シリアで日本人が拉致(2014年8月22日)

アレッポ県のムハンマド・アッカード知事は、共同通信(8月21日付)と会見し、ダーイシュ(イスラーム国)によると思われる日本人の拉致に関して、「ダーイシュから捕虜交換の要請があれば、解放に向けて支援する用意がある」と述べ、釈放に向けた協力の意思を示した。

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『読売新聞』(8月23日朝刊)は、ダーイシュ(イスラーム国)によって拉致されたとされる日本人男性と行動をともにしていたというイスラーム戦線メンバーが、この男性の解放に向けた直接交渉を開始したことを明らかにしたうえで、「解放条件が身代金なのか捕虜交換なのかは不明だが、我々は要求に応える準備がある」と語ったと報じた。

このメンバーによると、拉致されたとされる男性は現在、ダーイシュが制圧するアレッポ県バーブ市で拘留されていると見られるという。

しかし、『読売新聞』(8月23日夕刊)は、ダーイシュと直接交渉を始めたとするイスラーム戦線メンバーが22日、「ダーイシュとの戦闘が激化して状況が急変し、交渉は進まなかった」と明かした。

このメンバーによると、イスラーム戦線はバーブ市にメンバー4人を派遣し、当初は電話で交渉を始めたという。

だが、22日からバーブ市一帯での戦闘激化を受けて、予定されていたイスラーム戦線とダーイシュの代表の面会は中止されたという。

なお、イスラーム戦線メンバーがバーブ市で収集した情報によると、拉致された男性は「拘束時に顔や体にけがを負ったが、無事のようだ」という。

共同通信2014年8月22日、『読売新聞』2014年8月23日などを参照。

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諸外国の動き(2014年8月21日)

米国のチャック・ヘーゲル国防長官は、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長と会見を開き、シリアとイラクで台頭するダーイシュ(イスラーム国)に関して、高度な軍事力や豊富な資金を有する「これまでに見たことがない組織だ」と述べ、警戒感を示した。

ヘーゲル国防長官は、イスラーム国が「単なるテロ組織の枠を超えている」としたうえで、「あらゆる事態に備えねばならない」と強調、「米軍の関与は終わらない」と述べた。

そのうえで、シリア国内でのダーイシュへの空爆について「引き続きあらゆる選択肢を考えている」と排除しない考えを示した。

同席したデンプシー統合参謀本部議長も、ダーイシュを打倒するには、シリア国内で対処する必要があるとしたうえで、「空爆もその一つだ」と語った。

しかし、米軍が直接空爆を行う可能性については「少なくとも米国が行うことは予期していない」と述べ、現時点では否定した。

AFP, August 21, 2014、AP, August 21, 2014、ARA News, August 21, 2014、Champress, August 21, 2014、al-Hayat, August 22, 2014、Kull-na Shuraka’, August 21, 2014、al-Mada Press, August 21, 2014、Naharnet, August 21, 2014、NNA, August 21, 2014、QNA, August 21, 2014、Reuters, August 21, 2014、SANA, August 21, 2014、UPI, August 21, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月21日)

シリア国内の動き

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、タブカ航空基地の攻略をめざすダーイシュ(イスラーム国)と同飛行場周辺で激しく交戦し、ダーイシュ戦闘員11人を殺害した。

シリア軍はまた、飛行場周辺に対して「樽爆弾」、スカッド・ミサイルなどで空爆・砲撃を行った。

一方、ダーイシュは、爆弾を積んだ自動車で2度にわたって自爆攻撃を行い、シリア軍にも7人の戦死者が出たという。

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月21日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ラシュディーヤ地区、工業地区、シャイフ・ヤースィーン地区、ジュバイラ地区、ジスル・スィヤーサ地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(8月21日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊・アサーイシュが、ハサカ市グワイラーン地区で、ダーイシュ(イスラーム国)の支持者とされるハサン・タイス氏の自宅を攻撃し、ダーイシュを支持する武装集団メンバー5人を殺害した。

また対イラク国境に位置するヤアルビーヤ町南部のハビービーヤ村、スッカリーヤ村、クーズ村、ジャズア村一帯で、民主統一党とダーイシュが20日晩から交戦を続けた。

このほか、クッルナー・シュラカー(8月21日付)によると、20日晩、ラアス・アイン市南部のブワイダ村で、人民防衛隊がダーイシュと交戦した。

イラク国内の動き

キルクーク県では、治安筋によると、イラク軍がトゥーズ郡スライマーン・ベク地方にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、ダーイシュ戦闘員20人を死傷させた。

またフワイジャ郡北西部で、部族民兵が未明にダーイシュの車列を襲撃し、ダーイシュ戦闘員10人を殲滅した。

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バービル県では、治安筋によると、ジュルフ・サフル地方でのイラク治安部隊とダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で、ダーイシュ司令官1人と副官3人が死亡した。

またイラク軍は同地一帯を空爆し、ダーイシュ戦闘員22人を死傷させた。

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アンバール県では、アンバール作戦司令室によると、ラマーディー市西部のハディーサ郡で、イラク軍がダーイシュ(イスラーム国)の襲撃を撃退し、ダーイシュ戦闘員12人を殺害した。

一方、ヒート郡では、警察と覚醒評議会の合同部隊の車列がダーイシュの攻撃を受け、警官ら9人が死傷した。

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サラーフッディーン県では、治安筋によると、ティクリート市南部のダルーイーヤ郡北部でのイラク警察治安部隊とダーイシュ(イスラーム国)の戦闘で、ダーイシュ戦闘員3人が死亡、警官3人が負傷した。

諸外国の動き

ヨルダンのジハード主義潮流のムハンマド・シャラビー氏(アブー・サヤーフ)は『ハヤート』(8月22日付)に対し、今週1週間でヨルダンの治安当局が、同潮流の若者約20人を「ダーイシュ(イスラーム国)を支援しているとの容疑」で、「不当逮捕」したことを明らかにした。

シャラビー氏によると、治安当局による逮捕・摘発はアンマン、サルト、サルトなどで行われ、逮捕された若者は「ほとんどがダーイシュを支援しており、シャームの民のヌスラ戦線を支持しているのはわずかだ」という。

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カタール外務省報道官は、ダーイシュ(イスラーム国)による米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏処刑に関して「犯罪集団の手による殺害をもっとも強い表現で非難する」と述べるとともに、「シリアの民間人の苦難の真相の解明など、危険地での真相報道を行ってきた故人の勇気」を高く評価、哀悼の意を示した。

カタール通信(QNA、8月21日付)が伝えた。

AFP, August 21, 2014、AP, August 21, 2014、ARA News, August 21, 2014、Champress, August 21, 2014、al-Hayat, August 22, 2014、Kull-na Shuraka’, August 21, 2014、al-Mada Press, August 21, 2014、Naharnet, August 21, 2014、NNA, August 21, 2014、QNA, August 21, 2014、Reuters, August 21, 2014、SANA, August 21, 2014、UPI, August 21, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年8月21日)

