米軍主導の有志連合はシリア領内で7回の爆撃を実施(2016年5月12日)

米中央軍(CENTCOM)は、5月12日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して21回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は7回で、シャッダーディー市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(1回)、マーリア市近郊(3回)、ウンム・タマフ村近郊(1回)、ワリード村近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, May 13, 2016などをもとに作成。

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所属不明の戦闘機が、ヌスラ戦線が会合中のイドリブ県アブー・ズフール軍事飛行場を爆撃、幹部16人を殺害(2016年5月12日)

イドリブ県では、『ハヤート』(5月14日付)によると、所属不明の戦闘機が、アブー・ズフール航空基地を空爆し、同飛行場内で会合を行っていたシャームの民のヌスラ戦線幹部ら16人が死亡した。

死亡した幹部のなかには、「砂漠地区」のアミール(司令官)、ヨルダン人の司令官らが死亡したという。

これに関して、クッルナー・シュラカー(5月13日付)は、2015年11月の映像を添付し、ロシア軍戦闘機による空爆だと断じた。

AFP, May 13, 2016、AP, May 13, 2016、ARA News, May 13, 2016、Champress, May 13, 2016、al-Hayat, May 14, 2016、Iraqi News, May 13, 2016、Kull-na Shuraka’, May 13, 2016、al-Mada Press, May 13, 2016、Naharnet, May 13, 2016、NNA, May 13, 2016、Reuters, May 13, 2016、SANA, May 13, 2016、UPI, May 13, 2016などをもとに作成。

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ハマー県で、アル=カーイダ系のヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制派がシリア政府支配下の村を襲撃し、住民を誘拐(2016年5月12日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線やシャーム自由人イスラーム国からなる反体制武装集団が、シリア政府の支配下にあるザーラ村を襲撃し制圧、住民を誘拐した。

シリア人権監視団によると、ザーラ村はアラウィー派が住む村で、誘拐された住民は数十人に達するという。

またAFP(5月13日付)などによると、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなる武装集団はザーラ村の襲撃で市民19人(女性、子供を含む)を射殺したという。

同監視団によると、ザーラ村ではまた、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動がシリア軍、国防隊と交戦し、シャーム自由人イスラーム運動、ヒムス軍団、アフル・スンナ大隊、アジュナード・ヒムス、ヌスラ戦線の戦闘員7人が死亡、シリア軍側も複数の兵士が死亡したという。

これに関して、SANA(5月12日付)は、反体制武装集団がザーラ村に侵入し、住民多数を殺害、女性、子供ら多数を誘拐したと伝えた。

一方、シリア軍はヒルバト・ナークース村でファトフ軍と交戦した。

AFP, May 12, 2016、May 13, 2016、AP, May 12, 2016、ARA News, May 12, 2016、Champress, May 12, 2016、al-Hayat, May 13, 2016、Iraqi News, May 12, 2016、Kull-na Shuraka’, May 12, 2016、al-Mada Press, May 12, 2016、Naharnet, May 12, 2016、NNA, May 12, 2016、Reuters, May 12, 2016、SANA, May 12, 2016、UPI, May 12, 2016などをもとに作成。

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シリア軍の「講和規定」終了を受け、アレッポ市北部でシリア軍と反体制派の戦闘再び激化(2016年5月12日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍による「講和規定」適用期間の終了(5月11日24時)を受け、ハンダラート難民キャンプ一帯などアレッポ市北部の反体制武装集団支配地域への攻撃を再開した。

シリア軍は、アレッポ市東部とアレッポ市北部郊外を結ぶ街道一帯に対して集中的に攻撃(空爆、地対地ミサイルと思われる砲弾での砲撃)を加え、無人地帯の一部を制圧したという。

一方、クッルナー・シュラカー(5月12日付)は、シャーム自由人イスラーム運動消息筋やナスル軍広報局や筋の話として、この戦闘でクドス旅団(パレスチナ人)戦闘員やイラン人戦闘員多数が死亡したと伝えた。

シリア軍はまた、カフルナーハー村を空爆し、住民3人が負傷、さらにマンビジュ市近郊のマフドゥーム村に対しても空爆を行い、子供2人が負傷した。

シリア軍はこのほかにも、アナダーン市を砲撃、戦闘ヘリコプターがフライターン市各所に対して「樽爆弾」で空爆を行った。

アレッポ市南部郊外では、戦闘機(所属明示せず)が、ハーン・トゥーマーン市一帯を空爆した。

これに対して、ジハード主義武装集団は、西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアレッポ市シャイフ・マクスード地区などを砲撃した。

このほか、SANA(5月12日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市ラームーサ地区、サイフ・ダウラ地区、ハムダーニーヤ地区、マイサルーン地区を砲撃し、女性1人を含む6人が死亡した。

Kull-na Shuraka', May 12, 2016
Kull-na Shuraka’, May 12, 2016

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が東グータ地方のダイル・アサーフィール市およびその周辺、リーハーン農場、ドゥーマー市一帯を空爆、砲撃した。

