国連の仲介により、シリア政府側とファトフ軍側がダマスカス郊外県ザバダーニー市・マダーヤー町とイドリブ県フーア市・カファルヤー町の負傷者・病院の「住民交換」を実施(2016年4月20日)

AFP(4月20日付)などによると、シリア軍の包囲下にあるザバダーニー市とマダーヤー町と、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線やシャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍の包囲下にあるイドリブ県のフーア市およびカファルヤー町の負傷者、病人の「住民交換」が開始され、双方にとどまっていた住民それぞれ約250人が避難、ザバダーニー市とマダーヤー町の住民は反体制派支配地域に、フーア市とカファルヤー町の住民はシリア政府支配地域に移送された。

ザバダーニー市とマダーヤー町は、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団が、フーア市とカファルヤー町は、シリア政府を支持する国防隊、人民諸委員会が籠城を続けている。

シリア人権監視団などによると、国連およびシリア赤新月社のチームが用意した大型バス複数台がフーア市、カファルヤー町に入り、負傷者、病院ら243人を乗せて退去、またザバダーニー市、マダーヤー町でも同様に大型バス複数台に分乗した負傷者、病人ら240人が退去した。

マナール・チャンネル(4月20日付)によると、「住民交換」の合意は20日に交わされたという。

ロイター通信(4月20日付)は、目撃者の話として、住民が退去する際、ザバダーニー市とマダーヤー町を発ったシリア赤新月社の車輌1台が何者かに狙撃されたが、死傷者はなかったという。

また、退去したザバダーニー市とマダーヤー町の負傷者、病人らは、ファトフ軍の支配下にあるイドリブ県に向かったという。

一方、フーア市とカファルヤー町を発ったバスは、ダマスカス県、ラタキア県方面に分散して向かおうとしたが、途中、反体制派によって進行を妨害され、足止めを食ったという。

Reuters, April 20, 2016
Reuters, April 20, 2016
Kull-na Shuraka', April 20, 2016
Kull-na Shuraka’, April 20, 2016
Kull-na Shuraka', April 20, 2016
Kull-na Shuraka’, April 20, 2016
Kull-na Shuraka', April 20, 2016
Kull-na Shuraka’, April 20, 2016

AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016Qanat al-Manar, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュがアレッポ市北西部のマーリア市に迫るなか、OCHAは住民4万人が避難していることを懸念(2016年4月20日)

国連人道問題調整事務所(OCHA)は、アレッポ県北西部での戦闘激化を受け、4万人以上の住民が避難を余儀なくされていると指摘、懸念を表明した。

アレッポ県北西部のトルコ国境地帯では、ダーイシュ(イスラーム国)とハワール・キリス作戦司令室の戦闘が激化、トルコ軍が後者を越境砲撃で、また米軍(主導の有志連合)が空爆による航空支援を行っている。

OCHAによると、避難した住民の多くは、「穏健な反体制派」とアル=カーイダ系組織の拠点都市であるアアザーズ市方面に避難しているという。

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アレッポ県では、ARA News(4月20日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、「穏健な反体制派」とアル=カーイダ系組織の拠点都市の一つマーリア市一帯を激しく攻撃したが、第一連帯、シャーム軍団などがこれに応戦、これを撃退した。

AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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米国務省報道官は62人の死者を出した19日のイドリブ県でのシリア軍による「虐殺」に関して、「シリア軍が行った可能性がある…停戦が依然として維持されている」と述べる(2016年4月20日)

米国務省のジョン・カービー報道官は、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線やシャーム自由人イスラーム運動からなるファトフ軍の支配下にあるイドリブ県のマアッラト・ヌウマーン市、カファルナブル市の市場に対して19日に行われた空爆に関して、「シリア軍が行った可能性がある」と述べた。

そのうえで「我々は停戦が依然として維持されていると考えている」と付言した。

フランス外務省報道官も、この空爆に関して、シリア軍による「無謀な攻撃」だと非難し、シリア軍による停戦違反への懸念を表明した。

なお19日の両市への空爆による犠牲者はその後も増加し、シリア人権監視団によると、死者数は62人(うち子供5人、女性5人)に上っているという。

AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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イラン軍のサーレヒー司令官はイラン軍がシリア領内に派遣されていることを認める(2016年4月20日)

イラン軍のアターッラー・サーレヒー司令官は、イラン軍の兵員がシリア領内に派遣されていることを認めた。

イラン軍が国外で活動を行うのは、1979年のイラク・イスラーム革命以降初めて。

サーレヒー司令官は「一部有志が関連組織の指揮のもとシリアに派遣された。また第65旅団の兵員の一部がそのなかに含まれることになろう…。イラン軍はシリアに対して行われる軍事関係の提言に責任を負ってはない」と述べた。

タスニーム通信(4月19日付)が伝えた。

AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、Tasnim News, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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ロシアはリヤド最高交渉委員会によるジュネーブ3会議への参加中止を強く非難、米、フランス、トルコもこれに事実上同調(2016年4月20日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワでフランスのジャン=マルク・エロー外務大臣と会談し、シリア情勢などについて意見を交わした。

ラブロフ外務大臣は会談後の記者会見で「交渉は中止されていない。リヤド最高交渉委員会が離れても、シリア政府代表団、モスクワ、カイロ、アスタナに会したグループの各代表団、そしてフマイミーム・グループが交渉に参加している」と述べ、リヤド最高交渉委員会の参加ボイコットを非難した。

エロー外務大臣も「この和平プロセスを救済するためできるすべてのことをする」と述べた。

なお、『ハヤート』(4月21日付)によると、米国も、リヤド最高交渉委員会のボイコットに理解を示しつつも、協議を継続する意向を示しており、トルコ政府もリヤド最高交渉委員会にジュネーブ3会議から離脱しないよう求めているという。

