米中央軍(CENTCOM)は、5月30日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は11回で、ラッカ市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(9回)、ワフスィーヤ村近郊(1回)に対して攻撃が行われた。
CENTCOM, May 31, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
英国を拠点にシリアでの紛争の被害に関する情報を収集するシリア人権監視団は、ロシア軍がシリア領内での空爆を開始した2015年9月30日から2016年5月30日までの8ヶ月の間で空爆による死者数が6,340人を記録したと発表した。
同監視団によると、死者6,340人のうち、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーは2,270人、シャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党を含む反体制武装集団のシリア人および外国人戦闘員は1,971人、民間人は2,099人(18歳未満の子供500人、18歳以上の女性318人、18歳以上の男性1,281人)だという。
AFP, May 31, 2016、AP, May 31, 2016、ARA News, May 31, 2016、Champress, May 31, 2016、al-Hayat, June 1, 2016、Iraqi News, May 31, 2016、Kull-na Shuraka’, May 31, 2016、al-Mada Press, May 31, 2016、Naharnet, May 31, 2016、NNA, May 31, 2016、Reuters, May 31, 2016、SANA, May 31, 2016、UPI, May 31, 2016などをもとに作成。
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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(5月30日付)によると、ロシア軍戦闘機がイドリブ市を15回以上にわたり空爆し、20人が死傷、イドリブ国立病院の建物が被害を受けた(シリア人権監視団によると、ロシア軍の空爆によるイドリブ市空爆での死者は23人、負傷者は数十人、トルコ外務省によると民間人60人が死亡)。
ARA News(5月30日付)によると、イドリブ市への空爆はシャームの民のヌスラ戦線の拠点とされる施設に対するものだという。
また、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がマストゥーマ村を空爆した。
一方、SANA(5月30日付)によると、フーア市を反体制武装集団が迫撃砲で攻撃し、子供1人が死亡、複数人が負傷した。
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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミヤー(5月30日付)によると、シリア軍戦闘機がアレッポ市内東部の反体制武装集団支配地域を「樽爆弾」で空爆し、住民数十人が死傷した。
またシリア軍はアレッポ市カッラーサ地区、サールーフ地区、旧市街、ハイダリーヤ地区などを砲撃し、住民13人が死亡したという。
この空爆・砲撃と合わせて、シリア軍はクドス旅団とともにアレッポ市北部のハンダラート・キャンプ一帯に進軍し、反体制武装集団と交戦した。
さらに、ARA News(5月30日付)によると、シリア軍はアレッポ市北西部のマアッラータ村に進軍し、反体制武装集団と交戦、アレッポ市南部郊外のハーン・トゥーマーン市一帯でもファトフ軍と交戦した。
した。
一方、SANA(5月30日付)によると、アレッポ市ラームーサ地区、ハムダーニーヤ地区、スィルヤーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、2人が死亡、20人が負傷した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、マルジュ・スルターン村一帯をシリア軍が砲撃し、看護師1人が死亡した。
また戦闘機(所属明示せず)がサラーム高速道路一帯(ハーン・シャイフ・キャンプ近郊)を12回にわたって空爆した。
一方、SANA(5月30日付)によると、ハラスター氏郊外の住宅街に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、2人が死亡、2人が負傷した。
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ヒムス県では、ARA News(5月30日付)によると、シリア軍戦闘機・ヘリコプターがガントゥー市、ウンム・シャルシューフ村、ザアフラーナ村、ラスタン市西部農場地帯などを空爆した。
一方、SANA(5月30日付)によると、反体制武装集団がヒムス市サビール地区を砲撃した。
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ハマー県では、SANA(5月30日付)によると、スカイラビーヤ市をシャーム自由人イスラーム運動が砲撃し、スカイラビーヤ国立病院が被弾した。
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クナイトラ県では、SANA(5月30日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線がバアス市を砲撃し、保健局などが被弾した。
AFP, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、June 1, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。
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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミヤー(5月30日付)によると、ロシア軍戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つマンビジュ市を空爆し、住民13人が死亡した。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル航空基地一帯上空を飛行中のシリア軍ヘリコプターが墜落し、乗組員1人が死亡した。
墜落の原因は不明だという。
一方、SANA(5月30日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル南西部一帯、サルダ山一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。
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ヒムス県では、SANA(5月30日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、フワイスィース村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同村を完全制圧した。
