2014年4月10日のシリア情勢:国内の暴力(追記)

シャームの民のヌスラ戦線はツイッターを通じて声明を出し、ヒムス市に対する軍の包囲解除の任務にあたっていた司令官の「アブー・ムアイイド」氏が死亡したと発表した。

ヌスラ戦線によると、9日にも、イドリブ県ダルクーシュ町で、司令官の一人アブー・ライル・イドリビー氏が戦死しているという。

Kull-na Shuraka’, April 11, 2014、UPI, April 11, 2014などをもとに作成。

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2014年4月10日のシリア情勢:諸外国の動き

クウェート外務省報道官は記者団に対し、シリア国内で9日にクウェート人3人が何者かに拉致されたことを明らかにしたうえで、彼らの釈放に向けてトルコと連絡を取り合っていると発表した。

『アンバー』紙(4月10日付)によると、誘拐犯は138万ドルの身代金を要求しており、3人はトルコ国内にいると思われる。

AFP, April 10, 2014、al-Anba’, April 10, 2014、AP, April 10, 2014、ARA News, April 10, 2014、Champress, April 10, 2014、al-Hayat, April 11, 2014、Iraqinews.com, April 10, 2014、Kull-na Shuraka’, April 10, 2014、Naharnet, April 10, 2014、NNA, April 10, 2014、Reuters, April 10, 2014、SANA, April 10, 2014、UPI, April 10, 2014などをもとに作成。

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2014年4月10日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(4月10日付)によると、サラーフッディーン県ティクリート市北部で、治安部隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のモスル支部代表のサイード・ハウィージャ氏を逮捕した。

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イラキー・ニュース(4月10日付)によると、アンバール県ラマーディー市南東部で、軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員7人を死傷させた。

AFP, April 10, 2014、AP, April 10, 2014、ARA News, April 10, 2014、Champress, April 10, 2014、al-Hayat, April 11, 2014、Iraqinews.com, April 10, 2014、Kull-na Shuraka’, April 10, 2014、Naharnet, April 10, 2014、NNA, April 10, 2014、Reuters, April 10, 2014、SANA, April 10, 2014、UPI, April 10, 2014などをもとに作成。

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2014年4月10日のシリア情勢:レバノンの動き

NNA(4月10日付)によると、軍事裁判所は、アラブ民主党のリフアト・イード政治局長(シリアに逃走中)を含む12人に対して逮捕状を発行した。

AFP, April 10, 2014、AP, April 10, 2014、ARA News, April 10, 2014、Champress, April 10, 2014、al-Hayat, April 11, 2014、Iraqinews.com, April 10, 2014、Kull-na Shuraka’, April 10, 2014、Naharnet, April 10, 2014、NNA, April 10, 2014、Reuters, April 10, 2014、SANA, April 10, 2014、UPI, April 10, 2014などをもとに作成。

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2014年4月10日のシリア情勢:国内の暴力

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がイラク国境に近いブーカマール市、カバーキブ市に侵攻し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、ブーカマール市ジスル・スィヤーサ地区、バアス党支部指導部地区、穀物サイロ地区、カバーキブ市を制圧した。

これに対し、ヌスラ戦線などは、ブーカマール市入り口のバーグーズ橋、アーイシャ病院など市内西部の複数カ所を制圧しているという。

この戦闘により双方合わせて24人の戦闘員が死亡したという。

これに関して、ARA News(4月10日付)は、戦闘によりダーイシュ戦闘員50人以上、ヌスラ戦線の戦闘員20人以上が死亡したと報じた。

またARA Newsによると、ダイル・ザウル市郊外の油田地帯で、住民が、ダーイシュに殺害されたと思われる戦闘員、民間人の遺体35体が遺棄された「集団墓地」を発見した、という。

一方、SANA(4月10日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ウルフィー地区、ラシュディーヤ地区、工業地区、旧空港地区、ジュバイラ地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市東部ザフラー協会地区の空軍情報部、シリア赤新月社周辺、ライラムーン地区で、シャームの民のヌスラ戦線、ムハージリーン・ワ・アンサール軍などからなるジハード主義武装集団が攻勢を続け、軍、国防隊、クドス旅団と交戦した。

