2014年4月7日のシリア情勢:国内の暴力(追記)

クッルナー・シュラカー(4月9日付)によると、ダイル・ザウル県ダイル・ザウル市郊外のマアダーン村近くに仕掛けられた爆弾が爆発し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)司令官のユーヌス・アーイシュ氏(アブー・カターダ・ジャルズィー)が死亡した。

Kull-na Shuraka’, April 9, 2014などをもとに作成。

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2014年4月7日のシリア情勢:諸外国の動き

イスラエルのメディアは、同国高官の話として、シリア軍が3月27日にダマスカス県東部で2度にわたって化学兵器を使用したと報じた。

『ハヤート』(4月8日付)が伝えた。

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シリア訪問を終え、モスクワに戻ったロシアの学術団体「帝国正教パレスチナ協会」のセルゲイ・ステパシン代表は、記者会見で「アサド大統領はシリアでの戦闘が活発に行われる段階は今年中に終わるだろう。彼は自身とウクライナのヴィクトル・ヤヌコヴィッチ大統領と比較しないようにと言った」と述べた。

イタルタス通信(4月7日付)が伝えた。

AFP, April 7, 2014、AP, April 7, 2014、ARA News, April 7, 2014、Champress, April 7, 2014、al-Hayat, April 8, 2014、Iraqinews.com, April 7, 2014、Itar-tass, April 7, 2014、Kull-na Shuraka’, April 7, 2014、Naharnet, April 7, 2014、NNA, April 7, 2014、Reuters, April 7, 2014、SANA, April 7, 2014、UPI, April 7, 2014などをもとに作成。

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2014年4月7日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(4月7日付)によると、アンバール県ラマーディー市で、治安部隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員5人を殺害した。

5人のうち3人はアフガン人だという。

AFP, April 7, 2014、AP, April 7, 2014、ARA News, April 7, 2014、Champress, April 7, 2014、al-Hayat, April 8, 2014、Iraqinews.com, April 7, 2014、Kull-na Shuraka’, April 7, 2014、Naharnet, April 7, 2014、NNA, April 7, 2014、Reuters, April 7, 2014、SANA, April 7, 2014、UPI, April 7, 2014などをもとに作成。

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2014年4月7日のシリア情勢:レバノンの動き

ナハールネット(4月7日付)によると、北部県トリポリ市で治安維持活動にあたる軍は、ジャバル・ムフスィン地区、バラーニヤ地区で強制捜査を行い、2人を逮捕、武器弾薬を押収した。

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ナハールネット(4月7日付)によると、ベカーア県ヘルメル市で軍が武器と麻薬を不法所持していた3人を逮捕した。

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南部県サイダー市南部のミヤ・ミヤ・パレスチナ難民キャンプでアンサール・ウンマ支持者とシリア人(アフマド・ラシード氏)グループの間で武力衝突が発生し、アフマド・ラシード氏の兄弟を含む8人が死亡した。

AFP, April 7, 2014、AP, April 7, 2014、ARA News, April 7, 2014、Champress, April 7, 2014、al-Hayat, April 8, 2014、Iraqinews.com, April 7, 2014、Kull-na Shuraka’, April 7, 2014、Naharnet, April 7, 2014、NNA, April 7, 2014、Reuters, April 7, 2014、SANA, April 7, 2014、UPI, April 7, 2014などをもとに作成。

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2014年4月7日のシリア情勢:国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市内の「(軍によって)包囲されているブスターン・ディーワーン地区」(反体制勢力支配地域)の修道院でイエズス会のオランダ人修道士、フランス・ヴァン・デル・ルフト(Frans van der Lugt)氏(75歳)が武装集団によって銃殺された。

ARA News, April 7, 2014
ARA News, April 7, 2014

オランダにあるイエズス会修道院は、AFP(4月7日付)に対して、フランス氏は自宅前で頭に2発の銃弾を受けて死亡したことを明らかにした。

フランス氏殺害に関して、SANA(4月7日付)は「武装テロ集団」がフランス氏を「暗殺」したと伝えた。

またシリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、「アサド政権がシリア国民に同情的なすべての人を粛正してきた」としてアサド政権の関与を推定し、「この犯罪の背後にいる者を処罰」すべきだと主張した。

