ハマー中央刑務所で収監者がシリア政府代表とデモ終了などで合意するなか、ハマー県サムラー村で「国民和解」(2016年5月8日)

ハマー県では、ARA News(5月9日付)によると、ハマー中央刑務所の収監者約800人が続けてきた抗議の座り込みに関して、シリア政府(内務大臣、法務大臣)の代表者と収監者の代表者は交渉の末、座り込みの終了、食糧・医薬品の搬入、電気、水道の再開、サイドナーヤー刑務所に収監中の政治犯らの釈放などを合意した。

一方、SANA(5月8日付)によると、サムラー村(ハマー郡スーラーン区)でシリア政府の支配を逃れてきた地元住民がハマー県当局者と「国民和解」に合意した。

この合意は、サムラー村内で活動してきた武装集団が関係当局に武器を引き渡すこと、シリア政府の支配のもとに村の防衛と「テロとの戦い」を行うこと、そしてシリア政府当局は村に食糧などの支援物資を配給することが定められているという。

調印式には、ハマー県のガッサーン・ハラフ県知事、バアス党ハマー支部指導部のムスタファー・スッカリー書記長らが出席した。

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ヒムス県では、SANA(5月8日付)によると、地元和解プロセスの一環として、ハスヤー町で反体制活動を行っていたとされる民間セクター就業者210人が当局に投降、殺人罪などの重犯罪を犯していないことが確認され、放免された。

AFP, May 8, 2016、AP, May 8, 2016、ARA News, May 8, 2016、Champress, May 8, 2016、al-Hayat, May 9, 2016、Iraqi News, May 8, 2016、Kull-na Shuraka’, May 8, 2016、al-Mada Press, May 8, 2016、Naharnet, May 8, 2016、NNA, May 8, 2016、Reuters, May 8, 2016、SANA, May 8, 2016、UPI, May 8, 2016などをもとに作成。

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アル=カーイダの指導者ザワーヒリー氏はヌスラ戦線のアル=カーイダからの離反に疑義を呈しつつ、シリアの反体制派との統合を主唱(2016年5月8日)

アル=カーイダの指導者アイマン・ザワーヒリー氏によると思われる音声声明(http://www.dailymotion.com/video/x496xuo_infirw-mp4_news)がインターネット上で公開された。

音声声明は「シャームのために駆けつけよ」と題され、ザワーヒリー氏と思われる男性が約9分にわたり演説行っている。

演説のなかでザワーヒリー氏と思われる男性は、「アラブの春」に伴う各国の政治変動のなかで革命としてのイメージを唯一持っているのがシャームにおける革命だとしたうえで、それが「正しい方法、すなわちシャリーアとその裁定を確立するための布教とジハードを行うという道をとった」と高く評価した。

また声明のなかで、男性はダーイシュ(イスラーム国)とその指導者のアブー・バクル・バグダーディー氏を厳しく非難、シャームで戦うムジャーヒディーンを支援するためにシャームに駆けつけるよう、イスラーム教徒たちに呼びかけた。

一方、シャームの民のヌスラ戦線については、シャームにおけるイスラーム教徒の直接支配ではなく、現地の人々が自身の指導者(イマーム)を選出することを望んでいると指摘、「我々はヌスラ戦線に何度も繰り返し言ってきた。シャームの民、そしてその中心にいる勇敢のムジャーフディーンたちがイスラーム教徒の政府を樹立するのなら、彼らにイマームを選出させよ、と。彼らが選ぶことこそが我々の選択だ」と述べた。

またカタールなどが試みているヌスラ戦線のアル=カーイダからの脱退については次のように述べた。

「ヌスラ戦線がアル=カーイダから分離すれば、大罪を犯す者どもは満足するだろうか? 彼らはヌスラ戦線に殺戮を続ける犯罪者どもと同席することを強いるだろうか? ヌスラ戦線に屈辱と侮蔑の合意を受け入れるよう強いるだろうか? 腐敗と従属の政府に服するよう強いるだろうか? 腐りきった民主主義のゲームに参加するよう強いるだろうか? そして最後には、アルジェリアのFIS、エジプトのムスリム同胞団がそうだったように、ヌスラ戦線を投獄するだろうか…? 今日の我々の義務とは…救済のために駆けつけることであり、シャームのムジャーヒディーン統合に努め、世俗的ヌサイリー体制とサファヴィー朝のラワーフィドどもの支援者、ロシアと西洋十字軍の同盟者どもから、全世界のムジャーヒディーン同胞を解放することだ。統合という問題は死活問題なのだ」と述べた。

AFP, May 8, 2016、AP, May 8, 2016、ARA News, May 8, 2016、Champress, May 8, 2016、al-Hayat, May 9, 2016、Iraqi News, May 8, 2016、Kull-na Shuraka’, May 8, 2016、al-Mada Press, May 8, 2016、Naharnet, May 8, 2016、NNA, May 8, 2016、Reuters, May 8, 2016、SANA, May 8, 2016、UPI, May 8, 2016などをもとに作成。

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イスラーム軍とラフマーン軍などが戦闘を続けるなか、シリア軍はダマスカス郊外県西部一帯に投降を呼びかけるビラを散布(2016年5月8日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、マディーラー市、ミスラーバー市一帯でラフマーン軍、フスタート軍などからなる武装集団とイスラーム軍が戦闘を続けるなか、シリア軍ヘリコプターが県西部一帯にビラを散布し、反体制武装集団に投降を呼びかけた。

