シリア軍消息筋は停戦初日の12日に反体制派による停戦違反が多数発生したと発表(2016年9月12日)

SANA(9月13日付)は、シリア軍消息筋の話として、米・ロシアによる新停戦合意が発効した9月12日、多数の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はヒムス県(7件)、ハマー県(3件)、ラタキア県(3件)、ダマスカス郊外県(5件)、アレッポ県(複数件)で発生、そのほとんどが新停戦合意発効(午後7時)後だったという。

AFP, September 13, 2016、AP, September 13, 2016、ARA News, September 13, 2016、Champress, September 13, 2016、al-Hayat, September 14, 2016、Iraqi News, September 13, 2016、Kull-na Shuraka’, September 13, 2016、al-Mada Press, September 13, 2016、Naharnet, September 13, 2016、NNA, September 13, 2016、Reuters, September 13, 2016、SANA, September 13, 2016、UPI, September 13, 2016などをもとに作成。

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米・露による新停戦合意発効後、アレッポ市、イドリブ県で散発的戦闘続く(2016年9月12日)

米国・ロシアが19日に交わした新停戦合意が12日午後7時に発効した。

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アレッポ県では、SANA(9月12日付)によると、米国・ロシアによる新停戦合意が発効した午後7時以降、アレッポ市ザフラー協会地区、アルド・マッラーフ地区一帯に反体制武装集団が合意に違反するかたちで砲撃を加えた。

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イドリブ県では、ARA News(9月12日付)によると、米国・ロシアによる新停戦合意が発効した午後7時以降もシリア軍とファトフ軍が郊外各所で砲撃戦を続け、シリア軍による砲撃で複数の死傷者(地元活動家によると、死者10人、負傷者17人)が出た。

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新停戦合意発効を受け、英国、日本、イラクの外務省がそれぞれ声明を出し、合意に歓迎の意を示した。

AFP, September 12, 2016、AP, September 12, 2016、ARA News, September 12, 2016、Champress, September 12, 2016、al-Hayat, September 13, 2016、Iraqi News, September 12, 2016、Kull-na Shuraka’, September 12, 2016、al-Mada Press, September 12, 2016、Naharnet, September 12, 2016、NNA, September 12, 2016、Reuters, September 12, 2016、SANA, September 12, 2016、UPI, September 12, 2016などをもとに作成。

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トルコ軍はイドリブ県の国境地帯で女性1人を射殺(2016年9月12日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍国境警備隊がアイン・バイダー村近郊からトルコ領内に越境しようとした女性に発砲し、射殺した。

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トルコ軍参謀長は声明を出し、8月24日に反体制武装集団とともに開始した「ユーフラテスの盾」作戦により、アレッポ県ジャラーブルス市とラーイー村を結ぶ国境沿いのベルト地帯845平方キロメートルが制圧された、と発表した。

ARA News(9月12日付)が伝えた。

AFP, September 12, 2016、AP, September 12, 2016、ARA News, September 12, 2016、Champress, September 12, 2016、al-Hayat, September 13, 2016、Iraqi News, September 12, 2016、Kull-na Shuraka’, September 12, 2016、al-Mada Press, September 12, 2016、Naharnet, September 12, 2016、NNA, September 12, 2016、Reuters, September 12, 2016、SANA, September 12, 2016、UPI, September 12, 2016などをもとに作成。

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米・ロシアの新停戦合意発効直前までアレッポ市一帯、イドリブ県、クナイトラ県でシリア軍の爆撃、反体制武装集団との戦闘が続く(2016年9月12日)

シリア国内各所では、米・ロシアによる新停戦合意が発効する午後7時まで戦闘が続いた。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、県北部のハドル村一帯で、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)などからなる反体制武装集団と交戦を続けた。

この戦闘で、ヌスラ戦線側は、モロッコ人司令官を含む5人の戦闘員が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市サーフール地区、スッカリー地区、マイサル地区、サラーフッディーン地区、カーディー・アスカル地区、カーティルジー地区、サーリヒーン地区などを「樽爆弾」で空爆し、少なくとも7人が死亡、35人が負傷する一方、シリア政府支配下にあるサアドッラー・ジャービリー公園地区、ハムダーニーヤ地区が反体制武装集団の砲撃を受けた。

