米中央軍(CENTCOM)は、5月31日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して33回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は21回で、ラッカ市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(18回)、マーリア市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。
CENTCOM, June 1, 2016などをもとに作成。
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Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
米国防総省のジェフ・デイヴィス報道官は、シリア国内でダーイシュ(イスラーム国)と戦う武装集団を支援する米軍の顧問1人が、ラッカ市北部で「間接的に被弾し、負傷した」と述べた。
負傷した日時、正確な場所は明言しなかった。
「間接的な被弾による負傷」とは、迫撃砲やロケット弾による負傷を指す際に用いられる表現。
デイヴィス報道官はまた、イラク領内(エルビル近郊)でも米軍顧問1人が負傷したことを明らかにした。
AFP(5月31日付)が伝えた。
AFP, June 1, 2016、AP, June 1, 2016、ARA News, June 1, 2016、Champress, June 1, 2016、al-Hayat, June 2, 2016、Iraqi News, June 1, 2016、Kull-na Shuraka’, June 1, 2016、al-Mada Press, June 1, 2016、Naharnet, June 1, 2016、NNA, June 1, 2016、Reuters, June 1, 2016、SANA, June 1, 2016、UPI, June 1, 2016などをもとに作成。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が東グータ地方で進軍を続け、ムハンマディーヤ町、バイト・ナーイム村一帯を砲撃、イスラーム軍などからなるジハード主義武装集団と戦闘の末に、同地の大部分を制圧、同地方の中心部に迫った。
この戦闘を受け、マルジュ・スルターン村一帯などから住民数百世帯が避難した。
東グータ地方ではまた、ダーライヤー市一帯でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦、シリア軍は西グータ地方でもダイル・ハビーヤ村に「樽爆弾」20発以上を投下した。
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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(5月31日付)によると、ロシア軍戦闘機がハーッラ丘を空爆した。
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ハマー県では、クッルナー・シュラカー(5月31日付)によると、ハマー中央刑務所の収監者が28日の暴動で拘束していた刑務所長、ハマー警察署長(アシュラフ・ターハー氏)ら11人を解放した。
これを受け、当局は停止していた電気と水道の施設内への供給を再開していた。
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スワイダー県では、SANA(5月31日付)によると、シリア軍がサアラ航空基地南東部の農場地帯で、シャームの民のヌスラ戦線と交戦した。
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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、5月30日に5件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。
停戦違反はダマスカス郊外県ハラスター市一帯で発生し、イスラーム軍が砲撃を行ったという。
米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は604件。
AFP, May 31, 2016、AP, May 31, 2016、ARA News, May 31, 2016、Champress, May 31, 2016、al-Hayat, June 1, 2016、Iraqi News, May 31, 2016、Kull-na Shuraka’, May 31, 2016、al-Mada Press, May 31, 2016、Naharnet, May 31, 2016、NNA, May 31, 2016、Reuters, May 31, 2016、SANA, May 31, 2016、UPI, May 31, 2016などをもとに作成。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、所属不明の戦闘機がイドリブ市郊外のシャイフ・バフル村にあるシャームの民のヌスラ戦線の主要拠点を空爆し、司令官ら多数が死亡した。
ARA News(5月31日付)によると、空爆を受けたのはシャーム自由人イスラーム運動の教練キャンプ。
また、クッルナー・シュラカー(5月31日付)によると、サラーキブ市とタッル・マルディーフ村を結ぶ街道で爆弾が仕掛けられた車2台が相次いで爆発し、反体制武装集団戦闘員2人を含む3人が死亡した。
ARA News(5月31日付)によると、死亡したのはシャーム自由人イスラーム運動メンバー
このほか同監視団によると、複数の戦闘機(所属明示せず)がサラーキブ市、マアッラトミスリーン市、バーラ村、マアッラト・ヌウマーン市などを空爆した。
また、SANA(5月31日付)によると、反体制武装集団がフーア市を砲撃し、女性1人と女児1人が負傷した。
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アレッポ県では、ARA News(5月31日付)によると、シリア軍戦闘機がアレッポ市郊外のカフルハムラ村やアレッポ市ライラムーン地区に対しても実施され、シャーム自由人イスラーム運動の司令官の一人サルマーン・アフマド・アフラス氏がカフルハムラ村で死亡した。
空爆はまたアレッポ市北部入口(カースティールー街道一帯、ハンダラート・キャンプ一帯)に対しても実施され、住民約10人が死亡、20人以上が負傷した。
一方、アレッポ市南部郊外のアイス村一帯、ICARDA一帯、タッル・ハディーヤ村一帯、カフルナーハー村一帯では、ロシア軍戦闘機がファトフ軍を構成するシャームの民のヌスラ戦線やシャーム自由人イスラーム運動の拠点を空爆した。
他方、SANA(5月31日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団がアレッポ市バーブ・ファラジュ地区、ナイル通り地区、ラームーサ地区を砲撃、狙撃し、7人が死亡、13人が負傷した。
AFP, May 31, 2016、AP, May 31, 2016、ARA News, May 31, 2016、Champress, May 31, 2016、al-Hayat, June 1, 2016、Iraqi News, May 31, 2016、Kull-na Shuraka’, May 31, 2016、al-Mada Press, May 31, 2016、Naharnet, May 31, 2016、NNA, May 31, 2016、Reuters, May 31, 2016、SANA, May 31, 2016、UPI, May 31, 2016などをもとに作成。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフワイスィース村、タドムル市郊外の柑橘農園一帯で進軍を続ける一方、マクサル・ヒサーン村でのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で、国防隊の司令官が死亡した。