ビラには「彼らはあなたたちに武器を送り、あなたたちの家族、息子、兄弟を殺すために、あなたたちの思考を弄び、あなたたちの運命を決めようとしている。誰のために武器を手にしているのですか? なぜですか? 彼らの目的を達成するための燃料になってはいけない。あなただけが敗者になってしまう。武器を棄て、家族のもとにもどることを呼びかけます」などと書かれているという。

一方、戦闘機(所属明示せず)はバイト・ジン村一帯を空爆、またシリア軍はダイル・ハビーヤ村一帯、ザマルカー町一帯を砲撃した。

さらにハラスター市近郊の国際幹線道路一帯では、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。

ARA News(5月8日付)によると、イスラーム軍とラフマーン軍などからなる武装集団との戦闘に乗じるかたちでシリア軍はザブディーン村内の複数カ所を制圧したという。

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シリア軍がダイル・ザウル県、ヒムス県、ハマー県のダーイシュ拠点を爆撃(2016年5月8日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダイル・ザウル市工業地区、フワイジャト・サクル、ジャフラ村、ヒシャーム村近郊のCONOCOガス工場などのダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆する一方、ダイル・ザウル市郊外の第137連隊基地近くに航空機(所属明示せず)が人道支援物資を投下した。

しかし、ダイル・ザウル市でのダーイシュとの戦闘では、シリア軍の准将が死亡したという。

一方、SANA(5月8日付)によると、シリア軍がカサーラート村、マリーイーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がジャズル油田一帯、マフル・ガス採掘所一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、シリア軍戦闘機が同地およびシャーイル石油ガス採掘所一帯を空爆した。

一方、SANA(5月8日付)によると、シリア軍がジャズル油田東部、マフル・ガス採掘所北部および西部、マフル石油配給所西部一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ハマー県では、SANA(5月8日付)によると、ウカイリバート町近郊のワディーヒー採石場でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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アレッポ県、ヒムス県、イドリブ県などで、シリア軍と反体制派の戦闘続く(2016年5月8日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市南部郊外のハーン・トゥーマーン村一帯で、シリア軍、国防隊、外国人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍と交戦、戦闘機(所属明示せず)が同地を空爆した。

一方、SANA(5月8日付)によると、アレッポ市マイダーン地区、ムジャイリーヤ地区、ザフラー協会地区、ラームーサ地区、ダーヒヤト・アサド地区、カルム・ジャバル地区に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、4人が死亡、約20人が負傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がサアン・アスワド村、ガジャル村を砲撃した。

シリア軍はまたヒムス市ワアル地区各所を狙撃した。

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イドリブ県では、ARA News(5月8日付)によると、ファトフ軍はフーア市、カファルヤー町を砲撃した。

一方、シリア軍戦闘機がビンニシュ市を空爆し、女性2人と子供1人が死亡した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュがカーミシュリー市アンタリーヤ地区にある拘置所に拘束中の囚人・逮捕者約90人を釈放した。

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ダルアー県では、SANA(5月8日付)によると、シリア軍がダルアー市アッバースィーヤ地区、ハリーフ丘、シャイフ・フサイン丘一帯でシャームの民のヌスラ戦線、南部タウヒード旅団と交戦した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、5月7日に4件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県、アレッポ県アレッポ市(ザフラー協会地区、ハーリディーヤ地区)で発生、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

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アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線によって拘束されていたスペイン人記者3人が釈放され、マドリード郊外の空軍基地に到着:スペイン政府はヌスラ戦線を支援支援国のトルコとカタールに謝意(2016年5月8日)

スペイン政府は声明を出し、シリア北部のアレッポ市で2015年7月にアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線によって拉致されていたスペイン人記者3人ホセ・マヌエル・ロペス(Jose Manuel Lopez)氏、アントニオ・パンプリエガ(Antonio Pampliega)氏、アンヘル・サストレ(Angel Sastre)氏がトルコ経由で、マドリード郊外の空軍基地に到着した、と発表した。

スペイン政府はまた声明で、3人の釈放が「多くの職員の努力と同盟諸国、友好諸国、とりわけ(交渉の)最終段階におけるトルコとカタールの協力のおかげ」だと付言した。

3人の釈放に際して、スペイン政府が身代金を支払ったかどうかは不明。

シリア人権監視団によると、3人は2015年7月13日に、反体制武装集団の支配下にあるアレッポ市マアーディー地区で目撃されたのを最後に消息を絶っていた。

その後2015年7月21日、3人が拉致されたことが報じられたが、家族らは3人の身の安全を確保するために報道を制限するよう要請していたという。

なお、スペインの日刊紙『エル・ムンド』(5月8日付)は、3人が拘束中に、2015年6月末からシリアで行方不明となっている日本人の安田純平氏と一緒にいたことを明らかにしたと伝えた。

安田氏は、3人を拘束していたグループ、ないしはこのグループと関係のあるブループに拉致されていると見られ、2016年3月にその映像が公開されている。

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シリア国内で米ドル高が進み、闇レートで1米ドル=625シリア・ポンドに(2016年5月8日)

『ハヤート』(5月9日付)などによると、シリア国内で米ドル高が進み、闇レートで1米ドル=625シリア・ポンドと初めて600ポンド台となった。

シリア商業銀行の公定レートは1ドル=512ポンド。

2011年に「アラブの春」が波及する以前の公定レートは1ドル=48ポンド前後で推移していたが、2016年初めには1ドル=290ポンドにまでドル高が進み、闇レートでは1ドル=390ポンドに達していたという。

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