アレッポ市外では、戦闘機(所属明示せず)がアナダーン市、マアーッラト・アルティーク村を空爆した。

一方、SANA(9月12日付)によると、アレッポ市アバーラ地区、ザフラー町を反体制武装集団が砲撃し、1人が死亡、17人が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタマーニア町、ジスル・シュグール市、ビダーマー町を空爆し、1人が死亡した。

これに対して、ファトフ軍はフーア市を砲撃した。

また、クッルナー・シュラカー(9月12日付)によると、戦闘機(所属明示せず)がマアッラトミスリーン市を空爆し、13人が死亡した。

さらにロシア軍がイドリブ市を空爆し、女性1人と子供2人が死亡した。

一方、SANA(9月12日付)によると、反体制武装集団がフーア市、カファルヤー町を砲撃し、子供1人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市各所を地対地ミサイルと思われる砲弾で攻撃し、1人が死亡、民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット)隊員ら5人が負傷した(クッルナー・シュラカー(9月12日付)によると、5人が死亡、20人が負傷)。

またミスラーバー市が砲撃を受け、迫撃砲弾2発が着弾した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフルシャムス町北部のアンタル丘を「樽爆弾」で空爆、またアクラバー町を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカウカブ村各所を空爆した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がクルド山一帯で反体制武装集団と交戦を続けた。


AFP, September 12, 2016、AP, September 12, 2016、ARA News, September 12, 2016、Champress, September 12, 2016、al-Hayat, September 13, 2016、Iraqi News, September 12, 2016、Kull-na Shuraka’, September 12, 2016、al-Mada Press, September 12, 2016、Naharnet, September 12, 2016、NNA, September 12, 2016、Reuters, September 12, 2016、SANA, September 12, 2016、UPI, September 12, 2016などをもとに作成。

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「穏健な反体制派」、元「新シリア軍」参加組織、イスラーム過激派はアル=カーイダへの攻撃を認めないとして米・ロシアによる新停戦合意を拒否(2016年9月12日)

シャーム自由人イスラーム運動と、「穏健な反体制派」、元「新シリア軍」参加組織、ジハード主義武装集団など反体制武装集団21組織はそれぞれ声明を出し、米国・ロシアによる新停戦合意に関して、「国際社会には虐殺を停止し、国民に対する空爆や包囲を軽減する措置講じる能力はない」と批判、「我々の前に残された最後の選択肢は…政権およびその同盟者との戦闘を、銃弾と戦闘員が尽きるまで続けること」と発表し、戦闘を継続する意思を表明した。

声明ではまた、政権とともに戦う外国人民兵から完全に目を背け、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)を停戦から排除した新停戦合意をダブルスタンダードだと非難、ヌスラ戦線を標的とすることに拒否の姿勢を示した。

なお両声明の文言はまったく同じで、シャーム自由人イスラーム運動を除く21組織とは以下の通り。

シャーム軍団、ヌールッディーン・ザンキー運動、第1連隊、第101師団、ヒムス軍団、イスラーム軍、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、アンサール・イスラーム戦線、第13師団、ファトフ旅団、北部師団、シャーム戦線、イスラーム覚醒大隊、中部師団、「命じられるままに進め」連合、ナスル軍、タフリール軍、ザーウィヤ山の鷹旅団、イスラーム自由旅団、アサーラ・ワ・タンミヤ戦線、第313バドルの兵。

Kull-na Shuraka'. September 12, 2016
Kull-na Shuraka’. September 12, 2016
Kull-na Shuraka'. September 12, 2016
Kull-na Shuraka’. September 12, 2016
Kull-na Shuraka'. September 12, 2016
Kull-na Shuraka’. September 12, 2016

AFP, September 12, 2016、AP, September 12, 2016、ARA News, September 12, 2016、Champress, September 12, 2016、al-Hayat, September 13, 2016、Iraqi News, September 12, 2016、Kull-na Shuraka’, September 12, 2016、al-Mada Press, September 12, 2016、Naharnet, September 12, 2016、NNA, September 12, 2016、Reuters, September 12, 2016、SANA, September 12, 2016、UPI, September 12, 2016などをもとに作成。