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ロシア外務省は声明を出し、ジュネーブ3会議への参加中止を決定したリヤド最高交渉委員会の姿勢に関して、「ジュネーブの会合は合意に至るためのワークショップであるべきで、国際社会にかかわる事柄を恐喝したり、それに罠を仕掛けたりするためのオリエント・バザーではない。同委員会は、警鐘を鳴らすような行為をしているが、これによって実際には自分たちが具体的で現実的な提案を持っていないことを隠しそうとしているようだ」と批判した。

AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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シリア政府代表団長のジャアファリー国連シリア代表「政治解決とは挙国一致内閣、憲法、国会選挙であり、これ以外のことを考えている者は夢想家だ」(2016年4月20日)

ジュネーブ3会議に参加しているシリア政府代表団は、スイスの首都ジュネーブにある国連本部を訪れ、ラムズィー・イッズッディーン・シリア問題担当国連特別副代表と会談した。

会談後の記者会見で、シリア政府代表団を率いるバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は、「ゴラン高原は永遠にイスラエルのもの」とのベンヤミン・ネタニヤフ首相の発言(17日)を改めて非難、イッズッディーン国連特別副代表に対して、この発言への対応を安保理で審議するよう求めたことを明らかにした。

またジュネーブ3会議に関しては、リヤド最高交渉委員会のボイコット後も反体制派との協議を継続する意思を伝えるとともに、「政治解決とは(現行憲法のもとでの)拡大国民政府(挙国一致内閣)、憲法、国会選挙であり、これ以外のことを考えているいかなるグループも夢想家であり、ジュネーブの対話を反故にし、時間を無駄にするだけだ」と強調した。

SANA(4月20日付)が伝えた。

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リヤド最高交渉委員会に参加する民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、ジュネーブ3会議の協議への参加中止を決定したと発表した。

AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内で2回の爆撃を実施(2016年4月19日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月19日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回で、マンビジュ市近郊(1回)、マーリア市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。


CENTCOM, April 20, 2016などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表はリヤド最高交渉委員会以外の反体制派各派と会談(2016年4月19日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、スイスの首都ジュネーブで、シリア女性評議会の代表と会談、また「モスクワ・リスト」、「カイロ合意グループ」、「フマイミーム・グループ」(ラタキア県フマイミーム航空基地に駐留するロシア空軍を訪問したシリア国内の反体制派・野党の代表者)と会談した。

AFP, April 20, 2016、AP, April 20, 2016、ARA News, April 20, 2016、Champress, April 20, 2016、al-Hayat, April 21, 2016、Iraqi News, April 20, 2016、Kull-na Shuraka’, April 20, 2016、al-Mada Press, April 20, 2016、Naharnet, April 20, 2016、NNA, April 20, 2016、Reuters, April 20, 2016、SANA, April 20, 2016、UPI, April 20, 2016などをもとに作成。

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ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ(ダマスカス県)では、ヌスラ戦線の後退を受け、今度はシリア軍がダーイシュと交戦(2016年4月19日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がヤルムーク区(パレスチナ難民キャンプ)内の第15通りなどを制圧したことを受け、シリア軍が迫撃砲などで攻撃を加え、ダーイシュと交戦した。

Kull-na Shuraka', April 18, 2016
Kull-na Shuraka’, April 18, 2016

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サフム・ジャウラーン・ダム、カウカブ・ダム、アッラーン村、アイン・ズィクル村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団が、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

クッルナー・シュラカー(4月19日付)によると、この戦闘でヌスラ戦線側は、サフム・ジャウラーン・ダム、アッラーン村検問所などを制圧したという。


AFP, April 19, 2016、AP, April 19, 2016、ARA News, April 19, 2016、Champress, April 19, 2016、al-Hayat, April 20, 2016、Iraqi News, April 19, 2016、Kull-na Shuraka’, April 19, 2016、al-Mada Press, April 19, 2016、Naharnet, April 19, 2016、NNA, April 19, 2016、Reuters, April 19, 2016、SANA, April 19, 2016、UPI, April 19, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュの主要都市ラッカ市、バーブ市を戦闘機(所属不明)が爆撃するなか、シリア軍と有志連合はダイル・ザウル県を爆撃(2016年4月19日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)が19日未明にダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つバーブ市各所を空爆した。

一方、ダーイシュが撃ったと思われる迫撃砲弾3発がトルコ領内のキリス市に着弾し、複数人が負傷した。

他方、SANA(4月19日付)によると、シリア軍がマンビジュ市近郊のマフドゥーム村、アアブド村、ダイル・カーク村、マドユーナ村、アブー・タルタル村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃、破壊した。

シリア軍はまた、アレッポ市東部のダイル・ハーフィル市にあるダーイシュ拠点に対して特殊作戦を行った。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダーイシュ(イスラーム国)の中心都市ラッカ市各所を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市工業地区でシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、シリア軍が同地のほか、ラシュディーヤ地区、ハウィーカ地区を空爆した。

また航空機(所属明示せず)がシリア政府の支配下にとどまる第137連隊基地に近い山岳地帯などに支援物資20コンテナをパラシュートで投下した。

一方、SANA(4月19日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市工業地区、フワイジャト・サクル、ブガイリーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

他方、ARA News(4月19日付)によると、有志連合がダイル・ザウル市東部郊外(イラク国境地帯)に対して空爆を実施した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市近郊のマザール山一帯でシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(4月19日付)によると、シリア軍と「支援部隊」がダーイシュ(イスラーム国)との交戦の末、タドムル市北方のマザール山西部に位置する第806.5地点を制圧した。

シリア軍はまた、シャンダーヒーヤ村、サワーナ町一帯のダーイシュ拠点を空爆した。

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スワイダー県では、SANA(4月19日付)によると、シリア軍がアシュハイブ丘一帯でダーイシュ8イスラーム国)を攻撃し、戦闘員10人を殲滅した。