ダマスカス郊外県では、SANA(8月21日付)によると、ザーキヤ町西部、フサイニーヤ町郊外、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外、ムライハ市郊外、アイン・タルマー渓谷、ナシャービーヤ農場、アルバイン市、ザマルカー町で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月21日付)によると、ウーファーニヤー村、ハズラジーヤ農場で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月21日付)によると、ダーイル町南部、ナワー市周辺、ジュムーア丘、ラジャート高原、ヒルバト・ガザーラ町周辺、ダルアー市旧税関地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月21日付)によると、ウンク・ハワー村、タッルドゥー市、カフルラーハー市、タッル・ザハブ町、ダイル・フール村、サアン村、アルシューナ村、西サラーム村、マリーミーン村、西グール村、カルヤタイン市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(8月21日付)によると、ウワイジャ地区、サルジャ村、ブラート村、ハーン・アサル村、カフルダーイル村、アレッポ市カッラーサ地区、シャッアール地区、ライラムーン地区、ハナーヌー地区、ジュダイダ地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(8月21日付)によると、スビールー村、クマイナース村、バラーギーティー村、ムスタリーハ村、イドリブ市・ハーリム市街道、バズィート村、バーリス村、アブー・ズフール町西部、ハミーマート・ダーイル村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 21, 2014、AP, August 21, 2014、ARA News, August 21, 2014、Champress, August 21, 2014、al-Hayat, August 22, 2014、Kull-na Shuraka’, August 21, 2014、al-Mada Press, August 21, 2014、Naharnet, August 21, 2014、NNA, August 21, 2014、Reuters, August 21, 2014、SANA, August 21, 2014、UPI, August 21, 2014などをもとに作成。

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「国民和解合意」(停戦合意)をめぐる動き(2014年8月21日)

Watan FM(8月21日付)は、ノルウェーの首都オスロで、シリア政府に近いビジネスマン、商人、反体制武装集団代表、シリア国内外の反体制活動家が非公式会合を開き、紛争の政治的解決などについての審議を開始したと報じた。

「オスロ会合」と称されるこの非公式会合は3日間の審議を予定しており、英国、ノルウェー、スウェーデンが開催を支援しているという。

会合には、反体制勢力の側から、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、クナイトラ県で武装活動をしているアンサール・イスラーム戦線、ハビーブ・ムスタファー、シリア解放戦線、シリア東部および北部で活動する武装集団の代表ら、シリア政府からはマルウィー・フアード女史(国連特使担当局長)が参加しているほか、政権、反体制勢力のいずれにも属さない「グレーゾーン」の要人も出席しているという。

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『ハヤート』(8月22日付)は、ダマスカス県カダム区およびアサーリー地区で発効した停戦合意(国民和解合意)の内容を明らかにした。

同報道によると、停戦合意は以下11項目などからなるという。

1. 当事者によるすべての発砲停止。

2. シリア軍のカダム区からの完全撤退。

3. カダム区入り口へのシリア軍の検問所の設置。

4. 民間人の帰宅を促すための道路の整備・清掃

5. 主要道路の再開。

6. ライフ・ライン、生活インフラの復旧。

7. カダム区、アサーリー地区での逮捕者、とりわけ女性と子供の釈放。

8. 「自由シリア軍」による武器携帯、自治運営、国家機関や公務員の保護。

9. カダム区、アサーリー地区の「自由シリア軍」400人からなる治安維持部隊の設置。

10. 治安維持部隊と軍による検問所の共同管理。

11. 負傷者の治療。

カダム区、アサーリー地区は、サハーバ大隊、カダム・ムジャーヒディーン、シャーム解放、シャームの民のヌスラ戦線などによって占拠されていた。

この停戦合意に、ヌスラ戦線は参加していないという。

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ダマスカス県では、SANA(8月21日付)によると、カダム区でシリア軍と反体制武装集団の間で「国民和解合意」(停戦合意)が発効したのを受け、同地区住民数十世帯が帰宅、またシリア軍が住民に支援物資を配給した。

SANA, August 21, 2014
SANA, August 21, 2014

AFP, August 21, 2014、AP, August 21, 2014、ARA News, August 21, 2014、Champress, August 21, 2014、al-Hayat, August 22, 2014、Kull-na Shuraka’, August 21, 2014、al-Mada Press, August 21, 2014、Naharnet, August 21, 2014、NNA, August 21, 2014、Reuters, August 21, 2014、SANA, August 21, 2014、UPI, August 21, 2014、Watan FM, August 21, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年8月21日)

シリア人権監視団は、2011年3月18日から2014年8月20日までの3年5ヶ月間での紛争による死者総数が18万215人に達していると発表した。

同監視団によると死者の内訳は、民間人(武装した民間人を含むという)が5万8,805人(うち子供9,428人、女性6,036人)、軍および親政権民兵が6万8,780人(うち軍、治安部隊が4万438人、人民諸委員会や国防隊が2万5,927人)、反体制武装集団戦闘員が4万9,699人、シャームの民のヌスラ戦線やイスラーム(ダーイシュ)などに属す外国人戦闘員が1万6,855人、ヒズブッラーなどの親政権の外国員戦闘員が1,854人、身元不明が2,931人。

AFP, August 21, 2014、AP, August 21, 2014、ARA News, August 21, 2014、Champress, August 21, 2014、al-Hayat, August 22, 2014、Kull-na Shuraka’, August 21, 2014、al-Mada Press, August 21, 2014、Naharnet, August 21, 2014、NNA, August 21, 2014、Reuters, August 21, 2014、SANA, August 21, 2014、UPI, August 21, 2014などをもとに作成。

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シリアで日本人が拉致(続報、2014年8月21日)

アレッポ県でダーイシュ(イスラーム国)と拘束されたとされる日本人男性に関して、NHK(8月20、21日付)、『読売新聞』(8月20、21日付)は、この男性と行動をともにしていたというイスラーム戦線メンバーを名乗る人物の話として、「この男性は無事で、我々のもとにいる」との連絡をダーイシュから得たと報じた。

イスラーム戦線メンバーによると、男性を拘束しているとされる組織との接触は仲介人を通じて行われており、同組織は男性の解放に向けた捕虜交換に前向きな姿勢を示しているという。

ただ、この組織のどのレベルの人物が回答してきたかは分からず、現在、この人物について調べるとともに、交渉の具体的な時間や場所について、やり取りを進めているという。

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またTBS(8月20日付)も、この男性が5月にシリアに不法入国した際にバーブ・サラーマ国境通行所で合流し、同行したという「自由シリア軍」メンバーを名乗る人物の話として、この男性が無事で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点であるアレッポ県バーブ市に移されたものと思われると報じた。

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一方、共同通信(8月21日付)は、日本政府当局者が18日夜、トルコのイスタンブールで、シリア革命反体制勢力国民連立(シリア国民連合)のハーディー・バフラ議長と会談していたと報じた。

詳細は不明だが、会談は日本側の要請によるもので、男性の解放に向けた支援が求められたという。

シリア革命反体制勢力国民連立筋が明らかにした。

なお、日本外務省のヨルダン現地対策本部は「誰と接触しているかは明らかにできない」と述べ、確認を避けたという。

NHK、TBS、共同通信、読売新聞などをもとに作成。

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米国がシリア国内で軍事作戦(2014年8月20日)

『ニューヨーク・タイムズ』(8月20日付)は、米国が、ダーイシュ(イスラーム国)によって拉致された人質を救出するための極秘作戦を実施したが、失敗していたと報じた。