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イドリブ県では、SANA(5月12日付)によると、ファトフ軍に属す反体制武装集団が、マアッラトミスリーン市の拠点からカファルヤー町を砲撃し、1人が負傷した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、5月11日に7件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はアレッポ県(アレッポ市ザフラー地区)、ダマスカス郊外県(マイダアー町、アルバイン市、ザブディーン村、ハラスター市)、ダマスカス県(ジャウバル区)で発生し、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍が砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は524件。

AFP, May 12, 2016、AP, May 12, 2016、ARA News, May 12, 2016、Champress, May 12, 2016、al-Hayat, May 13, 2016、Iraqi News, May 12, 2016、Kull-na Shuraka’, May 12, 2016、al-Mada Press, May 12, 2016、Naharnet, May 12, 2016、NNA, May 12, 2016、Reuters, May 12, 2016、SANA, May 12, 2016、UPI, May 12, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がヒムス県、ダイル・ザウル県でダーイシュの拠点を爆撃(2016年5月12日)

ヒムス県では、SANA(5月12日付)によると、シリア軍が西ヒブラ村、ウンム・リーシュ村、ジャズル油田北東部一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシュハイル村を空爆し、子供1人を含む住民7人が死亡した。

AFP, May 12, 2016、AP, May 12, 2016、ARA News, May 12, 2016、Champress, May 12, 2016、al-Hayat, May 13, 2016、Iraqi News, May 12, 2016、Kull-na Shuraka’, May 12, 2016、al-Mada Press, May 12, 2016、Naharnet, May 12, 2016、NNA, May 12, 2016、Reuters, May 12, 2016、SANA, May 12, 2016、UPI, May 12, 2016などをもとに作成。

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ダルアー県で、ダーイシュに忠誠を誓う武装集団が、アル=カーイダ系のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、自由シリア軍南部戦線の連合組織と交戦(2016年5月12日)

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(5月12日付)によると、県西部でダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団と、自由シリア軍南部戦線と南部ファトフ軍(シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動)からなる武装集団が交戦し、住民5人が巻き添えとなって死亡した。

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アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(5月12日付)によると、ハワール・キリス作戦司令室がダーイシュ(イスラーム国)との交戦の末、ヤフムール村を制圧した。

しかし、ARA News(5月12日付)によると、ダーイシュはハワール・キリス作戦司令室との戦闘の末にヤフムール村、ジャーズィル村を奪還した。

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ハサカ県では、ARA News(5月12日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がシャッダーディー市南部郊外でダーイシュ(イスラーム国)と戦闘し、カシュカシュ村を制圧した。

AFP, May 12, 2016、AP, May 12, 2016、ARA News, May 12, 2016、Champress, May 12, 2016、al-Hayat, May 13, 2016、Iraqi News, May 12, 2016、Kull-na Shuraka’, May 12, 2016、al-Mada Press, May 12, 2016、Naharnet, May 12, 2016、NNA, May 12, 2016、Reuters, May 12, 2016、SANA, May 12, 2016、UPI, May 12, 2016などをもとに作成。

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国連安保理は報道声明で「ダーイシュ、ヌスラ、そしてその他のアル=カーイダとつながりのある組織」の暴力を非難(2016年5月12日)

国連安保理は報道声明(SC/12360)を出し、シリア国内での戦闘に関して、国連安保理決議第2268号に違反していると非難、米・ロシアによる敵対行為停止合意(2月27日)の遵守、とりわけ民間人への無差別攻撃の停止、人道支援にかかる一連の決議の遵守を求めた。

声明ではまた、ISSG(国際シリア支援グループ)による紛争解決に向けた取り組みを高く評価するとともに、「ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、そしてその他のアル=カーイダとつながりのある個人、グループ、組織」による暴力を厳しく非難し、加盟国に対して、「テロとの戦い」に向けたあらゆる措置を講じるよう改めて確認した。

そのうえで、シリア人どうしの対話に基づく紛争の政治解決を定めた国連安保理決議第2254号の即時完全履行を求めた。

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リヤド最高交渉委員会の委員長を務めるリヤード・ヒジャーブ元首相はAFP(5月12日付)の取材に応じ、そのなかで、「反体制派」を支援する欧米諸国に「言葉でなく行動」をもって支援するよう主張、具体的にはシリア軍、ロシア軍の空爆に対抗するための対空兵器を供与するよう求めた。

AFP, May 12, 2016、AP, May 12, 2016、ARA News, May 12, 2016、Champress, May 12, 2016、al-Hayat, May 13, 2016、Iraqi News, May 12, 2016、Kull-na Shuraka’, May 12, 2016、al-Mada Press, May 12, 2016、Naharnet, May 12, 2016、NNA, May 12, 2016、Reuters, May 12, 2016、SANA, May 12, 2016、UPI, May 12, 2016などをもとに作成。

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