AFP, April 19, 2016、AP, April 19, 2016、ARA News, April 19, 2016、Champress, April 19, 2016、al-Hayat, April 20, 2016、Iraqi News, April 19, 2016、Kull-na Shuraka’, April 19, 2016、al-Mada Press, April 19, 2016、Naharnet, April 19, 2016、NNA, April 19, 2016、Reuters, April 19, 2016、SANA, April 19, 2016、UPI, April 19, 2016などをもとに作成。

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リヤド最高交渉委員会のジュネーブ3会議ボイコットを受け、シリア軍はイドリブ県、ダマスカス郊外県などで爆撃を激化、シリア国民連合など反体制派は「虐殺」と非難(2016年4月19日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線やシャーム自由人イスラーム運動が主導するファトフ軍の支配下にあるマアッラト・ヌウマーン市、カフルヌブル市をシリア軍が空爆し、住民8人が死亡した。

空爆はカフルナブル市に対するシリア軍の空爆では市場が標的となり、子供1人を含む5人が死亡した。

マアッラト・ヌウマーン市での空爆でも、「シャリーア法廷」が所在する市場が狙われ、住民3人が死亡したという。

同監視団によると、死数はさらに増える模様。

これに関して、シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、空爆を「虐殺」と非難、カフルナブル市では40人以上が死亡し、60人近くが負傷、マアッラト・ヌウマーン市でも10人以上が死亡したと主張した。

一方、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市では、ファトフ軍の治安委員会に所属する車輌に仕掛けられた爆弾が爆発し、戦闘員2人が死亡した。

このほかにも、ジスル・シュグール市、イシュタブリク村、サラーキブ市に対してシリア軍が「樽爆弾」で空爆を実施した。

Kull-na Shuraka', April 19, 2016
Kull-na Shuraka’, April 19, 2016

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・シャイフ・キャンプ一帯、バーラー村を砲撃、バーラー村では、女性2人と子供1人を含む住民7人がシリア軍の砲撃で死亡した。

シリア軍はまたアルバイン市一帯を空爆した。

なお、バーラー村での空爆に関して、反体制活動家や反体制メディアは「虐殺」と形容した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ハムダーニーヤ地区(シリア政府支配地域)にジハード主義武装集団が打った迫撃砲弾多数が着弾した。

これに対して、シリア軍はアレッポ市南部郊外のアイス村一帯を空爆する一方、アレッポ市北部に位置するアナダーン市、ハイヤーン町一帯を空爆した。

なお、アレッポ県各所でのシリア軍の空爆に関して、反体制活動家や反体制メディアは「虐殺」と形容した。

一方、SANA(4月19日付)によると、シリア軍はアイス村一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

他方、ARA News(4月19日付)によると、ジハード主義武装集団がアレッポ市シャイフ・マクスード地区(西クルディスタン移行期民政局支配地域)を砲撃した。

このほか、シャーム戦線は声明を出し、マフムード・ハルクーシュ(アブー・ウマル・サフィーラ)司令官の辞表を受理するとともに、後任の司令官にフサーム・ヤースィーン氏を任命したと発表した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、カッバーニー村、マリク峰、アックー村など県北部一帯で、シリア軍、国防隊、外国人戦闘員が、「不正への報復」作戦司令室に参加した第1沿岸師団、シャーム自由人イスラーム運動、アンサール・シャーム、トルキスターン・イスラーム党、そして「不正への報復」作戦司令室への参加表明を行っていないシャームの民のヌスラ戦線、第2沿岸師団などと交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ハウラ地方各所を戦闘機(所属明示せず)が15回にわたり空爆し、1人が死亡した。

またシリア軍がティールマアッラ村を「樽爆弾」で空爆したほか、タルビーサ市を砲撃した。

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ダルアー県では、SANA(4月19日付)によると、シリア軍がダルアー市内のマンシヤ地区、ビイル・シヤーフ街道などでシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、南部戦線に所属する武装集団3組織が共同声明を出し、ハスム師団として完全統合すると発表した。

ハスム師団を結成したのは、タウヒードの曉師団、ウムード・ハウラーン師団、自由殉教者旅団。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、4月18日に7件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はラタキア県で発生、リヤド最高交渉委員会を脱会したシャーム自由人イスラーム運動、同委員会に依然として所属するイスラーム軍などによる攻撃などが確認されたという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は401件。


AFP, April 19, 2016、AP, April 19, 2016、ARA News, April 19, 2016、Champress, April 19, 2016、al-Hayat, April 20, 2016、Iraqi News, April 19, 2016、Kull-na Shuraka’, April 19, 2016、al-Mada Press, April 19, 2016、Naharnet, April 19, 2016、NNA, April 19, 2016、Reuters, April 19, 2016、SANA, April 19, 2016、UPI, April 19, 2016などをもとに作成。

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オバマ米大統領は「米露がともにシリア情勢を進展させなければ、シリアは急速に崩壊する」と述べ、アサド政権の停戦違反に対して圧力をかけることをロシア側に求める(2016年4月19日)

バラク・オバマ米大統領は、CBS(4月19日付)のインタビューに応じ、18日のロシアのヴラジミール・プーチン大統領との電話会談で、米国とロシアが見解を一致させ、シリア情勢を進展させなければ、シリアは「急速に崩壊する」だろうと伝えたことを明らかにした。

オバマ大統領の発言は、アレッポ県などでの戦闘激化やリヤド最高交渉委員会によるジュネーブ3会議の協議参加中止決定を受けたもの。

一方、米ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト報道官は、オバマ大統領がプーチン大統領に対して、アサド政権による違反によって停戦違反の継続が脅かされているとしたうえで、アサド政権に対して影響力を行使するよう呼びかけたことを明らかにした。