一方、SANA(5月31日付)によると、シリア軍がタドムル市東部郊外、ジバーブ・ハマド村一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。
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スワイダー県では、SANA(5月31日付)によると、シリア軍がカスル村南西部でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。
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ハマー県では、SANA(5月31日付)によると、シリア軍がサラミーヤ市郊外のトゥルール・ハムル村一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。
AFP, May 31, 2016、AP, May 31, 2016、ARA News, May 31, 2016、Champress, May 31, 2016、al-Hayat, June 1, 2016、Iraqi News, May 31, 2016、Kull-na Shuraka’, May 31, 2016、al-Mada Press, May 31, 2016、Naharnet, May 31, 2016、NNA, May 31, 2016、Reuters, May 31, 2016、SANA, May 31, 2016、UPI, May 31, 2016などをもとに作成。
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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、「北ラッカ解放作戦」実施中のシリア民主軍(西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊主導)がタブカ市北方でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、米軍主導の有志連合がこれを空爆で支援した。
『ハヤート』(6月1日付)によると、シリア民主軍は「北ラッカ解放作戦」開始以降の1週間でタブカ市一帯の23カ村・農場を制圧したという。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ユーフラテス川西部に面するティシュリーン・ダム一帯で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、2カ村を新たに制圧した。
これに対して、『ハヤート』(6月1日付)によると、ダーイシュの拠点都市であるマンビジュ市では、住民多数が逮捕され、そのなかにはクルド人100人あまりが含まれていたという。
一方、ARA News(5月31日付)によると、有志連合と思われる戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つマンビジュ市にビラを空中散布した。
散布されたビラは、「ダーイシュ・アレッポ州」のロゴが入り、アブー・バクル・スィッディーク大隊の押印がなされた模造の「退去許可証」で、住民に対して退避を求め、空爆実施を予告した。
AFP, May 31, 2016、AP, May 31, 2016、ARA News, May 31, 2016、Champress, May 31, 2016、al-Hayat, June 1, 2016、Iraqi News, May 31, 2016、Kull-na Shuraka’, May 31, 2016、al-Mada Press, May 31, 2016、Naharnet, May 31, 2016、NNA, May 31, 2016、Reuters, May 31, 2016、SANA, May 31, 2016、UPI, May 31, 2016などをもとに作成。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、県北西部のマーリア市郊外のカフルカルビーン村などでジハード主義武装集団を含む反体制武装集団(ハワール・キリス作戦司令室)とダーイシュ(イスラーム国)が激しく交戦した。
AFP, May 31, 2016、AP, May 31, 2016、ARA News, May 31, 2016、Champress, May 31, 2016、al-Hayat, June 1, 2016、Iraqi News, May 31, 2016、Kull-na Shuraka’, May 31, 2016、al-Mada Press, May 31, 2016、Naharnet, May 31, 2016、NNA, May 31, 2016、Reuters, May 31, 2016、SANA, May 31, 2016、UPI, May 31, 2016などをもとに作成。
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ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、30日にロシア軍戦闘機がイドリブ市の国立病院を空爆したとの報道に関してこれを否定、「ロシア軍航空機はイドリブ県でいかなる戦闘行為、空爆も実施しなかった」と発表した。
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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は『コムソモルスカヤ・プラウダ』(5月30日付)のインタビューに応じ、そのなかでシリア情勢に関して、米・ロシアによる敵対行為停止合意の遵守とシャームの民のヌスラ戦線排除を条件に再開を猶予している攻撃に関して、近く猶予を解除し、空爆を再開すると述べた。
ラブロフ外務大臣は、米国が猶予解除の期限を数日延期するよう求めてきたとしたうえで、今週中に期限が終了すると述べた。
ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣は5月20日、ヌスラ戦線を含むテロ組織への一方的空爆を25日から開始することを米国に提案したと発言したが、米国がこれを拒否したのを受け、25日には、ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官が声明を出し、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターがアレッポ県、ダマスカス郊外県などで活動する反体制武装集団に対して米・ロシアによる敵対行為停止合意を遵守し、シャームの民のヌスラ戦線を排除することを条件に空爆を実施しない旨、10度にわたり要請したと発表していた。
SANA(5月31日付)などが伝えた。
AFP, May 31, 2016、AP, May 31, 2016、ARA News, May 31, 2016、Champress, May 31, 2016、al-Hayat, June 1, 2016、Iraqi News, May 31, 2016、Kull-na Shuraka’, May 31, 2016、al-Mada Press, May 31, 2016、Naharnet, May 31, 2016、NNA, May 31, 2016、Reuters, May 31, 2016、SANA, May 31, 2016、UPI, May 31, 2016などをもとに作成。