ジャラーブルス市(アレッポ県)の統治をめぐってジャラーブルス市地元評議会とトルコが支援する武装集団が対立(2016年9月6日)

ジャラーブルス市地元評議会を名のる活動家が声明を出し、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が制圧したアレッポ県ジャラーブルス市内で、トルコ治安当局高官が連日連夜、ジャラーブルス市の統治を目的とする新たな地元評議会を発足させようとして、ジャラーブルス市地元評議会のメンバーに対して嫌がらせを行っていると批判した。

声明によると、ジャラーブルス市地元評議会は、住民によって選出された「唯一の正統な代表組織」であるにもかかわらず、トルコ治安当局は、ジャラーブルス市内の民族的な不和を助長し、同市をトルクメン人(トルコ系シリア人)の武装集団の影響下に置こうとしているという。

Kull-na Shuraka', September 7, 2016
Kull-na Shuraka’, September 7, 2016

**

トルコ軍の支援を受けて「ユーフラテスの盾」に参加している反体制武装集団のうち、スルターン・ムラード師団、山地の鷹旅団、ハムザ師団、タフリール軍、第13師団は、共同声明を出し、
ジャラーブルス市地元評議会による非難を否定、同評議会が「分離主義者の諸政党」とつながりがあると非難した。

「分離主義者」とは、クルディスタン労働者党(PKK)、西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党(PYD)を指し、この用語はトルコ政府がクルド民族主義勢力を批判する際に用いられる。

Kull-na Shuraka', September 7, 2016
Kull-na Shuraka’, September 7, 2016

AFP, September 7, 2016、AP, September 7, 2016、ARA News, September 7, 2016、Champress, September 7, 2016、al-Hayat, September 8, 2016、Iraqi News, September 7, 2016、Kull-na Shuraka’, September 7, 2016、al-Mada Press, September 7, 2016、Naharnet, September 7, 2016、NNA, September 7, 2016、Reuters, September 7, 2016、SANA, September 7, 2016、UPI, September 7, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県北部に進攻中のトルコ軍がダーイシュの攻撃を受け、兵士2人が死亡(2016年9月6日)

アレッポ県では、アナトリア通信(9月6日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)はラーイー村南部に進攻中のトルコ軍戦車部隊を砲撃し、トルコ軍兵士2人が死亡、5人が負傷した。

負傷した兵士5人はヘリコプターでトルコ領内に搬送された。

またARA News(9月6日付)によると、ダーイシュはまたラーイー村内の反体制武装集団の拠点に対して爆弾を仕掛けた車で特攻攻撃を行い、進攻を試みた。


AFP, September 6, 2016、AP, September 6, 2016、Anadolu Ajansı, September 6, 2016、ARA News, September 6, 2016、Champress, September 6, 2016、al-Hayat, September 7, 2016、Iraqi News, September 6, 2016、Kull-na Shuraka’, September 6, 2016、al-Mada Press, September 6, 2016、Naharnet, September 6, 2016、NNA, September 6, 2016、Reuters, September 6, 2016、SANA, September 6, 2016、UPI, September 6, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がアレッポ市南西部で支配地域を拡大するなか、反体制派はアレッポ市東部でシリア軍が塩素ガスを使用したと主張し対抗(2016年9月6日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市南部のズィヤーラ村を砲撃、戦闘機およびヘリコプターがアナダーン市、フライターン市を空爆する一方、ファトフ軍はウンム・カルア丘のシリア軍拠点を砲撃した。

シリア軍、ヒズブッラー戦闘員などシリア人・外国人の戦闘員はまた、アレッポ市ラームーサ地区と第1070集合住宅地区を結ぶ回廊一帯で、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、トルキスターン・イスラーム党、ウズベク人戦闘員と交戦した。

戦闘はアレッポ市南端のアーミリーヤ地区、ラームーサ地区にも及び、ARA News(9月6日付)によると、シリア軍はアレッポ市南端のアーミリーヤ地区を制圧した。

一方、クッルナー・シュラカー(9月6日付)、ARA News(9月6日付)などによると、民間防衛隊(いわゆる「ホワイト・へメット」など)アレッポ市内東部で活動を続ける反体制活動家らは、同市スッカリー地区でシリア軍が塩素ガスを装填した爆弾を投下し、80人以上が中毒症状を訴えたと主張した。

Kull-na Shuraka', September 6, 2016
Kull-na Shuraka’, September 6, 2016

シリア人権監視団が7日に発表したところによると、この攻撃で1人が中毒症状により死亡したという。

なお『ハヤート』(9月8日付)によると、シリア軍消息筋は塩素ガスの使用を否定している。

他方、SANA(9月6日付)によると、シリア軍がハーン・トゥーマーン村、マアッラーター村、カフルは村々、フライターン市でファトフ軍の拠点や車列を空爆した。

シリア軍はまたアレッポ市南西部郊外の士官学校一帯で反体制武装集団と戦闘を続けた。

これに対し、反体制武装集団は、アレッポ市アアザミーヤ地区を砲撃し、女性1人と子供2人を含む6人が死亡した。

このほか、イラク人民兵組織のヌジャバー運動広報局は、イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団のガーセム・ソレイマーニー司令官がアレッポ市南部郊外を訪問したと発表、その写真を公開した。

Kull-na Shuraka', September 6, 2016
Kull-na Shuraka’, September 6, 2016

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、マアルダス村一帯で、シリア軍、国防隊がジュンド・アクサー機構、イッザ軍などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月6日付)によると、シリア軍がマアルダス村内でファトフ軍と交戦、同村西部地区を奪還した。

