アレッポ県で新たに二つの武装集団「スルターン・アブデュルハミト2世師団」と「マジド大隊」が結成(2018年6月12日)

アレッポ県で活動を続けていると思われる武装集団がビデオ声明を出し、総司令官はウマル・ハラール氏を総司令官とする新組織「スルターン・アブデュルハミト2世師団」を結成したと発表した。

武装集団は声明で、アレッポ市郊外、ハサカ県ラアス・アイン市一帯、ラタキア県トルコマン山一帯での活動に力点を置くと表明した。

al-Durar al-Shamiya, June 12, 2018


一方、また別の武装集団も「マジュド大隊」の名で新たな組織を結成すると発表した。

声明によると、アブドゥルカリーム・ジャースィム氏が司令官を、アフマド・ファットゥーフ氏が総司令官を務めるという。

al-Durar al-Shamiya, June 12, 2018

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(6月12日付)によると、スルターン・アブデュルハミト2世師団は、2017年9月にトルコのイニシアチブのもとに統合されたいわゆる「国民軍」(https://syriaarabspring.info/?p=42054)に参加していない武装集団からなり、マジド大隊は「国民軍」参加組織から構成されているという。

AFP, June 12, 2018、ANHA, June 12, 2018、AP, June 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2018、al-Hayat, June 13, 2018、Reuters, June 12, 2018、SANA, June 12, 2018、UPI, June 12, 2018などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県南東部でシリア軍とダーイシュの戦闘続くなか、ブーカマール市でシリア軍とヒズブッラーの緊張高まる(2018年6月12日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がT2(第2石油輸送ステーション)に近い砂漠地帯にあるシリア軍拠点複数カ所を攻撃した。

一方、『ハヤート』(6月13日付)は、複数の活動家および地元消息筋の話として、ブーカマール市の入口にヒズブッラーが設置していた検問所でシリア軍兵士複数人が拘束されたことを受け、ヒズブッラーとシリア軍の間に緊張が高まっていると伝えた。

AFP, June 12, 2018、ANHA, June 12, 2018、AP, June 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2018、al-Hayat, June 13, 2018、Reuters, June 12, 2018、SANA, June 12, 2018、UPI, June 12, 2018などをもとに作成。

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米主導の有志連合はハサカ県タッル・シャーイル村を爆撃し、住民10人あまりを殺害(2018年6月12日)

ハサカ県では、SANA(6月12日付)、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合が県南東部のタッル・シャーイル村を爆撃し、住民12人を殺害、2人を負傷させた。

なお、シリア人権監視団によると、死者は子供3人を含む民間人10人。

AFP, June 12, 2018、ANHA, June 12, 2018、AP, June 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2018、al-Hayat, June 13, 2018、Reuters, June 12, 2018、SANA, June 12, 2018、UPI, June 12, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はハサカ県北部のラターミナ町の反体制武装集団拠点を攻撃(2018年6月12日)

ハマー県では、SANA(6月12日付)によると、シリア軍がラターミナ町一帯で反体制武装集団の拠点に対する特殊作戦を行い、戦闘員4人を殺害、装備を破壊した。

AFP, June 12, 2018、ANHA, June 12, 2018、AP, June 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2018、al-Hayat, June 13, 2018、Reuters, June 12, 2018、SANA, June 12, 2018、UPI, June 12, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは10件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年6月12日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(6月12日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を10件(ラタキア県6件、アレッポ県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 12, 2018をもとに作成。

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UNHCRシリア難民担当調整官はイドリブ県に対するロシア・シリア軍が爆撃・砲撃に懸念を表明(2018年6月11日)

UNHCRのパノス・ムムツィス・シリア難民担当調整官はスイスのジュネーブで、イドリブ県に対してロシア・シリア軍が爆撃・砲撃をにわかに頻発化させていることに関して、250万人が「行く場もなく」取り残されていると懸念を示した。

ムムツィス調整官は、イドリブ県が、民間人や戦闘員が「押し寄せる地」(dumping ground)になっていると指摘、「最近の事態悪化が続けば、250万人がトルコ国境方面にさらに追い詰められるのではと本当に懸念している」と述べた。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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ハマースのハニーヤ政治局長「我々はシリア政府と断交していない。イランは重要な枢軸国だ」(2018年6月11日)

パレスチナのハマースのイスマーイール・ハニーヤ政治局長はスプートニク・ニュース(6月11日付)のインタビューに応じ、「ハマースはシリア国内の問題に関与したくはなかった…。客観的な状況のなかで、現下のハマースとシリア政府との関係がもたらされた」と述べた。

