2014年4月13日のシリア情勢:シリア政府の動き(追記)

『ハヤート』(4月15日付)によると、ドゥルーズ派のシャイフ、ルーランス・サラーム師の一時身柄拘束に端を発するスワイダー県での緊張状態を緩和するため、軍事情報局スワイダー支局のワフィーク・アッバース(ワフィーク・ナースィル)支局長が解任され、アリー・ターハー大佐が後任の局長に任命された。

これを受け、ドゥルーズ派のシャイフ・アクルらが声明を出し、祝砲の禁止、武器携帯、軍服着用の禁止、抗議集会の禁止、治安と安全の確保、当局による調査への協力を住民に呼びかけた。

だが、一部活動家とシャイフが13日にマズラア町のシャイフ、アブー・ワフド・ワヒード・バルアース師の自宅に集まり、この声明を拒否、バルアース師をドゥルーズ派「唯一の代表」とみなし、忠誠を誓い、武器引き渡しを行わないよう呼びかけているという。

al-Hayat, April 14, 2014、Kull-na Shuraka’, April 13, 2014、April 14, 2014などをもとに作成。

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2014年4月13日のシリア情勢:イラクの動き

イラク・クルディスタン民主党の広報筋は声明を出し、そのなかでシリアの民主統一党が「(シリア・イラク国境地域の)堀建設の背後にイラク・クルディスタン民主党がいるとの嫌疑をかけることで、世論を惑わそうとしている」と批判した。

声明においてイラク・クルディスタン民主党は、「こうした措置と党は無関係であり、イラク・クルディスタン地域政府とその軍・治安機関は、テロ攻撃や密輸から同地域と国境を守るための仕組みをしている。なぜなら地域の治安と市民生活はレッドラインだからだ」と付言した。

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イラキー・ニュース(4月13日付)によると、アンバール県ラマーディー市南部で、軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、司令官のアブドゥッラフマーン・アンバーリー氏を含む5人を殺害した。

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イラキー・ニュース(4月13日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がサラーフッディーン県内の幹線道路を封鎖し、大規模な軍事行進を行った。

AFP, April 13, 2014、AP, April 13, 2014、ARA News, April 13, 2014、Champress, April 13, 2014、al-Hayat, April 14, 2014、Iraqinews.com, April 13, 2014、Kull-na Shuraka’, April 13, 2014、Naharnet, April 13, 2014、NNA, April 13, 2014、Reuters, April 13, 2014、SANA, April 13, 2014、UPI, April 13, 2014などをもとに作成。

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2014年4月13日のシリア情勢:レバノンの動き

NNA(4月13日付)は、軍事情報局がベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外の山岳地帯で、マフムード・サミール・フライヒル氏の釈放に成功したと報じた。

フライヒル氏は3ヶ月前にシリアのダマスカス郊外県カラムーン地方で反体制武装集団に拉致されていた。

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アシュラフ・リーフィー法務大臣は、アラブ民主党のリフアト・イード氏がレバノン国外に逃走し、現在米国カリフォルニア州にいることを明らかにした。

AFP, April 13, 2014、AP, April 13, 2014、ARA News, April 13, 2014、Champress, April 13, 2014、al-Hayat, April 14, 2014、Iraqinews.com, April 13, 2014、Kull-na Shuraka’, April 13, 2014、Naharnet, April 13, 2014、NNA, April 13, 2014、Reuters, April 13, 2014、SANA, April 13, 2014、UPI, April 13, 2014などをもとに作成。

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2014年4月13日のシリア情勢:国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、武装した何者かが、軍偵察局長のサミール・シャイフ少将を銃で撃ち、暗殺した。

またバーブ・トゥーマー地区、ダマスカス工学部機械工学科近くなどに、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、軍が厳戒態勢を強化し、カーブーン区では軍と反体制武装集団の戦闘が数ヶ月ぶりに発生した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市およびその周辺を軍が空爆し、ダーライヤー市、ドゥーマー市、ザバダーニー市西部の山岳地帯、ランクース市郊外で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員とシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月13日付)によると、ランクース市郊外のランクース平原東部の複数の高地を制圧し、イスラーム戦線の戦闘員ら多数を殺傷、拠点・装備を破壊した。

軍が制圧したのは、ラアス・ターフーン・ハワー高地、マスタバ高地、ジャーミア・ヌール高地、マフミヤト・トゥユール高地で、これによりレバノン国境地帯とランクース市、フーシュ・アラブ村、ザバダーニー市郊外を結ぶ反体制勢力の兵站路が寸断されたという。

軍はまたサルハ市郊外のムナー高地、ザバダーニー市東部山岳地帯、ダーライヤー市、ザバディーン市郊外、TAMICO社周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、ムサイフラ町、東ガーリヤ町を軍が空爆・砲撃する一方、ジハード主義武装集団はジュムーア丘とシャイフ・サアド村の戦車大隊基地を結ぶ街道に地雷を敷設し、軍車輌を破壊、複数の兵士を殺傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アターリブ市、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、アレッポ市シャイフ・ファーリス地区、などを軍が「樽爆弾」などで空爆、砲撃し、子供2人を含む3人が死亡する一方、シリア政府が支配するアレッポ県庁地区の産婦人科病院近くに迫撃砲弾が着弾した。

