2014年4月4日のシリア情勢:諸外国の動き(追記)

化学兵器禁止機関(OPCW)は、シリア政府が12回目となる化学兵器関連物質の国外搬出を実施したと発表した。

国外搬出作業、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がラタキア県カサブ町一帯に侵攻したのを受け、3月20日から止まっていた。

AFP, April 4, 2014、AP, April 4, 2014、UPI, April 4, 2014などをもとに作成。

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2014年4月4日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

ラッカ革命家旅団、アラブ部族連合、ラッカ県暫定国民委員会、ラッカ県革命青年運動は共同声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、住民にクルド人襲撃を煽動していると批判、ダーイシュのラッカ県の支配に異議を唱えた。

ARA News(4月5日付)が伝えた。

ARA News, April 5, 2014をもとに作成。

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2014年4月4日のシリア情勢:諸外国の動き

トルコ軍は声明を出し、ハタイ県ヤイラダーウ地方にシリアから発射された迫撃砲弾6発が着弾したのを受け、軍が砲弾の発射された地点に向けて砲撃を行ったと発表した。

AFP(4月4日付)が伝えた。

AFP, April 4, 2014、AP, April 4, 2014、ARA News, April 4, 2014、Champress, April 4, 2014、al-Hayat, April 5, 2014、Iraqinews.com, April 4, 2014、Kull-na Shuraka’, April 4, 2014、Naharnet, April 4, 2014、NNA, April 4, 2014、Reuters, April 4, 2014、SANA, April 4, 2014、UPI, April 4, 2014などをもとに作成。

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2014年4月4日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(4月4日付)によると、アンバール県ラマーディー市南部で治安部隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員2人を殺害した。

AFP, April 4, 2014、AP, April 4, 2014、ARA News, April 4, 2014、Champress, April 4, 2014、al-Hayat, April 5, 2014、Iraqinews.com, April 4, 2014、Kull-na Shuraka’, April 4, 2014、Naharnet, April 4, 2014、NNA, April 4, 2014、Reuters, April 4, 2014、SANA, April 4, 2014、UPI, April 4, 2014などをもとに作成。

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2014年4月4日のシリア情勢:レバノンの動き

NNA(4月4日付)によると、ベカーア県バアルベック郡ラブワ村・ナビー・ウスマーン村間にロケット弾2発が着弾した。

これに関して、バアルベック・スンナ派自由人旅団はツイッターを通じて声明を出し、「ヒズブッラーの指導のもと、トリポリ市住民に対して非レバノン人の軍が行っていることへの報復」と述べ、犯行を認めた。

しかしこの声明発表の約4時間後、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が別の声明を出し、「レバノンの抑圧されたスンナ派を支援するため、ヒズブッラーのシャッビーハに対して2発のグラード・ロケット弾を発射した」と主張した。

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バアルベック・スンナ派自由人旅団はツイッターを通じて声明を出し、北部県トリポリ市での軍の治安維持活動に関して「軍のネズミどもはイスラーム教徒の家という聖域に女性がいるということを考慮していない」と非難、「レバノン軍を掌握している非レバノン人の軍(イラン人を示唆)、ヒズブッラーの攻撃」を退けるべきだと主張した。

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NNA(4月4日付)は、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員8人が軍事裁判所に起訴されたと報じた。

8人のうち2人がレバノン人、6人がシリア人。

AFP, April 4, 2014、AP, April 4, 2014、ARA News, April 4, 2014、Champress, April 4, 2014、al-Hayat, April 5, 2014、Iraqinews.com, April 4, 2014、Kull-na Shuraka’, April 4, 2014、Naharnet, April 4, 2014、NNA, April 4, 2014、Reuters, April 4, 2014、SANA, April 4, 2014、UPI, April 4, 2014などをもとに作成。

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2014年4月4日のシリア情勢:国内の暴力

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、カサブ町郊外の第45監視塔周辺で軍、国防隊、アレキサンドレッタ地方解放シリア解放運動が、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・シャーム大隊などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

