米軍主導の有志連合はYPG主体のシリア民主軍が「北ラッカ解放作戦」を実施するラッカ県北部で爆撃を実施せず、マンビジュ市(アレッポ県)近郊などを爆撃(2016年5月29日)

米中央軍(CENTCOM)は、5月29日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は5回で、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(4回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, May 30, 2016などをもとに作成。

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「無所属活動家」を称する人物がヌスラ戦線に拉致されているとされる安田純平氏の画像をFacbookで公開(2016年5月29日)

「無所属活動家」を称するターリク・アブー・ムハンマド・アブドゥルハックを名乗る人物は29日、Facebookの自身のアカウント(https://www.facebook.com/tarikcham?fref=ts)を通じて、2015年6月にシリア北部で消息を絶った安田純平氏の画像を公開した。

アブドゥルハック氏のFacebookアカウントの自己紹介欄には「トルコとシリアでジャーナリストや通信社とのフィクサー(فيكسر)として働いています」と書かれ、トルコの国番号で始まる携帯電話番号が付記されている。

また同自己紹介欄によると、「殉教者ワリード・シャアバーン高等学校に在学していました」、「シリア、イドリブ県、ジスル・シュグール市在住」、「既婚」、「シリア、イドリブ県、ジスル・シュグール市出身」とある。

アカウントのバナーには「人民革命」と書かれ、その背景には、干上がった失地と思われる写真と「シリア革命旗」(委任統治時代のシリア国旗)を掲げる少年の写真が使用されている。

アブドゥルハック氏3月半ばにも安田氏の動画を公開している。

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今回公開された画像には、オレンジ色の囚人服を身につけた安田氏が、「助けて ください」「これが最後のチャンスです」「安田純平」と書かれた紙を持ち、白い壁を背景に写っている。

3月に公開された画像と同様、メッセージ自体には、安田氏を拉致しているとされるヌスラ戦線からの要求は明示されていない。

だが、シャームの民のヌスラ戦線に近い消息筋(アブドゥルハック氏と思われる)は、ARA News(5月30日付)に対して、「ヌスラ戦線は拘束中の日本人ジャーナリスト安田純平氏を、近く予定されている捕虜交換でダーイシュ(イスラーム国)に引き渡す意思がある」と語っている。

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一方、アーン・チャンネル(5月30日付)は、アブドゥルハック氏の話として、「ヌスラ戦線が要求している身代金額は100万米ドルで、画像公開日から30日間の猶予を与え、もしこの要求に応じなければ、安田氏を捕虜交換でダーイシュに引き渡すことになる」と伝えた。

AFP, May 30, 2016、Akhbar al-An, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。

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イドリブ県ビンニシュ市でジハード主義武装集団に対して何者かが自爆攻撃(2016年5月29日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(5月30日付)によると、ビンニシュ市で2回にわたり自爆攻撃による爆発が発生、またその前後に銃撃戦も起こり、ファールーク大隊(ジハード主義武装集団)の戦闘員5人が死亡、13人以上が負傷した。

爆発と銃撃戦は、武装集団がファールーク大隊の拠点を襲撃したものだという。

AFP, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。

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イスラーム軍のアッルーシュ氏はリヤド交渉最高委員会の最高責任者を辞任、また交渉団団長を務めるズウビー氏も辞任か(2016年5月29日)

リヤド最高交渉委員会の交渉責任者を務めるイスラーム軍のムハンマド・アッルーシュ氏はツイッターの自身のアカウントを通じて声明(30日付)を出し、交渉責任者を辞任すると発表した。

シリア軍による攻撃の継続、人道支援物資搬入や包囲解除など人道問題にかかわる措置を国際社会が履行しないことが辞任の理由。

Kull-na Shuraka', May 29, 2016
Kull-na Shuraka’, May 29, 2016

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また、ARA News(5月29日付)によるは、リヤド最高交渉委員会に近い複数の消息筋の話として、アッルーシュ氏に加えて、交渉代表団の団長を務めていたアスアド・ズウビー准将(前シリア軍事高等アカデミー空軍学科長)が団長を辞任したと伝えた。

AFP, May 29, 2016、AP, May 29, 2016、ARA News, May 29, 2016、Champress, May 29, 2016、al-Hayat, May 30, 2016、Iraqi News, May 29, 2016、Kull-na Shuraka’, May 29, 2016、al-Mada Press, May 29, 2016、Naharnet, May 29, 2016、NNA, May 29, 2016、Reuters, May 29, 2016、SANA, May 29, 2016、UPI, May 29, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県、ハマー県、イドリブ県などでシリア軍による反体制派への爆撃続く(2016年5月29日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がアレッポ市カースティール地区一帯を空爆した。

また、ARA News(5月29日付)によると、シリア軍戦闘機がタッル・ダマーン村を空爆し、住民数十人が死傷した。

一方、SANA(5月29日付)によると、アレッポ市ラームーサ地区、アドゥニース地区、ブスターン・ザフラ地区を反体制武装集団が迫撃砲で攻撃し、5人が死亡、21人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がラターミナ町を空爆した。