シリア軍はまたハッターブ村北部のバティーシュ農場一帯も制圧、マアーン村一帯に進攻しようとした反体制武装集団を撃退した。

シリア軍航空部隊も、マアルダス村、スーラーン市、ハラファーヤー市、ラターミナ町、マアーン村北部、バッザーム丘、アースィー川一帯のファトフ軍拠点を空爆した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がガルナータ村を空爆市、2人が死亡した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市近郊のリーハーン農場を砲撃した。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がナブア・サフル村西方で反体制武装集団と交戦した。

**

イドリブ県では、SANA(9月6日付)によると、シリア軍がタマーニア町、アブー・ズフール町でファトフ軍の拠点を空爆した。

**

ダルアー県では、SANA(9月6日付)によると、シリア軍がダルアー市マハッタ地区などで反体制武装集団と交戦した。

AFP, September 6, 2016、AP, September 6, 2016、ARA News, September 6, 2016、Champress, September 6, 2016、al-Hayat, September 7, 2016、September 8, 2016、Iraqi News, September 6, 2016、Kull-na Shuraka’, September 6, 2016、al-Mada Press, September 6, 2016、Naharnet, September 6, 2016、NNA, September 6, 2016、Reuters, September 6, 2016、SANA, September 6, 2016、UPI, September 6, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス市東部油田地帯でシリア軍とダーイシュが交戦(2016年9月6日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマフル油田、ハイル油田、シャーイル油田一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区、スィヤーサ橋一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

一方、SANA(9月6日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市フワイジャト・サクル、ラシュディーヤ地区、ハウィーカ地区を砲撃し、4人が死亡した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン山地東部のバトラー地区一帯でダーイシュ(イスラーム国)を名のる武装集団とシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)が交戦した。

AFP, September 6, 2016、AP, September 6, 2016、ARA News, September 6, 2016、Champress, September 6, 2016、al-Hayat, September 7, 2016、Iraqi News, September 6, 2016、Kull-na Shuraka’, September 6, 2016、al-Mada Press, September 6, 2016、Naharnet, September 6, 2016、NNA, September 6, 2016、Reuters, September 6, 2016、SANA, September 6, 2016、UPI, September 6, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国連人権理事会調査委員会はシリア軍によるアレッポ市包囲を「国際人道法違反」と非難(2016年9月6日)

国連人権理事会のシリア独立調査委員会は、シリア軍によるアレッポ市東部地区の包囲によって、住民ら約60万人が人道支援物資を受け取ることができない状態にあると指摘、都市部の包囲を「国際人道法違反」だとしてシリア政府を非難、2月末に米・ロシアの合意のもとに発効した敵対行為停止合意の再発効を主唱するとともに、国連安保理に対して国際刑事裁判所への付託など適切な措置を講じるよう求めた。

AFP, September 6, 2016、AP, September 6, 2016、ARA News, September 6, 2016、Champress, September 6, 2016、al-Hayat, September 7, 2016、Iraqi News, September 6, 2016、Kull-na Shuraka’, September 6, 2016、al-Mada Press, September 6, 2016、Naharnet, September 6, 2016、NNA, September 6, 2016、Reuters, September 6, 2016、SANA, September 6, 2016、UPI, September 6, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

サウジアラビアのジュバイル外務大臣「向こう24時間で米露は停戦合意に達するだろうが、アサド政権はそれを遵守しないだろう」(2016年9月6日)

「シリアの友連絡グループ」(ロンドン11)閣僚級会合に出席するために英国を訪問中のサウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣は記者らに対して、「向こう24時間程度で相互理解に達する可能性があり、バッシャール・アサドが真摯に遵守するかどうかが試される」と述べ、アレッポ市での戦闘をめぐって停戦合意がなされる可能性を示唆した。

ジュバイル外務大臣はしかし、「アサドの歴史は、合意の実行という点で楽観できない」と付言し、停戦が持続することについては懐疑的な見方を示した。

AFP, September 6, 2016、AP, September 6, 2016、ARA News, September 6, 2016、Champress, September 6, 2016、al-Hayat, September 7, 2016、Iraqi News, September 6, 2016、Kull-na Shuraka’, September 6, 2016、al-Mada Press, September 6, 2016、Naharnet, September 6, 2016、NNA, September 6, 2016、Reuters, September 6, 2016、SANA, September 6, 2016、UPI, September 6, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

「シリアの友連絡グループ」閣僚級会合がロンドンで開催され、リヤド最高交渉委員会のヒジャーブ委員長が参加(2016年9月6日)

「シリアの友連絡グループ」(ロンドン11)閣僚級会合がロンドンで開催され、リヤド最高交渉委員会の委員長を務めるリヤード・ヒジャーブ元首相が参加し、移行期に向けた反体制派への支援策などについて協議した。

『ハヤート』(9月7日付)によると、会合では、①反体制派代表とシリア政府の代表による6ヶ月間の交渉の実施、②アサド大統領の退陣を要件とする18ヶ月間の移行期、③統一地方選挙、国会選挙、大統領選挙の実施、という3段階から編成されるリヤド最高交渉委員会の移行期間案について意見が交わされた。

会合には、サウジアラビア、トルコ、カタール、英国、フランス、イタリア、ヨルダン、UAE、ドイツ、EUの外相が出席した。

なお、ジョン・ケリー米国務長官はテレビ会議システムで会合に参加した。

また、エジプトは長らく「シリアの友連絡グループ」への参加を見合わせている。


AFP, September 6, 2016、AP, September 6, 2016、ARA News, September 6, 2016、Champress, September 6, 2016、al-Hayat, September 7, 2016、Iraqi News, September 6, 2016、Kull-na Shuraka’, September 6, 2016、al-Mada Press, September 6, 2016、Naharnet, September 6, 2016、NNA, September 6, 2016、Reuters, September 6, 2016、SANA, September 6, 2016、UPI, September 6, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.