同監視団によると、この戦闘で、ヌスラ戦線らは、軍の戦車1輌を破壊、第45監視塔周辺の複数の陣地を制圧したという。

なおシリア人権監視団によると、カサブ町一帯での過去2日間の戦闘で、ヌスラ戦線などの戦闘員64人が死亡、うち40人が外国人だという。軍側の死者数は35人以上に達しているという。

一方、『ハヤート』(4月5日付)は、イスラーム・シャーム大隊司令官アブー・アフマド・マグリビー氏がラタキア県カサブ町郊外の第45監視塔での軍との戦闘で死亡したと報じた。

マグリビー氏はモロッコ出身で、本名はイブラーヒーム・ベンシャクルーン。

米グアンタナモ刑務所(キューバ)の元収監者で、故国のモロッコに身柄を引き渡されたのち釈放された。

2013年にイスラーム・シャーム大隊を結成し、シリア国内でモロッコ人戦闘員を組織する一方、モロッコ国内での「ジハード」活動も計画していたという。

グアンタナモ刑務所を出所したモロッコ人がシリアで死亡したのは、2013年に死亡したムハンマド・イルミー氏に次いで、マグリビー氏が2人目。

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ARA, April 4, 2014
ARA, April 4, 2014

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団がバーブーリーン村、サーリヒーヤ村で軍と交戦し、兵士18人を殺害、戦車2輌を破壊し、両村とヒーシュ村・バーブーリーン村間の国際幹線道路を制圧した。

またマアッラト・ヌウマーン市とハマー県ムーリク市を結ぶ地域で、シャームの民のヌスラ戦線、ウンマ旅団、ジュンド・アクサーなどからなるジハード主義武装集団が、軍、国防隊と交戦、ハーン・シャイフ・キャンプ近郊のニムル検問所では、2週間前に捕捉された軍兵士25人が処刑された。

一方、SANA(4月4日付)によると、フユーム村、ジャフタルク村、ハーッジ・ハンムード農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市およびその一帯で軍がジハード主義武装集団と交戦し、戦闘員22人を殺害した。

またラアス・マアッラ町郊外、ザバダーニー市西部山岳地帯で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がラッカ市アバーラ・アカール地区にある書店を捜索、同書店のすべての書籍を「世俗的な書籍」だとの理由で没収した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、3日深夜からラアス・アイン市郊外のタッル・ブーガ村をイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が襲撃、民主統一党人民防衛隊との交戦の末、同村を制圧した。

この戦闘でダーイシュの戦闘員7人、人民防衛隊隊員1人が死亡した。

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アレッポ県では、SANA(4月4日付)によると、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アレッポ中央刑務所周辺、ジュダイダ地区、ハンダラート・キャンプ、フライターン市、ファイファート村、アターリブ市、ラスム・アッブード村、アルバイド村、カッファイン村、マーイル町、バービース村、タアーナ村、ハーン・アサル村、カフルナーハー村、カフルダーイル村、ターディフ市、シャリーア村、マアーッラト・アルティーク村北部、アレッポ市ブアイディーン地区、ジャンドゥール地区、ジャズマーティー地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(4月4日付)によると、ウカイリバート町、ガースィビーヤ村、ダール・カビーラ村、アイン・フサイン村、サアン村、ブルジュ・カーイー村、ガズィーラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(4月4日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、工業地区、旧空港地区、ジュバイラ地区、ハミーディーヤ地区、ハウィーカ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(4月4日付)によると、アトマーン村、ダーイル町、ナワー市、ブスラー・シャーム市、ヌアイマ村、シャイフ・サアド村、インヒル市、シャイフ・マスキーン市、ジュバイラ村、ナースィリーヤ村、ラジャート高原一帯、ダルアー市ダム街道地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(4月4日付)によると、ハッジャ村、ダワーヤ・スグラー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(4月4日付)によると、旧市街のバーブ・トゥーマー地区、バフサ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、市民22人が負傷した。

AFP, April 4, 2014、AP, April 4, 2014、ARA News, April 4, 2014、Champress, April 4, 2014、al-Hayat, April 5, 2014、Iraqinews.com, April 4, 2014、Kull-na Shuraka’, April 4, 2014、Naharnet, April 4, 2014、NNA, April 4, 2014、Reuters, April 4, 2014、SANA, April 4, 2014、UPI, April 4, 2014などをもとに作成。

