ケリー米国務長官が自身の外交努力を軍が後押ししてくれないと不満を述べる音声データが流出(2016年9月30日)

『ニューヨーク・タイムズ』(9月30日付)は、ジョン・ケリー米国務長官がシリアの市民グループとの懇談で、自身の外交努力を軍が後押ししてくれないことに繰り返し不満を述べる様子を録音した音声データを入手、インターネット(http://www.nytimes.com/interactive/2016/09/30/world/middleeast/john-kerry-syria-audio.html?_r=0)を通じて公開した。

公開された音声データのなかで、ケリー国務長官は「我々は外交努力を行ってきた。それがもどかしいことを私は理解している…。我々ほどもどかしく感じている者はいない…。政権内で武力行使を指示してきた3、4人程度しかおらず、私がこの討議で負けたのを見てきたと思う…。問題は我々と異なりロシアが国際法を気にしていないことにある」などと述べている。

AFP, October 1, 2016、AP, October 1, 2016、ARA News, October 1, 2016、Champress, October 1, 2016、al-Hayat, October 2, 2016、Iraqi News, October 1, 2016、Kull-na Shuraka’, October 1, 2016、al-Mada Press, October 1, 2016、Naharnet, October 1, 2016、The New York Times, September 30, 016、NNA, October 1, 2016、Reuters, October 1, 2016、SANA, October 1, 2016、UPI, October 1, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市東部など反体制派支配地域で「プーチンは戦争犯罪者」と銘打った抗議デモを、ハサカ市で政権支持者が共生を訴えるデモを実施(2016年9月30日)

アレッポ県では、ARA News(9月30日付)によると、シリア軍の包囲を受けるアレッポ市東部や同市郊外の複数カ所で金曜日の集団礼拝後、抗議デモが組織され、ロシア軍の空爆を非難した。

デモが行われたのはマシュハド地区、スッカリー地区、シャッアール地区、インザーラート地区、ダーラト・イッザ市、アアザーズ市などで、デモは「プーチンは戦争犯罪者」と銘打たれて実施された。

Kull-na Shuraka', September 30, 2016
Kull-na Shuraka’, September 30, 2016

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ハサカ県では、SANA(9月30日付)によると、マワッダ慈善協会およびシリアヤマーマ協会がハサカ市中心街で共生を訴えるデモ行進を行った。

SANA, September 30, 2016
SANA, September 30, 2016

 

AFP, September 30, 2016、AP, September 30, 2016、ARA News, September 30, 2016、Champress, September 30, 2016、al-Hayat, October 1, 2016、Iraqi News, September 30, 2016、Kull-na Shuraka’, September 30, 2016、al-Mada Press, September 30, 2016、Naharnet, September 30, 2016、NNA, September 30, 2016、Reuters, September 30, 2016、SANA, September 30, 2016、UPI, September 30, 2016などをもとに作成。

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トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団がラーイー村南西部の複数カ村をダーイシュから奪取(2016年9月30日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(9月30日付)、ARA News(9月30日付)によると、トルコ軍と有志連合の支援を受ける反体制武装集団がラーイー村南西部の西グルール村、ウワイリーン村、ズィヤーディーヤ村および農場地帯、ジャビーン村、アイヤーシャ村を新たに制圧した。

またトルコ軍は、アフタリーン市、トゥルクマーン・バーリフ村一帯を砲撃した。

Kull-na Shuraka', September 30, 2016
Kull-na Shuraka’, September 30, 2016

 

AFP, September 30, 2016、AP, September 30, 2016、ARA News, September 30, 2016、Champress, September 30, 2016、al-Hayat, October 1, 2016、Iraqi News, September 30, 2016、Kull-na Shuraka’, September 30, 2016、al-Mada Press, September 30, 2016、Naharnet, September 30, 2016、NNA, September 30, 2016、Reuters, September 30, 2016、SANA, September 30, 2016、UPI, September 30, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合はダイル・ザウル県の橋3基を破壊、ラッカ市とユーフラテス川左岸の全生活道路を遮断(2016年9月30日)

ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(9月30日付)、SANA(9月30日付)によると、米主導の有志連合がブーカマール市一帯、ダイル・ザウル市郊外を空爆、サーリヒーヤ村のアブドゥッラー・シャイハーン橋(サーリヒーヤ橋)ブサイラ市のブサイラ橋、そしてタリーフ村のタリーフ橋を破壊した。

