アレッポ県北部ではトルコ軍の支援を受けたハワール・キリス作戦司令室と、トルコ軍と交戦するYPG主体のシリア民主軍がそれぞれダーイシュに対して攻勢を続ける(2016年9月5日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がマーリア市南部のウンム・フーシュ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、ARA News(9月5日付)によると、トルコ軍の支援を受けた反体制武装集団(ハワール・キリス作戦司令室)がラーイー村近郊のジュッブ・ダム村、ハウジャト・アリー村、バービリー村を新たに制圧した。

AFP, September 5, 2016、AP, September 5, 2016、ARA News, September 5, 2016、Champress, September 5, 2016、al-Hayat, September 6, 2016、Iraqi News, September 5, 2016、Kull-na Shuraka’, September 5, 2016、al-Mada Press, September 5, 2016、Naharnet, September 5, 2016、NNA, September 5, 2016、Reuters, September 5, 2016、SANA, September 5, 2016、UPI, September 5, 2016などをもとに作成。

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ハサカ県の国境近くでトルコ軍とYPGが交戦、トルコ軍兵士1人が死亡(2016年9月5日)

ハサカ県では、『ハヤート』(9月6日付)によると、アブドゥルアズィーズ山近郊で、トルコ軍がシリア領からトルコ領内に越境しようとした住民に発砲、男性1人と女児1人が死亡した。

ARA News(9月5日付)によると、トルコ軍はまたアームーダー市・ダルバースィーヤ市間の国境沿いに設置された西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点に発砲し、1人が負傷した。

これに対して、人民防衛隊がトルコ軍に対して反撃、トルコ軍兵士1人が死亡したという。

AFP, September 5, 2016、AP, September 5, 2016、ARA News, September 5, 2016、Champress, September 5, 2016、al-Hayat, September 6, 2016、Iraqi News, September 5, 2016、Kull-na Shuraka’, September 5, 2016、al-Mada Press, September 5, 2016、Naharnet, September 5, 2016、NNA, September 5, 2016、Reuters, September 5, 2016、SANA, September 5, 2016、UPI, September 5, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はヒムス県中部の戦略的要衝サワーナ丘をダーイシュから奪還(2016年9月5日)

ヒムス県では、ARA News(9月5日付)によると、シリア軍が、タドムル市郊外のシャーイル油田南西部の戦略的要衝サワーナ丘をダーイシュ(イスラーム国)から奪還した。

一方、SANA(9月5日付)によると、シリア軍がマヌーフ村、タルハ村、ラッフーム村、ウンム・サフリージュ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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アレッポ県では、SANA(9月5日付)によると、シリア軍がアレッポ市東部の航空士官学校一帯に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)と交戦、これを撃退した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(9月5日付)によると、シリア軍がジャイルード市無人地帯一帯でダーイシュ(イスラーム孤高)拠点を攻撃した。

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クッルナー・シュラカー(9月5日付)は、イラクの複数の消息筋の話として、ダーイシュ(イスラーム国)が7月に米主導の有志連合の攻撃によって死亡したアブー・ウマル・シーシャーニー氏の後任としてタジク人のグール・ムラード・ハリホフ氏が「戦争大臣」に就任したと伝えた。

AFP, September 5, 2016、AP, September 5, 2016、ARA News, September 5, 2016、Champress, September 5, 2016、al-Hayat, September 6, 2016、Iraqi News, September 5, 2016、Kull-na Shuraka’, September 5, 2016、al-Mada Press, September 5, 2016、Naharnet, September 5, 2016、NNA, September 5, 2016、Reuters, September 5, 2016、SANA, September 5, 2016、UPI, September 5, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市南部郊外ではシリア軍が支配地域を拡大する一方、ファトフ軍がアーミリーヤ村で反攻作戦を開始(2016年9月5日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市南部郊外のウワイナート村、フーバル村、ハーン・アサル村を砲撃、また戦闘機(所属明示せず)がアレッポ市スッカリー地区、アンサーリー地区、ジルス・ハッジ地区、フィルドゥース地区、カフルナーハー村、カフルハムラ村、ジュッブ・ガリース村、ジャズラーヤー村、フライターン市を空爆した。

一方、SANA(9月5日付)によると、アレッポ市南西部郊外の士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、冷蔵庫工場、防空大隊などを制圧、支配地域を拡大した。

これに対し、反体制武装集団がアレッポ市サラーフッディーン地区を砲撃し、5人が死亡、14人が負傷した。

また、クッルナー・シュラカー(9月5日付)によると、ファトフ軍は5日晩、アレッポ市東部の解囲に向け同市南部のアーミリーヤ村でシリア軍に対する反攻作戦を開始した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアルバイーン村、ジャビーン村を「樽爆弾」で空爆する一方、戦闘機(所属明示せず)がラフジャーン村、ハラファーヤー市、ラターミナ町を空爆した。

またシリア軍は、マアルダス村一帯で、ジュンド・アクサー機構などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月5日付)によると、シリア軍が県北西部のジャビーン村、マアルダス村一帯で反体制武装集団と交戦した。

