し、そのなかでペンシルベニア州出身の男性1人、シリア人男性2人の合わせて3人が、2003年から2012年にかけて、化学兵器攻撃に際して使用される携帯用探知機を米国からシリアに密輸しようとした容疑で、連邦裁判所に起訴されたと発表した。

起訴されたのは、ハロルド・リンコ容疑者(ペンシルベニア州出身、72歳)、アフマド・ディーリー容疑者(シリア人、39歳、英国在住)、弟のムアーウィヤ・ディーリー容疑者(36歳、シリア在住)の3人。

ロイター通信(4月24日付)が伝えた。

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『ハヤート』(4月25日付)は、英国警察当局が、シリアに不法入国し、アル=カーイダ系組織の活動に参加しようとしている男性の母、妻、娘に、こうした犯罪行為を思いとどまるよう説得するよう呼びかけるキャンペーンを開始したと報じた。

AFP, April 24, 2014、AP, April 24, 2014、ARA News, April 24, 2014、Champress, April 24, 2014、al-Hayat, April 25, 2014、Iraqinews.com, April 24, 2014、Kull-na Shuraka’, April 24, 2014、Naharnet, April 24, 2014、NNA, April 24, 2014、Reuters, April 24, 2014、SANA, April 24, 2014、UPI, April 24, 2014などをもとに作成。

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2014年4月24日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(4月24日付)によると、アンバール県ラマーディー市東部で、治安部隊が部族民兵の支援のもとにイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、21人の戦闘員を殺害した。

AFP, April 24, 2014、AP, April 24, 2014、ARA News, April 24, 2014、Champress, April 24, 2014、al-Hayat, April 25, 2014、Iraqinews.com, April 24, 2014、Kull-na Shuraka’, April 24, 2014、Naharnet, April 24, 2014、NNA, April 24, 2014、Reuters, April 24, 2014、SANA, April 24, 2014、UPI, April 24, 2014などをもとに作成。

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2014年4月24日のシリア情勢:レバノンの動き

NNA(4月24日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外のワーディ・フマイイド検問所で、偽造IDをもって不法入国しようとしたシリア人10人をレバノン軍当局が逮捕した。

AFP, April 24, 2014、AP, April 24, 2014、ARA News, April 24, 2014、Champress, April 24, 2014、al-Hayat, April 25, 2014、Iraqinews.com, April 24, 2014、Kull-na Shuraka’, April 24, 2014、Naharnet, April 24, 2014、NNA, April 24, 2014、Reuters, April 24, 2014、SANA, April 24, 2014、UPI, April 24, 2014などをもとに作成。

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2014年4月24日のシリア情勢:国内の暴力

自由シリア軍参謀委員会広報局は声明を出し、ダルアー県とクナイトラ県で新たな作戦(「耐え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」作戦)を開始し、複数の拠点を新たに制圧した、と発表した。

この作戦は「不正にあえぐヒムスの救済、包囲され、不正に苛まれている国民の救済」を側方支援するとともに、第61旅団本部がある「ナワー市(ダルアー県)への道を切り開き、同地からダマスカスに向かうこと」を目的としているという。

作戦開始とともに、「自由シリア軍」および「革命家たち」は、ダルアー県のタッル・ジャービーヤ、スッカリーヤ町を完全制圧したという。

これに対して、軍はダルアー県インヒル市、タスィール町を砲撃する一方、「自由シリア軍」などと激しく交戦しているという。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー県から同県に進入したジハード主義武装集団が、ヒルバー村近郊で軍と人民諸委員会(自警団)の要撃を受け、戦闘員4人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市およびその周辺などで、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦する一方、軍がサクバー市周辺、ドゥーマー市各所を空爆・砲撃した。

一方、SANA(4月24日付)によると、シャイフーニーヤ農場、ハラスター市警察病院東部、ムライハ市およびその周辺、TAMICO周辺、ザバディーン市郊外、ダイル・アサーフィール市郊外、イフラ村郊外の山岳地帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またザバダーニー市で、反体制武装集団の戦闘員39人が、カナーキル村で17人が当局に投降した。

このほか、ジャルマーナー市に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、市民22人が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区(サラースィーン通りなど)で軍が反体制武装集団と交戦、同地を砲撃した。

一方、SANA(4月24日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アターリブ市を軍が空爆し、女性2人、子供3人を含む25人が死亡した。

また軍は、マアーッラト・アルティーク村、タッル・リフアト市、アレッポ市マサーキン・ハナーヌー地区、ダフラト・アワード地区を「樽爆弾」などで空爆した。

これに対し、ジハード主義武装集団はアレッポ市シャイフ・サイード地区のセメント工場、ナイル通りなどを砲撃した。

一方、SANA(4月24日付)によると、ヒムス市ラームーサ地区、シャイフ・サイード地区、アーミリーヤ地区、ジュバイラ地区、ラーシディーン地区、ブスターン・カスル地区、ジュダイダ地区、タッル・リフアト市、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アウラム・クブラー町、クワイリス村、アルバイド村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市インティラーク通り一体を軍が空爆する一方、ダイル・ザウル航空基地周辺でジハード主義武装集団と交戦した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、ワドヤーン村で、「ヴェールを着用していない女性とともに市場を訪れた」男性をむち打ち刑に処した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市郊外のタッル・ハルム村の市場近くの民主統一党人民防衛隊検問所で、爆弾が仕掛けられた車が爆発した。

マサール・プレス(4月24日付)によると、この爆発で人民防衛隊の隊員30人以上が死亡、また、この他にもミシュラーファ村とラアス・アイン市コルニーシュ地区でも同様の爆破攻撃が発生し、多数の隊員が死傷したという。