有志連合は、27日にはマヤーディーン橋を、28日にはアシャーラ橋を破壊、30日の空爆でダイル・ザウル県内のユーフラテス川に架かるすべての主要な橋は破壊され、ユーフラテス川北東側と西岸は完全に分断され、ダーイシュ(イスラーム国)の中心都市であるラッカ市とダイル・ザウル県を結ぶ生活道路はすべて遮断された。

SANA, September 30, 2016
SANA, September 30, 2016

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アレッポ県では、ARA News(10月1日付)によると、マンビジュ市北西部のシャイフ・ナースィル村に対する米主導の有志連合の爆撃で、ダーイシュ(イスラーム国)の司令官(アミール)の一人トゥルキー・ハリール氏が死亡した。

AFP, September 30, 2016、AP, September 30, 2016、ARA News, September 30, 2016、October 1, 2016、Champress, September 30, 2016、al-Hayat, October 1, 2016、Iraqi News, September 30, 2016、Kull-na Shuraka’, September 30, 2016、al-Mada Press, September 30, 2016、Naharnet, September 30, 2016、NNA, September 30, 2016、Reuters, September 30, 2016、SANA, September 30, 2016、UPI, September 30, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ県、ヒムス県、スワイダー県でダーイシュとの戦闘を続ける(2016年9月30日)

アレッポ県では、SANA(9月30日付)によると、シリア軍がアレッポ市東部郊外の航空士官学校一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ヒムス県では、SANA(9月30日付)によると、シリア軍がシャーイル油田一帯、サワーナ丘一帯、フワイスィース村、アーラーク村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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スワイダー県では、SANA(9月30日付)によると、シリア軍がバルド村、カスル村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

AFP, September 30, 2016、AP, September 30, 2016、ARA News, September 30, 2016、Champress, September 30, 2016、al-Hayat, October 1, 2016、Iraqi News, September 30, 2016、Kull-na Shuraka’, September 30, 2016、al-Mada Press, September 30, 2016、Naharnet, September 30, 2016、NNA, September 30, 2016、Reuters, September 30, 2016、SANA, September 30, 2016、UPI, September 30, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ市東部のスライマーン・ハラビー地区に進軍、同市北部郊外のキンディー国立病院一帯を制圧(2016年9月30日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市北東部で進軍を続け、ハンダラート・キャンプに近いキンディー国立病院一帯を制圧した。

同地は2013年末から、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室に所属する反体制武装集団の支配下にあった。

アレッポ市内ではまた、シリア軍と反体制武装集団がスライマーン・ハラビー地区で交戦し、シリア軍が若干進軍した。

シリア軍消息筋がAFP(9月30日付)に明らかにしたところによると、シリア軍は同地区の複数のビル群を制圧、スライマーン・ハラビー給水所に向かって進軍を続けているという。

一方、SANA(9月30日付)によると、シリア軍がアレッポ市内スライマーン・ハラビー地区で反体制武装集団(アレッポ・ファトフ軍作戦司令室)と交戦し、同地区内のすべての建物群を奪還した。

シリア軍はまた、マアーッラト・アルティーク村、カフルハムラ村、アナダーン市で反体制武装集団の拠点および兵站路を空爆した。

これに対して、反体制武装集団はアレッポ市スライマーン・ハラビー地区、マイダーン地区、スライマーニーヤ地区、フルカーン地区を砲撃し、13人が死亡、30人あまりが負傷した。

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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(9月30日付)によると、シリア軍がジスリーン町を砲撃し、8人が死亡した。

シリア軍はまた、クドスィーヤー市、ハーマ町を砲撃した。

一方、ARA News(9月30日付)によると、シリア軍とロシア軍がアルバイン市を空爆した。

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ハマー県では、SANA(9月30日付)によると、シリア軍がアトシャーン村、スカイク村、シュアサ村、トゥライスィーヤ村、カッバーリーヤ村、カウカブ村、ワーディー・アズィーブ村、スーラーン市、マアーン村北部、カッラーフ村一帯でファトフ軍の拠点を空爆した。

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イドリブ県では、SANA(9月30日付)によると、シリア軍がサラーキブ市北部、タマーニア町、ジャルジャナーズ町でシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、ジュンド・アクサー機構の拠点を空爆した。

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ダルアー県では、SANA(9月30日付)によると、シリア軍がダルアー市バドウ地区、カラク地区、西ガーリヤ橋北東部でシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ダマスカス県では、SANA(9月30日付)によると、旧市街のバーブ・トゥーマー地区にイスラーム軍が撃った迫撃砲弾1発が着弾し、3人が負傷した。