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YPGは米・露の新停戦合意を受諾、先制攻撃を含むすべての戦闘行為を停止すると発表(2016年9月12日)

西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は声明を出し、12日日没に発効した米国・ロシアの新停戦合意に関して、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘に努力を集中させ、政治的移行に向けた雰囲気醸成に努めると表明、「先制攻撃」を停止するとしていたこれまでの姿勢を改め、「戦闘行為」を停止すると発表、合意を遵守する意思を示した。


AFP, September 12, 2016、AP, September 12, 2016、ARA News, September 12, 2016、Champress, September 12, 2016、al-Hayat, September 13, 2016、Iraqi News, September 12, 2016、Kull-na Shuraka’, September 12, 2016、al-Mada Press, September 12, 2016、Naharnet, September 12, 2016、NNA, September 12, 2016、Reuters, September 12, 2016、SANA, September 12, 2016、UPI, September 12, 2016などをもとに作成。

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シリア軍は米・露の新停戦合意を受諾、7日間戦闘を停止し、報復権行使を留保すると発表(2016年9月12日)

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、米国・ロシアが19日に交わした新停戦合意に準じて、9月12日19時から9月18日23時59分までの7日間の停戦に応じるとともに、この期間の武装集団からの停戦違反に対しては、報復権の行使を留保する、と発表した。

SANA(9月12日付)が伝えた。

AFP, September 12, 2016、AP, September 12, 2016、ARA News, September 12, 2016、Champress, September 12, 2016、al-Hayat, September 13, 2016、Iraqi News, September 12, 2016、Kull-na Shuraka’, September 12, 2016、al-Mada Press, September 12, 2016、Naharnet, September 12, 2016、NNA, September 12, 2016、Reuters, September 12, 2016、SANA, September 12, 2016、UPI, September 12, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はヒムス県東部、ダマスカス郊外県でダーイシュとの戦闘を続ける(2016年9月12日)

ヒムス県では、ARA News(9月12日付)によると、マフル油田一帯でシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(9月12日付)によると、シリア軍がジャラージール町郊外無人地帯でダーイシュ(イスラーム国)の支配地域に特殊作戦を実施し、戦闘員5人を殲滅した。

AFP, September 12, 2016、AP, September 12, 2016、ARA News, September 12, 2016、Champress, September 12, 2016、al-Hayat, September 13, 2016、Iraqi News, September 12, 2016、Kull-na Shuraka’, September 12, 2016、al-Mada Press, September 12, 2016、Naharnet, September 12, 2016、NNA, September 12, 2016、Reuters, September 12, 2016、SANA, September 12, 2016、UPI, September 12, 2016などをもとに作成。

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アサド大統領がダーライヤー市で犠牲祭の礼拝「我々はテロリストからすべての地域を奪還し、治安と安全を回復させる」(2016年9月12日)

アサド大統領は、ダマスカス郊外県ダーライヤー市にあるサアド・ブン・ムアーッズ・モスクでイスラーム教の犠牲祭(イード・アドハー)の集団礼拝に参加した。

集団礼拝には、シリア政府閣僚、バアス党幹部、イスラーム教法曹界重鎮らが参列した。

ダーライヤー市は8月25日に成立した停戦合意に基づき、市内で籠城を続けてきた武装集団はイドリブ県に退去、ないしは当局に投降、また住民はシリア政府が用意した仮設住宅に移転している。

SANA. September 12, 2016
SANA. September 12, 2016

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アサド大統領はまた閣僚らとダーライヤー市内を視察、同行した記者の質問に答えた(https://youtu.be/9q512BiEuPQ)。

アサド大統領の主な発言は以下の通り:

「今日のダーライヤー市訪問にはいくつもの大きな意味がある…。おそらくこの訪問は象徴的なものなのかもしれない。だが、それはシリア国民に向けたものではない。私とシリア国民、私とすべてシリア人は、危機発生当初から一つの状況下で暮らしてきた。我々は同じように事態を見てきし、同じように評価してきた。陰謀は明らかだった。外国の役割は明らかだった。手先、反逆者の役割は明らかだった」。