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一方、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、18日のヴラジミール・プーチン大統領とバラク・オバマ米大統領の電話会談に関して、「協議を継続し、停戦を維持することを改めて確認した」と述べた。

会談では、ジュネーブ3会議の協議を継続することが「重要」であることで意見が一致、両国の治安、国防担当者の協力を強化するとともに、停戦違反に対処するための追加措置を検討することになると付言した。

AFP, April 19, 2016、AP, April 19, 2016、ARA News, April 19, 2016、Champress, April 19, 2016、CBS, April 19, 2016、al-Hayat, April 20, 2016、Iraqi News, April 19, 2016、Kull-na Shuraka’, April 19, 2016、al-Mada Press, April 19, 2016、Naharnet, April 19, 2016、NNA, April 19, 2016、Reuters, April 19, 2016、SANA, April 19, 2016、UPI, April 19, 2016などをもとに作成。

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シリア政府代表団長のジャアファリー国連シリア代表「リヤド最高交渉委員会がボイコットしたいなら、そうしてもよい。なぜなら彼らは反体制派唯一の代表者ではないからだ」(2016年4月19日)

ジュネーブ3会議に参加するシリア政府代表団の団長を務めるバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は滞在中のジュネーブでロイター通信(4月19日付)のインタビューに応じ、そのなかでリヤド最高交渉委員会による協議参加中止決定に関して、ほかの反体制派との協議を継続する意向を示した。

ジャアファリー国連シリア代表は「反体制派は、サウジアラビアで作り出されたリヤド最高交渉委員会によって独占されている訳ではない…。彼らがボイコットしたいのなら、そうしてもよい。このことは我々にとって大きな問題ではない。なぜなら彼らはシリアの反体制派唯一の代表者ではないからだ」と述べた。

ジャアファリー国連シリア代表はまた、「リヤド最高交渉委員会はジュネーブ・プロセスの当初から問題を作り出し、協議を中止、ないしは延期すると脅迫してきた。なぜなら、支援者であるサウジアラビア、トルコ、カタールからの支持を待っているからだ…。これは政治的な拒否だ」と批判した。

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ジャアファリー国連シリア代表はまた、AFP(4月19日付)に対して、アサド大統領による副大統領3名の任命に関するスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表の提案に関して、「デミストゥラ氏とは議論していないし…、今後のいかなる協議でも議論することはない。なぜなら、ジュネーブで協議を行う者には権限がないからだ」と述べた。

ジャアファリー国連シリア代表はさらに「国連共同特別代表は我々にそうした提案すら行っていない。この問題について協議したとの一部情報断固として否定する…。この問題に立ち入ったことは事実だが、それは簡単且つ表面的なものだった」と付言した。

またアサド大統領の進退に関しては、「我々はデミストゥラ氏に、我々の権限は…挙国一致内閣が発足することで停止し、挙国一致内閣こそが主要な議題であると伝えた。また、シリア大統領の将来を議論することが我々の権限外、専門外でるとも伝えた」と述べた。

AFP, April 19, 2016、AP, April 19, 2016、ARA News, April 19, 2016、Champress, April 19, 2016、al-Hayat, April 20, 2016、Iraqi News, April 19, 2016、Kull-na Shuraka’, April 19, 2016、al-Mada Press, April 19, 2016、Naharnet, April 19, 2016、NNA, April 19, 2016、Reuters, April 19, 2016、SANA, April 19, 2016、UPI, April 19, 2016などをもとに作成。

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リヤド高等交渉委員会のヒジャーブ委員長「我々はアサド体制を作るためにジュネーブに来たのではない。この体制を終わらせるために来たのだ」(2016年4月19日)

リヤド高等交渉委員会の委員長を務めるリヤード・ヒジャーブ元首相は、ジュネーブ3会議(第3ラウンド)での協議を監督するために滞在していたジュネーブで記者会見を開き、アサド大統領が残留するかたちでの移行プロセスはあり得ないとの従来通りの立場を改めて強調した。

ヒジャーブ元首相は記者会見で「私は今日出国する。同胞の一部は昨日出国し、残りは今日、そして金曜日までには出国する…。ただし一部のメンバーは既に計画されている活動に参加するためにジュネーブにとどまる予定だ」と述べた。

元首相によると、ジュネーブに残留するメンバーは、人道問題への対応をめぐって関係当局と会談するとともに、シリアでの逮捕者、人道問題、戦争犯罪に関するシンポジウムに参加するという。

ヒジャーブ元首相はまた、国際社会、とりわけ国連の対応に関して「(包囲されている地域に)ミルク缶1つさえも搬入できない者が、シリアでの政治プロセスや政治移行を推進できるのか?」と批判、「包囲解除、逮捕者釈放、人道支援物資搬入、そして民間人への砲撃停止に向けた措置が講じられない限り、我々はこのプロセスに身を置くことはない」と、ジュネーブ3会議への参加拒否の意思を改めて示した。

そのうえで「我々はバッシャール・アサド体制を作るためにジュネーブに来たのではない。この体制を終わらせるために来たのだ」と強調、ロシアが「この体制を再生産しようとしている」と批判した。

一方、米国に対しては「米国の友人を大いに非難したい」としたうえで、「停戦の維持は、革命家の武装阻止や自衛阻止を通じてなされるものではない…。現地で停戦などと言うものはない」と批判した。

また「イランは数千という戦闘員を動員している…。我々は戦闘員に対してアサドとの戦いを停止しないよう呼びかける…。アサド残留をもたらすいかなる取引、選択肢も受け入れられない」と強調した。