マサール・プレスによると、これらの攻撃はイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によるものだという。

一方、SANA(4月24日付)は、ラアス・アイン市とタッル・ヒラーフ村で、「テロリスト」が爆弾を仕掛けた車を爆破、これにより市民7人が死亡したと報じた。

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ダルアー県では、SANA(4月24日付)によると、ラジャート高原一帯、アトマーン村北西部、ダルアー市(アバーズィード倉庫一体、ダーヒヤト・ヤルムーク区など)、タスィール町、サーキヤ村、サムリーン村北西部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(4月24日付)によると、アレッポ市からのバスの荷台に隠れていたソマリア人女性5人(パスポートなど身分証明書は携帯していなかったという)を当局が逮捕した。

またヒムス市バーブ・フード地区、カラービース地区、ワルシャ地区、ハミーディーヤ地区、カフルラーハー市、ブルジュ・カーイー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(4月24日付)によると、ディーニーン村、ビンニシュ市、ヒーシュ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, April 24, 2014、AP, April 24, 2014、ARA News, April 24, 2014、Champress, April 24, 2014、al-Hayat, April 25, 2014、Iraqinews.com, April 24, 2014、Kull-na Shuraka’, April 24, 2014、Masar Press Agency, April 24, 2014、Naharnet, April 24, 2014、NNA, April 24, 2014、Reuters, April 24, 2014、SANA, April 24, 2014、UPI, April 24, 2014などをもとに作成。

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2014年4月24日のシリア情勢:シリア政府の動き

ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長は、大統領選挙に関する議会臨時会で、ハッサーン・アブドゥッラー・ヌーリー氏が最高憲法裁判所に大統領選挙への立候補を届け出、2014年4月24日付届出第2号として登録されたと発表した。

ヌーリー氏は、1960年生まれで、ダマスカス県出身。1982年にダマスカス大学で学士号(経済通商学)を取得後、米ウィスコンシン大学修士課程を経て、1989年に米ジョン・F・ケネディー大学で博士号(人材開発支援)を取得した。

1997年から2000年まで、ダマスカス工業会議所で勤める一方、1998年から2003年まで人民議会議員(第7期)を務めた。

Kull-na Shuraka', April 24, 2014
Kull-na Shuraka’, April 24, 2014

また2000年3月から2001年12月(SANAの発表によると2002年)にかけて第1次ムハンマド・ムスタファー・ミールー内閣で行政改革担当国務大臣(無所属)を務めた。

SANA(4月24日付)が伝えた。

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アサド大統領は選挙法(2014年3月24日法律第5号)および最高司法評議会決定第944号(2014年4月16日)に基づき、2014年政令第133号を発し、6月3日に投票が予定されている大統領選挙を監督するための高等司法選挙委員会を設置した。

高等司法選挙委員会の委員は以下の通り:

ヒシャーム・マフドゥーフ・シャッアール

ハリール・ズィーブ・フランスィース

カーミル・ナーイフ・ファーティマ

アーミナ・アフマド・シャンマート

ズィヤード・ユースフ・ハンムード・ヤースィーン

リダー・スライマーン・ムーサー

アブドゥルマジード・ムハンマド・イサーム・ミスリー

(予備委員)

スィフヤーン・イスマーイール・ジューフダール

アブドゥー・ハサン・シャフラー

ムニーラ・ザキー・ワースィティー

ハイダル・ハムザ・ラフマ

ズィヤード・イーリヤー・アブー・ザイダーン

ムハンマド・ジャマールッディーン・ムハンマド・ラジャーイー・ハティーブ

ムハンマド・ムドヒー・シャマーリー

AFP, April 24, 2014、AP, April 24, 2014、ARA News, April 24, 2014、Champress, April 24, 2014、al-Hayat, April 25, 2014、Iraqinews.com, April 24, 2014、Kull-na Shuraka’, April 24, 2014、Naharnet, April 24, 2014、NNA, April 24, 2014、Reuters, April 24, 2014、SANA, April 24, 2014、UPI, April 24, 2014などをもとに作成。

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2014年4月24日のシリア情勢:反体制勢力の動き

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)バラカ州(ハサカ県)は声明を出し、21日のスール村での戦闘で、「アブー・タルハト・アルマーニー」を名乗っていたドイツ人ラッパーのデソ・ドッグ(Deso Dogg)氏(本名デニス・ママドウ・カスパート)、リビア人司令官のアブー・バラー・リービー氏ら25人が死亡したと発表した。

クッルナー・シュラカー(4月24日付)が伝えた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のハーディー・バフラ政治委員会書記長は、クッルナー・シュラカー(4月24日付)に、ミシェル・キールー氏が率いるシリア民主主義者連合が「現時点でまだ、連立内のブロックとしての登録を行っていない。総合委員会が(連合が正式加盟組織かどうかを)決定する」と述べた。

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シリア国内で活動する反体制活動家のマンスール・アタースィー氏、バッサーム・イスハク氏(シリア国民評議会)はクッルナー・シュラカー(4月24日付)に対し、6月3日に投票が予定されている大統領選挙をボイコットすると述べた。

AFP, April 24, 2014、AP, April 24, 2014、ARA News, April 24, 2014、Champress, April 24, 2014、al-Hayat, April 25, 2014、Iraqinews.com, April 24, 2014、Kull-na Shuraka’, April 24, 2014、Naharnet, April 24, 2014、NNA, April 24, 2014、Reuters, April 24, 2014、SANA, April 24, 2014、UPI, April 24, 2014などをもとに作成。

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