2014年4月29日のシリア情勢:諸外国の動き

化学兵器禁止機関のアフメト・ウズムジュ事務局長は、ハマー県カフルズィーター市で塩素ガスが使用されたとの情報に関する調査団を近く派遣することを決定、シリア政府も調査団の受け入れに同意したと発表した。

『ハヤート』(4月30日付)が伝えた。

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ロイター通信(4月29日付)は、シリア国内および周辺諸国で人道支援活動にあたるINGO3団体が、国連安保理宛に報告書を提出し、そのなかで国連による人道支援物資の搬入・配給の調整が不充分だと批判、状況改善を求めたと報じた。

AFP, April 29, 2014、AP, April 29, 2014、ARA News, April 29, 2014、Champress, April 29, 2014、al-Hayat, April 30, 2014、Iraqinews.com, April 29, 2014、Kull-na Shuraka’, April 29, 2014、Naharnet, April 29, 2014、NNA, April 29, 2014、Reuters, April 29, 2014、SANA, April 29, 2014、UPI, April 29, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年4月29日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(4月29日付)によると、イラク空軍がバービル市北部のイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の拠点に対して空爆を行った。

AFP, April 29, 2014、AP, April 29, 2014、ARA News, April 29, 2014、Champress, April 29, 2014、al-Hayat, April 30, 2014、Iraqinews.com, April 29, 2014、Kull-na Shuraka’, April 29, 2014、Naharnet, April 29, 2014、NNA, April 29, 2014、Reuters, April 29, 2014、SANA, April 29, 2014、UPI, April 29, 2014などをもとに作成。

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2014年4月29日のシリア情勢:国内の暴力

アンサール・ハック戦線司令官で「自由シリア軍」東部地域諜報課長のアブー・ムアーッズ・アカイディー氏は、クッルナー・シュラカー(4月28日付)に対し、アサド政権とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、ラッカ県、ハサカ県、ダイル・ザウル県での「勢力画定」について合意したと主張した。

アカイディー氏によると、この合意は「アサド政権に属す一部クルド人政党」、「ハサカ市とカーミシュリー市のシャッビーハ指導者」、ダーイシュ指導部によって27日に交わされ、①ラッカ県、カーミシュリー市(ハサカ県)郊外、マルカダ町を除くハサカ市郊外からのダーイシュの撤退とダイル・ザウル県の放棄、②シリア政府からダーイシュへの10億ドルの支援金を支払い、を骨子とする、という。

アカイディー氏によると、シリア政府側の交渉団(「ハサカ市とカーミシュリー市のシャッビーハ指導者」)は、フサーム・スッカル大統領府安全問題担当官、空軍情報部ダイル・ザウル支部長、軍事情報局カーミシュリー支部長、ムハンマド・ファーリス氏、ハサン・ムスラト氏からなり、ダーイシュ側は、アブー・ウサーマ・イラーキー氏、アブー・ルクマーン氏が交渉にあたったという。

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ヒムス県では、タラール・バラーズィー県知事がAFP(4月19日付)に、ヒムス市ザフラー地区(アラウィー派が多く暮らす地区)で反体制武装集団が爆弾を仕掛けた車を爆発させ、36人が死亡し、75人が負傷、またその直後に手製の迫撃砲が同地に着弾し、9人が死亡、10人が負傷したと述べた。

これに関して、シリア人権監視団は、2台の車に仕掛けられた爆弾が爆発、その後、迫撃砲着弾によると思われる爆発があり、女性、子供を含む40人が死亡、80人以上が負傷したと発表した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、カラービース地区、ハミーディーヤ地区、ダール・カビーラ村、アーミリーヤ村、サアン村、タドムル市・ヒムス市街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(4月29日付)によると、シャーグール区のバドルッディーン・フスニーシャリーア学校複合施設に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、14人が死亡、86人が負傷した。

これに関して、シリア人権監視団は、17人が死亡、50人が負傷したと発表した。

またSANAによると、アッバースィーイーン地区にも反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、8人が負傷した。

このほか、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アドラー市内にある「パレスチナ・ムジャーヒディーン殉教者遺族学校」近くに迫撃砲弾が着弾し、パレスチナ人児童3人が死亡した。

またムライハ市およびその周辺で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦、軍が同地を地対地ミサイルなどで砲撃した。

さらに軍はザマルカー町、ドゥーマー市郊外を砲撃した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ムライハ市郊外、アルバイン市、ザマルカー町、アーリヤ農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、軍がマスハラ村近郊のタッル・ブラークを制圧した。

一方、SANA(4月29日付)によると、サアサア町・シヒム村感の街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍がマーリア市、アターリブ市一帯、タッル・シャイール村、アレッポ市マルジャ地区を「樽爆弾」などで空爆する一方、シャイフ・ナッジャール市で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ダーラト・イッザ市、フライターン市、ハンダラート・キャンプ、ジュバイラ村、タッル・ジャビーン村、アナダーン市、アターリブ市、マンスーラ村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アアザーズ市、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アレッポ中央刑務所周辺、マンスーラ村、ムスリミーヤ村、アレッポ市シャイフ・サイード地区、スッカリー地区、アーミリーヤ地区、ブスターン・カスル地区、ハナーヌー地区、サカン・シャバービー地区、ラーシディーン地区、旧市街、ライラムーン地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(4月29日付)によると、サムリーン村西部、ハーッラ市東部、ダルアー市旧税関地区、ヨルダン通りなどで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, April 29, 2014、AP, April 29, 2014、ARA News, April 29, 2014、Champress, April 29, 2014、al-Hayat, April 30, 2014、Iraqinews.com, April 29, 2014、Kull-na Shuraka’, April 29, 2014、Naharnet, April 29, 2014、NNA, April 29, 2014、Reuters, April 29, 2014、SANA, April 29, 2014、UPI, April 29, 2014などをもとに作成。