AFP, April 19, 2016、AP, April 19, 2016、ARA News, April 19, 2016、Champress, April 19, 2016、al-Hayat, April 20, 2016、Iraqi News, April 19, 2016、Kull-na Shuraka’, April 19, 2016、al-Mada Press, April 19, 2016、Naharnet, April 19, 2016、NNA, April 19, 2016、Reuters, April 19, 2016、SANA, April 19, 2016、UPI, April 19, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内で2回の爆撃を実施(2016年4月18日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月18日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は2回で、ラッカ市近郊に対して攻撃が行われた。


CENTCOM, April 19, 2016などをもとに作成。

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ダマスカス県ヤルムーク区ではヌスラ戦線とダーイシュが交戦(2016年4月18日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区(パレスチナ難民キャンプ)でシャームの民のヌスラ戦線とダーイシュ(イスラーム国)が交戦を続けた。

Kull-na Shuraka', April 18, 2016
Kull-na Shuraka’, April 18, 2016

 

AFP, April 18, 2016、AP, April 18, 2016、ARA News, April 18, 2016、Champress, April 18, 2016、al-Hayat, April 19, 2016、Iraqi News, April 18, 2016、Kull-na Shuraka’, April 18, 2016、al-Mada Press, April 18, 2016、Naharnet, April 18, 2016、NNA, April 18, 2016、Reuters, April 18, 2016、SANA, April 18, 2016、UPI, April 18, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュはアレッポ県北部でハワール・キリス作戦司令室からタッル・バッラール村を奪還(2016年4月18日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ハワール・キリス作戦司令室がタッル・バッタール村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地の大部分を奪還した。

また戦闘機(所属明示せず)がラーイー村に至る街道一帯を空爆した。

ARA News(4月18日付)によると、これに対してダーイシュはロケット弾でトルコ領内を攻撃し、砲弾複数発がキリス市に着弾した。

AFP, April 18, 2016、AP, April 18, 2016、ARA News, April 18, 2016、Champress, April 18, 2016、al-Hayat, April 19, 2016、Iraqi News, April 18, 2016、Kull-na Shuraka’, April 18, 2016、al-Mada Press, April 18, 2016、Naharnet, April 18, 2016、NNA, April 18, 2016、Reuters, April 18, 2016、SANA, April 18, 2016、UPI, April 18, 2016などをもとに作成。

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リヤド最高交渉委員会に所属していたシャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍、「穏健な反体制派」による「不正への報復」の戦い開始宣言を受け、ラタキア県、ハマー県で戦闘激化(2016年4月18日)

反体制武装集団10組織が共同声明を出し、「不正への報復」の戦いと銘打って、シリア軍に対する反転攻勢を開始すると発表した。

共同声明は「声明第1号」と名づけられ、リヤド最高交渉委員会を脱会したアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動、同委員会に残留する非アル=カーイダ系のイスラーム軍、ムジャーヒディーン軍、シャーム・イスラーム運動、シリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、「穏健な反体制派」と目される第一沿岸師団、アンサール・シャーム大隊、ナスル軍、イッザ軍、北部師団が名を連ねた。

声明では「シリア軍による避難民キャンプを標的とした度重なる(停戦)違反、住宅地に近い拠点からの断続的砲撃に対抗し、我々は合同作戦司令室を設置し、アサド軍の違反への報復として、「不正への報復」の戦いを開始することを発表する」と宣言された。

声明では、反転攻勢を行う戦線については明言されていなかったが、イスラーム軍のイスラーム・アッルーシュ報道官はAFP(4月18日付)に、声明が「ラタキア県郊外に関するものだ」と述べた。

一方、第一沿岸師団消息筋は、AFPに対し、「不正への報復」の戦いは、18日午前6時に開始され、戦闘はラタキア県キンサッバー町一帯で激しく行われているとしたうえで、「我々は停戦発効前夜にシリア軍が制圧したトルクメン山、クルド山一帯の奪還をめざしている」と述べた。

Kull-na Shuraka', April 18, 2016
Kull-na Shuraka’, April 18, 2016

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「不正への報復」の戦いの開始発表を受け、反体制武装集団がカッバーニー村、マリク峰、アックー村など県北部一帯でシリア軍、国防隊、外国人戦闘員と交戦、マリク峰、ナフシャッバー村を制圧した。

戦闘に参加したのは、「穏健な反体制派」と目される第一沿岸師団、第2沿岸師団、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線、非アル=カーイダ系のアンサール・シャーム、トルクメン・イスラーム運動など。

なお、ラタキア県での戦闘に関して、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(4月18日付)に対して、「国内外からの兵站支援が容易」である点を挙げた。

Kull-na Shuraka', April 18, 2016
Kull-na Shuraka’, April 18, 2016

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ハマー県では、「不正への報復」の戦いの開始が発表されたのを受け、反体制武装集団がシリア軍に対する反転攻勢を開始し、ラタキア県境のガーブ平原一帯でシリア軍と交戦した。

シリア人権監視団によると、戦闘は、ダーイシュ(イスラーム国)との関係が取りざたされるジュンド・アクサー機構、トルコが後援するトルキスターン・イスラーム党などからなるジハード主義武装集団が、ハークーラ村、ヒルバト・ナークース村一帯のシリア軍拠点複数カ所を攻撃したのをきっかけに始まり、ジュンド・アクサー機構側はヒルバト・ナークース村の大部分、ジューリーン村のシリア軍基地に近い丘(タッラト・ダッバーバート)を制圧した。

これに対して、シリア軍は同地一帯を激しく砲撃、また戦闘機、ヘリコプターを動員し、ヒルバト・ナークス村、マンスーラ村、カーヒラ村、タッル・ワースィト村、クライディーン村、アンカーウィー村、マナーラ村、ハークーラ村一帯を60回以上にわたり空爆した。