シリア軍はまたバッザーム丘、ナースィリーヤ丘、スーラーン市、タイバト・イマーム市、マアーン村一帯、ハラファーヤー市、ラターミナ町、カウカブ村西部を空爆した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がサラーキブ市一帯、アブー・ズフール町を空爆した。

また、クッルナー・シュラカー(9月5日付)によると、ロシア軍がマアッラト・ヌウマーン市を空爆し、7人が死亡した。

一方、アリーハー市で交戦中のシャーム自由人イスラーム運動とジュンド・アクサー機構は、ファトフ軍代表の仲介により和解した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がシャイフーニーヤ村・ドゥーマー市街道一帯を空爆した。

またシリア軍はドゥーマー市近郊のリーハーン農場でジハード主義武装集団と交戦、同地の複数拠点を奪還した。

このほか、戦闘機(所属明示せず)は東カラムーン地方に対して空爆を実施する一方、シリア軍がバラダー渓谷のイフラ村各所を砲撃した。

また、マダーヤー町郊外の農場では、シリア軍とヒズブッラーが農園の一部に火を放ち、複数の建物を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(9月5日付)によると、反体制武装集団がイズラア市を砲撃し、3人が負傷した。

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クナイトラ県では、SANA(9月5日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、フッリーヤ村・ハミーディーヤ村街道、ハーン・アルナバ市、ハミーディーヤ村、マムティナ村、ウンム・バーティナ村、ムシャイリファ村でシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)と交戦した。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(9月5日付)によると、ロシア軍戦闘機がイブタア町、ダーイル町を空爆、またシリア軍はイブタア町郊外の放棄された大隊基地一帯で反体制武装集団と戦闘を続けた。

一方、SANA(9月5日付)によると、シリア軍がダルアー市ダム街道地区、アッバースィーヤ地区、旧税関地区、ガーリヤート橋一帯で反体制武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、SANA(9月5日付)によると、シリア軍がダイル・フール村南部、タルビーサ市でシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)の拠点を空爆した。

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ヒムス市ワアル地区でも停戦合意に基づき、シリア軍が検問所を開放(2016年9月5日)

ヒムス県では、ARA News(9月5日付)によると、ヒムス市ワアル地区で、シリア軍と反体制武装集団の停戦合意が発効し、シリア軍が検問所を開放し、同地区に取り残されていた学生や就業者らの往来が再開、また野菜やパンを積んだ貨物車輌3台が同地区内に入った。

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ダマスカス郊外県ムウダミーヤト・シャーム市で停戦合意に基づき、反体制武装集団側が退去希望者のリスト作成を開始(2016年9月5日)

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(9月5日付)によると、シリア軍が包囲を続けてきたムウダミーヤト・シャーム市でシリア政府当局と反体制武装集団による停戦合意が成立、反体制武装集団側は、政府との和解を拒否し、シリア北部への移動を望む者のリスト作成の作業を開始した。

SNN(9月5日付)によると、停戦合意の主な内容は以下の通り:

1. ムウダミーヤト・シャーム市からシリア北部への退去を希望する者の氏名の登録開始。
2. 明日(6日)から退去希望者の退去が完了するまでの間、投降および免罪手続きの一端停止。
3. 退去希望者退去後のムウダミーヤト・シャーム市の完全武装解除。
4. 障害者に対する免罪の実施。
5. 就学者の復学。

AFP, September 5, 2016、AP, September 5, 2016、ARA News, September 5, 2016、Champress, September 5, 2016、al-Hayat, September 6, 2016、Iraqi News, September 5, 2016、Kull-na Shuraka’, September 5, 2016、al-Mada Press, September 5, 2016、Naharnet, September 5, 2016、NNA, September 5, 2016、Reuters, September 5, 2016、SANA, September 5, 2016、SNN, September 5, 2016、UPI, September 5, 2016などをもとに作成。

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シリア政府支配下のタルトゥース県、ヒムス県、ダマスカス郊外県とロジャヴァ支配下のハサカ県で5件の爆破テロが発生し、40人が死亡(2016年9月5日)

SANA(9月5日付)などによると、シリア政府支配下のタルトゥース県、ヒムス県、ダマスカス郊外県と、シリア政府と西クルディスタン移行期民政局が分割統治するハサカ県で5件の爆破テロが発生し、40人が死亡した。