「テロリストが域内に入ってきたとき、我々は同じ感情を持った。住民が退去し、避難させられたときに、同じ感情を持った。軍がやって来て、地域を解放し、あるいは和解が成立し、住民が戻り、生活が戻り、インフラが復旧したときも同じで、我々は同じ感情を持った。私は今、シリアの市民にメッセージを送っているとは考えていない。このメッセージは、シリアに敵対する者たちに向けられていると考えている。最初の数日、数週間、数ヶ月でシリアが倒れると賭けた者、今でも、シリアに直接陰謀を企て、テロリストを支援している国、そしてもちろん外国の計画の一部になることを決心したシリア人の反逆者と手先たちに向けられている。つまり、この訪問はこうした者たちに向けられたものだ」。

「我々は国家としてこの地域に戻り、これらの者たちに対して、シリアという国家がテロリストからすべての地域を奪還し、治安と安全を回復させる意志があるというメッセージを伝えたい。復興し、インフラを普及し、人的物的なすべての被害を復興するという意志があるというメッセージを。今日ここに来たのは、危機当初にダーライヤー市などでこうした者たちが売り込もうとしていた偽りの自由を真の自由に置き換えるためだ。治安と安全の回復をもって開始され、復興を継続させ、国民の自決をもって完了する自由に。それは彼らが始めて、毎月彼らに与えられてきた数ドルの支払い、あるいはテロの到来…で終わるような自由ではない」。

「我々が今日ここに来たのは、その他すべてのシリア人とともに、この祝福された日に、「アッラーは偉大なり」という言葉を、うわべだけでなく、本当の意味で連呼するためだ。本当の意味というのは…、すべての天啓宗教に込められているもの、すなわち人間の尊厳…、慈愛、平和、安寧であり、尊厳の侮辱、殺戮、荒廃といった意味ではない」。

「我々はすべてのシリア人に和解に向かって進むよう呼びかけている…。このように話す時、私は、ほとんどのシリア人が愛国者で、武装集団が存在する地域で暮らすほとんどの人が祖国の胸のなかに戻りたいと願っていると考えている。もちろん国家に対する疑念、武装集団への恐怖もあろう…。しかし、とりわけ過去3年間の経験から皆が承知しているのは、国家がすべての言葉を守ってきたということだ…。国家はこれまでと同様にこれからも、その手を和解実現、流血停止に向けて伸ばし続ける。祖国の胸のなかに戻りたいと願う人々にそう呼びかけたい」。

SANA. September 12, 2016
SANA. September 12, 2016

 

AFP, September 12, 2016、AP, September 12, 2016、ARA News, September 12, 2016、Champress, September 12, 2016、al-Hayat, September 13, 2016、Iraqi News, September 12, 2016、Kull-na Shuraka’, September 12, 2016、al-Mada Press, September 12, 2016、Naharnet, September 12, 2016、NNA, September 12, 2016、Reuters, September 12, 2016、SANA, September 12, 2016、UPI, September 12, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合は9~11日の3日間でシリア領内で40回の爆撃を実施(2016年9月12日)

米中央軍(CENTCOM)は、9月9~11日までの3日間のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

9月9日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して16回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は10回で、シャッダーディー市近郊(1回)、ラッカ市近郊(4回)、ダイル・ザウル市近郊(4回)、マーリア市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

9月10日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して24回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は14回で、シャッダーディー市近郊(3回)、ラッカ市近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(8回)、マンビジュ市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

9月11日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は16回で、シャッダーディー市近郊(9回)、ラッカ市近郊(6回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

AFP, September 12, 2016、AP, September 12, 2016、ARA News, September 12, 2016、Champress, September 12, 2016、al-Hayat, September 13, 2016、Iraqi News, September 12, 2016、Kull-na Shuraka’, September 12, 2016、al-Mada Press, September 12, 2016、Naharnet, September 12, 2016、NNA, September 12, 2016、Reuters, September 12, 2016、SANA, September 12, 2016、UPI, September 12, 2016などをもとに作成。

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