この極秘作戦は、バラク・オバマ米大統領の承認のもと、7月上旬に米陸軍特殊部隊(デルタフォース)の隊員約20人によって実施され、同部隊はシリア国内の「人里離れた地域」にヘリコプターで降下し、人質救出を試みたという。

しかし、ダーイシュが人質を監禁していたとされる場所に、人質はいなかったという。

これに関して、国防総省交換は、「なぜ彼ら(人質)が移動したのか分からない」としたうえで人質が移されてから「数時間、ないしは1日か2日」しか経っていなかったとの見方を示した。

なお救出しようとしていた人質のなかには、ダーイシュによって処刑されたジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏も含まれていたという。

また、リサ・モナコ米大統領補佐官は、オバマ大統領が「人質が危険な状態にある」と判断し、この作戦を承認したことを明らかにした。

The New York Times, August 20, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月20日)

シリア国内の動き

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、同県におけるシリア軍最後の一大拠点のタブカ航空基地に対して、19日深夜からダーイシュ(イスラーム国)が重火器などを使用して攻撃を行い、飛行場周辺でシリア軍、国防隊と交戦した。

これに対して、シリア軍は20日、13回にわたり飛行場周辺およびタブカ市のダーイシュ拠点を空爆した。

この戦闘で、ダーイシュ戦闘員少なくとも5人が死亡した。

シリア軍はまたタブカ市近郊のサフサーフ村を空爆、砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するアフタリーン市、バーブ市各所をシリア軍が空爆した。

またイスラーム戦線タウヒード旅団の拠点であるマーリア市入り口では、ダーイシュとジハード主義武装集団が交戦した。

『ハヤート』(8月21日付)によると、ダーイシュは、タブカ航空基地に対する重火器での攻撃に先立ち、ウマル・シーシャーニー司令官の指揮のもと、同飛行場入り口で自爆攻撃を開始し、

一方、SANA(8月20日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するマンビジュ市、サーリヒーンで、シリア軍が追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ARA News(8月21日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がマンビジュ市で、クルド人医師のアーザード・ワーリー氏を拉致した。

イラク国内の動き

ニナワ県では、モスル市住民によると、イラク軍戦闘機が、住民に対してダーイシュ(イスラーム国)掃討のための協力を呼びかけるビラを散布した。

またイラク軍は、同市北部にあるダーイシュ拠点を空爆した。

マダー・プレス(8月20日付)が伝えた。

almadapress, August 20, 2014
almadapress, August 20, 2014

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アンバール県では、アンバール作戦司令室筋によると、米軍戦闘機がラマーディー市西部のハディーサ郡にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点複数カ所に対して空爆を行った。

またハディーサ郡知事によると、イラク軍、警察、部族民兵の合同部隊がバラーウィナ郡入り口にあるダーイシュ拠点を攻撃し、ダーイシュ戦闘員17人を殲滅した。

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サラーフッディーン県では、サラーフッディーン作戦司令室筋によると、イラク軍戦闘機がティクリート市内にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点複数カ所を空爆した。

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ディヤラ県では、県警察によると、ヤアクーバ市北東部のジャズィーラ地区で、警察部隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、ダーイシュのミクダーディーヤ郡のアミールを名乗るカイラーン・ミクダーディー氏が殺害された。

またイラク軍はカラ・ティバ村一帯を空爆し、ダーイシュ戦闘員4人を殺害した。

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バービル県では、県治安筋によると、ジュルフ・サフル地方に対するイラク軍の空爆で、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員10人が死亡した。

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キルクーク県では、フワイジャ郡の覚醒評議会筋によると、フワイジャ郡サフラ村近郊でダーイシュ(イスラーム国)の幹部の一人ターリク・アブドゥッラー氏の車に仕掛けられた爆弾が爆発し、アブドゥッラー氏が負傷した。

諸外国の動き

ダーイシュ(イスラーム国)による米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏処刑を撮した映像に関して、米国家安全保障会議(NSC)のケイトリン・ヘイデン報道官は、米情報機関による分析の結果、映像が本物であるとの結論に達したとの声明を出した。

AFP, August 20, 2014、AP, August 20, 2014、ARA News, August 20, 2014、August 22, 2014、Champress, August 20, 2014、al-Hayat, August 21, 2014、Kull-na Shuraka’, August 20, 2014、al-Mada Press, August 20, 2014、Naharnet, August 20, 2014、NNA, August 20, 2014、Reuters, August 20, 2014、SANA, August 20, 2014、UPI, August 20, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年8月20日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、フライターン市をシリア軍が空爆した。

一方、SANA(8月20日付)によると、アレッポ市ジャンドゥール地区、シャイフ・ヒドル地区、スッカリー地区、アルド・マッラーフ地区、サルジュ・ファーリア村、サミーリーヤ村、ハージブ町、クナイトラート村、ウンム・クラー町、トゥライディム村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カフルバトナー町郊外をシリア軍が空爆、またムライハ市近郊、ザブディーン村郊外で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月20日付)によると、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サラーキブ市各所、カフルナブル市をシリア軍が空爆し、女児1人を含む10人以上が死亡した。

一方、SANA(8月20日付)によると、カフルシャッラーヤー村周辺で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、スマート・ニュース(8月20日付)によると、「自由シリア軍」(ジハード主義武装集団)がシリア軍との交戦の末、クバイバート村を制圧した。

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ヒムス県では、SANA(8月20日付)によると、ヒムス市ワアル地区、スルターニーヤ地区、ラッフーム村、シャンダーヒーヤ村、ムシャイリファ村、ラスタン市、カフルラーハー市、タッルドゥー市、クナイトラート村、アーミラート村、ウンム・シャルシューフ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月20日付)によると、ラジャート高原、アトマーン村周辺、タッル・ムタウワク東部、インヒル市、タイバ町、ジャービヤ丘東部、サムリーン村、ザアタル丘、スラヤー村・ジャースィム市・ブルカ村街道で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月20日付)によると、西サムダーニーヤ村、ウンム・バーティナ村、ルワイシュナ村、マムティナ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(8月20日付)によると、カトフ・ルンマーン村、ズワイク町、ダグマシュリーヤ村、サーキヤト・カルト村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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SANA(8月20日付)によると、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ヒムス県、クナイトラ県、イドリブ県、ラタキア県、ハマー県、スワイダー県、アレッポ県、ラッカ県、ハサカ県で、地元和解プロセスの一環で当局に投降していた反体制武装集団元メンバー379人が、放免となり釈放された。

AFP, August 20, 2014、AP, August 20, 2014、ARA News, August 20, 2014、Champress, August 20, 2014、al-Hayat, August 21, 2014、Kull-na Shuraka’, August 20, 2014、al-Mada Press, August 20, 2014、Naharnet, August 20, 2014、NNA, August 20, 2014、Reuters, August 20, 2014、SANA, August 20, 2014、SMART News, August 20, 2014、UPI, August 20, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年8月20日)

JBCニュース(8月20日付)は、「自由シリア軍」が中国製携帯式防空システム飞弩-6(FN-6)を入手し、シリア軍のMiG35戦闘機、Su7戦闘機、さらには「すべてのヘリコプター」の撃墜に使用されていることに関して、シリア政府、さらにはロシア、イラン政府が中国への怒りを露わにしていると報じた。