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スワイダー県では、SANA(5月30日付)によると、カスル村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃した。
AFP, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。
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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、「北ラッカ解放作戦」実施中のシリア民主軍(西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊主導)がユーフラテス川の南岸に位置するタブカ市およびアサド湖北方に戦線を拡大、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。
またシリア軍との戦闘や有志連合による空爆で死亡したダーイシュ戦闘員の遺体16体と負傷者33人がラッカ市方面に搬送されたという。
遺体のなかには、フランス人司令官と「カリフの幼獣」と称される少年戦闘員24人が含まれていたという。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ユーフラテス川西岸のティシュリーン・ダム一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。
アレッポ県東部を流れるユーフラテス川以西は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン政権が米国との合意に基づき「安全地帯」と位置づけ、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が勢力を拡大することを「レッド・ライン」とみなし、ダーイシュ(イスラーム国)の掃討を阻止している。
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AFP(5月30日付)は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に従軍していた元軍人で40歳代のオーストラリア人が、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で戦死した。
人民防衛隊がフェイスブックを通じた発表したところによると、戦死したのはジミー・ブライト氏。
ブライト氏は25日にシャッダーディー市近郊のマーリハ村での戦闘で死亡したという。
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クッルナー・シュラカー(5月30日付)によると、クルド人活動家が声明を出し、クルド革命家大隊の結成を宣言、シリア政府および民主統一党に対抗すると発表した。
AFP, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区一帯では西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がジハード主義武装集団と交戦、反体制武装集団による迫撃砲攻撃で子供3人を含む9人が死亡、人民防衛隊隊員3人も戦死した。
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アレッポ県では、県北西部のトルコ国境地帯に位置するマーリア市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と戦闘中のシャーム戦線(アブー・ワリード・マーリイー司令官)が、シャイフ・マクスード地区を攻撃している反体制武装集団に攻撃停止を呼びかけ、県北西部のマーリア市方面に転戦するよう呼びかけた。
マーリイー司令官は、シャイフ・マクスード地区に展開するすべての武装集団に対して次のように呼びかけた。
「知恵を駆使し、(シャイフ・マクスード地区での)攻撃で包囲されているマーリア市住民を見殺しにするな。あなたたちがシャイフ・マクスード地区に対して行う攻撃はマーリア市で我々に影響を及ぼす。なぜなら我々は、負傷者をシリア民主軍が掌握する街道を通じて搬送し、我々は我々の家族を彼らの支配地域の街道を通じて脱出させているからだ。彼らは食糧が確保されるよう我々を支援し、我々に届けてくれている。シャイフ・マクスード地区を攻撃する必要などない。停戦を試みよ。なぜなら、マーリアはダーイシュからもっとも激しい攻撃を受けているからだ。シリア民主軍がマーリア西方の街道を封鎖したら、どうなるのか考えよ」。
『ハヤート』(5月31日付)が伝えた。
なお、シャーム戦線は2015年2月にアレッポ県で活動する武装集団が結成した連合組織で、「命じられるままに進め」連合、ムジャーヒディーン軍、イスラーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ヌールッディーン・ザンキー運動、シャームの鷹旅団(シャーム自由人イスラーム運動と完全統合)、アサーラ・ワ・タンミヤ運動、ハズム運動からなる。
AFP, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。
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トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、アレッポ県北西部のトルコ国境地帯でのダーイシュ(イスラーム国)の攻勢に関して記者団に、米国と合同特殊作戦の実施を提案しているが、この作戦は西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊を排除するかたちで行われるべきだと述べた。
チャヴシュオール外務大臣は「本件に関して米国と協議しているのは、早急にマンビジュ一帯を封鎖し…、第2戦線を開くことだ…。彼ら(米国)には特殊部隊があり、我々にも特殊部隊がある…。しかし、我々は言いたい。新たな戦線を開かねばならないが、民主統一党抜きだ」と述べた。
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アレッポ県では、CNN Turk(5月30日付)によると、トルコ軍は県北西部一帯に対して越境砲撃を行い、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員28人を殺害した。
AFP, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、CNN Turk, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。
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ダマスカス郊外県では、ARA News(5月30日付)などによると、反体制武装集団が籠城を続けるムウダミーヤト・シャーム市でシリア政府当局と同市の地元評議会が食糧物資搬入に関する合意を結び、地元評議会がシリア政府より食糧物資60トン以上を購入、「自由警察」の認可のもと、市内に搬入した。
AFP, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。
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