ハニーヤ政治局長は「我々はシリア(政府)と断交はしていない。だが、客観的な状況が現下の関係をもたらしたのだ。我々はシリアを姉妹国とみなしており、その国民、そして政権は常に、パレスチナの権利に寄り添っている」と述べた。

ハニーヤ政治局長はまた「我々はただ、シリア国内の問題に関与したくなかっただけだ…。シリアで治安、安定、市民の平和が戻ることを、そして地域において民族主義的な役割を回復することを望んでいる」と述べた。

一方、イランに関しては「地域における重要な枢軸国だ。我々とイランの関係には戦略的な次元もある。イランは我らがパレスチナ人民とその勇敢な抵抗のために多くを提供してくれた。我々はイランとの今の関係が特別で進歩的な段階にあると言える」と述べた。

アラブ諸国の対立をめぐっては「我々は(アラブ諸国)全体の大義を担っている。その大義とはパレスチナの大義で、みなからそれを支援してもらう必要がある…。だから、我々はエジプトと協力な関係を築きながら、カタールやイランとも強い関係を維持している。我々は…パレスチナの権利を支持したいと考えるいかなる国とのいかなる関係も排除しない…。もちろん、それは困難なバランスを必要とする。だが、それは可能で、そうしなければならない。我々は地域における対立から身を遠ざけ、我々の大義をめぐってアラブ・イスラーム世界の合意が実現することを希望している」と述べた。

al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、Sputnik News, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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バーブ市に続いてアフリーン市一帯でもアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動とスルターン・ムラード師団が交戦(2018年6月11日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月11日付)によると、アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動(シリア解放戦線)とスルターン・ムラード師団(自由シリア軍)が、トルコの実質占領下にある県北西のアフリーン市近郊のカフルジャンナ村近郊で激しく交戦し、双方の戦闘員複数が負傷した。

アフリーン郡の複数の活動家によると、この戦闘で、シャーム自由人イスラーム運動はスルターン・ムラード師団の戦闘員4人を拘束した。

この4人は、負傷者を搬送中に検問所で拘束されたという。

これに対して、スルターン・ムラード師団もシャーム自由人イスラーム運動の戦闘員多数を捕捉した。

なお、シャーム自由人イスラーム運動とスルターン・ムラード師団は、最近になって県北東のバーブ市でも交戦している。

バーブ市での戦闘は、シャーム自由人イスラーム運動と、北部旅団、東部自由人連合、そしてスルターン・ムラード師団によるものだった。

ANHA, June 11, 2018

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アレッポ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)に近いANHA(6月11日付)によると、トルコ軍部隊がアフリーン郡シーラーワー町近郊のカッバーシーン村で住民5人をブルジュ・カース村で4人を拘束した。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会議長「アサド政権と直接交渉を開始する用意がある」(2018年6月11日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会のイルハーム・アフマド共同議長は、ANHA(6月11日付)に対して、「戦争や軍事的選択肢はシリア危機の解決をもたらさない」としたうえで、「我々は当初から、そして今も、政権と直接交渉を開始する用意があると言ってきた」と述べた。

アフマド共同議長は「もし政権に(交渉)開始の準備が実際にできているのなら」、交渉に応じると明言、「我々は、政治的解決のみが、シリアの領土の統一性性を維持し、戦争を終わらせ、分権的で民主的なシリアを建設するための唯一の選択肢である」と強調した。

ANHA, June 11, 2018

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西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の傘下で活動するジャラーブルス軍事評議会(アリー・ハッジュー報道官)は声明を出し、アレッポ県北部でのトルコおよびその支援を受ける「傭兵」の敵対行為を非難、トルコの占領に改めて拒否の意を示すとともに、国際社会に対して、同地からトルコを撤退させるため圧力をかけるよう求めた。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がイドリブ県フーア市、カファルヤー町を攻撃(2018年6月11日)

イドリブ県では、SANA(6月11日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団が包囲を続けるフーア市、カファルヤー町が攻撃を受け、2人が負傷した。

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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月11日付)によると、アブー・アマーラ特殊任務中隊がスカイラビーヤ市とカルアト・マディーク町を結ぶ街道に爆弾を仕掛け、シリア軍の車輌1台を破壊し、兵士複数人を殺傷したことを明らかにした。

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ダマスカス郊外県では、ディマシュク・アーン(6月11日付)によると、クタイファ市郊外のシリア軍拠点にある武器庫が爆発した。