シリア軍はこのほかにも、カルアト・マディーク町、ジスル・バイト・ラース村、ハウワーシュ村に対して砲撃を行い、ハウワーシュ村では児童1人が死亡した。

Kull-na Shuraka', April 18, 2016
Kull-na Shuraka’, April 18, 2016

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ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(4月18日付)によると、シリア軍がタッルドゥー市、ラスタン市などを空爆し、女性、子供を含む5人が死亡した。

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アレッポ県では、『ハヤート』(4月19日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市内各所を砲撃し、住民8人が死亡、10人が負傷した(シリア・アラブ・テレビ(4月18日付)によると、死者数は22人)。

AFP, April 18, 2016、AP, April 18, 2016、ARA News, April 18, 2016、Champress, April 18, 2016、al-Hayat, April 19, 2016、Iraqi News, April 18, 2016、Kull-na Shuraka’, April 18, 2016、al-Mada Press, April 18, 2016、Naharnet, April 18, 2016、NNA, April 18, 2016、Reuters, April 18, 2016、SANA, April 18, 2016、UPI, April 18, 2016などをもとに作成。

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ブッシュ・プーチン電話会談でシリア国内の停戦強化への決意を改めて確認(2016年4月18日)

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、ヴラジミール・プーチン大統領が米国のバラク・オバマ大統領と電話会談を行い、シリア情勢などについて協議、シリア国内の停戦強化への決意を改めて確認したことを明らかにした。

AFP, April 18, 2016、AP, April 18, 2016、ARA News, April 18, 2016、Champress, April 18, 2016、al-Hayat, April 19, 2016、Iraqi News, April 18, 2016、Kull-na Shuraka’, April 18, 2016、al-Mada Press, April 18, 2016、Naharnet, April 18, 2016、NNA, April 18, 2016、Reuters, April 18, 2016、SANA, April 18, 2016、UPI, April 18, 2016などをもとに作成。

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シリア国内で活動する複数の反体制武装集団はリヤド交渉最高委員会に「我々の革命にかかわる国連諸決議」が実行されない場合、ジュネーブ3会議から撤収するよう要求(2016年4月18日)

シリア国内で活動する複数の反体制武装集団が「シリア革命武装諸部隊」の名で共同声明を出し、リヤド最高交渉委員会に対して、国連安保理決議第2254号の人道問題に関わる第12、13項目など「我々の革命にかかわる国連諸決議」が実行されない場合、ジュネーブ3会議から撤収するよう要求した。

Kull-na Shuraka', April 18, 2016
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AFP, April 18, 2016、AP, April 18, 2016、ARA News, April 18, 2016、Champress, April 18, 2016、al-Hayat, April 19, 2016、Iraqi News, April 18, 2016、Kull-na Shuraka’, April 18, 2016、al-Mada Press, April 18, 2016、Naharnet, April 18, 2016、NNA, April 18, 2016、Reuters, April 18, 2016、SANA, April 18, 2016、UPI, April 18, 2016などをもとに作成。

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リヤド最高交渉委員会に所属する「穏健な反体制派」のシリア革命家戦線はジュネーブ3会議での協議中止を主唱(2016年4月18日)

リヤド最高交渉委員会に所属する「穏健な反体制派」のシリア革命家戦線は声明を出し、ジュネーブでのスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表との協議を中止するよう求めた。

シリア革命家戦線は南部戦線最大の武装集団で、ジュネーブにアブー・ウサーマ・ジャウラーニー少佐が参加している。

Kull-na Shuraka', April 18, 2016
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AFP, April 18, 2016、AP, April 18, 2016、ARA News, April 18, 2016、Champress, April 18, 2016、al-Hayat, April 19, 2016、Iraqi News, April 18, 2016、Kull-na Shuraka’, April 18, 2016、al-Mada Press, April 18, 2016、Naharnet, April 18, 2016、NNA, April 18, 2016、Reuters, April 18, 2016、SANA, April 18, 2016、UPI, April 18, 2016などをもとに作成。

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リヤド最高交渉委員会はデミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表に対し、シリア政府の停戦違反を理由に協議参加中止を通達(2016年4月18日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、シリア政府代表団との会談後、リヤド最高交渉委員会の代表3人と会談した。

この会談で、リヤド最高交渉委員会は、シリア軍およびその同盟勢力の停戦違反と、移行期統治機関に対する委員会の質問にシリア政府が回答しなかったことに抗議し、協議への参加を中止する旨伝えた。

協議参加中止に関して、リヤド最高交渉委員会は声明(報道官を務めるリヤード・ナアサーン・アーガー氏が発表)で、「逮捕者数はむしろ増加するなど…人道問題においていかなる進展も見られず、停戦違反がなされていることを…精査し交渉の延期」を決定したとしたうえで、「国民の苦しみが増し、移行期統治機関設置という国連(安保理)決議(第2254号)、ジュネーブ合意(2012年)の本質への対応がなされない状況下で交渉を継続すれば…深刻な後退は避けられない」と表明した。

会談後、デミストゥラ国連共同特別代表は「我々の分析によると、アレッポ県で現在戦闘が行われているもの、多くの地域で停戦は続いている」としつつ、リヤド最高交渉委員会が、停戦違反に抗議して、協議参加を中止したことを明らかにした。

そのうえで、シリア政府とリヤド最高交渉委員会の間の意見相違が解消しなければ、協議を再開させるため米・ロシアに介入を要請すると付言した。

また、8月までに新憲法起草と政治移行について結論を出すための行程を策定したことを明らかにした。

AFP, April 18, 2016、AP, April 18, 2016、ARA News, April 18, 2016、April 19, 2016、Champress, April 18, 2016、al-Hayat, April 19, 2016、Iraqi News, April 18, 2016、Kull-na Shuraka’, April 18, 2016、al-Mada Press, April 18, 2016、Naharnet, April 18, 2016、NNA, April 18, 2016、Reuters, April 18, 2016、SANA, April 18, 2016、UPI, April 18, 2016などをもとに作成。

