米中央軍(CENTCOM)は、5月14日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して16回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は5回で、シャッダーディー市近郊(2回)、マンビジュ市近郊(4回)、マーリア市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。
CENTCOM, May 15, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(5月14日付)などによると、シリア軍がダーライヤー市に対して攻勢を強め、同地およびその一帯を砲撃、地上部隊が市内に突入した。
シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊はまた、ドゥーマー市南部郊外一帯でジハード主義武装集団と交戦し、同地を地対地ミサイルと思われる砲弾などで砲撃した。
ハーマ町のナイーム・モスク近くで爆弾が爆発し、男性1人が負傷した。
**
アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市南部郊外ハーン・トゥーマーン市一帯で、シリア軍、国防隊、外国人戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍と交戦した。
またアレッポ市では、シリア軍が反体制武装集団の支配下にあるジュッブ・クッバ地区、バーブ・ナイラブ街道一帯などを、反体制武装集団がアアザミーヤ地区、ハムダーニーヤ地区を砲撃し、サラーフッディーン地区での砲撃では女性1人が死亡した。
アレッポ市北部では、ハンダラート・キャンプに近いマダーファ丘一帯にあるシリア軍拠点をジハード主義武装集団が攻撃、対するシリア軍もハンダラート・キャンプ一帯の武装集団拠点を砲撃した。
さらに、ロシア軍と思われる戦闘機がハンダラート・キャンプ一帯、カースティールー街道一帯を15回以上にわたって空爆した。
一方、ARA News(5月14日付)によると、スンナ軍第13大隊などからなる反体制武装集団が前日に引き続き、西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアフリーン市に対して無差別砲撃を行った。
**
ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカッバーニー村一帯、クルド山一帯を「樽爆弾」で空爆した。
**
ヒムス県では、ARA News(5月14日付)によると、シリア軍と思われる戦闘機がタルビーサ市を空爆し1人が死亡した。
**
ハマー県では、SANA(5月14日付)によると、シリア軍がカンタラ村に向けて移動中のシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団に対して特殊作戦を行い、戦闘員を殲滅した。
**
ダルアー県では、SANA(5月14日付)によると、シリア軍がダルアー市マンシヤ地区、難民キャンプ地区一帯でシャームの民のヌスラ戦線、南部タウヒード旅団などからなる反体制武装集団と交戦した。
**
ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、5月13日に6件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。
停戦違反はアレッポ県、ダマスカス郊外県で発生し、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍が砲撃を行ったという。
米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は538件。
AFP, May 14, 2016、AP, May 14, 2016、ARA News, May 14, 2016、Champress, May 14, 2016、al-Hayat, May 15, 2016、Iraqi News, May 14, 2016、Kull-na Shuraka’, May 14, 2016、al-Mada Press, May 14, 2016、Naharnet, May 14, 2016、NNA, May 14, 2016、Reuters, May 14, 2016、SANA, May 14, 2016、UPI, May 14, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ハワール・キリス作戦司令室が県北西部のトルコ国境に近いジャーズィル村、そしてヤフムール村をダーイシュ(イスラーム国)から奪還した。
戦闘では、トルコ軍と思われる戦闘ヘリコプターが領空侵犯し、ダーイシュ拠点を攻撃したという。
ARA News(5月14日付)によると、トルコ軍はまた、アアザーズ市東部一帯を越境砲撃した。
**
ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ミスラーバー市でイスラーム軍が、ラフマーン軍団、フスタート軍などからなる武装集団と交戦した。
**
ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サフム・ジャウラーン・ダム一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団が、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、自由シリア軍南部戦線などからなる武装集団と交戦した。
AFP, May 14, 2016、AP, May 14, 2016、ARA News, May 14, 2016、Champress, May 14, 2016、al-Hayat, May 15, 2016、Iraqi News, May 14, 2016、Kull-na Shuraka’, May 14, 2016、al-Mada Press, May 14, 2016、Naharnet, May 14, 2016、NNA, May 14, 2016、Reuters, May 14, 2016、SANA, May 14, 2016、UPI, May 14, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団、クッルナー・シュラカー(5月14日付)などによると、ダイル・ザウル市南西部(パノラマ交差点近く)のアサド大学付属病院一帯にダーイシュ(イスラーム国)が潜入し、シリア軍との激しい戦闘の末に同地を制圧した。
この戦闘で、シリア軍兵士少なくとも20人、ダーイシュ戦闘員6人が死亡した。
ダーイシュはまた、アサド大学付属病院の医療スタッフと国防隊隊員多数はダーイシュによって拘束され、消息は今のところ不明だという。
ダーイシュとシリア軍はこれに先立ち、ブガイリーヤ村一帯、ダイル・ザウル航空基地一帯(第137連隊基地など)で早朝から交戦、この戦闘がアサド大学付属病院一帯に拡大し、同病院を包囲していたダーイシュがこれを制圧したかたちとなった。
ダーイシュはこのほかにも、ティーム油田一帯で攻勢を強め、シリア軍と交戦、これに対してシリア軍は、同地一帯、ダイル・ザウル航空基地一帯のダーイシュ拠点に対して空爆を行った。
ダーイシュはさらに、ダイル・ザウル市労働者住宅地区(タフトゥーフ地区)で、爆弾を積んだ車でシリア軍拠点に対して自爆攻撃を行い、シリア軍兵士24人が死亡したという。
自爆攻撃を行ったのは「アブー・スハイブ・ルブナーニー」を名乗るレバノン人戦闘員。
ダーイシュは12日にも、ダイル・ザウル市労働者住宅地区、ブガイリーヤ村工業地区を攻撃していた。
なお、アアマーク通信によると、パノラマ検問所、ユーフラテス大学文学部、大学寮、消火施設、穀物サイロ、自動車運転学校、SADCOPガソリン・スタンド、サルダ山のシリア軍拠点複数カ所を制圧したと発表した。
また、ダイル・ザウル市ラシュディー地区の戦闘では、ダーイシュの司令官の一人ムスタファー・ハダーウィー氏(シリア人)が戦死したという。

**
ハサカ県では、SANA(5月14日付)によると、カーミシュリー市中心街のハラーリーヤ交差点で、爆弾を積んだ自動車が自爆し、5人が死亡、多数が重軽傷を負った。
AFP, May 14, 2016、AP, May 14, 2016、ARA News, May 14, 2016、Champress, May 14, 2016、al-Hayat, May 15, 2016、Iraqi News, May 14, 2016、Kull-na Shuraka’, May 14, 2016、al-Mada Press, May 14, 2016、Naharnet, May 14, 2016、NNA, May 14, 2016、Reuters, May 14, 2016、SANA, May 14, 2016、UPI, May 14, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ヒズブッラーは声明を出し、ダマスカス郊外県のダマスカス国際空港近郊の拠点でのムスタファー・バドルッディーン氏の爆殺に関して、「タクフィール主義者が行った砲撃」によって死亡したことが調査結果から判明したと発表した。
バドルッディーン氏の爆殺をめぐっては、イスラエル軍が空爆によって暗殺したなどといった噂が流れていた。

ナハールネット(5月14日付)などが伝えた。
AFP, May 14, 2016、AP, May 14, 2016、ARA News, May 14, 2016、Champress, May 14, 2016、al-Hayat, May 15, 2016、Iraqi News, May 14, 2016、Kull-na Shuraka’, May 14, 2016、al-Mada Press, May 14, 2016、Naharnet, May 14, 2016、NNA, May 14, 2016、Reuters, May 14, 2016、SANA, May 14, 2016、UPI, May 14, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.