一方、SANA(4月7日付)によると、ヒムス市グータ地区で、関係当局が住民の協力のもと反体制武装集団のアジトを強制捜査し、複数の戦闘員を逮捕、大量の武器弾薬を押収した。

またラスタン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、カイイム大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらにヒムス市旧市街に籠城していた反体制武装集団28人が当局に投降した。

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ラタキア県では、『ハヤート』(4月8日付)によると、複数の反体制活動家が、タシャールマー地方、第45監視塔周辺で反体制武装集団が軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員を要撃し、兵士35人を殺害したと発表した。

シリア人権監視団によると、タシャールマー山周辺で軍、国防隊、アレキサンドレッタ地方解放シリア抵抗運動が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

また複数の活動家によると、ラタキア市の治安関連集合施設地区、ダーヒヤト・ブーカーの海軍司令部、ジャブラー市周辺、カルサーナ村に反体制武装集団が撃ったグラード・ロケット弾複数発が着弾した。

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クナイトラ県では、スーリヤー・ムバーシル(SLN、4月7日付)によると、4作戦司令室による「アンファール救済タウヒードの暁作戦」開始発表を受けるかたちで、反体制武装集団が、フール村、ヤルザ村の中隊基地入り口で軍と交戦した。

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アレッポ県では、ハラブ・ニュース(4月7日付)によると、シャームの民の合同作戦司令室が、イウティサーム・ビッラー作戦の開始を宣言した。

同作戦は、イラク人民兵が拠点とするアレッポ市ラームーサ地区に近いスーク・ジャバス、ヒクマ学校一帯の制圧を目的とし、すでにムジャーヒディーン軍が同地の多くの建物を制圧したという。

これに対して、軍はヒクマ学校周辺を「樽爆弾」で空爆したという。

またシリア人権監視団によると、アレッポ市ラーシディーン地区で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が軍、国防隊との戦闘の末、アクラブ地区を制圧したという。

この戦闘で、軍兵士7人、ジハード主義武装集団戦闘員2人が死亡したという。

さらにサフィーラ市近郊のタッラト・スブヒーヤ地方で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と軍が交戦、アイン・アラブ市近郊のカルヒーダ村ではダーイシュと民主統一党人民防衛隊が交戦した。

一方、SANA(4月7日付)によると、アレッポ市ラーシディーン地区、ジャンドゥール地区、ライラムーン地区、ハンダラート・キャンプ、ハーン・トゥーマーン村、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アフリーン市、アターリブ市、アナダーン市、タームーラ村、カフルジューム村、ジュバイラ村、マアーッラト・アルティーク村、ハーン・アサル村、アウラム・クブラー町、カフルハラブ村、フライターン市、ザバディーヤ村、マンスーラ村、ダーラト・イッザ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サラーキブ市各所、ハーミディーヤ航空基地・ヒーシュ村間の国際幹線道路沿いを、軍が「樽爆弾」などで空爆し、ジハード主義武装集団と交戦した。

またハーリム村で未明から、反体制武装集団どうしが燃料の密輸をめぐって武力衝突した。

一方、SANA(4月7日付)によると、カフルタハーリーム町近郊、カフルハーバー村、ラーミー村、マアッリー村、カフルナジド村、ハーミディーヤ村、カフルサフナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャーム軍団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ヒヤーリーン町に軍が突入した。

一方、SANA(4月7日付)によると、サラミーヤ市・アフリヤー市回廊で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ジャルマーナー市に迫撃砲弾複数発が着弾し、複数名が死傷する一方、軍がフライラ村、ムライハ市、ドゥマイル市・マイダアー町間、サルハ市、ラアス・アイン市郊外を軍が砲撃・空爆し、反体制武装集団と交戦し、過去2日で民間人12人、反体制武装集団40人以上、軍兵士30人以上が死亡した。