しかし、同報道によると、中国国防部は、「自由シリア軍」への飞弩-6(FN-6)の直接供与を否定している、という。

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クッルナー・シュラカー(8月20日付)は、バアス党シリア地域指導部のヒラール・ヒラール副書記長ら党幹部らのハサカ市訪問(17日、https://syriaarabspring.info/wp/?p=12086)に先立って、西クルディスタン移行期民政局の使節団が首都ダマスカスを訪問し、アサド大統領本人と会談、民政局による自治を承認するよう求めていた、と報じた。

バアス党筋によると、ハサカ市を訪れたバアス党幹部も、同地で西クルディスタン移行期民政局の代表らと会談し、ハサカ市の治安状況などについて意見を交わし、その際、西クルディスタン移行期民政局が自治承認に固執すれば、シリア政府はハサカ市を放棄し、ダーイシュ(イスラーム国)に同市を明け渡すと脅迫したという。

AFP, August 20, 2014、AP, August 20, 2014、ARA News, August 20, 2014、Champress, August 20, 2014、al-Hayat, August 21, 2014、JBC News, August 20, 2014、Kull-na Shuraka’, August 20, 2014、al-Mada Press, August 20, 2014、Naharnet, August 20, 2014、NNA, August 20, 2014、Reuters, August 20, 2014、SANA, August 20, 2014、UPI, August 20, 2014などをもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き(2014年8月20日)

ARA News(8月20日付)は、ハサカ県カーミシュリー市空港職員の話として、野党(クルド人政党)の国民青年公正成長党のバルウィーン・イブラーヒーム書記長が、ダマスカス大学、ティシュリーン大学(ラタキア市)での学期末試験開始に先立って、ハサカ県の学生400人にカーミシュリー空港からダマスカス国際空港、殉教者バースィル・アサド国際空港(ラタキア県)などへの航空チケットを支給していた、と報じた。

航空チケット支給は、治安機関の支援のもとに行われていたという。

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ARA News(8月20日付)は、アレッポ県アフリーン市の西クルディスタン移行期民政局アサーイシュが、6月に拘束していたシリア・クルディスタン民主党のフサイン・アイビシュ氏を釈放した。

AFP, August 20, 2014、AP, August 20, 2014、ARA News, August 20, 2014、Champress, August 20, 2014、al-Hayat, August 21, 2014、Kull-na Shuraka’, August 20, 2014、al-Mada Press, August 20, 2014、Naharnet, August 20, 2014、NNA, August 20, 2014、Reuters, August 20, 2014、SANA, August 20, 2014、UPI, August 20, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年8月20日)

ダマスカス県のジャウバル区で活動する複数の活動家は、2013年8月21日のダマスカス郊外県グータ地方での化学兵器使用事件発生から1年目となる数時間前(20日)に、シリア軍がジャウバル区で塩素ガスを使用し、5人が死亡、住民多数が呼吸困難などの症状を訴えたと吹聴した。

クッルナー・シュラカー(8月20日付)が伝えた。

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クッルナー・シュラカー(8月20日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー前代表と民主統一党が19日、ハサカ市の治安および住民保護のための相互理解を深め、双方の捕虜・逮捕者を解放することで合意した、と報じた。

同報道は、ハサカ市のアラブ人、クルド人、アッシリア教徒、シリア正教徒、トルクメン人、アルメニア人、ヤズィード教徒、チェチェン人といった社会集団の利益のためになされた合意だが、ジャルバー前議長が何を代表しているかは不明。

AFP, August 20, 2014、AP, August 20, 2014、ARA News, August 20, 2014、Champress, August 20, 2014、al-Hayat, August 21, 2014、Kull-na Shuraka’, August 20, 2014、al-Mada Press, August 20, 2014、Naharnet, August 20, 2014、NNA, August 20, 2014、Reuters, August 20, 2014、SANA, August 20, 2014、UPI, August 20, 2014などをもとに作成。

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シリアで日本人が拉致(続報、2014年8月20日)

『読売新聞』(8月19日夕刊、20日朝刊)、NHK(8月19、20日付)などは、アレッポ県北部でダーイシュ(イスラーム国)に拉致されたとされる日本人男性と現地で行動をともにしていたというイスラーム戦線メンバーが、男性の所持品などをシリア国内とされる場所で預かっていることを明らかにしたと報じ、『読売新聞』はこの男性のパスポートなどの写真を掲載した。

預かっている所持品のなかには、パスポートのほか、携帯電話、衣服などが含まれており、パスポートには「湯川遙菜」と記され、7月27日付の成田空港の出国印が押されていることが確認できるという。

このイスラーム戦線メンバーによると、この男性は、トルコのイスタンブールからガジアンテップ市を経由して、キリス国境通行所からシリア(バーブ・サラーマ国境通行所)に不法入国したという。

この男性が携帯していた武器は、メンバーが護身用に渡したもので、彼自身は戦闘には参加していないという。

またこのメンバーによると、イスラーム戦線は、捕虜交換を条件としてこの男性を解放するようダーイシュに対して文書や無線で呼びかけているが、ダーイシュ側からの返答はないという。

NHK, August 19, 2014、August 20, 2014、読売新聞2014年8月19日、20日などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月19日追記)

ダーイシュ(イスラーム国)は、2012年11月22日に不法入国したシリアでの取材中に身元不明の武装集団に拘束されていた米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏を後ろ手に縛り、ナイフで殺害する映像を公開した。

al-Hayat, August 21, 2014
al-Hayat, August 21, 2014

AFP, August 20, 2014、AP, August 20, 2014、ARA News, August 20, 2014、Champress, August 20, 2014、al-Hayat, August 21, 2014、Kull-na Shuraka’, August 20, 2014、al-Mada Press, August 20, 2014、Naharnet, August 20, 2014、NNA, August 20, 2014、Reuters, August 20, 2014、SANA, August 20, 2014、UPI, August 20, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月19日)

シリア国内の動き

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、過去1ヶ月間で、ダーイシュ(イスラーム国)に新たに6,000人の戦闘員が加わったと発表した。

うち1,000人強が外国人で、残りがシリア人だという。

アブドゥッラフマーン代表によると、ダーイシュ戦闘員の数は現在5万人に達し、うち2万人以上が外国人で、その割合は2013年春以降もっとも高い値だという。

ロイター通信(8月19日付)などが伝えた。

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シリア人権監視団は、ダマスカス郊外県カラムーン地方で18日、ヒズブッラー戦闘員が仕掛けた爆弾の爆発により、ダーイシュ(イスラーム国)の司令官が死亡したと発表した。

これに関して、マナール(8月19日付)が、シリア軍がカラムーン地方無人地帯で行った「特殊作戦」によってこのダーイシュ司令官が殺害されたと報じた。

マナールによると、この司令官は「アブー・アブドゥッラー・イラーキー」を名乗るイラク人で、自爆作戦、自動車爆弾による攻撃を統括していたという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン地方無人地帯では、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団戦闘員14人がシリア軍、国防隊との戦闘で殺害された。

一方、ハラスター市郊外のシリア軍検問所をアジュナード・シャーム・イスラーム連合が襲撃し、兵士5人を殺害、またシリア軍による東グータ地方一帯への空爆で女性1人、子供3人を含む7人が死亡した。

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市郊外で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