爆発は気温上昇によるものと思われる。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、Dimashq al-An, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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米主導の有志連合はハサカ県南東部の村を爆撃し18人を殺害、ダーイシュはダイル・ザウル県でYPG主体のシリア民主軍を襲撃(2018年6月11日)

ハサカ県では、SANA(6月11日付)によると、米主導の有志連合がシャッダーディー市南東のフワイビーラ村にある学校を爆撃し、18人を殺害した。

死亡したのは、イラクからの避難民で、そのほとんどが女性と子供だった。

一方、ANHA(6月11日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がシャッダーディー市東部でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討戦を続け、タリーファーウィー村、アブドゥルアール村を制圧した。

このほか、シャッダーディー市近郊で爆弾が爆発し、7歳の子供が大やけどを負った。

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ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(6月11日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がスワイダーン・ジャズィーラ村を襲撃し、同地に進駐していた西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員8人を殺害した。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、Euphrates Post, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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ロシア当事者和解センター「ヨルダンのラクバーン難民キャンプは武装集団の避難所と化しており、そのなかにはダーイシュ戦闘員もいる」(2018年6月11日)

ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターは、ヨルダン北東部のシリア国境に近いルクバーン難民キャンプに関して、「シリア各地から逃れた武装集団の避難所と化しており…そのなかにはダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員も含まれている」と指摘した。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 11, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省発表:米占領下のタンフ国境通行所からタドムル市方面に侵攻しようとした武装集団をシリア軍が撃退(2018年6月11日)

ロシア国防省は、ロシア軍の航空支援を受けたシリア軍部隊が、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県タンフ国境通行所一帯から、UNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡群を擁するタドムル市方面に侵攻しようとした反体制武装集団を撃退、戦闘員5人を殺害、車輌1台、バイク1台を破壊したと発表した。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 11, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:米国が支援する「テロ集団」はダイル・ザウル県でシリア軍に疑いをかけるため新たな化学兵器攻撃を計画している(2018年6月11日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、報道声明を出し、米軍特殊部隊の支援を受ける「テロ集団」(反体制武装集団)が、ダイル・ザウル県のジャフラ村に塩素ガスが入ったボンベ複数本を搬入し、シリア軍に嫌疑をかけるため、新たな化学兵器攻撃を画策しているとの情報を得たと発表した。

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これに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(6月11日付)は、複数の活動家の話として、ロシアのこうした警告は、シリア軍が最近になってダイル・ザウル県南東部の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)に苦戦を強いられているなか、シリア軍による化学兵器攻撃が行われる可能性が高まっていることをと示している、と伝えた。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 11, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは3件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年6月11日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(6月11日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(ラタキア県2件、アレッポ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 11, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合は6月1日~6月10日までの10日間でシリア領内で132回の爆撃を実施(2018年6月11日)

米中央軍(CENTCOM)は、6月1日~6月10日の10日間でのシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

6月1日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し9回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は9回で、ブーカマール市近郊(4回)、シャッダーディー市近郊(5回)に対して行われた。

6月2日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し9回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は8回で、ブーカマール市近郊(6回)、シャッダーディー市近郊(2回)に対して行われた。

6月3日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し28回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は28回で、ブーカマール市近郊(22回)、シャッダーディー市近郊(6回)に対して行われた。

6月4日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し17回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は17回で、ブーカマール市近郊(15回)、シャッダーディー市近郊(2回)に対して行われた。

6月5日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し12回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は12回で、ブーカマール市近郊(7回)、シャッダーディー市近郊(5回)に対して行われた。

6月6日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し17回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は17回で、ブーカマール市近郊(11回)、シャッダーディー市近郊(6回)に対して行われた。

6月7日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し12回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は12回で、ブーカマール市近郊(9回)、シャッダーディー市近郊(3回)に対して行われた。

6月8日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し11回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は11回で、ブーカマール市近郊(6回)、シャッダーディー市近郊(3回)に対して行われた。

6月9日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し15回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は14回で、ブーカマール市近郊(6回)、シャッダーディー市近郊(8回)に対して行われた。

6月10日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し6回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は6回で、ブーカマール市近郊(4回)、シャッダーディー市近郊(2回)に対して行われた。

CENTCOM, June 11, 2018をもとに作成。

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国連のグテーレス事務総長は7日のロシア軍によるとされるイドリブ県ザルダナー村への攻撃に関して「完全な調査を行い、責任の所在を明確に」するよう呼びかける(2018年6月10日)