一方、SANA(4月7日付)によると、アドラー市郊外の工業地帯で反体制武装集団を要撃し、イスラーム戦線の戦闘員20人を殲滅、多数を逮捕した。

またムライハ市郊外、アイン・タルマー村、アーリヤ農場、アドラー市ウンマーリーヤ地区、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプ、ザーキヤ町郊外、フサイニーヤ町郊外、サルハ市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ラフマーン軍団、イスラーム軍、ドゥーマ殉教者大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらにムウダミーヤト・シャーム市、マダーヤー町では、反体制武装集団戦闘員182人が当局に投降した。

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ダルアー県ではシリア人権監視団によると、ブスラー・シャーム市、ナスィーブ村、ヌアイマ村、サイダー町・ヌアイマ村間を軍が空爆した。

一方、SANA(4月7日付)によると、ワルダート地方、ジーザ町、タイバ町、アトマーン村、ダルアー市ミスリー交差点南部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(4月7日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, April 7, 2014、AP, April 7, 2014、ARA News, April 7, 2014、Champress, April 7, 2014、Halabnews.com, April 7, 2014、al-Hayat, April 8, 2014、Iraqinews.com, April 7, 2014、Kull-na Shuraka’, April 7, 2014、Naharnet, April 7, 2014、NNA, April 7, 2014、Reuters, April 7, 2014、SANA, April 7, 2014、UPI, April 7, 2014などをもとに作成。

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2014年4月7日のシリア情勢:シリア政府の動き

アサド大統領(バアス党シリア地域指導部書記長)は、バアス党結党記念日(4月7日)67周年を記念して、ダルアー県、スワイダー県、クナイトラ県の支部指導部代表と会談した。

会談で、アサド大統領は南部各県がイスラエルに対する第1防衛戦をなしてきたとたうえで、イスラエルが南部各県住民に対する武装テロ集団の犯罪を支援していると指摘した。

SANA, April 7, 2014
SANA, April 7, 2014

そのうえで、アサド大統領は、国民和解プロセスの継続・強化の必要を強調し、国内最大勢力であるバアス党がこのプロセスにおいて重大な役割を担っていると述べた。

SANA(4月7日付)が伝えた。

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SANA(4月7日付)によると、ダマスカス県マッザ区、サフナーヤー市、アシュラフィーヤト・サフナーヤー市、ハルジャラ市、ジュダイダト・アルトゥーズ町、ディーマース町(以上ダマスカス郊外県)、タルトゥース市、サーフィーター市(タルトゥース県)で、バアス党結党67周年を記念して、軍による「テロとの戦い」を支持する集会が開催され、会場には数百人から数千人の市民が集まった。

またラタキア県、ヒムス県、ダイル・ザウル県、ハサカ県、アレッポ県でも、バアス党結党記念日の祝典が行われたという。

SANA, April 7, 2014
SANA, April 7, 2014
SANA, April 7, 2014
SANA, April 7, 2014

一方、クッルナー・シュラカー(4月7日付)によると、ハサカ県カーミシュリー市でも、バアス党結党67周年を記念して、軍による「テロとの戦い」を支持する集会が開催され、多数の市民が参加した。
SANA(4月7日付)によると、シリア軍もバアス党結党記念日の祝典を行い、「イデオロギー軍」建設に果たしたバアス党の役割を賛美した。

AFP, April 7, 2014、AP, April 7, 2014、ARA News, April 7, 2014、Champress, April 7, 2014、al-Hayat, April 8, 2014、Iraqinews.com, April 7, 2014、Kull-na Shuraka’, April 7, 2014、Naharnet, April 7, 2014、NNA, April 7, 2014、Reuters, April 7, 2014、SANA, April 7, 2014、UPI, April 7, 2014などをもとに作成。

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2014年4月7日のシリア情勢:反体制勢力の動き

スーリヤー・ムバーシル(SLN、4月7日付)によると、クナイトラ県などシリア南部で活動する30以上の武装集団(シャームの民のヌスラ戦線など)から構成される四つの作戦司令室が、「アンファール救済タウヒードの暁作戦」の開始を宣言し、ラタキア県カサブ町一帯で侵攻を合わせて、アサド政権への二正面作戦を行う意思を示した。

