アレッポ市ではシリア軍と反体制派双方の砲撃で、女性、子供を含む9人が死亡、20人以上が負傷(2016年5月17日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(5月17日付)によると、シリア軍がアレッポ市スッカリー地区を砲撃し、女性と子供を含む8人が死亡、15人が負傷した。

一方、SANA(5月17日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団がアレッポ市ハムダーニーヤ地区、シャイフ・マクスード地区を砲撃し、女性1人が死亡、11人が負傷した。

また、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がアレッポ市北部のハンダラート・キャンプ一帯を空爆、ARA News(5月17日付)によると、これに対して、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍がアレッポ市南部郊外のハミーラ村、カラースィー村を攻撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヒルブナフサ村、ザーラ村およびその一帯を空爆、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ヒムス軍団などと交戦、クッルナー・シュラカー(5月17日付)によると、ヌスラ戦線側はザーラ村に近い検問所2カ所を制圧した。

一方、SANA(5月17日付)によると、シリア軍がヒルブナフサ村一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がウンム・シャルシューフ村、ガルナータ村および周辺農村地帯を砲撃した。

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ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月17日付)によると、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団がトルクメン山一帯でシリア軍と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(5月17日付)によると、シリア軍がハーン・シャイフ・キャンプ一帯でシャームの民のヌスラ戦線、ファーティヒーン旅団などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、5月16日に5件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はアレッポ県(1件)、ダマスカス郊外県(4件)で発生し、いずれもシャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍による砲撃だったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は543件。

AFP, May 17, 2016、AP, May 17, 2016、ARA News, May 17, 2016、Champress, May 17, 2016、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2016、al-Hayat, May 18, 2016、Iraqi News, May 17, 2016、Kull-na Shuraka’, May 17, 2016、al-Mada Press, May 17, 2016、Naharnet, May 17, 2016、NNA, May 17, 2016、Reuters, May 17, 2016、SANA, May 17, 2016、UPI, May 17, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はシャーイル油田(ヒムス県)一帯からダーイシュを掃討する一方、ダーイシュはジャズル油田方面に侵攻(2016年5月17日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーイル油田に近いサワーナ町近郊の丘陵地帯に侵攻していたダーイシュ(イスラーム国)を掃討、同地を制圧した。

また、SANA(5月17日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにシャーイル油田西部一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、サワーナ丘制圧した。

一方、SNN(5月17日付)やダーイシュの広報部門アアマーク通信によると、ダーイシュはジャズル油田一帯のシリア軍拠点を攻撃、3カ所を制圧したという。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、航空機(所属明示せず)がダイル・ザウル市南部のシリア軍支配地域にコンテナ26個分の支援物資を投下した。

一方、SANA(5月17日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市工業地区、ダイル・ザウル航空基地西部一帯でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

シリア軍はまた、人民防衛諸集団とともにジャフラ村一帯、ダイル・ザウル市南西部パノラマ交差点一帯でダーイシュと交戦した。

他方、ARA News(5月17日付)は、シリア政府に近い複数の消息筋の話として、シリア軍はタドムル市近郊での戦闘でダーイシュの幹部1人を捕捉したと伝えた。

捕捉されたのはイラク人幹部のアフマド・ムルシド・イラーキーを名乗る人物で、この人物とともにいたチェチェン人、トルコ人、チュニジア人、イラク人の合わせて5人のメンバーは殺害したという。

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アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(5月17日付)によると、ハワール・キリス作戦司令室が県北西部のトルコ国境に近いバッル村をダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末に制圧した。

AFP, May 17, 2016、AP, May 17, 2016、ARA News, May 17, 2016、Champress, May 17, 2016、al-Hayat, May 18, 2016、Iraqi News, May 17, 2016、Kull-na Shuraka’, May 17, 2016、al-Mada Press, May 17, 2016、Naharnet, May 17, 2016、NNA, May 17, 2016、Reuters, May 17, 2016、SANA, May 17, 2016、UPI, May 17, 2016などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県東グータ地方で、イスラーム軍がヌスラ戦線、ラフマーン軍、フスタート軍と交戦(2016年5月17日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(5月17日付)によると、イスラーム軍が、ドゥーマー市近郊のアシュアリー農場にあるフスタート軍の拠点を攻撃、ラフマーン軍、フスタート軍、シャームの民のヌスラ戦線などからなる武装集団と激しく交戦した。