これに対し、軍はライラムーン地区を「樽爆弾」などで空爆した。

また軍、国防隊は、ラーシディーン地区(アクラブ地区)、アーミリーヤ地区周辺、サラーフッディーン地区周辺奪還をめざし、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線、ムジャーヒディーン軍などと交戦した。

このほか、軍はバーブ市、フライターン市を空爆し、アスリヤー検問所周辺でヌスラ戦線などと交戦した。

さらにジハード主義集団は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が占拠するタッル・ジャイジャーン村を砲撃した。

一方、SANA(4月10日付)によると、アレッポ市アーミリーヤ地区、ラーシディーン地区、ライラムーン地区、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、フライターン市、アレッポ中央刑務所周辺、クワイリム村周辺、ハーン・トゥーマーン村、フマイマ村、アターリブ市、アナダーン市、カフルハムラ村、ハッダーディーン村、ワディーヒー村、マアーッラト・アルティーク村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市およびその周辺、ランクース市郊外、サイドナーヤー監視所周辺、ザバダーニー市、フライラ市郊外で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がジハード主義武装集団と交戦、軍が空爆・砲撃を行った。

一方、SANA(4月10日付)によると、サルハ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またザーキヤ町、ダイルハビーヤ市、ムカイラビーヤ市、タイバ町、マアルーラー市で、反体制武装集団戦闘員44人が当局に投降した。

このほか、ジャルマーナー市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、22人が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カッサーア地区の聖十字架教会、フランス病院、マウーナ学校周辺に迫撃砲弾3発が着弾した。

一方、SANA(4月10日付)によると、カッサーア地区、ドゥワイラア地区、タッバーラ地区、カシュクール地区、マッザ86地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、2人が死亡、15人が負傷した。

死者はカッサーア地区フランス病院近くとドゥワイラア地区複合学校施設に着弾した迫撃砲弾によるもの。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワアル地区で、軍とマズラア町住民(シーア派)からなる民兵がジハード主義武装集団と交戦した。

またジハード主義武装集団は、アラウィー派住民が多く暮らすカフルナーン村、カルマス村を砲撃する一方、ヒムス市スィッティーン通りで、政権支持者だと思われる武装集団が市民に発砲、女性子供を含む14人が死亡した。

一方、SANA(4月10日付)によると、マスアダ村、バルグースィーヤ村、アルシューナ村、タルビーサ市、アイン・フサイン村、ラスタン市、カフルラーハー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市バーブ・フード地区、バーブ・スィバーア地区、カラービース地区で、反体制武装集団戦闘員16人が当局に投降した。

このほか、ヒムス市ハムラー地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、9人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市ダム街道地区、キャンプ地区、空軍情報部周辺で軍とジハード主義武装集団が交戦し、アトマーン村が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(4月10日付)によると、アトマーン村、サイダー町、ヌアイマ村、サムリーン村、ジャドル村西部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団が制圧するラフィード村、ナースィリーヤ村、タッル・アフマル村一帯を軍が砲撃した。

一方、SANA(4月10日付)によると、ナブア・サフル村で、反体制武装集団戦闘員35人が当局に投降した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、軍がカサブ町およびその周辺、ナブア・ムッル地方を砲撃した。

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イドリブ県では、SANA(4月10日付)によると、タッル・ワースィト村近郊、ハーン・シャイフーン市、アブー・ズフール軍事基地周辺、ハーッジ・ハンムード農場、タッル・サラムー村近郊で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, April 10, 2014、AP, April 10, 2014、ARA News, April 10, 2014、Champress, April 10, 2014、al-Hayat, April 11, 2014、Iraqinews.com, April 10, 2014、Kull-na Shuraka’, April 10, 2014、Naharnet, April 10, 2014、NNA, April 10, 2014、Reuters, April 10, 2014、SANA, April 10, 2014、UPI, April 10, 2014などをもとに作成。

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2014年4月10日のシリア情勢:シリア政府の動き

外務在外居住者省は国連事務総長と安保理議長宛に書簡を送り、ヒムス市カラム・ルーズ地区での同時爆弾テロについて報告、シリア国内での「テロ」を非難するとともに、シリア国内で活動する「テロリスト」を支援する国々への制裁を定める安保理決議案の採択を要求した。