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2014年4月29日のシリア情勢:シリア政府の動き

アサド大統領とアスマー・アフラス夫人はダマスカス県で、紛争で一人息子を失った遺族の代表団と会談し、弔意を示した。

SANA, April 29, 2014
SANA, April 29, 2014
SANA, April 29, 2014
SANA, April 29, 2014
SANA, April 29, 2014
SANA, April 29, 2014

会談でアサド大統領は、「シリアの歴史と未来を防衛するために」、一人息子の軍への入隊を許した家族を讃えるとともに、「この戦争においてシリア国民が示しているのは、シリア以外では目にすることのできないシリア国民の顕著な愛国心」だと述べた。

またアスマー夫人は、「遺族に対してできる最低限のことは、彼らに寄り添い、可能な手段で支援することです」と述べた。

SANA(4月29日付)が伝えた。
AFP, April 29, 2014、AP, April 29, 2014、ARA News, April 29, 2014、Champress, April 29, 2014、al-Hayat, April 30, 2014、Iraqinews.com, April 29, 2014、Kull-na Shuraka’, April 29, 2014、Naharnet, April 29, 2014、NNA, April 29, 2014、Reuters, April 29, 2014、SANA, April 29, 2014、UPI, April 29, 2014などをもとに作成。

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2014年4月29日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のハーディー・バフラ政治委員会書記長は声明を出し、イラク軍ヘリコプターによるシリア領内でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の車列への空爆に関して、「アサドはシリアを「国境を奪われた国」にしてしまった。この手の攻撃は主権侵害に他ならず、アサド政権がシリア国境の管理を保障できないことは明らかだ」と批判した。

バフラ書記長はまた、ダーイシュのシリア国内での活動について言及することなく、イラク軍の越境攻撃を「シリア国民への敵対行為」としたうえで、「マーリキー政権とアサド政権が、シリア人殺戮に関して当初から強調してきたことを我々はみな知っている。シリアでのテロのほとんどは、アサド政権との調整のもとマーリキー政権が輸出したものだ」と非難した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のバドル・ジャームース書記長はマサール・プレス(4月29日付)に、アフマド・トゥウマ暫定内閣をトルコのガズィアンテップ市からシリア国内に移転しようとしているとしたうえで、この移転には6~8ヶ月を要し、5,000万ドルの費用がかかるだろうと述べた。

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リーマー・フライハーン女史は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立からの脱会を発表した。

連立の意思決定に対する外国勢力の介入を、幹部が排除できないというのが脱会の理由だという。

AFP, April 29, 2014、AP, April 29, 2014、ARA News, April 29, 2014、Champress, April 29, 2014、al-Hayat, April 30, 2014、Iraqinews.com, April 29, 2014、Kull-na Shuraka’, April 29, 2014、Masar Press Agency, April 29, 2014、Naharnet, April 29, 2014、NNA, April 29, 2014、Reuters, April 29, 2014、SANA, April 29, 2014、UPI, April 29, 2014などをもとに作成。

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2014年4月29日のシリア情勢:大統領選挙をめぐる動き

ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長は、大統領選挙に関する議会臨時会で、4人が新たに最高憲法裁判所に対して大統領選挙への立候補届出を行い、2014年4月29日付届出第8~11号として登録されたと発表した。

新たに立候補を届け出たのは、イッザ・ムハンマド・ワジーフ・ハッラーク女史(1962年、ダマスカス県生まれ)、アリー・ムハンマド・ワンヌース氏(1973年、ヒムス県生まれ)、タリーア・サーリフ・ナースィル氏(1967年、イドリブ県カフリーン村生まれ)、サミーフ・ミーハーイール・ムーサー氏(1963年、クナイトラ県ブタイハ村生まれ、キリスト教徒)の4人。

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ARA News, April 29, 2014
ARA News, April 29, 2014

SANA(4月29日付)、ARA News(4月29日付)によると、各地で、バアス党支部、革命青年連合、シリア学生国民連合などの人民諸組織、教員組内などの職業諸組合が大統領選挙実施と軍による「テロとの戦い」の支持を訴える集会・デモ行進を開催した。

集会・デモ行進が行われたのは、バアス党ダマスカス大学支部前、同情報学部キャンパス、ダマスカス郊外県のカーラ市、ナブク市、ダイル・アティーヤ市、サッブーラ市、カタナー市、アルナ村、ブルダーン市、アシュラフィーヤ・サフナーヤー市、ハルジャラ市、クドスィーヤー郊外市、ハラスター郊外市、アレッポ市スィルヤーン地区、マハッタト・バグダード地区、スワイダー県のサルハド市、ダルアー市(タジャッマア地区)、タルトゥース市、ハサカ市(教育学部)、シーン町(ヒムス県)。

集会・デモ行進には、多数の市民や、青いTシャツを着た革命青年連合(人民諸組織の一つ)の若者が参加し、アサド大統領への支持を訴えたという。

AFP, April 29, 2014、AP, April 29, 2014、ARA News, April 29, 2014、Champress, April 29, 2014、al-Hayat, April 29, 2014、Iraqinews.com, April 29, 2014、Kull-na Shuraka’, April 29, 2014、Naharnet, April 29, 2014、NNA, April 29, 2014、Reuters, April 29, 2014、SANA, April 29, 2014、UPI, April 29, 2014などをもとに作成。

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