AFP, May 17, 2016、AP, May 17, 2016、ARA News, May 17, 2016、Champress, May 17, 2016、al-Hayat, May 18, 2016、Iraqi News, May 17, 2016、Kull-na Shuraka’, May 17, 2016、al-Mada Press, May 17, 2016、Naharnet, May 17, 2016、NNA, May 17, 2016、Reuters, May 17, 2016、SANA, May 17, 2016、UPI, May 17, 2016などをもとに作成。

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ISSG外相級会合:トルコなどはロシアによる反体制派爆撃を非難する一方、これに異議を唱える国々は、ヌスラ戦線とつながりがある反体制派の解体を要求(2016年5月17日)

ISSG(国際シリア支援グループ)外相級会合がオーストリアの首都ウィーンで開かれ、米、ロシア、サウジアラビア、トルコ、イランなどの外務大臣、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表が出席し、シリア情勢、とりわけ米・ロシアによる敵対行為禁止合意の遵守適用の方途について意見を交わした。

会合後発表された共同声明によると、会合に参加したのは、アラブ連盟、オーストラリア、カナダ、中国、エジプト、EU、フランス、ドイツ、イラン、イラク、イタリア、日本、ヨルダン、レバノン、オランダ、OIC、オマーン、カタール、ロシア、サウジアラビア、スペイン、トルコ、UAE、英国、国連、米国。

うち、オーストラリア、カナダ、日本、スペインが今回の会合から新たにISSGに正式参加した。

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『ハヤート』(5月18日付)が複数の消息筋から得た情報によると、5時間に及ぶ会合では、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣ら一部の参加国が、ロシアが反体制派を空爆していると非難する一方、こうした批判に異議を唱える国々が、ヌスラ戦線とつながりがある反体制派の「解体」を迫り、非難の応酬が行われたという。

また『ハヤート』(5月18日付)によると、会合に参加していたサウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣は、ケリー米国務長官との個別会談後、「アサドは、政治的解決によってであれ、力によってであれ、権力の座から去るだろう」としたうえで、アサドが停戦に応じなければ、別の選択肢を考慮しなければならない」と述べた。

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共同声明によると、参加国は、敵対行為停止の重要性を強調、5月9日の米・ロシアによる敵対行為停止合意遵守に向けた取り組み強化に関する合意に歓迎の意を示すとともに、当事者に合意の完全遵守を求めた。

参加国はまた、あらゆる当事者による無差別攻撃を非難するとともに、シリア政府による兵器の無差別使用を回避しようとする動きを留意、その遵守を求めた。

そのうえで、シリア軍の空爆作戦を「最小化」させようとするロシアの取り組みと、シリア領内への戦闘員、武器、資金の越境阻止に向けた米国の域内諸国への支援強化の取り組みに歓迎の意を示した。

国連安保理がテロ組織に指定するダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線に関しては、物的・財政的支援の阻止を国際社会に呼びかけるとともに、敵対行為禁止合意を遵守する紛争当事者に対して両組織との連携を行わないよう求めることが確認された。

参加国はこのほかにも、シリア政府、ダーイシュ、反体制派による都市の包囲を非難、その解除を求めるとともに、人道支援物資の配給に向けた取り組みを継続することを確認した。

また、紛争解決に向けた政治移行プロセスについては、2016年8月1日を目処に当事者がその枠組みについて合意するようめざすことを確認した。

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なお、『ハヤート』(5月18日付)が複数の消息筋から得た情報によると、この声明は会合開催前にケリー国務長官とラブロフ外務大臣の間で合意されていたという。

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会合後、ジョン・ケリー米国務長官、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣、デミストゥラ国連特別代表は共同記者会見を開き、会合の成果について説明、その後記者との質疑応答が行われた。

そのなかで、ラブロフ外務大臣は「ジョン(・ケリー国務長官)はロシアとイランがアサドを支援すると行ったが、我々はアサドは支援していない。我々は「テロとの戦い」を支援しているのだ。今日、現地で我々はシリア軍以外に実態のある効率的な部隊を見ることはない…。みなが言っているし、認めている。アサド政権は政治プロセスが進まなかった時に深刻化する混乱に比べると、彼ら(欧米諸国)にとってましだ、と」と述べた。

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次回の会合は6月を目処に開催される見込みだが、日程は確定されなかった。

RT, May 17, 2016
RT, May 17, 2016

AFP, May 17, 2016、AP, May 17, 2016、ARA News, May 17, 2016、Champress, May 17, 2016、al-Hayat, May 18, 2016、Iraqi News, May 17, 2016、Kull-na Shuraka’, May 17, 2016、al-Mada Press, May 17, 2016、Naharnet, May 17, 2016、NNA, May 17, 2016、Reuters, May 17, 2016、SANA, May 17, 2016、UPI, May 17, 2016などをもとに作成。

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