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AKI(4月10日付)は、進歩国民戦線の信頼できる複数の消息筋が、7月の大統領選挙に加盟政党の一つが独自の立候補者を擁立するかもしれないとの一部情報を否定し、「戦線にはアサド大統領を擁立することで合意が成立している」と述べたと報じた。

AFP, April 10, 2014、AKI, April 10, 2014、AP, April 10, 2014、ARA News, April 10, 2014、Champress, April 10, 2014、al-Hayat, April 11, 2014、Iraqinews.com, April 10, 2014、Kull-na Shuraka’, April 10, 2014、Naharnet, April 10, 2014、NNA, April 10, 2014、Reuters, April 10, 2014、SANA, April 10, 2014、UPI, April 10, 2014などをもとに作成。

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2014年4月10日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア人権監視団は、ダルアー県ハーッラ市近郊で軍とシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が行った「捕虜交換」で、軍が釈放した8人のなかに、ウワーン・カッダーフさんが含まれていたと発表した。

カッダーフさんは16歳で、2013年9月にシリア・アラブ・テレビに出演し、父親に「結婚ジハード」を求められ、反体制武装集団との性的関係を強要されたと証言していた(https://syriaarabspring.info/wp/?p=1052)。

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シャームの民のヌスラ戦線はツイッターを通じて声明を出し、ヒムス市カラム・ルーズ地区で9日に発生した同時自爆テロに関して「ヌサイリー派体制のシャッビーハの拠点の一つ」に対して攻撃を行ったと発表し、犯行を認めた。

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イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)ラッカ州は、3月19日にタッル・アブヤド市から追放したクルド人が「クルド民族主義を放棄し、イスラーム国に忠誠を誓った」として恩赦し、帰宅を認めたと発表した。

ARA News(4月10日付)が伝えた。

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ARA News, April 10, 2014
ARA News, April 10, 2014

シリア・クルディスタン民主党のサウード・ムッラー党首(中央委員会議長)はイラク・クルディスタン地域のアルビル市にあるダーライン・ホテルで記者会見を開き、シリア・クルディスタン民主党の結党を正式に発表した。

 

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西クルディスタン人民議会のシールザード・ヤズィーディー報道官は、イラク・クルディスタン地域政府が対シリア国境地帯に掘を建設することを決定したことに関して、『ハヤート』(4月11日付)に、「(イラク・クルディスタン)地域の人民、愛国的諸勢力、議会、政府の立場を代表しておらず、我々の革命に敵対しようとする(マスウード・)バールザーニーの党に限られた政策だ。それは革命を地域政治の取引につかうような行為だ。なぜなら、同地域のすべての政党は、西クルディスタンとそこでの自治政府の民主的試みへの支持を表明しているからだ」と非難した。

またアルビル市で結成されたシリア・クルディスタン民主党に関して、「堀建設とともに新党が結成されたことは偶然ではない。この党はバールザーニーの党の支部のようだ。我々は彼らと敵対はしないが、彼らは当初から誤った隊列に与してしまっている…。彼らは自分たちの政策を再考しなければならない」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長がイスタンブールで自由シリア軍参謀委員会と会談、「可能な限り早く、自由シリア軍に対空兵器が増強されることを望んでいる」と述べたと発表した。

会合では、連立の総合委員会での審議内容などが報告されたという。

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シリア革命反体制勢力国民連立のバドル・ジャームース事務局長は、7月に予定されている大統領選挙に関して、連立はいかなる状況であっても立候補を擁立しないと述べる一方、アサド政権による大統領選挙の実施を「挑発的措置」と批判した。

『クドス・アラビー』(4月10日付)が伝えた。

AFP, April 10, 2014、AP, April 10, 2014、ARA News, April 10, 2014、Champress, April 10, 2014、al-Hayat, April 11, 2014、Iraqinews.com, April 10, 2014、Kull-na Shuraka’, April 10, 2014、Naharnet, April 10, 2014、NNA, April 10, 2014、al-Quds al-‘Arabi, April 10, 2014、Reuters, April 10, 2014、SANA, April 10, 2014、UPI, April 10, 2014などをもとに作成。

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