一方、SANA(4月13日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、アレッポ市マルジャ地区、ジャンドゥール地区、カースティールー地区、ライラムーン地区、ハーン・トゥーマーン村、アルバイド村、マーリア市、カフルハムラ村、ダーラト・イッザ市、アンジャーラ村、タッル・リフアト市、アターリブ市、ラームーサ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カフルルーマー村、サラーキブ市、ハーミディーヤ航空基地とヒーシュ村間の国際幹線道路、ダイル・シャルキー村を軍が「樽爆弾」などで空爆、砲撃する一方、マアッラト・ヌウマーン市近郊のハーミディーヤ検問所周辺での戦闘でジハード主義武装集団戦闘員4人が死亡した。

またサラーキブ市に対する軍の空爆で負傷していた子供1人が死亡した。

一方、SANA(4月13日付)によると、ムスタファイーハ村、タッル・ムライル村、カフルナジュド村、アルバイーン山周辺、サルミーン市、ビンニシュ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、スーラーン市で軍が強制捜査を行い、複数の住民を逮捕する一方、ムーリク市では軍と反体制武装集団が交戦した。

またカフルズィーター市を軍が再び空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ブサイラ市近郊のアブリーハー村にある石油市場地区を軍が空爆し、複数人が死傷した。

一方、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)は、ムワイリフ村を襲撃、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦の末、同村を制圧した。

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ヒムス県では、SANA(4月13日付)によると、ラスタン市、タルビーサ市、ウユーン・フサイン村、アーミリーヤ村、ダール・カビーラ村、ドゥワイル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(4月13日付)によると、ハサカ市ムフティー地区にある新生シリア・クルディスタン民主党のバールザーニー・センター前で何者かが仕掛けた爆弾が 爆発した。死傷者はなかった。

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ラッカ県では、ARA News(4月13日付)によると、ティシュリーン・ダム近くでイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がマイクロバスを襲撃し、乗っていた10人(クルド人)を拉致した。

AFP, April 13, 2014、AP, April 13, 2014、ARA News, April 13, 2014、Champress, April 13, 2014、al-Hayat, April 14, 2014、Iraqinews.com, April 13, 2014、Kull-na Shuraka’, April 13, 2014、Naharnet, April 13, 2014、NNA, April 13, 2014、Reuters, April 13, 2014、SANA, April 13, 2014、UPI, April 13, 2014などをもとに作成。

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2014年4月13日のシリア情勢:シリア政府の動き

アサド大統領はダマスカス大学政治学部で教育委員会メンバーおよび大学院生と会合を開き、現下の紛争について議論を行った。

SANA, April 13, 2014
SANA, April 13, 2014

SANA(4月13日付)によると、この会合で、アサド大統領は「イデオロギー戦争とアイデンティティ消滅に向けた試みこそが、植民地主義による攻撃のなかでもっとも危険なもの」だとの見方を示し、アラブ性(ウルーバ)とイスラーム教を不可欠とするイデオロギーをアラブ地域のよりどころにする必要があると強調した。

またアサド大統領は、こうした原則こそがシリア社会の治安、そして思想的・社会的安定における最重要な要素だと付言した。

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SANA(4月13日付)によると、ワーディー・ウユーン市(ハマー県)、スワイダー県マシュナフ市で、軍による「テロとの戦い」を支持する集会が開かれ、多数の住民が参加した。

AFP, April 13, 2014、AP, April 13, 2014、ARA News, April 13, 2014、Champress, April 13, 2014、al-Hayat, April 14, 2014、Iraqinews.com, April 13, 2014、Kull-na Shuraka’, April 13, 2014、Naharnet, April 13, 2014、NNA, April 13, 2014、Reuters, April 13, 2014、SANA, April 13, 2014、UPI, April 13, 2014などをもとに作成。

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2014年4月13日のシリア情勢:反体制勢力の動き

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)ヒムス州は声明を出し、「自由シリア軍、シャームのヌスラ戦線、シリア革命家戦線、さらにアラブ・ナイーム(部族)、政権の覚醒(評議会)のテロリスト」によるヒムス県内のダーイシュの拠点、戦闘員への攻撃を非難し、アラブ・ナイームを「アッラーの敵」とみなし、ヒムス県ワーズィイーヤ村、イードゥーン村、ガースィビーヤト・ナイーム村、アスィーラ村を攻撃目標とすると宣言した。

Kull-na Shuraka', April 13, 2014
Kull-na Shuraka’, April 13, 2014

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シリア民主主義者連合(シリア革命反体制勢力国民連立)は声明を出し、軍がカフルズィーター市(ハマー県)、ハラスター市(ダマスカス郊外県)で化学兵器を使用したと断じ、非難した。

AFP, April 13, 2014、AP, April 13, 2014、ARA News, April 13, 2014、Champress, April 13, 2014、al-Hayat, April 14, 2014、Iraqinews.com, April 13, 2014、Kull-na Shuraka’, April 13, 2014、Naharnet, April 13, 2014、NNA, April 13, 2014、Reuters, April 13, 2014、SANA, April 13, 2014、UPI, April 13, 2014などをもとに作成。

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