AFP, September 30, 2016、AP, September 30, 2016、ARA News, September 30, 2016、Champress, September 30, 2016、al-Hayat, October 1, 2016、Iraqi News, September 30, 2016、Kull-na Shuraka’, September 30, 2016、al-Mada Press, September 30, 2016、Naharnet, September 30, 2016、NNA, September 30, 2016、Reuters, September 30, 2016、SANA, September 30, 2016、UPI, September 30, 2016などをもとに作成。

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ロシア軍による爆撃の死者数は過去1年間死者の総数の15%余り(2016年9月30日)

シリア人権監視団は、ロシア軍がシリア空爆を開始した2015年9月30日から2016年9月30日までの1年間で、ロシア軍の空爆による死者数が確認し得るだけで9,364人にのぼっていると発表した。

死者9,364人のうち、民間人は3,804人(うち18歳未満の子供は906人)、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーは2,746人、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)を含む反体制武装集団メンバーは2,814人。

同監視団はまた、過去1年間でロシア軍の空爆で2万人以上が負傷したと発表、さらに8月末までの11ヶ月間で59の医療センターが破壊されたと付言した。

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一方、世界保健機構(WHO)は、米・ロシアの新停戦合意が反故となった9月19日以降、アレッポ市東部で338人が死亡(うち106人が子供)、846人が負傷(うち261人が子供)したと発表した。

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なお、シリア人権監視団は約1年前の2015年8月6日、「シリア内戦」での死者が24万381人に達したと発表、また約半月前の2016年9月13日、死者数が30万1,781人を記録したと発表しており、約1年間での死者総数(両者の差)は、6万1,400人となる。

すなわち、ロシア軍の空爆による死者数9,364人は、過去1年間での死者総数の約15%にあたる。

ただし、シリア人権監視団はシリア国内での空爆に関して、シリア軍、ロシア軍のいずれによるものかを区別せずに発表しているため、どのようにロシア軍の被害を抽出したのかは不明である。

AFP, September 30, 2016、AP, September 30, 2016、ARA News, September 30, 2016、Champress, September 30, 2016、al-Hayat, October 1, 2016、Iraqi News, September 30, 2016、Kull-na Shuraka’, September 30, 2016、al-Mada Press, September 30, 2016、Naharnet, September 30, 2016、NNA, September 30, 2016、Reuters, September 30, 2016、SANA, September 30, 2016、UPI, September 30, 2016などをもとに作成。

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ロシア大統領府報道官「ロシアのシリア駐留に期限設けず」(2016年9月30日)

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシア軍がシリアでの空爆を開始してから1年が経ったのに合わせて、電話を通じて記者会見を行い、「過去1年間でのシリア国内でのイスラーム過激派へのロシア軍の空爆の主な成果として、ダーイシュ(イスラーム国)も、アル=カーイダも、シャームの民のヌスラ戦線もダマスカスから居なくなった」と自賛、またシリアでのロシアの駐留に期限を設けず、引き続き「テロとの戦い」に取り組むと表明した。

AFP, September 30, 2016、AP, September 30, 2016、ARA News, September 30, 2016、Champress, September 30, 2016、al-Hayat, October 1, 2016、Iraqi News, September 30, 2016、Kull-na Shuraka’, September 30, 2016、al-Mada Press, September 30, 2016、Naharnet, September 30, 2016、NNA, September 30, 2016、Reuters, September 30, 2016、SANA, September 30, 2016、UPI, September 30, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合は29日にシリア領内で17回の爆撃を実施(2016年9月30日)

米中央軍(CENTCOM)は、9月29日のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は17回で、ブーカマール市近郊(1回)、ラッカ市近郊(3回)、ダイル・ザウル市近郊(4回)、マンビジュ市近郊(3回)、マーリア市近郊(5回)、ワスフィーヤ村近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

AFP, September 30, 2016、AP, September 30, 2016、ARA News, September 30, 2016、Champress, September 30, 2016、al-Hayat, October 1, 2016、Iraqi News, September 30, 2016、Kull-na Shuraka’, September 30, 2016、al-Mada Press, September 30, 2016、Naharnet, September 30, 2016、NNA, September 30, 2016、Reuters, September 30, 2016、SANA, September 30, 2016、UPI, September 30, 2016などをもとに作成。

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