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シリア政府代表団はデミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表との会談で初めて政治文書を提出する一方、イスラエル首相による「ゴラン高原は永遠にイスラエルのもの」発言を非難(2016年4月18日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表を団長とするシリア政府代表団と会談した。

この会談で、シリア政府代表団は、週末にデミストゥラ国連特別代表が示した8項目からなる質問状に対して回答した政治文書を提出した。

シリア政府代表者がこうした政治文書を提出するのはこれが初めて。

『ハヤート』(4月19日付)が入手したコピーによると、この政治文書において、シリア政府代表団は、シリア政府には新憲法やそれに基づいた選挙について協議する権限はないと回答し、現行憲法を停止したかたちでの移行期ではなく、現行憲法のもとでの政治プロセスを追求する意思を示した。

また、シリア政府支持者、反体制派、無所属からなる挙国一致内閣の樹立、というデミストゥラ国連特別代表の提案に関しては、同内閣のもとで新憲法を起草することは可能だと回答したという。

その一方、シリア政府代表はこの会談で、17日にイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が占領下のゴラン高原で「ゴラン高原は永遠にイスラエルのものだ」と発言したことを非難し、シリア政府が国連安保理議長と事務総長宛に書簡で「無責任な挑発行為」に抗議するため介入するよう要請したことを明らかにした。

ゴラン高原の回復は、3月24日にデミストゥラ国連特別代表が、ジュネーブ3会議第3ラウンドにおける基本原則(議題)として発表した12項目(https://syriaarabspring.info/?p=27583)の第1項目に「シリアの主権、独立、統一の尊重。いかなる領土も譲歩せず…シリア国民は平和的な手段を通じて、占領下のゴラン高原回復に努める」と明記されている。

ネタニヤフ首相の発言は、これを根本から否定するのもので、シリア政府代表団がこの発言に言及したことで、デミストゥラ国連特別代表は、紛争解決に向けた議題の練り直しを迫られたかたちとなった。

AFP, April 18, 2016、AP, April 18, 2016、ARA News, April 18, 2016、Champress, April 18, 2016、al-Hayat, April 19, 2016、Iraqi News, April 18, 2016、Kull-na Shuraka’, April 18, 2016、al-Mada Press, April 18, 2016、Naharnet, April 18, 2016、NNA, April 18, 2016、Reuters, April 18, 2016、SANA, April 18, 2016、UPI, April 18, 2016などをもとに作成。

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トルコ軍が不法入国し、カーミシュリー市郊外(ハサカ県)でPKKメンバーに対する掃討作戦を実施(2016年4月18日)

ハサカ県では、ARA News(4月18日付)が複数の地元筋などの話として、トルコ軍が国境沿いに位置するヌサイビン市からシリア領内に不法入国し、同市と対面するカーミシュリー市郊外で「掃討作戦」を行ったと伝え、その写真を公開した。

ロイター通信(4月18日付)は、トルコの複数の治安筋の話として、17日晩の戦闘でクルド人戦闘員18人が殺害されたと伝えた。

この18人はヌサイビン市からシリア領内に逃走しようとしていたところを殺害されたという。

同消息筋によると、トルコの治安部隊は、クルディスタン労働者党のメンバーがヌサイビン市に潜入しようとしたことを受け、同地一帯で掃討作戦を実施、彼らと交戦したという。

ARA News, April 18, 2016
ARA News, April 18, 2016

AFP, April 18, 2016、AP, April 18, 2016、ARA News, April 18, 2016、Champress, April 18, 2016、al-Hayat, April 19, 2016、Iraqi News, April 18, 2016、Kull-na Shuraka’, April 18, 2016、al-Mada Press, April 18, 2016、Naharnet, April 18, 2016、NNA, April 18, 2016、Reuters, April 18, 2016、SANA, April 18, 2016、UPI, April 18, 2016などをもとに作成。

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シリア・ガド(明日)潮流の軍事部門「シリア・エリート部隊」がハサカ県、ダイル・ザウル県の複数村を制圧したと発表(2016年4月18日)

シリア革命反体制勢力国民連立元代表のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー氏が率いるシリア・ガド(明日)潮流の軍事部門「シリア・エリート部隊」はビデオ声明(https://youtu.be/EXDgufYxl1I)を出し、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、ハサカ県とダイル・ザウル県の郊外の複数カ所を制圧したと発表した。

シリア・エリート部隊が制圧したのは、バーディヤト・アブー・ハシャブ村、マーリハ村、ザッルー村、ラジュアーン村、ウンム・マドファア村。

ARA News(4月18日付)によると、シリア・ガド潮流と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は、同部隊が主導するシリア民主軍の政治母体のシリア民主評議会からハイサム・マンアーア氏率いるカフム潮流が脱会したことを契機に、接近していた。

Youtube, April 18, 2016
Youtube, April 18, 2016

AFP, April 18, 2016、AP, April 18, 2016、ARA News, April 18, 2016、Champress, April 18, 2016、al-Hayat, April 19, 2016、Iraqi News, April 18, 2016、Kull-na Shuraka’, April 18, 2016、al-Mada Press, April 18, 2016、Naharnet, April 18, 2016、NNA, April 18, 2016、Reuters, April 18, 2016、SANA, April 18, 2016、UPI, April 18, 2016などをもとに作成。

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ヨルダンのムーマニー・メディア担当大臣「シリア人避難民5万人がヨルダン国境地帯で足止め」(2016年4月18日)

ヨルダンのムハンマド・ムーマニー・メディア担当大臣は、ヨルダンへの入国を求め、シリア領内の緩衝地帯で足止めを食っているシリア人避難民の数が5万人に上っていることを明らかにした。