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、7日のイドリブ県ザルダナー村に対するロシア軍によると思われる爆撃に「深い懸念」を表明し、「一度目の爆撃に対処しようとしていた人々に対して2度目の爆撃が行われたとされる攻撃に対する完全な調査を行い、責任の所在を明確にする」よう呼びかけた。

ザルダナー村では、7日のロシア軍によるとされる爆撃で、51人が死亡、80人以上が死亡した(『ハヤート』(6月9日付)報道)。

だが、ロシア国防省は8日、イドリブ県ザルダナー村をロシア軍が爆撃したとのホワイト・ヘルメットの情報はウソで、爆発はシャーム解放機構とイスラーム軍の戦闘によるものと反論していた。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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ダーイシュがダイル・ザウル県でYPG主体のシリア民主軍に自爆攻撃を敢行し、2人を殺害(2018年6月10日)

ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(6月11日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がハワーイジュ村にある西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の検問所に対して自爆攻撃を行い、シリア民主軍戦闘員2人が死亡、複数が負傷した。

また、ムハイミーダ村、ヒサーン村、ジャラーミダ村のシリア民主軍も「何者か」の攻撃を受けて、6人が負傷した。

AFP, June 11, 2018、ANHA, June 11, 2018、AP, June 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2018、Euphrates Post, June 11, 2018、al-Hayat, June 12, 2018、Reuters, June 11, 2018、SANA, June 11, 2018、UPI, June 11, 2018などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダと目されているシャーム解放機構のジャウラーニー指導者「東グータ地方、ヒムス県から戦闘員がやって来たことで力が倍増し、ジハードと革命の精神が復活するだろう」(2018年6月10日)

シリアのアル=カーイダと目されているシャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者は、同機構の広報機関であるアムジャード機構を通じてビデオ声明を出し、ロシア、トルコ、イランを保障国とするアスタナ会議を拒否し、これを妨害すると表明した。

Youtube, June 10, 2018
Youtube, June 10, 2018

ジャウラーニー氏はビデオ声明のなかで「我々はアスタナを拒否し、さまざまな方法でこれを妨害しようとしてきた。我々は4ヶ月にわたり、線路の東側(イドリブ県東部)で戦ってきた」としたうえで、「アスタナ会議に参加する諸派は、偽りの正当性に染まっている。彼らのなかには、自分達を欺くことを楽しむ者もいるし、何が起きているか承知していない者もいる」と批判した。

一方、ダマスカス郊外県やヒムス県からシリア北部に敗走した反体制武装集団については「東グータ、ヤルムーク・キャンプ、ヒムス、カラムーンからこの地域に部隊がやって来たことで、力は倍増した」と評価、「この地域にある力は、各地を奪還するうえでの基礎となり、ジハードと革命の精神を復活させ…、それはダマスカスの中心にまで至るだろう」としている。

AFP, June 10, 2018、ANHA, June 10, 2018、AP, June 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2018、al-Hayat, June 11, 2018、Reuters, June 10, 2018、SANA, June 10, 2018、UPI, June 10, 2018などをもとに作成。

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トルコ諜報機関がシリア北部で反体制派の治安機関高官やメディア関係者を拘束(2018年6月10日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月10日付)によると、トルコの諜報機関が、県北部のマーリア市で、同市の治安局長のバシール・ハッジー氏、アフリーン広報センターの創設者であるサラーフ・サーフィー氏を拘束し、拘置所に連行した。

トルコの諜報機関はまた、アフリーン広報センター所長のアブー・マジド・クームラ氏を国境で拘束している。

al-Durar al-Shamiya, June 10, 2018

AFP, June 10, 2018、ANHA, June 10, 2018、AP, June 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2018、al-Hayat, June 11, 2018、Reuters, June 10, 2018、SANA, June 10, 2018、UPI, June 10, 2018などをもとに作成。

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ロジャヴァ支配下のラッカ市でYPG主体のシリア民主軍が乗ったバスが爆発し、1人死亡(2018年6月10日)

ラッカ県では、バスニュース(6月10日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)の支配下にあるラッカ市で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が乗ったバスに仕掛けられていた爆弾が爆発し、1人が死亡、4人が負傷した。

AFP, June 10, 2018、ANHA, June 10, 2018、AP, June 10, 2018、Basnews, June 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2018、al-Hayat, June 11, 2018、Reuters, June 10, 2018、SANA, June 10, 2018、UPI, June 10, 2018などをもとに作成。

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トルコがシリア国境沿いのシリア領内で建設を進めてきた防護壁(総延長711キロ)が完成(2018年6月10日)