またスーラーン・アアザーズ町周辺(アフティームッラート村方面)では、進軍を続けるダーイシュがクルド人戦線旅団、ジハード主義武装集団と交戦した。

ジハード主義武装集団は、ダーイシュによって占拠されたハウル・ナフル村、サーリヒーヤ村、アフティームッラート村、アルシャーフ村に対して砲撃を行ったという。

一方、シリア軍は、イスラーム戦線タウヒード旅団の本拠地マーリア市各所、ダーイシュによって制圧されたダービク村、アルシャーフ村、アフタリーン市、バーブ市を空爆した。

他方、SANA(8月19日付)によると、タラーリーン村、スーラーン・アアザーズ町、ハンダラート・キャンプ、ウワイジャ地区、フサーミーヤ村、アルシャード村、ターディフ市、アブラ村、アレッポ市シュカイイフ地区、カスタル・ハラーミー地区、ハーン・アサル村、アナダーン市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市などダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対してシリア軍が空爆を続けた。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(8月19日付)によると、ヒサーン村で住民2人を石打の刑に処し、遺体を村の広場で晒した。

イラク国内の動き

ダーイシュ(イスラーム国)はビデオ声明を出し、米軍によるニナワ県モスル・ダム一帯などへの空爆に対して、「イラク北部での空爆を止めなければ、あらゆる場所で米国人を攻撃し…、合衆国を血の海に沈める」と発表した。

マダー・プレス(8月19日付)が伝えた。

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サラーフッディーン県では、サラーフッディーン作戦司令室によると、イラク治安部隊がティクリート市中心の3地区を、ダーイシュ(イスラーム国)との交戦の末に制圧した。

またダルーイーヤ郡では、イラク軍がダーイシュの車列を空爆し、ダーイシュ戦闘員23人を殲滅した。

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バービル県では、治安筋によると、ジュルフ・サフル地方に対するイラク軍の空爆で、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員20人が死亡した。

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ディヤラ県では、イラク軍第5師団司令部によると、ヤアクーバ市北部に対するイラク軍の空爆で、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員4人が死亡した。

AFP, August 19, 2014、AP, August 19, 2014、ARA News, August 19, 2014、Champress, August 19, 2014、al-Hayat, August 20, 2014、Kull-na Shuraka’, August 19, 2014、Qanat al-Manar, August 19, 2014、al-Mada Press, August 19, 2014、Naharnet, August 19, 2014、NNA, August 19, 2014、Reuters, August 19, 2014、SANA, August 19, 2014、UPI, August 19, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年8月19日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、カムハーナ町をジハード主義武装集団(自由シリア軍)が砲撃し、女児1人が死亡した。

またサラミーヤ市郊外のタイバ村一帯、クバイバート村でシリア軍とジハード主義武装集団(自由シリア軍)が交戦、女性1人、女児2人を含む4人が死亡した。

さらにスマート・ニュース(8月19日付)によると、ムーリク市北部および東部郊外で、シリア軍と「自由シリア軍」が交戦し、軍兵士6人が死亡、また「自由シリア軍」がハマー航空基地を砲撃し、軍兵士多数が死亡したという。

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ダルアー県では、SANA(8月19日付)によると、シリア軍がアトマーン村周辺のガズラーン農場、ビータール農場などを制圧、「テロリスト」(シャームの民のヌスラ戦線)の拠点複数カ所を破壊し、同村を完全包囲した。

またシリア軍はヤードゥーダ村でもヌスラ戦線の拠点複数カ所を破壊したという。

これに関して、ダルアー市の活動家のムハンマド・ヒサーン氏は、ARA News(8月19日付)に対して、シリア軍がアトマーン村で毒ガスを使用し、「自由シリア軍」戦闘員5人が呼吸困難などを訴えたと主張した。

SANAによると、シリア軍は、このほかにもダルアー市ビラール・ハバシー・モスク北部、サジュナ地区、バジャービジャ地区で反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

SANA, August 19, 2014
SANA, August 19, 2014

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クナイトラ県では、SANA(8月19日付)によると、アイン・ダルブ村からクムーナ村に潜入しようとした武装テロ集団がシリア軍が撃退した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サアサア町、フサイニーヤ町郊外の農場で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区パレスチナ通りで、シリア軍、国防隊が反体制武装集団が交戦し、軍が同地を砲撃した。

この戦闘で、国防隊隊員多数が死亡したという。

一方、SANA(8月19日付)によると、「国民和解合意」(停戦合意)が発効を受け、カダム区でのインフラ復旧作業が開始された。

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ヒムス県では、SANA(8月19日付)によると、ヒムス市ワアル地区、バルグーティーヤ村、ウンム・リーシュ村、ワディーヒー村、ウンク・ハワー村・ラッフーム村間、アクラブ町、ガジャル村などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 19, 2014、AP, August 19, 2014、ARA News, August 19, 2014、Champress, August 19, 2014、al-Hayat, August 20, 2014、Kull-na Shuraka’, August 19, 2014、al-Mada Press, August 19, 2014、Naharnet, August 19, 2014、NNA, August 19, 2014、Reuters, August 19, 2014、SANA, August 19, 2014、SMART News, August 19, 2014、UPI, August 19, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年8月19日)

自由シリア軍のシリア革命家戦線(ジャマール・マアルーフ司令官)は声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線がアレッポ県、ハマー県、イドリブ県(ワーディー・ダイフ軍事基地周辺)でのシリア軍との戦闘を放棄し、イドリブ県ザーウィヤ山方面に兵力を集中させている、と批判した。

AFP, August 19, 2014、AP, August 19, 2014、ARA News, August 19, 2014、Champress, August 19, 2014、al-Hayat, August 20, 2014、Kull-na Shuraka’, August 19, 2014、al-Mada Press, August 19, 2014、Naharnet, August 19, 2014、NNA, August 19, 2014、Reuters, August 19, 2014、SANA, August 19, 2014、UPI, August 19, 2014などをもとに作成。

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シリアで日本人が拉致(続報、2014年8月19日)

アレッポ県でダーイシュ(イスラーム国)に拘束されたとされる日本人男性に関して、『ハヤート』(8月19日付)は、ツイッター上の情報などをもとに、この人物がイスラーム教に改宗し、「アブー・ムジャーヒド」を名乗り、イスラーム戦線のもとでカメラマンとして活動していたと報じた。

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『読売新聞』(8月18日付夕刊)、NHK(8月18日付)などは、「自由シリア軍」関係者(28歳)の話として、この男性が、イスラーム戦線の拠点であるアレッポ県マーリア市でダーイシュ(イスラーム国)に拘束されたとの情報があると伝えた。

また「自由シリア軍」に同行していたとされるこの男性が、マーリア市を拠点とするイスラーム戦線と行動をともにしていたとの情報も出ていると付言した。

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さらに『読売新聞』(8月19日付朝刊)は、この男性と行動をともにしていたイスラーム戦線メンバーの話として、同男性の足取りについて詳しく報じた。

それによると、この男性は、約2ヶ月前に「シリア内戦の記事を書きたい」とこのメンバーを訪れ、6~7人の他のメンバーとともに行動、7月28日にトルコの検問所を経由し、シリアに不法入国した。