また、クッルナー・シュラカー(5月30日付)によると、シリア軍がアクラブ町突入を試み、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団と交戦した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がサラーキブ市東部一帯、アリーハー市を空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がザアフラーナ村、ガルナータ村を空爆、シリア軍がヒムス市ワアル地区を砲撃した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機およびヘリコプター(所属明示せず)がダイル・ハビーヤ村、ハーン・シャイフ・キャンプ農村地帯を12回以上にわたり空爆、またシリア軍がザーキヤ町・ハーン・シャイフ・キャンプ間の街道を砲撃した。

ARA News(5月29日付)によると、この攻撃でシリア軍は同街道の一部の封鎖解除に成功したという。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(5月29日付)によると、南部戦線がハーッラ市に、巨大な「シリア革命旗」(委任統治領シリアの国旗)を掲揚したが、その数分後、シリア軍がこれを砲撃した。

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ハマー県では、SANA(5月29日付)によると、シリア軍がバッザーム丘、フワイル丘、ムーラク市東部一帯でシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍と交戦し、戦闘員35人を殲滅、車輌、ロケット砲発車台などを破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(5月29日付)によると、ロシア軍の人道支援チームがハーン・アルナバ市の住民に人道支援物資を配給した。

AFP, May 29, 2016、AP, May 29, 2016、ARA News, May 29, 2016、Champress, May 29, 2016、al-Hayat, May 30, 2016、Iraqi News, May 29, 2016、Kull-na Shuraka’, May 29, 2016、May 30, 2016、al-Mada Press, May 29, 2016、Naharnet, May 29, 2016、NNA, May 29, 2016、Reuters, May 29, 2016、SANA, May 29, 2016、UPI, May 29, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県北西部でのダーイシュとハワール・キリス作戦司令室の戦闘を受け、住民多数が避難するなか、反体制派の拠点都市アアザーズ市のシャリーア法廷は、難民受け入れ停止の布告を発令(2016年5月29日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、北西部のトルコ国境に近い反体制派の拠点の一つマーリア市および同市一帯(カフルカルビーン村近郊、バラーギーダ村一帯)では、マーリア市突入をめざすダーイシュと反体制武装集団が激しく交戦、ダーイシュ戦闘員47人、反体制武装集団戦闘員61人、民間人29人が死亡した。

またAP(5月29日付)は、地元調整諸委員会の情報として、反体制武装集団がダーイシュとの戦闘の末にカフルシューシュ村、バラーギーダ村を奪還したと伝えた。

一方、シリア人権監視団によると、マーリア市の住民6,000人以上がダーイシュ(イスラーム国)による攻撃を受け、同地の西側に位置する西クルディスタン移行期民政局支配地域に避難した。

同監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、住民はこの地域を経て西クルディスタン移行期民政局の拠点都市でアフリーン市とタッル・リフアト市方面に向かったという。

また、『ハヤート』(5月30日付)は、ヌスラ戦線と「穏健な反体制派」の拠点都市のアアザーズ市方面、そしてトルコ国境方面にも数千人が避難していると伝えた。

しかし、ARA News(5月29日付)によると、アアザーズ市のシャリーア法廷は、マーリア市方面からの避難民受け入れを停止するとの布告と発表した。

Kull-na Shuraka', May 29, 2016
Kull-na Shuraka’, May 29, 2016

なおAFP(5月29日付)によると、ダーイシュはマーリア市で唯一稼働していたフッリーヤ病院を27日、10時間にわたり包囲し、医療スタッフ2人が負傷、残されたスタッフは停電下での手術を余儀なくされたという。

AFP, May 29, 2016、AP, May 29, 2016、ARA News, May 29, 2016、Champress, May 29, 2016、al-Hayat, May 30, 2016、Iraqi News, May 29, 2016、Kull-na Shuraka’, May 29, 2016、al-Mada Press, May 29, 2016、Naharnet, May 29, 2016、NNA, May 29, 2016、Reuters, May 29, 2016、SANA, May 29, 2016、UPI, May 29, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はヒムス県、ダイル・ザウル県でダーイシュとの戦闘を続ける(2016年5月29日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーイル油田一帯、マザール山一帯、柑橘園一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(5月29日付)によると、シリア軍がスフナ市およびその東部、タイバ村、ウンク・ハワー村、アブー・ハワーディード村、ラッフーム村、バールーダ地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市で交戦し、シリア軍少佐が死亡した。

一方、SANA(5月29日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地一帯、サルダ山一帯、ダイル・ザウル市南西部パノラマ交差点一帯を空爆、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, May 29, 2016、AP, May 29, 2016、ARA News, May 29, 2016、Champress, May 29, 2016、al-Hayat, May 30, 2016、Iraqi News, May 29, 2016、Kull-na Shuraka’, May 29, 2016、al-Mada Press, May 29, 2016、Naharnet, May 29, 2016、NNA, May 29, 2016、Reuters, May 29, 2016、SANA, May 29, 2016、UPI, May 29, 2016などをもとに作成。

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