トルコの住宅開発機構(TOKI)のアルグン・トゥラン局長は、トルコ・シリア国境沿いのシリア領内で建設が進められていた防護壁が完成したことを明らかにした。

防護壁の総延長は711キロメートル。

al-Durar al-Shamiya, June 10, 2018

トルコ政府は、密輸や違法な出入国を抑止するため、全長826キロからなる防護壁建設計画を策定、2015年から建設を進めてきた。

なお、シリア・トルコ国境の全長は911キロに及ぶ。

アナトリア通信(6月10日付)が伝えた。

AFP, June 10, 2018、Anadolu Ajansı, June 10, 2018、ANHA, June 10, 2018、AP, June 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2018、al-Hayat, June 11, 2018、Reuters, June 10, 2018、SANA, June 10, 2018、UPI, June 10, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍の傘下で活動するバーブ軍事評議会はトルコによるシリア北部占領に反対(2018年6月10日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の傘下で活動するバーブ軍事評議会(ジャマール・アブー・ジュムア総司令官)は声明を出し、アレッポ県北部のバーブ市一帯でのトルコおよびその支援を受ける「傭兵」の敵対行為を非難、トルコの占領に改めて拒否の意を示すとともに、国際社会に対して、同地からトルコを撤退させるため圧力をかけるよう求めた。

ANHA, June 10, 2018

AFP, June 10, 2018、ANHA, June 10, 2018、AP, June 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2018、al-Hayat, June 11, 2018、Reuters, June 10, 2018、SANA, June 10, 2018、UPI, June 10, 2018などをもとに作成。

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トルコの実質管理下にあるイドリブ県北部でシリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構がダーイシュ・メンバーにオレンジ色の囚人服を着せて首を切断し処刑(2018年6月10日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバー3人にオレンジ色の囚人服を着せて首を切断して、処刑した。

処刑されたダーイシュのメンバーは、「ダーイシュ・イドリブ州」を名乗るグループで、シャーム解放機構は、4日のサルキーン市郊外のカフルヒンド村に対するダーイシュの襲撃への報復として処刑を行ったという。

カフルヒンド村では、ダーイシュとシャーム解放機構が交戦し、双方に27人の死者(うちシャーム解放機構のメンバーは5人)が出たという。

シャーム解放機構はこのほかにも、ダーイシュに所属し、スリーパー・セルを作っていたとして6人を処刑したという。

なお、ANHA(6月10日付)は、最近になってトルコの実質占領下にあるイドリブ県内の地域でダーイシュが勢力を盛り返していると伝えている。

ANHA, June 10, 2018

AFP, June 10, 2018、ANHA, June 10, 2018、AP, June 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2018、al-Hayat, June 11, 2018、Reuters, June 10, 2018、SANA, June 10, 2018、UPI, June 10, 2018などをもとに作成。

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シリア軍は、トルコの実質管理下にあるイドリブ県北部で活動を再び活発化させるシャーム解放機構に対して激しい爆撃・砲撃を加える(2018年6月10日)

イドリブ県では、シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(6月9日付)などによると、ダーライヤー中隊連合、アフラール軍、ウズベク人戦闘員、トルキスタン人戦闘員など(『ハヤート』(6月11日付)によるとシャーム解放機構)が9日深夜、シリア政府支配下にあるフーア市、カファルヤー町にあるシリア軍および親政権民兵の拠点複数カ所を襲撃した。

これに対する報復として、シリア軍戦闘機が、シャーム解放機構などの反体制武装集団が支配する県北部のビンニシュ市、ラーム・ハムダーン村トゥウーム村、マアッラト・ミスリーン市を爆撃し、女児1人を含む3人が死亡した。

シリア軍はまた、県南部のタフタナーズ市、カニーサト・バニー・イッズ村、アリーハー市、を砲撃し、タフタナーズ市では子供3人を含む9人が死亡、タフタナーズ市内の病院が利用不能となった。

またこれらの爆撃・砲撃で29人が負傷した(ドゥラル・シャーミーヤによると、爆撃・砲撃による死者は子供3人を含む11人)。

al-Durar al-Shamiya, June 10, 2018

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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月10日付)によると、シリア軍が県西部のガーブ平原のアンカーウィー村とクライディーン村を結ぶ街道一帯で活動する第一沿岸師団の車輌をコルネット・ミサイルで攻撃し、戦闘員12人を殺害した。