この男性は、戦場や破壊された町の様子を撮影するなどしていたという。

その後、アフタリーン市、マーリア市、アアザーズ市一帯にダーイシュ(イスラーム国)が進軍し、イスラーム戦線との戦闘が激化したため、このメンバーは男性に避難するよう促したが、男性は同行を希望したという。

8月14日午後3時頃、マーリア市西部のハウラ・ナフル村で、男性は写真を撮ろうと車を降りたが、同村から約2キロ離れたアルシャーフ村で、ダーイシュ戦闘員に包囲、拘束されたという。

ダーイシュは13日にアフタリーン市などを、14日にはアルシャーフ村、ダービク村一帯を制圧(無血入城)していた(https://syriaarabspring.info/wp/?p=11952)。

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一方、NHK(8月19日付)は、この男性が、トルコのキリス市の国境通行所から(バーブ・サラーマ国境通行所)に入国したと報じた。

AFP, August 18, 2014、al-Hayat, August 19, 2014、NHK, August 18, 2014、August 19, 2014、読売新聞2014年8月18日、19日などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月18日追記)

ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(8月19日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、マヤーディーン市で女性歯科医師のルアー・ディヤーブ氏を処刑した。

男性患者の治療を禁じたダーイシュの指示に従わず、男性、女性、子供らを治療していたのが処刑の理由だという。

これに関して、ダイル・ザウル市の活動家ファーイズ・アブドゥルアズィーズ氏はARA News(8月19日付)に、ズィヤーブ氏が1週間前にマヤーディーン市で同僚4人(いずれも女性)とともにダーイシュに拘束され、「政府軍に協力していた」との罪で処刑されたと述べた。

Kull-na Shuraka', August 19, 2014
Kull-na Shuraka’, August 19, 2014

ARA News, August 19, 2014、Kull-na Shuraka’, August 19, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月18日)

バラク・オバマ米大統領は声明を出し、シリアの化学兵器廃棄問題に関して、危険度の高い化学兵器関連物質約600トンの廃棄作業が「予定よりも数週間早く」、米国船籍MVケープ・レイ(MV Cape Ray)で完了した、と発表した。

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米連邦航空局(FAA)は、米航空各社に対してシリア上空の飛行を禁止する措置を発表した。

FAAは声明で「シリアの過激派はさまざまな対空兵器を保有していることが知られており、それらの兵器は民間航空機の脅威となるだけの性能を持っている」と指摘。FAAはこれまでシリア上空の飛行を回避するよう勧告していたが、これを禁止に格上げした。

共同通信(8月19日付)が伝えた。

al-Hayat, August 20, 20144、共同通信、2014年8月19日などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月18日)

シリア国内の動き

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の一大拠点ラッカ市に対して、少なくとも14度にわたって空爆を行った。

空爆では、政治治安部、カルナク観光ホテル、県立競技場、マカッス・アラム交差点地区、アブー・ハイフ・ガソリン・スタンド、ハラーミーヤ地区、スィナーナ地区が標的となった。

シリア軍はまた、タブカ市に対して3度、タブカ航空基地周辺に4度空爆を行うとともに、同飛行場に近いアジール村、ハズナ村周辺で、シリア軍地上部隊がダーイシュと交戦した。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、この空爆に関して、シリア軍による反体制武装集団への空爆は通常、「樽爆弾」が使用されるが、今回のラッカ市などへの空爆はミサイルが使用されていると述べた。

一方、SANA(8月18日付)は、シリア軍消息筋の話として、ラッカ市に対する17日の空爆が米空軍によるものだとの一部報道・主張について、事実無根だとしてこれを否定した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、スーラーン・アアザーズ町の東部(アフティームッラート村)方面、ハウル・ナフル村周辺で、ダーイシュ(イスラーム国)が、クルド人戦線旅団(自由シリア軍)およびイスラーム戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

ダーイシュはイスラーム戦線などが拠点とするマーリア市に進軍を続けているが、対するイスラーム戦線などは、ダーイシュによって占拠されているダービク村を砲撃した。

一方、シリア軍は、イスラーム戦線などが拠点とするマーリア市北東部を空爆するとともに、ダーイシュによって制圧されちえるスルサーナ村、クワイリス航空基地近郊のアブー・ジャッバール村、バーブ市、マンビジュ市に対して空爆を行った。

また、ARA News(8月18日付)によると、アイン・アラブ市西部のシュユーフ・タフターニー地方で深夜、クルド人戦線旅団とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

ARA Newsによると、ダーイシュは、タアラク村の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の検問所を砲撃するとともに、バイヤーディーヤ村、ジャブナ村への侵攻を試みたが、人民防衛隊によって撃退された。

他方、SANA(8月18日付)によると、ダービク村、アルシャーフ村、マンビジュ市で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月18日付)によると、ダイル・ザウル市バアス橋近くで、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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シャームの民のヌスラ戦線元メンバーでシャリーア学者のアブー・マーリヤー・カフターニー氏(本名マイサラ・ジャッブーリー氏)はツイッターを通じて、アル=カーイダ指導者のアイマン・ザワーヒリー氏に対し、「バグダーディー一味(ダーイシュ(イスラーム国)のこと)の不正や犯罪…に対するあなたの明確な姿勢をシャームの民は目にしていない」と述べ、「ハワーリジュ派」(ダーイシュのこと)への法的姿勢を示すとともに、シリアの現状に対して謝罪するよう同氏に求めた。

イラク国内の動き

ニナワ県では、CNN(8月18日付)などによると、米空軍の支援を受けたイラク・クルディスタン地域ペシュメルガが、モスル・ダムを完全制圧した。

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サラーフッディーン県では、治安筋によると、ティクリート市南部のブー・ハビーブ村をダーイシュ(イスラーム国)が襲撃し、中学生5人が殺害された。

またダーイシュは、覚醒評議会司令官のカリーム・ザイダーン氏をブージャワーリー村で斬首した。

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バグダード県では、内務省筋によると、ユースフーヤ地区(アラブ・ジャースィム村)で、イラク治安部隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、治安部隊隊員1人とダーイシュ戦闘員2人が死亡した。

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アンバール県では、県警察によると、イラク軍・警察、部族民兵は、ラマーディー市西部の18キロ地区、アクダ地区でダーイシュ(イスラーム国)を追撃、同地を制圧した。

AFP, August 18, 2014、AP, August 18, 2014、ARA News, August 18, 2014、Champress, August 18, 2014、CNN, August 18, 2014、al-Hayat, August 19, 2014、Kull-na Shuraka’, August 18, 2014、al-Mada Press, August 18, 2014、Naharnet, August 18, 2014、NNA, August 18, 2014、Reuters, August 18, 2014、SANA, August 18, 2014、UPI, August 18, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年8月18日)

ナハールネット(8月18日付)によると、内務治安郡総局はベカーア県バアルベック郡アルサール村で、シリア人女性ジャミーラ・マシュハダーニー氏が率いる強盗グループのメンバー4人を逮捕した、と発表した。

AFP, August 18, 2014、AP, August 18, 2014、ARA News, August 18, 2014、Champress, August 18, 2014、al-Hayat, August 19, 2014、Kull-na Shuraka’, August 18, 2014、al-Mada Press, August 18, 2014、Naharnet, August 18, 2014、NNA, August 18, 2014、Reuters, August 18, 2014、SANA, August 18, 2014、UPI, August 18, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年8月18日)