「アンファール」とは3月下旬からシャームの民のヌスラ戦線などによるラタキア県カサブ町一帯への侵攻作戦の呼称。

作戦開始を発表した司令室と参加武装集団は以下の通り:

ファーティヒーン作戦司令室:ダマスカス殉教者旅団、アバービール・ハウラーン旅団、ジャイドゥール・ハウラーン旅団、フサイン・ブン・アリー大隊、マディーナト・ムナウワラ旅団、サブティーン旅団、タバーラク・ラフマーン旅団

ファトフ・シャーム司令室:シャーム自由人旅団、イスラーム軍、イスラーム・ムサンナー運動、バシャーイル・イスラーム、アブー・ウバイダ大隊、イバード・ラフマーン、サハーバ旅団大隊、ビナー・ウンマ、アンサール・フダー、アフマド・ウマル大隊

クナイトラ解放連合司令室:フルカーン旅団、イッズ旅団、アンサール・イスラーム戦線、西部郊外の鷲、ダマスカス殉教者、ゴラン外国人部隊

ヌスラ作戦司令室:シャームの民のヌスラ戦線、バイト・ムカッダス、スユーフ・イスラーム、サラーフ・ジャウラーニー、シャバーブ・フダー

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シリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会はイスタンブールで開催中の会合(5日に開会)で政治委員会(19人、正副議長を含めて23人)の改選を行った。

会合で行われた選挙で選出された政治委員会メンバー(うち正副議長は無投票当選)は以下の通り(*は再選):

1. アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー(議長)*

2. ファールーク・タイフール(副議長、シリア・ムスリム同胞団)*

3. ヌーラー・アミール(副議長)*

4. アブドゥルハキーム・バッシャール(副議長、シリア・クルド国民評議会)*

5. ムンズィル・ジャームース(書記長)*

6. ハーディー・バフラ*

7. アナス・アブダ*

8. ナズィール・ハキーム*

9. アフマド・ラマダーン(シリア・ムスリム同胞団)*

10. アブドゥルアハド・アスティーフー*

11. ジャマール・ワルド

12. ハーリド・ナースィル

13. ヤフヤー・マクタビー

14. リヤード・ハサン

15. ナスル・ハリーリー

16. ムハンマド・ハイイル・ワズィール

17. サラーフ・ダルウィーシュ

18. ムハンマド・ハイイル・バンクー

19. ハッサーン・ハーシミー

20. アンワル・バドル

21. アフマド・ハクル

22. アーリヤ・マンスール

23. ズィヤード・ハサン

Kull-na Shuraka', April 7, 2014
Kull-na Shuraka’, April 7, 2014

これまで政治委員会メンバーを務めてきたミシェル・キールー氏(シリア民主主義者連合)、ムワファク・ニールビーヤ氏(駐ブリュッセル代表)、ムンズィル・マーフース氏(駐パリ代表)、ルワイユ・サーフィー氏(報道官)、アブドゥルバースィト・スィーダー氏(シリア国民評議会前事務局長)、アクラム・アッサーフ氏は立候補せず、リーマー・フライハーン氏は立候補したもの落選した。

また、ファイーズ・サーラ氏、カマール・ルブワーニー氏、ムナー・ムスタファー氏(クッルナー・シュラカー(4月6日付)によると5日に連立脱会を発表)は会合に先立って連立を脱会していた。

また総合委員会は6日、政治委員会定数拡大(19人から25人)などを目的とした内規改正に関する提案を受け付けるための委員会を設置した。

提案受付は15日間行われるという。

『ハヤート』(4月8日付)、クッルナー・シュラカー(4月7日付)が報じた。

AFP, April 7, 2014、AP, April 7, 2014、ARA News, April 7, 2014、Champress, April 7, 2014、al-Hayat, April 8, 2014、Iraqinews.com, April 7, 2014、Kull-na Shuraka’, April 7, 2014、Naharnet, April 7, 2014、NNA, April 7, 2014、Reuters, April 7, 2014、SANA, April 7, 2014、SLN, April 7, 2014、UPI, April 7, 2014などをもとに作成。

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