第一沿岸師団は、トルコが後援するシャーム軍団、シャーム解放機構と共闘するナスル軍、自由イドリブ軍などからなる国民解放戦線に参加している。

またシリア軍も、ハークーラ村にはる武装集団拠点を砲撃した。

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クナイトラ県では、SANA(6月10日付)によると、反体制武装集団が、カルーム・ハムリーヤ地区、ジャッバー村の農地数十ドゥーナムを焼き討った。

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ダルアー県では、『ハヤート』(6月11日付)によると、フラーク市で爆弾が爆発し、1人が負傷した。

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『ハヤート』(6月11日付)は、シリアのパレスチナ人のための行動グループなど複数の市民団体の情報として、シリアの治安当局が、ヒムス市内で医療スタッフ多数を拘束したと伝えた。

拘束の理由は明らかではないが、治安当局は、ヒムス市近郊のアーイディーン・パレスチナ難民キャンプのビーサーン病院などに対して強制捜査を行い、医療スタッフを拘束したという。

AFP, June 10, 2018、ANHA, June 10, 2018、AP, June 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2018、al-Hayat, June 11, 2018、Reuters, June 10, 2018、SANA, June 10, 2018、UPI, June 10, 2018などをもとに作成。

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スプートニク・ニュース:ロシアの企業150社以上が近くシリアで復興事業に着手(2018年6月10日)

スプートニク・ニュース(6月10日付)は、ロシアの実業家からなる使節団が首都ダマスカスを訪問し、人工衛星、穀物サイロ建設、工業、教育センター、ラタキア港港湾施設などの復興支援プロジェクト多数を受注したと伝えた(https://arabic.sputniknews.com/russia/201806091032978595-%D8%B4%D8%B1%D9%83%D8%A7%D8%AA-%D8%B1%D9%88%D8%B3%D9%8A%D9%89-%D8%B3%D9%88%D8%B1%D9%8A%D8%A7-%D8%A5%D8%B9%D8%A7%D8%AF%D8%A9-%D8%A5%D8%B9%D9%85%D8%A7%D8%B1-%D9%82%D9%85%D8%B1-%D8%A7%D8%B5%D8%B7%D9%86%D8%A7%D8%B9%D9%8A/)。

スプートニク・ニュースは、都市、空港、港湾建設、石油、農業、衣類、地質調査、採掘関連の企業158社かるロシアの「クベト」(كوبيت)グループの代表を務めるラスラーン・ミルザー・ガニーフ(رسلان مرزا غنيف)氏らシリアを訪れたロシアの実業家を取材、ガニーフ氏によると、多くのシリア人実業家がロシアを訪問、モスクワ商業会議所との間で多数の事業の着工について合意したという。

また、ロシアの実業家の使節団は今回のシリア訪問で複数の閣僚(石油鉱物資源大臣、運輸大臣、情報大臣ら)や高官と会談し、正式な契約締結に向け、その草案の準備をすることでシリア側と合意に達したという。

AFP, June 10, 2018、ANHA, June 10, 2018、AP, June 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2018、al-Hayat, June 11, 2018、Reuters, June 10, 2018、SANA, June 10, 2018、UPI, June 10, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは9件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年6月10日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(6月10日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(ラタキア県6件、アレッポ県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 10, 2018をもとに作成。

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アサド大統領が英日刊紙『メール・オン・サンデー』のインタビューに応じる:「シリアで戦争を始めたのは西側だ。西側がテロリストを支援してきた」(2018年6月9日)

アサド大統領が英日刊紙『メール・オン・サンデー』(6月9日付)(http://www.dailymail.co.uk/news/article-5825159/Syrian-President-Assad-brands-gas-attacks-fake-news.html)のインタビューに応じた。

インタビューは英語で行われ、SANAが英語全文(https://sana.sy/en/?p=139864)とアラビア語全訳(https://www.sana.sy/?p=765582)を配信した。

SANA, June 9, 2018

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

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(ロシアは、英国が4月のダマスカス郊外県東グータ地方での化学兵器攻撃疑惑事件を捏造したホワイト・ヘルメットを支援していると非難しているが、こうした主張を本当だと考えているか、との問いに対して「絶対に、疑う余地はない…。英国とフランスは米国の政治的衛星だ。英国はアル=カーイダ、すなわちヌスラ戦線(シャーム解放機構)の一派であるホワイト・ヘルメットをシリア各地で公然と支援している…。我々はホワイト・ヘルメットが英国のPR行為だと考えている…。それ(東グータ地方での化学兵器攻撃疑惑事件)は米英仏がお膳立てした。英国は関与している」。