ダマスカス県では、SANA(8月18日付)、『ハヤート』(8月19日付)によると、カダム区で反体制武装集団とシリア当局の間で「公民和解合意」(停戦合意)が成立し、発効した。

一方、シリア人権監視団によると、ジャウバル区をシリア軍が砲撃した。

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アレッポ県では、イスラーム戦線が「県立会館の狙撃手」などと呼ばれてきたシリア軍狙撃手を殺害したと発表した。

「県立会館の狙撃手」は、カラージュ・ハジャズ通行所(ブスターン・カスル地区・マシャーリカ地区間)の通行する市民数十人を殺害したことで知られていたという。

一方、SANA(8月18日付)によると、アナダーン市、ズィルバ村、アブラ村、バーリフ村、ハーン・トゥーマーン村、アルド・マッラーフ地区、アレッポ市ハイダリーヤ地区、ジスル・ハッジ地区、旧市街で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、サッラージ・ネットワークによると、ハマー航空基地近郊のティーズィーン村で、「自由シリア軍」が熱誘導式ミサイルでシリア軍戦闘機を撃墜し、パイロット1人を捕捉、またジャムラ村を制圧し、シリア軍兵士3人を拘束したという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダイル・アサーフィール市郊外、ザバディ0ン市などに対してシリア軍が6度にわたって空爆を行った。

一方、SANA(8月18日付)によると、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月18日付)によると、ヤードゥーダ村、シャイフ・サアド村、ナワー市、インヒル市、ラジャート高原、ウンム・アウサジュ村、アトマーン村、シャイフ・マスキーン市、ダルアー市各所で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月18日付)によると、ハッジャ村、ハリーマ村、アイン・バイダー村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月18日付)によると、ジャッブーリーン村、ウンム・シャルシューフ村、アブー・サナースィル丘、ラスタン市、タッルドゥー市、ラッフーム村、アブー・ハワーディート村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(8月18日付)によると、アルバイーン山周辺、クマイナース村、アブー・ズフール裏、タッル・サラムー村南部で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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SANA(8月18日付)によると、ダルアー県、スワイダー県、ダマスカス郊外県、ヒムス県、クナイトラ県、ハマー県、ラタキア県、ダイル・ザウル県、イドリブ県、ラッカ県で当局に投降していた反体制武装集団元メンバー525人が、釈放された。

AFP, August 18, 2014、AP, August 18, 2014、ARA News, August 18, 2014、Champress, August 18, 2014、al-Hayat, August 19, 2014、Kull-na Shuraka’, August 18, 2014、al-Mada Press, August 18, 2014、Naharnet, August 18, 2014、NNA, August 18, 2014、Reuters, August 18, 2014、SANA, August 18, 2014、UPI, August 18, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年8月18日)

スワイダー県ダーマー村に対するベドウィンとジハード主義武装集団の襲撃(16日)に関して、反体制活動家50人以上が共同声明を出し、「アサド政権が、ダルアー県とスワイダー県の住民の間で内紛」を煽ろうとしていると主張、ベドウィンとドゥルーズ派に対して連帯を呼びかけた。

一方、レバノン・ディベート(8月18日付)は、この襲撃に関して、シャームの民のヌスラ戦線による犯行だと断じた。

Kull-na Shuraka', August 18, 2014
Kull-na Shuraka’, August 18, 2014

AFP, August 18, 2014、AP, August 18, 2014、ARA News, August 18, 2014、Champress, August 18, 2014、al-Hayat, August 19, 2014、Kull-na Shuraka’, August 18, 2014、Lebanon Debate, August 18, 2014、al-Mada Press, August 18, 2014、Naharnet, August 18, 2014、NNA, August 18, 2014、Reuters, August 18, 2014、SANA, August 18, 2014、UPI, August 18, 2014などをもとに作成。

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シリアで日本人が拉致(2014年8月18日)

MSN産経ニュース(8月18日付)などによると、駐シリア日本大使館(ヨルダン)の馬越正之臨時代理大使は、シリア国内で日本人が拘束されたとの情報が入り、16日夕、館内に現地対策本部を設置、事実確認を進めていることを明らかにした。

拘束されたとみられる日本人の性別や年齢、職業などについては「事案の性質上、コメントを差し控える」として明言を避けた。

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シリア国内で拘束されたとされる日本人男性の動画がユーチューブ(8月17日)に投稿された(http://www.youtube.com/watch?v=i2ZzO2Ncipo、現在は削除)。

2分弱の動画で、撮影場所はアレッポ県北部と思われる。

拉致された日本人男性は英語で「どこから来たのか?」と尋ねられ、「日本」と返答したが、「ウソをつくな」と応じられ、その後、名前を聞かれたこの男性は「ハルナ・ユカワ」と答えている。

また、この場所にいた理由を問われると、この男性はまず「仕事だ」と応じ、職業については最初に「写真家」だと返答したが、「写真家はこんな格好をしていない」、「なぜお前は銃を持っているのか?」と責められ、「医者とジャーナリストの半分半分だ」などと答えを代えている。

さらに、「戦闘員か?」、「お前は戦闘員を殺したのか?」との質問に対して、この男性は否定した。

拘束されたこの男性のものと思われるフェイスブックのページ(https://www.facebook.com/haruna.pmc?fref=ts)には、アレッポ県で銃器を構えた写真などが投降され、職業欄には「民間軍事会社(PMC)CEO」と記載されている。

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ツイッターでは、ダーイシュの支持者と思われるアカウント「フリー・ジャーナリスト@DrA12325665」(https://twitter.com/DrA12325665)が、日本時間の17日深夜から、拉致されたこの男性について、「日本人スパイがイスラーム国の支配地域で拘束、武器とカメラを携帯し、写真家だと主張」、「馬鹿なスパイのユーチューブでの動画」、「スパイと写っているに写っているのは元航空幕僚長だ」といった書き込みを行い、この男性がユーチューブなどにアップした動画(https://www.youtube.com/watch?v=K9-aChHGxPE&list=UUWNsh_PsmBZvV-MtgpQT1Ggなど)、写真(https://twitter.com/DrA12325665/status/501077177899577344など)を転載した。image

Twitter、Youtube、Facebook、「NSN産経ニュース」2014年8月18日などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年8月17日追記)

ARA News(8月18日付)によると、ハサカ市のバアス党ハサカ支部で党幹部による会合が開かれ、同市、とりわけグワイラーン地区の治安対策についての審議が行われた。

会合には、ヒラール・ヒラール地域指導部副書記長、ユースフ・アフマド地域指導部地域組織局長、ムハンマド・シャアバーン・アッズーズ地域指導部労働者局長(兼労働者総連合総裁)、ハラフ・マフシャム・ハサカ支部書記長、ムハンマド・ズアール・アリー・ハサン県知事、ハマード・サウード農民総同盟総裁らが出席した。

会合では、同地でのバアス大隊(国防隊)の早急な結成の必要などが確認されたという。

ARA News, August 18, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月17日)

サウジアラビアのアリー・アウダ・アスィーリー在レバノン大使はレバノンの声(8月17日付)に対し、「我々はダーイシュ(イスラーム国)などのグループが、レバノンに自らの決定を押しつけることを許さない…。アルサール村(ベカーア県バアルベック郡)での混乱がレバノンの他の地域で繰り返されないことを望む」と述べた。