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2014年4月4日のシリア情勢:シリア政府の動き

ARA News(4月4日付)は、トルコ(ヌサイビン市)からハサカ県カーミシュリー市に陸路で搬入された国連の人道支援物資が、同県内で配給されず、民間機でカーミシュリー空港からラタキア県に移送されたと報じ、その写真を公開した。

ARA, April 4, 2014
ARA, April 4, 2014

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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は『シャルク・アウサト』(4月4日付)に、ラタキア県カサブ町一帯へのシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団の侵攻を受け、シリア民族社会党の「レバノンとシリアの両派」が国防隊として戦闘に参加していると述べた。

「レバノンとシリアの両派」のうち、レバノンの派閥がアスアド・ハルダーン派(3月8日勢力)のみを含むのか、それ以外の派閥を含むのかは不明。

また、シリアの派閥についても、イサーム・マハーイリー派(進歩国民戦線)、インティファーダ派(変革解放人民戦線)、それ以外の派閥(シリア民族社会運動など)のどれなのか不明。

AFP, April 4, 2014、AP, April 4, 2014、ARA News, April 4, 2014、Champress, April 4, 2014、al-Hayat, April 5, 2014、Iraqinews.com, April 4, 2014、Kull-na Shuraka’, April 4, 2014、Naharnet, April 4, 2014、NNA, April 4, 2014、Reuters, April 4, 2014、SANA, April 4, 2014、al-Sharq al-Awsat, April 4, 2014、UPI, April 4, 2014などをもとに作成。

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2014年4月4日のシリア情勢:反体制勢力の動き

ダマスカス県では、複数の反体制活動家が、ジャウバル区で軍が毒ガスを使用したと主張、意識を失い、治療を受けていると思われる男性の画像をインターネット上で公開した。

ロイター通信(4月4日付)が伝えた。

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Kull-na Shuraka', April 4, 2014
Kull-na Shuraka’, April 4, 2014

ホーラーン外国人旅団に所属するアブー・カアカーア大隊報道官のアブー・ウマル・ジャウラーニー氏は、3月29日のイスラエル軍による占領下ゴラン高原(ブライカ村)での潜入者2人への発砲・殺害に関して、クッルナー・シュラカー(4月4日付)に対して、「自由シリア軍戦闘員2人が死亡した」と認めたうえで、「アサド軍との我々の戦いは、イスラエルが公然と敵対行為を繰り返した場合、(イスラエルへの)報復を妨げるものではない」と述べた。

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クナイトラ県で活動すると思われるジハード主義武装集団のジハード中隊、ファジュル・イスラーム大隊、ジュンド・ラフマーン中隊は共同声明を出し、3月29日のイスラエル軍による占領下ゴラン高原(ブライカ村)での潜入者2人への発砲・殺害に関して、イスラエルに「正式な謝罪」を求めた。

なお同声明によると、イスラエル軍の砲撃で死亡したのはアブー・ウダイ・ジャウラーニー氏、アブー・ハッターブ・ジャウラーニー氏の2名だという。

ARA News(4月4日付)は、民主統一党アサーイシュが2週間前からアレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市住民に対して、トルコへの入国規制を強化していると報じた。

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シリア人権監視団は、ラタキア県の複数の消息筋からの情報として、「ヌスラ戦線、ジュヌード・シャーム、アンサール・シャーム、イスラーム・シャームなどイスラーム主義武装集団のいずれかが、カサブ町および同市周辺のアルメニア教徒を今も殺戮し続けているとのシリア政府、メディア、外交官発の報道は根拠がない」としたうえで、「シリア政府がシリアの宗教・エスニック・マイノリティを保護しているというイメージを、地元世論や国際世論のなかに作り出そうとしている」と批判した。

 

AFP, April 4, 2014、AP, April 4, 2014、ARA News, April 4, 2014、Champress, April 4, 2014、al-Hayat, April 5, 2014、Iraqinews.com, April 4, 2014、Kull-na Shuraka’, April 4, 2014、Naharnet, April 4, 2014、NNA, April 4, 2014、Reuters, April 4, 2014、SANA, April 4, 2014、UPI, April 4, 2014などをもとに作成。

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