ムーマニー大臣によると、シリア人避難民の入国に際して治安面を考慮していること、また高齢者、女性、児童の入国を最優先にしていることが、足止めの理由だという。

なお、ヨルダン当局によると、2016年1月にの時点では、足止めを食っているシリア人の数は1万6,000人程度だった。

AFP(4月18日付)が伝えた。

AFP, April 18, 2016、AP, April 18, 2016、ARA News, April 18, 2016、Champress, April 18, 2016、al-Hayat, April 19, 2016、Iraqi News, April 18, 2016、Kull-na Shuraka’, April 18, 2016、al-Mada Press, April 18, 2016、Naharnet, April 18, 2016、NNA, April 18, 2016、Reuters, April 18, 2016、SANA, April 18, 2016、UPI, April 18, 2016などをもとに作成。

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シリアの外務在外居住者副大臣が「アラブの春」波及以降、初のEU加盟国訪問へ(2016年4月18日)

チェコ外務省は4月20日に、シリアのファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣がプラハを訪問すると発表した。

シリア高官がEU加盟国を訪問するのは、「アラブの春」がシリアに波及した2011年以降初めて。

AFP, April 18, 2016、AP, April 18, 2016、ARA News, April 18, 2016、Champress, April 18, 2016、al-Hayat, April 19, 2016、Iraqi News, April 18, 2016、Kull-na Shuraka’, April 18, 2016、al-Mada Press, April 18, 2016、Naharnet, April 18, 2016、NNA, April 18, 2016、Reuters, April 18, 2016、SANA, April 18, 2016、UPI, April 18, 2016などをもとに作成。

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レバノン大統領選挙38回目の延期(2016年4月18日)

ナビーフ・ビッリー国民議会議長は、大統領選挙(第2回投票)のための臨時会(38回目、4月19日予定)が定足数に達しなかったことを受け、会合を5月10日に再び延期すると決定した。

ナハールネット(4月18日付)が伝えた。

AFP, April 18, 2016、AP, April 18, 2016、ARA News, April 18, 2016、Champress, April 18, 2016、al-Hayat, April 19, 2016、Iraqi News, April 18, 2016、Kull-na Shuraka’, April 18, 2016、al-Mada Press, April 18, 2016、Naharnet, April 18, 2016、NNA, April 18, 2016、Reuters, April 18, 2016、SANA, April 18, 2016、UPI, April 18, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内で3回の爆撃を実施(2016年4月17日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月17日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して20回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回で、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, April 18, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市内でシリア軍と反体制武装集団が砲撃を応酬し、双方の支配地域で住民合わせて15人が死亡(2016年4月17日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアレッポ市西部のシリア政府支配地域(ハーリディーヤ地区、アアザミーヤ地区)を砲撃し、5人が死亡、20人が負傷した。

これに対して、シリア軍はサイフ・ダウラ地区を地対地ミサイルで攻撃するとともに、アレッポ市南部郊外のアイス村一帯を空爆した。

またアレッポ市西部のザフラー協会地区、サラーフッディーン地区では、シリア軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、アレッポ県では、SANA(4月17日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市サラーフッディーン地区、ハムダーニーヤ地区、サイフ・ダウラ地区、アクラミーヤ地区、シャイフ・マクスード地区、を砲撃し、住民10人が死亡、またワディーヒー村では、反体制武装集団による狙撃で住民1人が死亡した。

また、シリア軍は、県北部のスーラーン・アアザーズ町、ウワイジャ地区、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、アレッポ市シュカイイフ地区で反体制武装集団と交戦した。

他方、ARA News(4月17日付)によると、反体制武装集団によるシャイフ・マクスード地区への砲撃によって、聖マリア教会の一部が破壊された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がカスタン村、フライカ村各所を空爆し、3人が死亡した。

ARA News(4月17日付)によると、シリア軍によるカスタン村空爆で女性3人が死亡したという。

一方、SANA(4月17日付)によると、反体制武装集団がカファルヤー町、フーア市をロケット弾で攻撃し、1人が死亡、4人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマンスーラ村および同村郊外の穀物サイロを砲撃した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がティールマアッラ村、タルビーサ市、ザアフラーナ村を「樽爆弾」で空爆、またハウラ地方、ウンム・シャルシューフ村一帯で反体制武装集団と交戦した。

一方、シリア中部および北部で活動する反体制武装集団8組織が共同声明を出し、「シャームの稲妻師団」として完全統合すると発表した。

共同声明を出したのは、戦争の獅子旅団、ヒムスの兵旅団、ムーサー・ブン・ヌサイル旅団、アンサール・シャリーア旅団、ダーラ・イッザ・ムジャーヒディーン旅団、アーディヤート旅団、サイフッラー・マスルール旅団、機械化ミサイル大隊。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、国連とシリア赤新月社の支援チームがアイン・タルマー村、カフルバトナー町、ジスリーン町に貨物車輌52台分の人道支援物資を搬入した。

一方、マルジュ・スルターン村一帯では、シリア軍がナシャービーヤ町、ハザルマー丘、バーラー村などで反体制武装集団と交戦した。

アレッポ県では、ARA News(4月17日付)によると、有志連合が県北部(カフルガーン村一帯)でダーイシュ(イスラーム国)と戦闘を続けるハワール・キリス作戦司令室を空爆で航空支援した。

AFP, April 17, 2016、AP, April 17, 2016、ARA News, April 17, 2016、Champress, April 17, 2016、al-Hayat, April 18, 2016、Iraqi News, April 17, 2016、Kull-na Shuraka’, April 17, 2016、al-Mada Press, April 17, 2016、Naharnet, April 17, 2016、NNA, April 17, 2016、Reuters, April 17, 2016、SANA, April 17, 2016、UPI, April 17, 2016などをもとに作成。

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