AFP, August 17, 2014、Anadolu Ajansı, August 17, 2014、AP, August 17, 2014、ARA News, August 17, 2014、Champress, August 17, 2014、al-Hayat, August 18, 2014、Kull-na Shuraka’, August 17, 2014、al-Mada Press, August 17, 2014、Naharnet, August 17, 2014、NNA, August 17, 2014、Reuters, August 17, 2014、SANA, August 17, 2014、UPI, August 17, 2014、Voice of Lebanon, August 17, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月17日)

シリア国内の動き

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がラッカ市内にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点複数カ所にこれまで最大規模となる空爆を行い、ダーイシュの司令官、戦闘員ら31人以上が死亡した。

空爆は、ラッカ市内の軍事法廷、検閲査察局、政治治安部、「アレッポ大使館」発着場、県庁舎一帯、現代医学病院一帯、国立病院一帯、旅客バス発着場などに対し26回にわたって行われ、市民ら少なくとも18人も死傷した。

ラッカ市空爆に関して、マーヒル・アスアドを名乗るラッカ市の活動家は、アナトリア通信(8月17日付)に対し、空爆の精度が高く、シリア軍の旧式戦闘機の攻撃とは思えないとしたうえで、「空爆は米軍によるものだろう」と主張した。

シリア軍はまた、タブカ市およびその周辺に対しても11回にわたり空爆を行った。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)によって占拠されているウマル油田一帯を5回にわたり空爆した。

これに対し、ダーイシュは、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区で、シリア軍の車輌を襲撃し、将兵を殺害、またシリア軍もハウィーカ地区各所を砲撃した。

一方、SANA(8月17日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ジュバイラ地区、ウルフィー地区、スィヤーサ橋付近、フジャイジャト・カーディア付近で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備、地下トンネルを破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、ハミーディーヤ村、サーリヒーヤ村、アスバンル村、ウユーン村、アルシャーフ村の住民を「身の安全を守る」という理由で、追放した。

ダーイシュは、これらの村の住民に対して、「覚醒評議会」(ダーイシュと対立するジハード主義武装集団)の拠点や本部が「ムジャーヒディーンの正当な標的」であるため近づかないよう求める布告を出していたという。

またスマート・ニュース(8月17日付)によると、ダーイシュによって占拠されたトゥルクマーン・バーリフ村で、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、ダーイシュ戦闘員4人が死亡した。

一方、アフタリーン市入り口のウンム・クラー・モスク近郊で、ジハード主義武装集団、クルド人戦線旅団などが、ダーイシュと交戦した。

他方、シリア軍は、ダーイシュによって占拠されているアアザーズ市、バンーン・フッス村、バーブ市、バーブ市・ラーイー村街道、アフタリーン市を10数回にわたり空爆した。

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シリア人権監視団は、シリア軍が各地でダーイシュ(イスラーム国)の拠点などに対して1日だけで122回にわたって空爆を行ったと発表した。

同監視団によると、うち43回が北東部、41回が北部・南部に対する空爆で、このほかにも38発の「樽爆弾」が投下されたという。

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ARA News(8月17日付)は、ハサカ県フール村の住民の話として、ダーイシュ(イスラーム国)がイラクのニナワ県スィンジャール郡で拉致したと思われるクルド人(ヤズィード教徒)女性数百人を、ハサカ県タッル・ハミース市、フール村に連行し、2万5,000~5万シリア・リラで人身売買している、と報じた。

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MTV(8月17日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)の武装闘争に外国人女性戦闘員が参加しているとしたうえで、もっとも著名な6人の身元を紹介した。

この6人の女性のうち、2人は英国籍を持つソマリア人の双子姉妹(サルマー町、ザフラ)で、戦闘員と結婚するためにシリアに潜入、その後、軍事教練を受け、戦闘に参加するようになり、「テロリスト双子姉妹」などと呼ばれているという。

またこのほかにも、「ダーイシュの女たちのアミール」を呼ばれるサウジ人女性(ウンム・ミクダード)、ラッカ県のハンサー大隊(女性部隊)を指揮するチュニジア人女性(ウンム・ムハージル)、欧州諸国で女性戦闘員のリクルートを統括するとされる英国人女性(ウンム・ライス)らがいるという。

Kull-na Shuraka', August 17, 2014
Kull-na Shuraka’, August 17, 2014

イラク国内の動き

キルクーク県では、トゥーズ・フールマートゥー郡知事によると、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガが、ダーイシュ(イスラーム国)との3日にわたる戦闘の末、ダーイシュ戦闘員75人を殲滅、70人を負傷させた。

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モスル県では、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガ筋によると、ペシュメルガが米空軍の支援のもと、モスル市東部のブアシーカ地方、タッルカイフ郡の複数の町、モスル・ダム周辺の村々を奪還した。

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ディヤラ県では、マダー・プレス(8月17日付)によると、ヤアクーバ市北部のカラ・タバ村(トルクメン人の村)に設置されたイラク・クルディスタン地域ペシュメルガ・アサーイシュ合同検問所を襲撃しようとしたダーイシュ(イスラーム国)戦闘員3人が殺害された。

また合同部隊は、女性の服を着て、カラ・タバ村に潜入しようとしたダーイシュ司令官を逮捕した。

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バービル県では、バービル作戦司令室によると、ジュルフ・サフル地方へのイラク軍の空爆でダーイシュ(イスラーム国)戦闘員25人が死亡した。

またイラク軍部隊は、ダーイシュ戦闘員20人を逮捕した。

一方、ダーイシュはアーミリーヤト・ファッルージャ地方とジュルフ・サフル地方を結ぶファーディリーヤ橋を破壊した。

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アンバール県では、アンバール作戦司令室筋によると、ハディーサ郡周辺、ラーワ郡入り口で、イラク軍と警察の合同部隊が、ダーイシュ(イスラーム国)を掃討し、ダーイシュ戦闘員16人(うち外国人戦闘員は7人)を殲滅した。

AFP, August 17, 2014、AP, August 17, 2014、ARA News, August 17, 2014、Champress, August 17, 2014、al-Hayat, August 18, 2014、Kull-na Shuraka’, August 17, 2014、al-Mada Press, August 17, 2014、MTV, August 17, 2014、Naharnet, August 17, 2014、NNA, August 17, 2014、Reuters, August 17, 2014、SANA, August 17, 2014、SMART News, August 17, 2014、UPI, August 17, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年8月17日)

NNA(8月17日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外で、レバノン軍が武装集団を要撃し、「ジハード主義者」12人を逮捕した。

今月上旬のアルサール村襲撃に参加した武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーだと思われる。

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ナハールネット(8月17日付)などは、ウラマー委員会のメンバーからの情報として、ベカーア県バアルベック郡アルサール村で武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)に拉致されていた内務治安軍総局隊員のうち2人が解放された、と報じた。

AFP, August 17, 2014、AP, August 17, 2014、ARA News, August 17, 2014、Champress, August 17, 2014、al-Hayat, August 18, 2014、Kull-na Shuraka’, August 17, 2014、al-Mada Press, August 17, 2014、Naharnet, August 17, 2014、NNA, August 17, 2014、Reuters, August 17, 2014、SANA, August 17, 2014、UPI, August 17, 2014などをもとに作成。

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