タルトゥース県では、タルトゥース市郊外国際幹線道路のアルズーナ橋で自爆ベルトを着用した男性が自爆し、30人が死亡、43人が負傷した。

SANA, September 5, 2016
SANA, September 5, 2016

ヒムス県では、ヒムス市バーブ・タドムル地区入口にある軍検問所近くで、爆弾が仕掛けられた車が自爆し、4人が死亡、10人が負傷した。

SANA, September 5, 2016
SANA, September 5, 2016

ダマスカス郊外県では、ダマスカス県西部のサッブーラ村・バジャーア村街道にある軍検問所近くで、自爆ベルトを着用した男性2人が自爆し、1人が死亡、3人が負傷した。

SANA, September 5, 2016
SANA, September 5, 2016

ハサカ県では、ハサカ市マルシュー交差点にある西クルディスタン移行期民政局アサーイシュの拠点で爆弾が仕掛けられたオートバイが爆発し、5人が死亡、複数が負傷した。

また、カーミシュリー市コルニーシュ通りに設置されたゴミ箱に仕掛けられた爆弾が爆発したが、犠牲者は出なかった。

Kull-na Shuraka', September 5, 2016
Kull-na Shuraka’, September 5, 2016

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タルトゥース県、ヒムス県、ダマスカス郊外県、ハサカ県では発生した5件の連続自爆テロに関して、ダーイシュ(イスラーム国)の戦果を宣伝するアアマーク通信は、ダーイシュが実行したと発表した。image009

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外務在外居住者省は国連事務総長と安保理議長に宛てて書簡を送り、タルトゥース県タルトゥース市郊外、ヒムス県ヒムス市、ダマスカス郊外県(ダマスカス県西部)サッブーラ・ジャバーア街道、ハサカ県ハサカ市で発生した連続自爆テロについて報告、国連安保理に対して、サウジアラビア、トルコ、カタール、フランスといったテロ支援国に対して厳正な制裁措置を科すよう要請した。

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トルコのエルドアン大統領はアレッポ県北部の国境地帯に「安全保障地帯」を設置すると米・ロシアに提案(2016年9月5日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はG20出席のために訪問中の中国の杭州でシリア情勢に関して、アレッポ県北部の国境地帯に「安全保障地帯」を設置するとの意思を改めて表明した。

エルドアン大統領は「我々はこの地域で飛行禁止空域を宣言するために行動している…。これはオバマ大統領とプーチン大統領への私からの提案だ」と述べ、同地からダーイシュ(イスラーム国)と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊を一掃する決意を表明した。

AFP, September 5, 2016、AP, September 5, 2016、ARA News, September 5, 2016、Champress, September 5, 2016、al-Hayat, September 6, 2016、Iraqi News, September 5, 2016、Kull-na Shuraka’, September 5, 2016、al-Mada Press, September 5, 2016、Naharnet, September 5, 2016、NNA, September 5, 2016、Reuters, September 5, 2016、SANA, September 5, 2016、UPI, September 5, 2016などをもとに作成。

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オバマ米大統領とプーチン露大統領、シリア国内で活動する「テロ組織」の定義と人道支援の搬入経路をめぐって合意に達せず(2016年9月5日)

バラク・オバマ米大統領とロシアのヴラジミール・プーチン大統領はG20が開催されている中国の杭州で会談し、シリア情勢への対応について協議した。

90分におよぶ会談で、両首脳は、シリア国内での戦闘停止、アレッポ市への人道支援物資の搬入などについて意見を交わしたが合意には至らなかった。

なお、両国首脳会談に先立って、ジョン・ケリー米国務長官とセルゲイ・ラブロフ外務大臣は4~5日にかけてシリア情勢への対応を数度にわたって協議していた。

『ハヤート』(9月6日付)によると、合意にいたらなかった主因は、「テロ組織」の定義と人道支援物資の搬入経路をめぐる意見の相違だという。

AFP, September 5, 2016、AP, September 5, 2016、ARA News, September 5, 2016、Champress, September 5, 2016、al-Hayat, September 6, 2016、Iraqi News, September 5, 2016、Kull-na Shuraka’, September 5, 2016、al-Mada Press, September 5, 2016、Naharnet, September 5, 2016、NNA, September 5, 2016、Reuters, September 5, 2016、SANA, September 5, 2016、UPI, September 5, 2016などをもとに作成。

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『ハヤート』:米国のアレッポ市停戦案はシャーム・ファトフ戦線(旧ヌスラ戦線)と「反体制派」が混在する地域へのシリア軍の攻撃停止などが骨子(2016年9月5日)

『ハヤート』(9月5日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、米国とロシアとの間で交渉中のアレッポ市での停戦をめぐる米国側の合意文書案を独占入手したと伝え、その画像を公開、内容を明らかにした。

同紙が公開した合意文書案はアラビア語で書かれ、国務省のマイケル・ラトニー・シリア問題担当特使から「シリアの武装集団諸派」に宛てられたもので、その主な内容は以下の通り:

1. シリア政府の支配下にあるアレッポ市北部のカースティールー街道に非武装地帯を設置し、同市北部での戦闘を停止する。
2. 同市北部での戦闘停止から7日を目処に、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)とそのほかの「反体制派」が混在する地域を含む「反体制派」支配地域へのシリア軍の攻撃と同地域力空での飛行停止をロシアが保障する。

なお上記2点が、アレッポ市東部を支配する反体制武装集団が停戦に応じる最低条件だという。

al-Hayat, September 5, 2016
al-Hayat, September 5, 2016
al-Hayat, September 5, 2016
al-Hayat, September 5, 2016

al-Hayat, September 5, 2016をもとに作成。

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