(シリアでの人道危機に対処するための米英仏の軍事介入は国際法上認められないと考えているか、との問いに対して)「彼女(テレーザ・メイ英首相)の発言に従えば、2003年にイラクに違法に攻撃を行った英国と米国を…、世界のどの政府であっても攻撃する権利があるということになる。これが第1だ。第2に、彼ら(欧米諸国首脳)はウソをついている。彼らは自国の世論に何の証拠も示していない…。地元住民は化学兵器について…「化学兵器攻撃を目にしなかった。攻撃は起こらなかった」と言っている。ウソだったのだ…。英国はまず、攻撃が行われたことを証明しなければならない。そのうえで、誰が関与していたのかを証明しなければならない。もちろん事件は起こっていないのだが」。

「世界中からジハード主義者を助けようと戦闘員がやって来ている。英国人戦闘員を生け捕りにしたなどとは言うつもりはない。ほとんどの戦闘員は死んだ。彼らは死ぬためにここにやって来た。そうすれば天国に行けるというのが彼らのイデオロギーなのだ」。

(英諜報機関から何らかの理由であれ、コニュニケーションを取ろうとする試みはあったか、との問いに対して)「ない。ただ、欧州のさまざまな諜報機関とはコミュニケーションを取ってはきた。だが、どれも真面目に対応しようとはしないので、最近になって止めた」。

(米英と露の対シリア政策の違いに関して)「大きく異なっている。ロシアはシリア政府によって招かれ、合法的にシリアにいる。イランも同じだ。対する、米国、そして英国は違法で、侵略をしている。シリアの主権を侵害しているのだ」。

「西側の指導者は、自分達と意見の異なる者、国、政府、人格を認めない…。シリアの政治的姿勢は自立したもので、我々は自らの国益のために行動している。操り人形ではない。だが、彼らはこの現実を認めようとしない。西欧のシリアに対する態度とは「我々はこの政府を変えねばならない、この大統領を悪魔化しなければならない、なぜなら我々の政策に合わないからだ」というものだ…。そのためにウソをつき、化学兵器について云々し、悪い大統領が善良な国民を殺しているなどと言う…。こうしたウソは、体制転換という目的のためなのだ…。これは植民地主義的な政策なのだ…。西側はこうした政策を変えようとはしない。19世紀、そして20世紀初頭の古いかたちの植民地主義は…今は隠蔽され、新しいマスク、いろいろなマスクを纏っている」。

(ドナルド・トランプ米大統領、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン国王らと比較して、自分はにわかに良く見えるようになっているか、との問いに対して)「私は自分を人と比較しない。なぜなら、自分を客観的に判断できないからだ。だから、そういう質問は他の人にする方がよい」。

「我々は(地政学的な)活断層に位置している…。なぜなら、世界中への影響を見てみればよい。西側がシリアで混乱を助長したことで、世界中にテロが拡散した…。難民危機が欧州を襲った。5年前に私が言ったように、シリアが活断層に位置しているからだ」。

「我々はロシア、イランの支援を受けて、ISIS(ダーイシュ(イスラーム国))と戦う主要な当時者だ…。米国が主導する西側の軍事同盟について言及したいのなら、これらこそがISISを支援してきた。ISISを攻撃し、あるいはISISから攻撃を受けるシリア軍を攻撃してきたからだ」。

(西側がシリアを孤立させようとしていることに関して)「国を孤立させるという発想は間違っている…。現代の政治において、そして古来の政治においても、コミュニケーションが必要だ。ある国を孤立させると、その国の現実から自らを隔絶することになる。政治的に盲目的になってしまう」。

「悪い大統領が良い国民を殺していて、この大統領がパーリアだという理由で世界中が彼に反対している…。こういう話を読者は信用すると思いますか…? こうした話は論理的ではいし、現実的でもない。国民が支持しているから、大統領はその地位に留まっている。なのに、どうして国民を殺戮しながら、支持してもらえるというのか…? 我々はテロリストと戦っているのであって、彼らは英国政府、フランス政府、米政府、そしてその操り人形たちの支援を受けているのだ…。我々はこうしたテロリストと戦うということで世論から支持されている。だから我々は成果を得ているのだ。ロシアやイランが支援しただけで、成果は得られない。ロシアとイランが国民の支持の代わりをすることなどできない」。

(シリア人数十万人が殺され、投獄されていることに関して)「もちろん、戦争の話をしているのだから。良い戦争などない。平和的な戦争もない。戦争は悪いことだからだ。戦争の話をすると、どこであれ当然の帰結として、死や流血が生じる。しかし、問題は、誰がこの戦争を始めたのか、誰がこの戦争を支持しているのか、ということだ。それは西側だ。西側が戦争を始め、テロリストを支援してきた…。西側はアル=カーイダを支援してきた。殺戮があると言うだけでは充分ではないのだ…。何よりもまず、西側に責任があるのだ」。

(自分自身の責任に関して)「シリアで起きていることの責任はシリア人にあるが…、それはシリア人の問題だ。西側とそのことを議論することはない。シリアで誰に責任があるのかを云々する役割は西側にはない…。我々がそれを決めるのだ」。

(ロシアがシリアの政策を決定しているのか、との問いに対して)「ロシアの政策、振る舞い、価値観は干渉や支配とは無縁だ…。意見の相違はあるが、ロシアとの関係は良好だ…。シリアで起きていること、そしてこれから起きることについて唯一決定を下すのはシリアだ」。

(ロシアがイスラエルのシリア爆撃を黙認していることに関して)「ロシアはシリアに敵対する者と連携はしない」。

「(米軍をシリアで排除するため、直接戦おうとしているか、との問いに対して)「ここは我々の土地であり、その解放は我々の義務だ。それは政治的立場ではなく、国としての義務なのだ」。

「私はいつも、この紛争を解決するのに1年もかからない、と言ってきた。それ自体は複雑ではないからだ。だが、複雑にしているのは外国の干渉だ。我々が成果を達成すればするだけ、テロリストは西側の支援を受けるようになる」。

(2021年の大統領選挙に出馬するか、との問いに対して)「そのことを話すのは時期尚早だ…。3年先に我々の国がどうなっているのかなど誰にも知ることはできない。ただ、私が出馬する場合は、二つの要因が必要となる。第1に、意思つまり(大統領としての)責任を負うという個人としての意思、そして第2に、もっとも重要なこととしてシリア国民の意思だ」。

(好きなサッカーチームは、との問いに対して)「私が好きなチームは、テロリストと戦うシリア軍だ」。

AFP, June 9, 2018、ANHA, June 9, 2018、AP, June 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2018、al-Hayat, June 9, 2018、Reuters, June 9, 2018、SANA, June 9, 2018、UPI, June 9, 2018などをもとに作成。

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アレッポ県南部で、トルコの支援を受けるシャーム軍団などからなる国民解放戦線、シャーム解放機構がシリア軍と交戦(2018年6月9日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月9日付)によると、トルコの支援を受けるシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団やシャーム解放機構と共闘する自由イドリブ軍、ナスル軍などからなる国民解放戦線が、県南部のタッル・タウィール村一帯でシリア軍と交戦した。

一方、シリア人権監視団によると、県南部のザンマール町、ジャズラーヤー村一帯でシリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が激しく交戦した。

シリア軍はまた、タディール村一帯、マンスーラ村一帯を砲撃した。

AFP, June 9, 2018、ANHA, June 9, 2018、AP, June 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2018、al-Hayat, June 9, 2018、Reuters, June 9, 2018、SANA, June 9, 2018、UPI, June 9, 2018などをもとに作成。

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国民解放戦線はインファグラフィアで参加組織、組織体系、展開地域を明示(2018年6月9日)

国民解放戦線はツイッターのアカウント(https://twitter.com/alwataniatahrer)を通じて参加組織、組織体系、展開地域を示すインフォグラフィアを公開した。

Twitter

このインフォグラフィアによると、国民解放戦線は10組織(5月28日の声明では11組織とされていた)からなり、ファドルッラー・ハッジー総司令官(大佐)、スハイブ・ルユーシュ副司令官(中佐)、ムハンマド・マンスール参謀長(少佐)および参加組織の司令部メンバーによって構成される司令評議会によって統括され、戦闘員5万人以上を擁し、イドリブ県、ハマー県、ラタキア県、アレッポ県で活動しているという。

参加組織は以下の通り:

シャーム軍団、自由イドリブ軍、第1沿岸師団、第2沿岸師団、第1歩兵師団、第2軍、精鋭軍、ナスル軍、ダーライヤー・イスラーム殉教者旅団、自由旅団、第23師団。

AFP, June 9, 2018、ANHA, June 9, 2018、AP, June 9, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2018、al-Hayat, June 9, 2018、Reuters, June 9, 2018、SANA, June 9, 2018、UPI, June 9, 2018などをもとに作成。

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